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○水質総量規制の実施に伴う留意事項について
(昭和五四年一一月二〇日)
(環水第一五七号)
(各関係都道府県水道行政主管部(局)長あて厚生省水道環境部水道整備課長通知)
浄水場における排水処理の問題については、かねてより管下水道事業者等の指導につき、御配慮いただいているところであるが、このたび瀬戸内海環境保全臨時措置法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律(昭和五十三年法律第六十八号)の施行(昭和五十四年六月十二日)に伴い、関係政、府令、告示が制定され、また、関係通達も行われ、水質総量規制の実施体制が整備されることとなつたので、特に左記事項に留意の上、管下水道事業者等の実態の把握及び指導並びに水質総量規制担当部局との調整について、よろしくお取り計らい願いたい。
記
1 水道施設のうち浄水施設である沈でん施設又はろ過施設(これらの浄水能力が一日当たり一万m3未満の事業場に係るものを除く。)を設置する浄水場に適用される総量規制基準を都道府県知事において算定する場合に用いられる特定排出水中のCOD濃度については、「化学的酸素要求量についての総量規制基準に係る業種その他の区分及びその区分ごとの範囲(昭和五十四年五月十六日環境庁告示第十九号)」別表二一七の項(一の項から二一六項までに分類されないもの)に規定するところにより、既設、新増設の区別なく、一○~一二○mg/lの範囲内で都道府県知事が定める数値によることとされているが、浄水場については、同項を更に細区分することにより、原水中のCODに関する汚濁負荷量、従来のBODによる排出水の濃度規制に対して採つてきた対応方法等を配慮し、実態に即した数値の設定を行うこととされているので、水質総量規制担当部局との間で、あらかじめ十分に調整を行われたいこと。
2(1) 1に掲げる浄水場においては、一定の頻度によつて、特定排出水の汚濁負荷量を測定し、その結果を三年間保存しなければならないこととされ、当該頻度については、原則として、日平均排水量が四○○m3以上の場合は排水の期間中毎日、二○○m3以上四○○m3未満の場合は七日を超えない排水の期間ごとに一回以上、一○○m3以上二○○m3未満の場合は一四日を超えない排水の期間ごとに一回以上、五○m3以上一○○m3未満の場合は三○日を超えない排水の期間ごとに一回以上行うことと定められたが、浄水場の規模、排水系統の状況、排水系統ごとの汚染状態及びその他の事情により、これらの測定の回数によることが困難であると認められる場合であつて、都道府県知事が別に排水の期間を定めたときは、当該排水の期間ごとに測定を実施すればよいこととされたこと。(水質汚濁防止法施行規則第九条の二第一項第一号、第二号参照)
(2) 前記頻度により行う測定の方法に関しては、「化学的酸素要求量に係る汚濁負荷量の測定方法」(昭和五十四年五月十六日環境庁告示第二十号)により、日常平均排水量が四○○m3以上であるか否かによつてその方法を異にすべきことが定められ、これにより、日平均排水量が四○○m3以上である場合にあつては、特定排出水のCODに関する汚染状態の計測方法、特定排出水の量の計測方法のいずれについても原則として、計測、記録あるいは試料採取を自動的に行うことのできる機器を用いて計測することとされたが、浄水場の規模、排水系統の状況、特定排出水の汚染状態及び量その他の事情により、これによることが困難と認められる場合は、都道府県知事の定めるところにより、他の方法によることができることとされたこと。
(3) したがつて、管下の水道事業等の浄水場において採るべき測定の頻度及び方法について、あらかじめ水質総量規制担当部局との間で十分に調整を行われたいこと。
3 1及び2により、水質総量規制担当部局との調整を行うに当たつては、あらかじめ、管下の水道事業者等の浄水場における原水中のCODに係る汚濁負荷、従来のBODによる排出水の濃度規制に対して採つてきた対応方法、浄水場の規模、排水系統の状況、特定排出水の汚染状態及び量その他の事情について、実態を調査し、十分な資料の整備を図られたいこと。