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○いわゆる「モーテル」の取扱いについて
(昭和四四年一〇月三〇日)
(環衛第九一五一号)
(各都道府県・各指定都市衛生主管部局長あて厚生省環境衛生課長通知)
最近、都市及び高速道路の周辺等に多数設置されているいわゆる「モーテル」といわれるもののなかには、風紀上及び教育環境上必ずしも好ましくない影響を与えるものがあり、また、警察当局から、これら施設において各種犯罪が多発している事実も指摘されている。(別添 警察庁保安部長通知参照)(略)
ついては、貴職におかれては、旅館業法(以下「法」という。)の規定およびその趣旨にのつとり、左記事項に留意のうえ、この種「モーテル」に対し適切な指導取締りに当たられるよう特段のご配慮をお願いする。
記
1 すでに昭和四十二年十月三十一日環衛第七、一四一号「環境衛生金融公庫融資について(通知)」をもつて指示してあるとおり、営業の実態等からみて社会的批判を受けるおそれのある営業については、同公庫による融資は行なわないこととなつているので、都道府県知事のこの種「モーテル」にかかる融資の推せんについては、とくに慎重に取り扱われたいこと。
2 許可について申請あるいは協議のあつた営業の施設がいわゆる「モーテル」に該当するおそれがあると思料される場合には、事前に健全な営業形態をとるよう強く指導に当たられたいこと。とくに、いわゆる「モーテル」が学校の敷地の周囲おおむね一〇〇メートルの区域内にある場合には、清純な教育環境が著しく害されるおそれがある場合も多いと思料されるので、営業許可の申請があつたときは、学校の敷地(予定地を含む。)との距離を十分調査し、法第三条第三項の規定により求める教育委員会等の意見を十分尊重して、許可の適否の判断に当たられたいこと。
3 いわゆる「モーテル」には、とかく法第六条に定める宿泊者名簿を備え付けていないものが多いと指摘されているので、営業者に対し、その備え付け、および記載の励行について指導を強化されたいこと。
4 善良な風俗を害するおそれのある文書、図画、広告物等の掲示および備え付けについては、法第四条および同施行令第三条の規定によりこれを行なつてはならないとされ、これに違反した場合においては、法第八条の規定によつて行政処分の対象とされているので、営業者に対しその趣旨の周知徹底を図られたいこと。
5 営業者等が法第八条各号に掲げる風俗事犯を犯した場合における行政処分については、昭和三十二年十一月十一日衛発第九七八号「旅館業の許可取消等に関する取扱について」により取り扱われているところであるが、都道府県警察本部からこれら風俗事犯の事件送致の通報を受けた場合には、すみやかに事案の内容を審査し、適正かつ迅速に行政処分をするよう努められたいこと。
6 この種の営業の実態にかんがみ、現行の構造設備の基準のみでは法の趣旨にそつた規制が十分行なうことができない場合には、法施行令第一条に基づき、必要に応じ都道府県知事において新たに基準を設ける等の措置を講ずることも配慮されたいこと。