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○旅館業におけるサービスの範囲並びに興行場法の適用について

(昭和四五年七月一八日)

(公衛第三一一号)

(厚生省環境衛生局長あて岐阜県衛生部長照会)

当県内下呂温泉の旅館において次のような実態により旅館宿泊客を対象に映画上映を実施していますが、①これが行為は旅館業のサービスの範囲なるや否や、②興行場法の適用となるや否や、③興行場法の適用となれば旅館の附帯施設としての構造設備は認められるら否や、④旅館業におけるサービスの範囲とは具体的にどの程度であればよいのか以上四点当面の指導に苦慮しているので、お忙しいところ恐縮ですが大至急ご教示煩わしたい。追つて当県の考え方、並びに映画のみならず演芸、ショーなどのサービスの範囲についても合せてご指導賜りたくお願いします。

(実態について)

昭和四十四年三月頃より当県内下呂温泉の旅館において、旅館宿泊客を対象として、本年五月地元保健所の調査時点まで映画上映を実施していた。

当初は頻度も少なく料金も徴収せず、コーラ等を一本三○○円で販売し娯楽代と称して映画観覧を実施していたが昨年十二月より地元税務署発行の券に切りかえ入場税を納入している。本年四月までの各旅館の上映回数等は次の表のとおりである。

旅館

開始年月日

上映頻度

利用人員

上映場所

料金

備考

A館

四四年三月

週一―二回

週一○―四○人

旅館部

小会議室(三六帖)

三○○円

(各室又は会計わたし)

料理兼業

B館

四四年三月

年間三○○回

月平均一、三○○人

旅館部

大広間(三五帖)

三○○円

(広間入口で販売)

料理兼業

C館

四四年四月

週一―二回(土、日のみ)

月平均二五○人

旅館部

娯楽室(三〇帖)

三○○円

椅子席

料理兼業

D館

四四年三月

年二○○回

年間三、○○○人

旅館部

会議室(五六帖)

三○○円

(売店で券を販売)

料理兼業

E館

四四年四月(四五・二中止)

月一―二回

月平均三○○人

料理部

大広間(五五帖)

三○○円

(広間入口で販売)

料理兼業

F館

四四年三月

月七―八回

一日平均一五人(一○人以下は中止)

旅館部

中広間(三六帖)

二五○―三○○円

(フロントにて販売)

料理兼業

G館

四五年三月

月五―一○回

一日平均二五人

旅館部

ホール(三〇帖)

二○○円

(各室で販売)

椅子席

料理兼業

映画の内容は一六mmトーキの成人向映画が主で夏、正月等家族客の多いときは子供向の「マンガ」「喜劇」等に切かえているところもあり、夏、正月などの満員のときは外出が多いとのことで行わないところもある。

フィルムの提供は三重県津市の会社が月契約三万円で提供している。上映時間は四五~六○分で、映写機は各館の備品であり取扱者は旅館従業員である。

又スクリーンは巻上げ式のもので固定はされていない。配給会社の言によれば和歌山県白浜温泉の旅館にも二-三契約しているとのことである。

(県としての考え方)

以上の実態より県としては次のように考えた。

昭和三十年八月十九日環衛発第二九号福島県知事宛厚生省環境衛生部長回答「興行場法の適用について」より、下呂温泉の旅館における映画上映は旅館業のサービスの範囲を超えるものがあるやに思料される。

即ち上映回数はかなりの頻度であり、利用者、利用の場所、上映時間、料金徴収(入場税含む)等の実態より総合判断するにサービス行為以上のものがあると考えられる。そこでサービスの範囲とは、具体的に明示し難いが一応次のように考えました。

1 上映回数は月四回以内(臨時興行場の回数より)

2 料金徴収はサービスである以上無料であることが望ましい。

3 会場は旅館内の会議室、娯楽室程度で行なうこと。

4 映画の内容は旅館のサービスの範囲ならば、旅館業法の趣旨にのつとり、善良の風俗が害されることのないよう健全なサービス提供に努めるべきである。

5 旅館業本来の業務の範囲を超えないこと。

(昭和四六年九月四日 環衛第一五八号)

(岐阜県衛生部長あて厚生省環境衛生課長回答)

昭和四十五年七月十八日付公衛第三一一号をもつて照会のあつた標記の件については、次のとおり回答する。

旅館業の施設内において映画、演芸等を施設利用者に観覧させていることが、興行場法の対象になるかどうかについては、興行の時間、頻度、興行の用に供する場所の状況、観客の人数、範囲等から総合的に判断すべきであるが、お示しの事例の限りにおいては、E館を除き、興行場法に基づく興行場の許可を要するものと考えられる。

なお、興行場法を適用する場合、旅館業法等の法令に違反しない限り、当該興行の施設が旅館業の施設の付属施設であつてもさしつかえない。