添付一覧
○引揚者給付金等支給法に関する処分についての不服申立ての取扱いについて
(昭和三七年一〇月二二日)
(援発第八八六号)
(各都道府県知事、那覇日本政府南方連絡事務所長あて厚生省援護局長通知)
標記のことについては、従来、昭和三十三年四月二十三日援発第四三三号をもつて通達し、実施されてきたところであるが、今般行政不服審査法の施行に伴い、不服申立ての制度が改められ、昭和三十七年十月二十二日厚生省発総第五八号通達「行政不服審査法の施行について」及び昭和三十七年十月二十二日援発第八八四号通達「行政不服審査法の施行に伴う戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部改正について(施行通達)」をもつて通達されたので、今後引揚者給付金等支給法(以下「法」という。)に関する処分に係る厚生大臣に対する審査請求又は異議申立ての取扱いについては、左記事項に留意のうえ遺憾のないようにされたく通達する。
記
一 一般的事項について
(一) 審査請求書又は異議申立書は、審査請求人又は異議申立人の利便、事務処理の確実性等を考え、審査請求人又は異議申立人の住所地の市町村長及び都道府県知事並びに認定機関を経由して提出させるよう指導すること。
(二) 審査請求書又は異議申立書には、「審査請求書」又は「異議申立書」と標題を書いて提出させること。
(三) 審査請求書又は異議申立書には、原処分の内容を正確に把握するため、原処分に関する通知書又はその写を添付させるよう指導すること。
(四) 審査請求又は異議申立ての趣旨及び理由は具体的かつ詳細に記載させ、請求書を提出した際に提出した資料以外のもので却下理由に対し反証となる資料(関係者の証明書を含む。)を添付させること。
(五) 引揚者又は引揚者等の遺族でないことが、法の規定上明らかなものが法に定める事項が不当であるという趣旨で審査請求書又は異議申立書を提出したときは、現行法においては原処分が取り消されることがない旨を審査請求人又は異議申立人に説明し本人の納得を得てなるべく審査請求又は異議申立てを取り下げさせる様にすること。
二 審査請求人又は異議申立人の住所地の都道府県知事のとるべき措置について
審査請求人又は異議申立人の住所地の都道府県知事は、審査請求書又は異議申立書の提出を受けたときは、次の措置をとること。
(一) 審査請求書又は異議申立書が行政不服審査法第九条第二項及び第十五条(第四十八条において第十五条を準用する場合を含む。)に定める要件を具備しているかどうかを審査すること。
(二) 審査請求又は異議申立てが法第十五条並びに行政不服審査法第十四条(第四十八条において第十四条を準用する場合を含む。)及び第四十五条に定める期間内になされたものであるかどうかを審査すること。
(三) 所要の要件を具備しないものについては、補正すべき事項を示して補正させること。
(四) 二の(一)から(三)までの審査及び補正にあたつては、特に次の諸点に注意すること。
ア 審査請求又は異議申立ての宛名を欠き、又は厚生大臣以外の者に宛てているものは補正させること。
イ 審査請求人又は異議申立人の住所、氏名、年令又は押印を欠くものは補正させること。
ウ 今般の改正により新たに審査請求書又は異議申立書に記載することとされた事項は次のものであること。
(ア) 審査請求人又は異議申立人の年齢
(イ) 審査請求又は異議申立てに係る処分
(ウ) 審査請求又は異議申立てに係る処分があつたことを知つた年月日
(エ) 処分庁の教示の有無及びその内容
(オ) 審査請求又は異議申立ての年月日
エ 審査請求書の場合は、正本及び副本二通を提出させるものであること。
(五) 審査請求又は異議申立ての趣旨及び理由が具体性を欠いているものは、できる限り具体的に記載するように改めさせ、原処分を行なつた理由に対し反証となる資料を添付させること。
(六) 所要の要件を具備するもの(補正されたものを含む。)については、受けつけた年月日を当該審査請求書又は異議申立書に明記し、補正させたものである場合は、その経緯を明らかにして、すみやかに当該審査請求に係る処分をした認定機関(昭和二十年八月十五日における本籍地を管轄する都道府県知事等。以下「認定機関」という。)又は当該異議申立てに係る処分が行なわれる前の認定申請の際に申請書を経由した認定機関に送付すること。
三 認定機関のとるべき措置について
認定機関は二の(六)により審査請求書又は異議申立書の送付を受けたときは次の措置をとること。
(一) 審査請求書又は異議申立書に記載されている審査請求又は異議申立ての趣旨及び理由並びに新たに提出された資料を十分に検討し、当該審査請求又は異議申立ての争点となつている事項につき必要な調査を行ない、その結果につき調書を作成すること。なお、この場合において審査請求人若しくは異議申立人又は関係者が他の都道府県に居住している場合においては、当該都道府県に調査を依頼しても差しつかえないものであること。
(二) 審査請求書又は異議申立書を進達する場合には、審査請求書又は異議申立書を受け付けた年月日及び当該審査請求又は異議申立に関する認定機関の意見を記載した意見書、原処分に係る引揚者給付金請求書又は遺族給付金請求書及びその添付書類並びに認定機関において認定上用いた資料及び三の(一)による調書を審査請求書の正本又は異議申立書に添付して、すみやかに、厚生大臣あてに送付するとともに審査請求書の副本を保管し、審査請求書等受付送付簿を整理すること。
(三) 法第三条に係る処分についての審査請求に関し、三の(一)による検討調査の結果、法に定める引揚者又は引揚者等の遺族に該当すると認めた場合は、認定機関において原認定を取り消すこと。
四 裁決書等の送付について
(一) 審査請求又は異議申立ての裁決書又は決定書の謄本は行政不服審査法第四十二条第一項により審査請求人又は異議申立人に送達することとなつているが、これらの裁決書又は決定書の謄本は審査請求人又は異議申立人の住所地の都道府県知事及び市町村長を経由して送付するほか、認定機関にも送付するものであること。
(二) 審査請求に係る処分をした認定機関は、当該審査請求が理由あるものとして当該処分を取り消す旨の裁決書の謄本の送付を受けたときは、これに基づく認定通知書の交付その他必要な処置をとること。
五 その他について
昭和三十三年四月二十三日援発第四三三号通達「引揚者給付金等支給法による不服申立ての取扱について(通達)」は、廃止するものであること。ただし、昭和三十七年九月三十日までに提起された不服の申立の取扱いについては、なお、従前の例によるものであること。