アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○狂犬病予防事務について

(昭和二七年一月一〇日)

(衛発第一六号)

(各都道府県知事・各政令市市長あて厚生省公衆衛生局長通知)

狂犬病予防については、狂犬病予防法に基き鋭意努力されているところであるが、就中犬にかまれた者及びかんだ犬の取扱については、その措置を誤るときは人命に危険を及ぼすおそれのあることであるから、狂犬病の発生している又はそのおそれのある地域に於いては、特に左記の点に留意して狂犬病予防に万全を期するよう関係者に徹底せしめられたい。

1 人をかんだ犬(かむ動機等より安全性の明らかであるものを除く。以下同じ。)はすべて一応狂犬病にかかつている疑あるものとして狂犬病予防法(以下「法」という。)第八条第一項の規定により届け出なければならない旨を獣医師及び犬の所有者、管理者に周知させること。

2 法第八条第一項に規定する届出義務者以外の者が人をかんだ犬があることを知つた場合には、なるべく速やかに最寄りの市町村長又は保健所長に通報するよう一般に対して協力を求めること。

3 狂犬病予防員は、前二項の届出又は通報によつて人をかんだ犬があることを知つた場合には、その犬の所有者又は管理者が明らかであればすみやかにその犬を隔離するように指示し、その犬に所有者がないか又は不明であればすみやかにその犬を抑留すること。

4 前項のかんだ犬については狂犬病にかかつているか否かが明らかになるまで予防員が自ら必ず厳重な監視を行い且つその犬についての正確な記録を作成しておくこと。

5 狂犬病予防員が犬にかまれた者と接する場合には、つとめてかまれた者に対し便宜をはかる如く心掛け、必要な助言を与える等かまれた者が処置を誤らぬようにすること。特にかんだ犬が狂犬病であるか否かの結果については、必ずかまれた者に通知することとし、かんだ犬が狂犬病であるか又はその疑が濃い場合にはかまれた者がすみやかに予防注射を受けるよう指導の万全を期すること。

6 狂犬病にかかつた疑のある犬、又は狂犬病にかかつた犬若しくは狂犬病にかかつた疑のある犬にかまれた犬については予防員をして左に準拠して取り扱わしめること。

イ 人畜をかんだ狂犬病の疑のある犬は厳重に隔離せしめ、二週間検診し、鑑定のため殺す必要あるものは初診後二週間から三週間の内に殺処分し、病理学的検査及び動物試験を行つて判定を下し、その他のもの(殺処分したもの及び症状を呈したもの以外のもの)には予防注射を行わしめ、更に一か月間隔離せしめ異常のない場合は解放する。

ロ 狂犬病にかかつた犬にかまれた犬は原則的には殺処分が望ましいが、殺処分を希望しない場合及び狂犬病にかかつた疑のある犬にかまれた犬は速やかに被咬傷局所の消毒を行わしめ、且つ必要程度の治療的予防注射を施行せしめ、一か月間隔離せしめた上観察し、疑わしい症状を呈したものは殺処分して病理学的検査及び動物試験を行つて判定を下し、疑のないものは更に念のため予防液の補強注射を行わしめた上、更に一か月間隔離せしめ、異常のない場合は解放する。