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○営業三法に関する疑義について

(昭和三〇年二月一四日)

(公第一六五号)

(厚生省環境衛生課長あて宮城県知事照会)

営業三法に関する左記事項について疑義がありますので至急御回示を賜りたく照会いたします。

一 旅館興行場公衆浴場を許可するにあたり換気、採光、照明、防湿及び清潔その他衛生上の措置が年数を経過するに従い許可当時の条件を保持することができない程度に低下すると認められる場合、知事は有効期間を附して許可することができると解されるが如何。

二 集会場民家又は倉庫等の一部を利用して十日乃至十五日間だけ興行に使用され且つ当該施設が衛生上、安全上、火災予防上支障ないと認められる場合興行場法により期間を定めて仮設興行場として許可を与えることができるか。

又この場合建築基準法による用途違反と看做されない期間は何日位か。

三 興行場の所有権者甲と同興行場に対し占有権を有することの権利関係の争訟がある場合の営業許可については昭和二十六年七月三十一日法務府法意一発第四六号「賃貸借権係争中の施設についての営業許可の可否について」により甲乙何れに対する許可も拒むことはできないと解して占有権者の営業許可申請に対して許可したところ業者側から県規則に次の事項を加えるように強い要望があるがこれを県規則に定めることは違法と解されるが如何。

興行場法施行規則第一条に規定する申請書には所定の事項を記載した左の書面(施設の所有権又は占有権を証する書面の写)を添えなければならない。

四 たとえ前項の記の内容の如く県規則で定められた場合においても甲乙両者の営業許可申請に対する許可の可否については右条項が何等の拘束力を有しないと解されるが如何。

(昭和三〇年二月二五日 衛環発第四号)

(宮城県知事あて厚生省環境衛生部長回答)

昭和三十年二月十四日公第一六五号をもつて照会のあつた標記のことにつき、左記の通り回答する。

一 旅館、興行場及び公衆浴場(以下「営業施設」という。)の衛生保持については、旅館業法、興行場法、公衆浴場法に基いてそれぞれ許可、衛生措置基準の維持、衛生措置違反に対する行政処分をなしうる建前である(旅館業法第三条、第四条、第七条、第八条、興行場法第三条、第四条、第五条、第六条、公衆浴場法第二条、第三条、第六条、第七条)。

従つて許可した営業施設に対する監督はもつぱらそれぞれの法の相当規定に基いて行うをもつて足り、あらかじめ許可にあたつて条件として、営業許可期限を附し許可の効力を限定することは、法の趣旨とするところでないと解せられる。

二 一般的に常設興行場に対する仮設興行場とは、興行場施設としての営業概念に属するものであつて、しかも一定の期間を限つてその行為を行う場合の施設をいい、所謂営業に属しないものについてはたとえ一定期間を行つても興行場施設の適用を受けないと解せられる。お尋ねの場合がこの何れに属するかは具体的事案に則して判断することを要するが、もし当該施設が営業としての興行を一定期間以上行うことのみを目的とするものであるならば、適用されることもありうる。この場合建築基準法第八十七条に規定する用途変更の手続をとつたか否かは、建築基準法上の問題にとどまるものである。

三 興行場等営業施設の経営に関する権利と営業許可との関係については、昭和二十六年八月十七日衛環第八十五号通知のとおりである。この場合県規則にお尋ねのような「施設の所有権又は占有権を証する書類」を許可申請の要件として明記することはできない。