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○水道の衛生管理の強化について

(昭和三四年六月一二日)

(衛発第五四二号)

(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省公衆衛生局長通知)

標記のことについては従来から格別の御配慮を願つているところであるが、最近左記上水道に工場廃液等が流入した事例が続発している現況に鑑みて特に今後の衛生管理については水道法施行規則(昭和三十二年十二月十四日厚生省令第四十五号)第十六条の規定による衛生上必要な措置について十分対策を樹てられ、今回の事例を検討されて遺憾なきを期せられるとともに、管下水道関係者に対しても趣旨の徹底を図られるよう御配慮願いたい。

1 多摩川(東京都)

発 生 年 月 日  昭和三十四年六月六日

発 生 場 所  東京都羽村取水口上流附近

発 生 原 因  現在のところ不明

被 害 状 況  六月六日河川の魚多数死滅

対     策  係員を派遣して水質検査の結果、青酸性物質の反応を検出したが、淀橋及び境浄水場では反応は認められない。

2 名栗川(埼玉県)

発 生 年 月 日  昭和三十四年六月八日

発 生 場 所  埼玉県武蔵町上流

発 生 原 因  名栗川上流の飯能市三善工業株式会社メッキ用の青酸ソーダ液を誤つて下水に放流した。

被 害 状 況  放流場所より武蔵町の原水取水口附近に至る川魚十数万尾死滅

対     策  埼玉県衛生研究所、保健所及び東京都衛生研究所等の調査で一時断水を行い、反応消滅後給水をした。

3 木曽川(愛知県)

発 生 年 月 日  昭和三十四年六月九日

発 生 場 所  名古屋市上水道取水口上流

発 生 原 因  犬山市附近の東洋紡績犬山工場より高濃度のパルプ廃液を放流した。

被 害 状 況  名古屋市浄水場において浄水の過マンガン酸カリ消費量が一二ppm になつた。

対     策  塩素消毒の増量を実施した。