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○医療法上の疑義について
(昭和五〇年二月一日)
(医第二二五〇号)
(厚生省医務局長あて大阪府衛生部長照会)
最近A医師から人工腎臓透析液を製造するB薬品工業株式会社が自社所有地に建設し整備した建物と附属設備とを同社から賃借し、診療所を開設したい旨の申出がありましたが、医療法上疑義が生じましたので左記事項について至急御教示下さるよう照会します。
記
1 A医師が別紙のとおり診療所開設届及び構造設備使用許可申請書を提出した場合、知事がその届を受理し構造設備について使用許可を与えることは医療法第七条第四項の主旨からみて適当か否か。
また当該開設しようとする診療所の医療従事者数は、その設置する病床数及びいわゆる人工腎臓ベッド数からみて適当な数であるか否か。
2 外来患者の透析治療を午後十二時までに終了し、その後引き続き翌朝までそのまま仮眠させ若しくは当該患者をその診療所の回復室に収容する場合又は午後十二時を超えて翌朝まで当該患者の透析治療を行う場合には、これらの患者は、医療法に規定する入院患者となるか否か並びにこれらの患者が使用する回復室又はいわゆる人工腎臓ベッドは同法に規定する病床の範ちゅうに入るか否か。
3 いわゆる人工腎臓ベッドが医療法上の病床の範ちゅうに入らないとすれば、同法には診療所についての医療従事者数の基準が設けられていないことから医師二~三名、看護婦五~八名程度の医療従事者によって数十台のいわゆる人工腎臓ベッドを設置して同時に多数の患者に透析治療を行うことも可能となるが、この場合においても診療所開設届を受理し、診療所に関しての簡単な構造設備についての検査のみで使用許可を与えてよろしいか。
また、多数の人工腎臓ベッドを設置して同時に多数の患者に透析を行う医療施設の設置に関して必要な人員、構造設備についての基準を御示し願いたい。
別紙略
別記 略
(昭和五○年三月二五日 医発第二八○号)
(大阪府衛生部長あて厚生省医務局総務課長回答)
昭和五十年二月一日医第二、二五○号をもって照会のあった標記の件について左記のとおり回答する。
記
1 医療法第八条の規定による診療所の開設届については、所定の事項の記載内容が医療法の規定に適合していることを確認のうえ、受理すべきものである。
なお、医療法第二十七条に規定する使用許可は、当該診療所が医療法に規定する構造設備基準に適合している場合には、これを与えることを要する。
2 いわゆる人工腎臓ベッド又は回復室は、通常医療法にいう病床に該当しないものであり、透析終了後医療上の必要から患者を収容する場合には、医療法にいう病床において行うことは、当然である。
3 現在、人工透析に係る構造設備、人員等の特別の基準はないが、人工透析治療の特性に鑑み、管理者は、患者数に応じた医師、看護婦等の配置、勤務体制、療養指導体制等について必要な配慮を行わなければならないのは当然である。