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○労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針

(平成三十年九月七日)

(厚生労働省告示第三百二十三号)

労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十六条第七項の規定に基づき、労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針を次のように定める。

労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針

(目的)

第一条 この指針は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号。以下「法」という。)第三十六条第一項の協定(以下「時間外・休日労働協定」という。)で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項、当該労働時間の延長に係る割増賃金の率その他の必要な事項を定めることにより、労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとすることを目的とする。

(労使当事者の責務)

第二条 法第三十六条第一項の規定により、使用者は、時間外・休日労働協定をし、これを行政官庁に届け出ることを要件として、労働時間を延長し、又は休日に労働させることができることとされているが、労働時間の延長及び休日の労働は必要最小限にとどめられるべきであり、また、労働時間の延長は原則として同条第三項の限度時間(第五条、第八条及び第九条において「限度時間」という。)を超えないものとされていることから、時間外・休日労働協定をする使用者及び当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者(以下「労使当事者」という。)は、これらに十分留意した上で時間外・休日労働協定をするように努めなければならない。

(使用者の責務)

第三条 使用者は、時間外・休日労働協定において定めた労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間の範囲内で労働させた場合であっても、労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第五条の規定に基づく安全配慮義務を負うことに留意しなければならない。

2 使用者は、「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について」(平成十三年十二月十二日付け基発第一〇六三号厚生労働省労働基準局長通達)において、一週間当たり四十時間を超えて労働した時間が一箇月においておおむね四十五時間を超えて長くなるほど、業務と脳血管疾患及び虚血性心疾患(負傷に起因するものを除く。以下この項において「脳・心臓疾患」という。)の発症との関連性が徐々に強まると評価できるとされていること並びに発症前一箇月間におおむね百時間又は発症前二箇月間から六箇月間までにおいて一箇月当たりおおむね八十時間を超える場合には業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強いと評価できるとされていることに留意しなければならない。

(業務区分の細分化)

第四条 労使当事者は、時間外・休日労働協定において労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる業務の種類について定めるに当たっては、業務の区分を細分化することにより当該業務の範囲を明確にしなければならない。

(限度時間を超えて延長時間を定めるに当たっての留意事項)

第五条 労使当事者は、時間外・休日労働協定において限度時間を超えて労働させることができる場合を定めるに当たっては、当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合をできる限り具体的に定めなければならず、「業務の都合上必要な場合」、「業務上やむを得ない場合」など恒常的な長時間労働を招くおそれがあるものを定めることは認められないことに留意しなければならない。

2 労使当事者は、時間外・休日労働協定において次に掲げる時間を定めるに当たっては、労働時間の延長は原則として限度時間を超えないものとされていることに十分留意し、当該時間を限度時間にできる限り近づけるように努めなければならない。

一 法第三十六条第五項に規定する一箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間

二 法第三十六条第五項に規定する一年について労働時間を延長して労働させることができる時間

3 労使当事者は、時間外・休日労働協定において限度時間を超えて労働時間を延長して労働させることができる時間に係る割増賃金の率を定めるに当たっては、当該割増賃金の率を、法第三十六条第一項の規定により延長した労働時間の労働について法第三十七条第一項の政令で定める率を超える率とするように努めなければならない。

(一箇月に満たない期間において労働する労働者についての延長時間の目安)

第六条 労使当事者は、期間の定めのある労働契約で労働する労働者その他の一箇月に満たない期間において労働する労働者について、時間外・休日労働協定において労働時間を延長して労働させることができる時間を定めるに当たっては、別表の上欄に掲げる期間の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる目安時間を超えないものとするように努めなければならない。

(休日の労働を定めるに当たっての留意事項)

第七条 労使当事者は、時間外・休日労働協定において休日の労働を定めるに当たっては労働させることができる休日の日数をできる限り少なくし、及び休日に労働させる時間をできる限り短くするように努めなければならない。

(健康福祉確保措置)

第八条 労使当事者は、限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置について、次に掲げるもののうちから協定することが望ましいことに留意しなければならない。

一 労働時間が一定時間を超えた労働者に医師による面接指導を実施すること。

二 法第三十七条第四項に規定する時刻の間において労働させる回数を一箇月について一定回数以内とすること。

三 終業から始業までに一定時間以上の継続した休息時間を確保すること。

四 労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、代償休日又は特別な休暇を付与すること。

五 労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、健康診断を実施すること。

六 年次有給休暇についてまとまった日数連続して取得することを含めてその取得を促進すること。

七 心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること。

八 労働者の勤務状況及びその健康状態に配慮し、必要な場合には適切な部署に配置転換をすること。

九 必要に応じて、産業医等による助言・指導を受け、又は労働者に産業医等による保健指導を受けさせること。

(適用除外等)

第九条 法第三十六条第十一項に規定する業務に係る時間外・休日労働協定については、第五条、第六条及び前条の規定は適用しない。

2 前項の時間外・休日労働協定をする労使当事者は、労働時間を延長して労働させることができる時間を定めるに当たっては、限度時間を勘案することが望ましいことに留意しなければならない。

3 第一項の時間外・休日労働協定をする労使当事者は、一箇月について四十五時間又は一年について三百六十時間(法第三十二条の四第一項第二号の対象期間として三箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあっては、一箇月について四十二時間又は一年について三百二十時間)を超えて労働時間を延長して労働させることができることとする場合においては、当該時間外・休日労働協定において当該時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置を定めるように努めなければならず、当該措置については、前条各号に掲げるもののうちから定めることが望ましいことに留意しなければならない。

附 則

1 この告示は、平成三十一年四月一日から適用する。

2 労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準(平成十年労働省告示第百五十四号)は、廃止する。

3 法第百三十九条第二項、第百四十条第二項、第百四十一条第四項又は第百四十二条の規定の適用を受ける時間外・休日労働協定に対する第九条の規定の適用については、平成三十六年三月三十一日までの間、同条第一項中「法第三十六条第十一項に規定する業務に係る時間外・休日労働協定」とあるのは、「法第百三十九条第二項、第百四十条第二項、第百四十一条第四項及び第百四十二条の規定の適用を受ける時間外・休日労働協定」とし、同条第三項の規定は適用しない。

別表(第六条関係)

期間

目安時間

一週間

十五時間

二週間

二十七時間

四週間

四十三時間

備考 期間が次のいずれかに該当する場合は、目安時間は、当該期間の区分に応じ、それぞれに定める時間(その時間に一時間未満の端数があるときは、これを一時間に切り上げる。)とする。

一 一日を超え一週間未満の日数を単位とする期間 十五時間に当該日数を七で除して得た数を乗じて得た時間

二 一週間を超え二週間未満の日数を単位とする期間 二十七時間に当該日数を十四で除して得た数を乗じて得た時間

三 二週間を超え四週間未満の日数を単位とする期間 四十三時間に当該日数を二十八で除して得た数を乗じて得た時間(その時間が二十七時間を下回るときは、二十七時間)