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○墓地、埋葬等に関する法律の適用について
(昭和四四年二月八日)
(公衆衛生第七六号)
(厚生省環境衛生課長あて山口県衛生部長照会)
墓地の廃止改葬に伴い、左記のとおり紛争事例が発生し法の解釈に疑義を生じたので至急ご教示願いたく照会いたします。
記
事例
本県、阿知須町において従来より存置していた町営、砂郷墓地を公共施設あるいは住宅用地に転用するため、廃止とし新たに町営で岡山墓地を造成し同墓地内に大規模の納骨堂を附設することとなり、同町長より前記砂郷墓地の廃止申請書が提出された。よつて県知事は実状調査の結果適当と認め昭和三十年三月三十一日付をもつて廃止許可処分を行なつた。その後大半の墓碑は新設の岡山墓地並に同納骨堂に移転改葬を行なつたが一部の住民(約一五名)は①新設、岡山墓地は交通に不便である。②墓地移転に要する経費は全額町費負担とすること(現在までは運搬費は町費負担、建立費は個人負担となつている)。③新設墓地は墓地的環境に適さない等の理由のもとに移転改葬を拒み、墓地組合を結成し町当局の方針に対抗し今尚、紛糾を続けている。
疑義
事例の場合
1 墓地廃止を許可処分とする時期について
廃止予定地に噴墓はなお残在していても廃止許可して差し支えなきものと解し措置しているが噴墓の移転改葬が完了する時点まで待ちしかる後に廃止許可をなすべきであるか。
2 廃止許可後なお残置されている墓碑は法解釈上、単なる記念碑と解するか噴墓と解するか。
3 残存墓碑は埋葬または焼骨の埋蔵を目的として残置しているものと解されるも、その場合、埋葬若しくは埋蔵の行為を伴つたときは当然法第四条違反と解されるが同意志を有するもいまだ行為が伴わない場合は同条違反と解するや。
(昭和四四年七月七日 環衛第九○九三号)
(山口県衛生部長あて厚生省環境衛生課長回答)
昭和四十四年二月八日付公衆衛生第七六号をもつて照会のあつた標記の件について、左記のとおり回答する。
記
1 墓地廃止の許可処分は原則として改葬の完了を待つて行なうべきである。
2 お尋ねのものは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵するために残置されている施設であれば墳墓である。
3 墓地廃止の許可処分を受けた区域に埋葬等の意思をもつて墳墓を存続させることは、法第十条違反である。更にこの場合において当該墳墓に死体が埋葬され、又は焼骨が埋蔵されておれば、法第四条にも違反していることとなる。