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○令和六年度の血液製剤の安定供給に関する計画

(令和六年三月二十九日)

(厚生労働省告示第百三十七号)

安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(昭和三十一年法律第百六十号)第二十六条第一項の規定に基づき、令和六年度の血液製剤の安定供給に関する計画を次のように策定したので、同条第六項の規定により告示し、令和六年四月一日から適用する。

令和六年度の血液製剤の安定供給に関する計画

本計画は、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(昭和三十一年法律第百六十号。以下「法」という。)第二十六条第一項の規定に基づき定める令和六年度の血液製剤(同項に規定する血液製剤をいう。以下同じ。)の安定供給に関する計画であり、血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針(平成三十一年厚生労働省告示第四十九号)に基づくものである。

これにより、血液製剤の需要と供給等の動向を把握し、本計画に沿った製造、輸入等が行われることを確実なものとするとともに、供給等の実績をきめ細かく把握し、適時、適切に対応できる体制を構築するものとする。

なお、本計画において、次の各号に掲げる血液製剤は、それぞれ当該各号に定めるものとする。

一 アルブミン 加熱人血漿しようたん白及び人血清アルブミン

二 組織接着剤 フィブリノゲン加第ⅩⅢ因子及びフィブリノゲン配合剤

三 血液凝固第Ⅷ因子 乾燥濃縮人血液凝固第Ⅷ因子、遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子及び抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体

四 血液凝固第Ⅸ因子 乾燥人血液凝固第Ⅸ因子複合体(国内で製造されるものに限る。)、乾燥濃縮人血液凝固第Ⅸ因子及び遺伝子組換え型血液凝固第Ⅸ因子

五 インヒビター製剤 乾燥人血液凝固第Ⅸ因子複合体(輸入されるものに限る。)、乾燥濃縮人血液凝固第Ⅹ因子加活性化第Ⅶ因子、活性化プロトロンビン複合体、乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体、遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子及び抗組織因子経路インヒビター抗体

六 血液凝固第ⅩⅢ因子 ヒト血漿しよう由来乾燥血液凝固第ⅩⅢ因子及び遺伝子組換え型血液凝固第ⅩⅢ因子

七 人免疫グロブリン 人免疫グロブリン、乾燥イオン交換樹脂処理人免疫グロブリン、乾燥スルホ化人免疫グロブリン、pH四処理酸性人免疫グロブリン、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン及び乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン

八 抗HBs人免疫グロブリン 抗HBs人免疫グロブリン、乾燥抗HBs人免疫グロブリン、ポリエチレングリコール処理抗HBs人免疫グロブリン及び乾燥ポリエチレングリコール処理抗HBs人免疫グロブリン

九 抗破傷風人免疫グロブリン 抗破傷風人免疫グロブリン、乾燥抗破傷風人免疫グロブリン、ポリエチレングリコール処理抗破傷風人免疫グロブリン及び乾燥ポリエチレングリコール処理抗破傷風人免疫グロブリン

十 アンチトロンビンⅢ 乾燥濃縮人アンチトロンビンⅢ及び遺伝子組換え型人アンチトロンビン

十一 人プロテインC 乾燥濃縮人プロテインC及び乾燥濃縮人活性化プロテインC

第一 令和六年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量

令和六年度において必要と見込まれる血液製剤の量は、血液製剤の製造販売業者等(法第二十六条第三項に規定する製造販売業者等をいう。以下同じ。)における供給見込量等を踏まえ、別表の血液製剤の種類の欄に掲げる種類ごとに、それぞれ同表の(ア)欄に定めるとおりとする。

第二 令和六年度に国内において製造され、又は輸入されるべき血液製剤の種類及び量の目標

第一及び血液製剤の製造販売業者等における血液製剤の製造又は輸入の見込量を踏まえ、令和六年度に国内において製造され、又は輸入されるべき血液製剤の量の目標は、別表の血液製剤の種類の欄に掲げる種類ごとに、それぞれ同表の(イ)欄に定めるとおりとする。

第三 令和六年度に確保されるべき原料血漿しようの量の目標

第二及び令和四年度実績を踏まえ、令和六年度に確保されるべき原料血漿しようの量の目標は、百二十三万リットルとする。

第四 令和六年度に原料血漿しようから製造されるべき血液製剤の種類及び量の目標

令和六年度に原料血漿しようから製造されるべき血液製剤の量の目標は、別表の血液製剤の種類の欄に掲げる種類ごとに、それぞれ同表の(ウ)欄に定めるとおりとする。

第五 その他原料血漿しようの有効利用に関する重要事項

一 原料血漿しようの配分

倫理性、国際的公平性等の観点に立脚し、国内で使用される血液製剤が、原則として国内で採取された血液を原料として製造され、海外の血液に依存しなくても済む体制を構築すべきである。このため、国内で採取された血液を有効に利用し、第四の種類及び量の血液製剤の製造等により、その血液が血液製剤として安定的に供給されるよう、採血事業者が原料血漿しようを血液製剤の製造販売業者等に配分する際の標準価格及び配分量を次に定めるとおりとする。

1 原料血漿しようの標準価格は、(1)又は(2)に掲げる原料血漿しようの種類ごとに、それぞれ(1)又は(2)に定めるとおりとする。

(1) 凝固因子製剤用 一リットル当たり一二、二一〇円

(2) その他の分画用 一リットル当たり一一、一八〇円

2 血液製剤の製造販売業者等に配分する原料血漿しようの種類及び見込量は、それぞれ(1)から(3)までに定めるとおりとする。

(1) 武田薬品工業株式会社

イ その他の分画用 三十三万リットル

(2) 一般社団法人日本血液製剤機構

イ 凝固因子製剤用 十八・五万リットル

ロ その他の分画用 四十五・五万リットル

(3) KMバイオロジクス株式会社

イ 凝固因子製剤用 四万リットル

ロ その他の分画用 十九万リットル

(注)

1 「凝固因子製剤用」とは、成分採血による採血後六時間以内又は全血採血による採血後八時間以内に凍結させた原料血漿しようであって、血液凝固第Ⅷ因子を含む全ての血漿しよう分画製剤を作ることができるものをいう。

2 「その他の分画用」とは、成分採血による採血後六時間以上又は全血採血による採血後八時間以上経過した後に凍結させた原料血漿しようであって、血液凝固第Ⅷ因子以外の血漿しよう分画製剤を作ることができるものをいう。

二 令和六年度に輸出すると見込まれる血液製剤の種類及び量

令和六年度に輸出すると見込まれる血液製剤の量は、別表の血液製剤の種類の欄に掲げる種類ごとに、それぞれ同表の(エ)欄に定めるとおりとする。

第六 その他

製造販売業者等は、平成十三年三月に遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子の出荷一時停止、平成二十七年六月に一般財団法人化学及血清療法研究所が製造販売する血液製剤の出荷差止め並びに平成二十八年熊本地震及び平成三十年北海道胆振東部地震による血液製剤製造設備の被災等による血液製剤の供給不足等の問題が生じたことを踏まえ、このような緊急事態に対応できるよう一定量の在庫を保有することが望ましい。

また、血液製剤の輸出については、血液製剤の国内自給と安定供給の確保に支障が生じないよう、配慮することが望ましい。

別表

血液製剤の種類

換算規格

需要見込

(ア)

製造・輸入目標量(イ)

輸出量

(エ)


令和5年度末在庫量(見込)

供給可能量


国内血漿しよう由来

(ウ)

輸入血漿しよう由来

遺伝子組換え


アルブミン

25%50ml1瓶

2,377,800

1,782,000

416,500

2,198,600


823,300

3,021,900

乾燥人フィブリノゲン

1g1瓶

20,000

22,300

22,300


21,500

43,800

組織接着剤

cm2

10,532,400

5,189,000

4,381,800

9,570,800


2,869,400

12,440,200

血液凝固第Ⅷ因子

1000単位1瓶

663,400

42,500

558,500

601,000

1,600


408,900

1,008,300


延人数

103,400

102,700

102,700


48,100

150,800

血液凝固第Ⅸ因子

1000単位1瓶

123,300

28,300

104,300

132,600

6,400


62,700

188,900

インヒビター製剤

延人数

32,300

2,200

1,200

45,700

49,000


13,500

62,500

乾燥濃縮人プロトロンビン複合体

1000単位1瓶

6,300

4,600

4,600


2,500

7,100

血液凝固第ⅩⅢ因子

1瓶

101,100

86,100

200

86,200


28,700

114,900

ヒトフォン・ヴィレブランド因子

1瓶

9,900

10,400

10,400


8,600

19,000

人免疫グロブリン

2.5g1瓶

3,180,800

2,417,900

900,500

3,318,400


624,100

3,942,500

抗HBs人免疫グロブリン

1000単位1瓶

12,100

800

18,500

19,300


5,100

24,300

乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン

1000倍1瓶

9,300

0

0


12,400

12,400

抗破傷風人免疫グロブリン

250単位1瓶

34,800

29,200

29,200


27,300

56,500

アンチトロンビンⅢ

500単位1瓶

368,800

235,600

114,000

349,600


77,600

427,200

人プロテインC

2500単位1瓶

400

0

600

600


600

1,200

人ハプトグロビン

2000単位1瓶

38,400

41,200

41,200


9,500

50,700

乾燥濃縮人C1―インアクチベーター

500倍1瓶

43,900

42,000

42,000


9,900

51,900

乾燥濃縮人α1―プロテイナーゼインヒビター

1瓶

1,700

1,400

1,400


300

1,700












ヘミン

0.25g1管

200

200

200


0

200

(注1) 数値は、製品の規格別に報告された数量を集計し、代表的な規格・単位(換算規格)に換算したうえ、四捨五入により100の整数倍で表示した。

(注2) 「令和5年度末在庫量(見込)」及び「供給可能量」の表は、参考である。