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○旅館業法運用上の疑義について

(昭和六三年一月二九日)

(衛指第二三号)

(各都道府県・各政令市・各特別区衛生部(局)長あて厚生省生活衛生局指導課長通知)

標記について、東京都衛生局環境衛生部長より照会〔別添1〕があり、〔別添2〕のとおり回答したので、通知する。

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〔別添1〕

(昭和六二年一二月二五日 六二衛環第七二七号)

(厚生省生活衛生局指導課長あて東京都衛生局環境衛生部長照会)

近年、社会需要の多様化に伴つて、新たな営業形態を持つ施設が出現しており、本件もいわゆるウィークリーマンションと称する短期宿泊賃貸マンションとでもいうべき施設で、旅館業と貸室業の中間的な営業形態をもつものと考えられます。

旅館業法の運用にあたつては、昭和六十一年三月三十一日付衛指第四四号厚生省生活衛生局指導課長通知が示されているところですが、本件の旅館業法上の取り扱いについて疑義が生じたため、至急ご回答願います。

(施設の状況及び管理等)

1 施設は既存のアパート、マンションの空室又は専用に建築した室を賃貸する。

2 利用日数の単位は、一週以上とし最長制限の定めはないが、実態としては一~二週間の短期利用者が大半である。

3 利用者は手付金を支払つて予約し、入居時までに物品保証金及び利用料等を支払い賃貸契約を締結した上、入居する。

4 客室には日常生活に必要な設備(調理設備、冷蔵庫、テレビ、浴室、寝具類等)が完備している。

5 室内への電話器、家具等の持ち込みは禁止している。

6 利用期間中における室内の清掃等の維持管理は、全て利用者が行う。

7 シーツ、枕カバーの取り換え、浴衣の提供等リネンサービスは行わない。

なお、利用者からの依頼があれば請け負い会社を斡旋する。

8 食事は提供しない。

9 光熱水費は各個メーターで契約解除時に別途清算する。

10 本施設の利用者は、主として会社の短期出張者、研修生、受験生等である。

(質問点)

昭和六十一年三月三十一日付、厚生省指導課長通知によれば、旅館業法にいう「人を宿泊させる営業」とは、

1 施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあるものと社会通念上認められること

2 施設を利用する宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業しているものであること

の二点を条件として有するものであるとされている。

本施設を、この二条件に照らして判断すると、

1 契約上、利用期間中の室内の清掃等の維持管理は利用者が行うこととされているが、一~二週間程度という一月に満たない短期間のうちに、会社の出張、研修、受験等の特定の目的で不特定多数の利用者が反復して利用するものであること等、施設の管理・経営形態を総体的にみると、利用者交替時の室内の清掃・寝具類の管理等、施設の衛生管理の基本的な部分はなお営業者の責任において確保されていると見るべきものであることから、本施設の衛生上の維持管理責任は、社会通念上、営業者にあるとみられる。

2 また、生活の本拠の有無についても、利用の期間、目的等からみて、本施設には利用者の生活の本拠はないとみられる。

前記より、本施設を、旅館業法の適用対象施設として取り扱うのが相当と考えるが如何。

〔別添2〕

(昭和六三年一月二九日 衛指第二三号)

(東京都衛生局環境衛生部長あて厚生省生活衛生局指導課長回答)

昭和六十二年十二月二十五日付け六二衛環環第七二七号をもつて照会のあつた件について、左記のとおり回答する。

近年、いわゆるウィークリーマンションをはじめとして、新しい形態の旅館業類似営業がみられるが、これらが旅館業法にいう「人を宿泊させる営業」に該当するか否かは、公衆衛生その他旅館業法の目的に照らし、総合的に判断すべきものであることはいうまでもない。照会の施設については、貴見の通り、旅館業法の適用対象施設として取り扱つてさしつかえない。