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○事業主行動計画策定指針

(平成二十七年十一月二十日)

(内閣官房、内閣府、総務省、厚生労働省告示第一号)

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成二十七年法律第六十四号)第七条第一項の規定に基づき、事業主行動計画策定指針を次のように定めたので、同条第三項の規定により告示する。

事業主行動計画策定指針

目次

第一部 はじめに

第二部 一般事業主行動計画

第三部 特定事業主行動計画

第一部 はじめに

第一 事業主行動計画策定指針の位置付け

女性の職業生活における活躍の推進は、その活躍の場の主たる提供主体である事業主の役割が重要であるが、これまでは各事業主における自主的な取組に委ねられていたところである。

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成二十七年法律第六十四号。以下「法」という。)によって、各事業主に事業主行動計画(法第七条第一項に定めるものをいう。以下同じ。)の策定・公表等の義務又は努力義務が課され、各事業主が事業主行動計画で定める定量的目標や取組の内容、その実効性等が、女性の職業生活における活躍に大きく影響を与えることとなった。

女性の職業生活における活躍の状況は事業主によって様々であり、かつ、事業主行動計画の内容はそれぞれの事業主が抱える課題に応じて当該事業主が判断するものであるが、まだその活躍が十分に進んでいない事業主も含め、全ての事業主が実効性のある事業主行動計画を円滑に策定し、かつ、着実に実施できるよう促していくことが重要である。このため、国において事業主行動計画の策定に関する基本的な事項等を示すことにより、事業主行動計画の策定及び実施等に向けた事業主の積極的な取組を進め、ひいては社会全体における女性の職業生活における活躍を迅速かつ効果的に進める必要がある。

これらを踏まえ、法第七条第一項の規定に基づき、事業主行動計画策定指針(以下「策定指針」という。)を定めるものである。

第二 基本方針との関係

法第七条第一項に基づき、策定指針は、法第五条第一項に定める女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針に即して定めることとされており、政府は、同項に基づき、「女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針」(以下「基本方針」という。)を閣議決定している。

第三 事業主の区分ごとの適用

法は、事業主を法第八条第一項に定める一般事業主(国及び地方公共団体以外の事業主。以下単に「一般事業主」という。)と法第十九条第一項に定める特定事業主(国及び地方公共団体の機関等)に区分しており、事業主行動計画の策定等についても両者を別に規定している(一般事業主にあっては法第三章第二節に、特定事業主にあっては同章第三節に規定)。また、適用される労働法制も両者で異なっている。

こうしたことに鑑み、以下、策定指針においては、一般事業主に適用される事項と特定事業主に適用される事項とを区分して記載することとした。

第二部 一般事業主行動計画

第一 女性の活躍の意義、現状及び課題

一 女性の活躍の意義

「女性の活躍」とは、一人一人の女性が、その個性と能力を十分に発揮できることである。

女性の管理職比率の上昇は、女性の活躍の一側面を測るものであるが、女性の活躍は、それだけでなく、あらゆる職階や非正規雇用を含めたあらゆる雇用形態等で働く一人一人の女性が、その個性と能力を十分に発揮できることを目指して推進する必要がある。

二 女性の活躍の現状

我が国の雇用者に占める女性の割合は四割を超えている。一方、その半数以上は非正社員であり、また、管理職以上に登用されている女性の割合は一割程度であり、先進諸国やアジア諸国と比較しても、特に低い水準となっている。

三 女性の活躍に向けた課題

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号。以下「男女雇用機会均等法」という。)の制定から三十年以上が経つが、依然として、我が国には、以下のとおり、採用から登用に至るあらゆる雇用管理の段階において、男女間の事実上の格差が残っている。

我が国の女性の活躍が十分でない現状は、以下に見るように、まず、こうした男女間の事実上の格差から生じており、その背景には、固定的な性別役割分担意識と、それと結びついた長時間労働等の働き方がある。

(一) 採用

新規学卒者について三割以上の企業が男性のみを採用するなど、多くの企業が、男性に偏った採用を行っている。特に、総合職等の基幹的職種において、採用における競争倍率をみると、男性に比して女性の方が狭き門となっている現状がある。

今後、我が国は生産年齢人口が急速に減少していく。企業は、男性のみを戦力とする姿勢では、人材確保が困難となることは必至であり、早期に、性別にかかわらず、意欲と能力本位の採用に改めていくことが求められる。

(二) 配置・育成・教育訓練

企業内の配置において性別の偏りが見られ、育成・教育訓練の中心をOJTが占める職場が多い中、配置における性別の偏りが、育成・教育訓練の格差につながっている。また、Off―JTにおいても、将来的な育成に向けた教育訓練の状況について、男女間で格差が見られる。

グローバル化の進展の中、組織内の多様性を高め、様々な人材の能力を活かすことは、イノベーションを促進し、市場環境等の変化に対する組織の対応力を高めることから、早期に、性別にかかわらない配置・育成・教育訓練に切り替えていくことが求められる。

(三) 継続就業

依然として、約五割の女性が第一子出産を機に退職する現状にある。仕事と子育ての両立が困難であることを理由とする退職の要因としては、長時間労働等の労働時間の問題と、職場の雰囲気の問題が大きい。また、仕事のやりがいが感じられているかということも継続就業に大きく影響する。

女性が出産・子育てを通じて働き続けられる職場としていくことは、組織の人材力を高めることに貢献することから、早期に、継続就業の障壁となっている事情を改善することが求められる。

(四) 長時間労働の是正等の働き方改革

我が国は、男性の約三割、女性の約一割が、週四十九時間以上(残業時間が一日平均二時間以上相当)の長時間労働となっている。また、女性が昇進を望まない理由として、仕事と家庭の両立が困難になるという点が挙げられる等、長時間労働は、その職場における女性の活躍の大きな障壁となるだけでなく、その職場の男性が育児等の家庭責任を果たすことを困難にし、当該男性の配偶者である女性の活躍の障壁となるとともに、我が国の少子化の要因ともなっている。このように、長時間労働は、その職場だけでなく、社会全体へ負の影響を及ぼすものである。

男女を通じて長時間労働を是正し、限られた時間の中で集中的かつ効率的に業務を行う方向へ職場環境を見直していくことは、時間当たりの労働生産性を高め、組織の競争力を高めることに貢献するものであり、早期に、男女を通じた長時間労働の是正等の働き方改革を実行することが求められる。

(五) 評価・登用

管理職の中には、「男女区別なく評価し、昇進させる」という基本的な事項を必ずしも実践できていない者も存在する。また、仕事と家庭の両立が困難であることと、ロールモデルが不在であることを主な背景として女性自身が昇進を望まない場合がある。

性別にかかわりない公正な評価・登用は、組織内の多様性を高め、組織対応力の強化等につながるとともに、後進の女性のロールモデルとして、女性全体の意欲の喚起にもつながることから、早期に、男女区別なく評価し、昇進させることが徹底されるよう、評価・登用の透明性を高めることが求められる。

(六) 性別役割分担意識等の職場風土

我が国は、依然として、家事・育児の大半は女性が担っている現状にある。一方、育児等の家庭責任を果たすために、男性が仕事に制約を抱えることが当然とは受け止められにくい職場風土がある。こうした職場における性別役割分担意識や、仕事と家庭の両立に対する不寛容な職場風土は、両立支援制度を利用する上での障壁や、様々なハラスメントの背景にもなりやすい。

これからの急速な高齢化の時代においては、男女ともに、親の介護等によって仕事に制約を抱えざるを得ない人材が増加する。多様な背景を有する人材を活かす組織風土としていくことは急務であり、男女ともに、育児等の家庭責任を果たしながら、職場においても貢献していくという方向へ、社会・職場双方において意識改革を進めていくことが求められる。

(七) 再チャレンジが可能な職場

女性の約五割が第一子出産を機に退職する一方、育児が一段落して再就職を希望する女性は多い。しかし、その再就職の多くはパートタイム労働などの非正社員であり、働く時間・日を選べるという利点がある一方、必ずしもその意欲や能力を十分に活かせる雇用形態であるとは限らない。また、これまで、(一)のように、性別にかかわりない公正な採用が必ずしも徹底されてこなかったことから、採用時の雇用管理区分にとらわれず、女性の意欲と能力を発揮できるようにする必要性は大きい。

今後、生産年齢人口が減少する中、意欲や能力のある女性の力を活かすことは、人材確保の上で有効な方策であり、妊娠・出産等を機に退職した女性の再雇用・中途採用や、意欲と能力を有する女性の職種又は雇用形態の転換を早期に進めていくことが求められる。

第二 女性の活躍推進及び行動計画策定に向けた手順

法においては、国及び地方公共団体と、常時雇用する労働者の数が三百人を超える事業主については、自らの事業における女性の活躍に関する状況把握・課題分析(二)、行動計画の策定、周知・公表(三及び四)、自らの事業における女性の活躍に関する情報の公表(六)が義務付けられている。また、常時雇用する労働者の数が百人以下の事業主については、これらの努力義務が課されている。

これらの義務又は努力義務の履行に際しては、次の一から六までに規定する事項を踏まえて行うことが重要である。

一 女性の活躍推進に向けた体制整備

(一) 女性の活躍推進に向けた組織トップの関与・実務体制の整備等

女性の活躍推進に向けた取組を効果的に行うためには、組織全体の理解の下に進めることが重要である。このため、組織のトップ自らが、経営戦略としても女性の活躍が重要であるという問題意識を人事労務担当部署と共有し、組織全体で女性の活躍を推進していくという考え方を明確にし、組織全体に強いメッセージを発信するなどにより主導的に取り組んでいくことが重要である。

また、組織のトップの関与の下に、男女雇用機会均等法第十三条の二の男女雇用機会均等推進者等の専任の担当者を配置するなど、継続的な実務体制を設けることが効果的である。

さらに、業界固有の課題等については、業界団体等を通じ、事業主間で連携することを通じて、より効果的な課題解決策を模索していくことも有効であると考えられる。

(二) 一般事業主行動計画の策定体制の整備

一般事業主行動計画(三(五)ロを除き、以下第二部において「行動計画」という。)の策定に当たっては、非正社員を含め、幅広い男女労働者の理解と協力を得ながら取り組んでいくことが重要である。このため、例えば人事労務担当者や現場管理職に加え、男女労働者や労働組合等の参画を得た行動計画策定のための体制(委員会等)を設けることが効果的である。

また、法に基づく状況把握項目として把握した数字以外の定性的な事項も含めた職場の実情の的確な把握を行うことも重要である。このため、行動計画の策定の過程において、必要に応じて、労働者や労働組合等に対するアンケート調査や意見交換等を実施するなど、職場の実情の的確な把握に努めることが重要である。

二 状況把握・課題分析

(一) 状況把握・課題分析の意義

行動計画は、自らの事業における女性の活躍の状況把握・課題分析を行い、その結果を勘案して定めなければならない(法第八条第三項及び第八項)。

女性の活躍に向けては、第一の三で見たように、採用から登用に至る各雇用管理の段階において様々な課題があるが、いずれの課題が特に大きな課題であるかは、事業主ごとに多種多様である。状況把握・課題分析の意義は、自らの組織が解決すべき女性の活躍に向けた課題を明らかにし、行動計画の策定の基礎とすることにある。

その際は、女性の活躍推進は、非正規雇用を含めたあらゆる雇用形態において、全ての女性が、その個性と能力を十分に発揮できることを目指して進める必要があることに留意し、雇用管理区分ごとの状況把握・課題分析が求められている項目に限らず、雇用管理区分ごとに実態が異なる可能性がある項目については、各事業主の実態に応じ、適切に雇用管理区分ごとの状況把握・課題分析を行うことが望ましい。

(二) 状況把握・課題分析の方法

我が国の事業主においては、とりわけ、女性の採用者が少ないこと、第一子出産前後の女性の継続就業が困難であること、男女を通じた長時間労働の状況があり仕事と家庭の両立を妨げていること、女性の活躍度合いを測る重要な指標の一つである管理職に占める女性比率が低いこと等の課題を抱える場合が多い。このため、全ての事業主において、これらの課題の有無の指標となる別紙一の第一欄の項目について、状況把握を行い、課題分析を行うことが求められる。

別紙一の第一欄の項目の状況把握・課題分析の結果、事業主にとって課題であると判断された事項については、更にその原因の分析を深めることが望ましい。課題分析は、各事業主の実情に応じて行うものであるが、その際は、別紙一の第二欄の項目を活用し、別紙二の方法も参考に、課題分析を行うことが効果的である。

この点、雇用管理区分ごとの男女の賃金の差異の状況は、行動計画の策定等による取組の結果、特に女性の継続就業や登用の進捗を測る観点から有効な指標となり得ることから、各企業の実情を踏まえつつ、この指標の積極的な把握に努めることが重要である。

また、各事業主の実情に応じて、より深く課題分析を行うために他に適切な状況把握の項目や課題分析の方法がある場合は、当該項目の状況把握や当該方法による分析を行うことも効果的である。

三 行動計画の策定

(一) 行動計画の策定対象となる課題の選定

行動計画においては、①計画期間、②数値目標、③取組内容及び実施時期を定めるものとされている(法第八条第二項)。

また、行動計画の策定等に際しては、状況把握・課題分析を行い、その結果を勘案して定めなければならないものとされている(法第八条第三項及び第八項)。

(二) 計画期間の決定

法は令和七年度までの時限立法である。このため、行動計画の計画期間の決定に際しては、計画期間内に数値目標の達成を目指すことを念頭に、平成二十八年度から令和七年度までの十年間を、各事業主の実情に応じておおむね二年間から五年間に区切るとともに、定期的に行動計画の進捗を検証しながら、その改定を行うことが望ましい。

(三) 数値目標の設定

数値目標の設定の対象については、状況把握・課題分析の結果、各事業主にとって課題であると判断されたものに対応すべきであり、必ずしも、管理職に占める女性比率の上昇等に向けた数値目標である必要はない。

他方で、職業生活における女性の継続的な活躍を推進していくためには、①その雇用し、又は雇用しようとする女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供と②その雇用する労働者の職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する取組をバランスよく進めていくことが重要である。このため、常時雇用する労働者の数が三百人を超える事業主については、原則として、別紙一の(1)及び(2)の区分の項目を各区分ごとに一つ以上選択し、関連する数値目標を設定するものとする。ただし、状況把握・課題分析の結果、(1)又は(2)の区分に関する取組のいずれか一方が既に進んでおり、他の区分に関する取組を集中的に実施することが適当と認められる場合には、当該他の区分の項目を二つ以上選択し、関連する数値目標を設定することをもってこれに代えることができる。

また、常時雇用する労働者の数が三百人以下の事業主においては、まずは、各事業主にとって最も大きな課題と考えられるものから優先的に数値目標の設定を行うことが考えられるが、できる限り積極的に複数の課題に対応する数値目標の設定を行うことが効果的である。

数値目標については、実数、割合、倍数等数値を用いるものであればいずれでもよい。

数値目標の水準については、計画期間内に達成を目指すものとして、各事業主の実情に見合った水準とすることが重要である。

(四) 取組内容の選定・実施時期の決定

行動計画に盛り込む取組内容を決定するに際しては、まず、状況把握・課題分析の結果、数値目標の設定を行ったものについて、優先的にその数値目標の達成に向けてどのような取組を行うべきか検討を行うことが基本である。

検討の際は、組織全体にわたって、性別にかかわりない公正な採用・配置・育成・評価・登用が行われるように徹底していくことが必要である。

その上で、我が国全体でみると、依然として、第一子出産前後の継続就業が困難なことが大きな課題となっているが、女性の活躍推進に早期から取り組んできた事業主の経験からは、両立支援制度の整備のみを進めても、両立支援制度を利用しながら女性が活躍していくことに協力的な職場風土が形成されていない場合や、長時間労働等働き方に課題がある職場の場合は、十分な効果が現れていないことが指摘されていることに留意する必要がある。したがって、職場風土や長時間労働等の働き方に関する課題を有する事業主においては、併せてその是正に取り組むことが効果的である。

さらに、取組内容については、別紙二の方法を参考に、内容及び実施時期を併せて決定することが必要である。なお、実施時期については、計画期間終了時までを実施時期とするものについては、その旨を個別に記載する必要はない。

(五) その他

イ 派遣労働者の取扱い

女性の活躍推進は、非正規雇用を含めたあらゆる雇用形態等において、一人一人の女性が、その個性と能力を十分に発揮できることを目指して進める必要がある。

派遣労働者については、女性の活躍推進の取組は、採用・配置・育成・継続就業等、一人一人の職業生活を通じた取組が求められることから、派遣元事業主が責任を持って、状況把握・課題分析を行い、行動計画の策定等に取り組む必要がある。

他方、職場風土改革に関する取組や長時間労働の是正は、職場単位で行うことも重要であることから、派遣先事業主は、派遣労働者も含めて全ての労働者に対して取組を進めていくことが求められる。

また、これら職場風土に関する課題や長時間労働という課題については、派遣元事業主は、派遣労働者の派遣先ごとに状況把握・課題分析を行い、必要な場合には、派遣先の人事労務担当者と話合いを行うなど、取組を推進するよう働きかけるとともに、必要なフォローアップを行うことが重要である。

ロ 次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画との一体的策定・届出

法に基づく行動計画は、計画期間、計画目標、取組内容及び実施時期を定める必要があり、状況把握・課題分析を行った上で、その結果を勘案して定める必要がある(法第八条第二項、第三項及び第八項)。

一方、次世代育成支援対策推進法(平成十五年法律第百二十号)に基づく行動計画は、計画期間、目標(数値目標に限らない)、対策内容及び実施時期を定める必要がある。

これら二つの法律に定める要件を満たしていれば、それぞれの法律に基づく行動計画を一体的に策定することは可能である。なお、その場合は、共通の様式を活用することにより、届出も一体的に行うことができる。

ハ 男女雇用機会均等法との関係

行動計画については、男女雇用機会均等法に違反しない内容とすることが必要である。

男女雇用機会均等法においては、募集・採用・配置・昇進等において女性労働者を優先的に取り扱う措置のうち、同法に違反しないものは、女性労働者が男性労働者と比較して相当程度少ない雇用管理区分における措置であるなど、一定の場合に限られるとしている(「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」(平成十八年厚生労働省告示第六百十四号)第2の14(1))。

女性の活躍推進に向けた取組として、女性労働者を優先的に取り扱う措置を講じる場合は、この点に留意が必要である。

なお、社内に女性管理職等のロールモデルがまだ育成されていない企業においては、外部から女性管理職等を登用することも考えられるが、男性労働者と同様に、自社で働く女性労働者を育成・登用することも重要であることに留意が必要である。

四 労働者に対する行動計画の周知・公表

(一) 労働者に対する周知

策定又は変更した行動計画については、労働者に周知することが求められている(法第八条第四項及び第八項)。

行動計画に定めた数値目標の達成に向けて組織全体で取り組むため、まずは、非正社員を含めた全ての労働者がその内容を知り得るように、書面の交付や電子メールによる送付等適切な方法で周知することが求められる。さらに、組織トップの主導の下、管理職や人事労務担当者に対する周知を徹底することが期待される。

(二) 公表

策定又は変更した行動計画については、公表することが求められている(法第八条第五項及び第八項)。

求職者、投資家、消費者等が各事業主の女性の活躍推進に向けた姿勢や取組等を知ることができるようにするとともに、事業主間で効果的な取組等を情報共有し、社会全体の女性の活躍が推進されるよう、国が運営する「女性の活躍推進企業データベース」や自社のホームページへの掲載等適切な方法で公表することが求められる。

五 行動計画の推進

行動計画の推進に当たっては、一の(二)の委員会等の行動計画の策定のための体制(例えば、人事労務担当者や現場管理職に加え、男女労働者や労働組合等の参画を得たもの)を活用することが効果的である。また、定期的に、数値目標の達成状況や、行動計画に基づく取組の実施状況の点検・評価を実施し、その結果をその後の取組や計画に反映させる、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のサイクル(以下「PDCAサイクル」という。)を確立することが重要である。

その際には、行動計画の策定に際して状況把握を行った女性の活躍に関する状況の数値の改善状況についても、併せて点検・評価を行うことが効果的である。また、各企業の実情を踏まえつつ、取組の結果を測るための指標である男女の賃金の差異の積極的な把握に努めることが重要である。

また、行動計画の改定に向けた検討は、職場の実情を踏まえた実施状況の的確な点検を基に行うことも重要であり、必要に応じて、労働者や労働組合等に対するアンケート調査や意見交換等を実施するなど、職場の実情の的確な把握に努めることが重要である。

六 情報の公表

(一) 情報の公表の意義

事業主は、自らの事業における女性の活躍に関する情報の公表が求められている(法第二十条)。

情報の公表の意義は、就職活動中の学生等の求職者の企業選択を通じ、女性が活躍しやすい企業であるほど優秀な人材が集まり、競争力を高めることができる社会環境を整備することにより、市場を通じた社会全体の女性の活躍の推進を図ることにある。

(二) 情報の公表の項目及び方法

情報の公表については、常時雇用する労働者の数が三百人を超える事業主については別紙三の(1)及び(2)の区分の項目((1)⑨及び(2)⑧を除く。)の中からそれぞれ一つ以上、常時雇用する労働者の数が三百人以下の事業主については別紙三の項目((1)⑨及び(2)⑧を除く。)の中から一つ以上を選択して、国が運営する「女性の活躍推進企業データベース」や自社のホームページへの掲載等、求職者が容易に閲覧できる方法によって行う必要がある(常時雇用する労働者の数が百人以下の事業主の場合は努力義務)。その際には、行動計画策定の際に状況把握・課題分析した項目から選択することが基本であると考えられる。また、事業主は、別紙三の(1)⑨及び(2)⑧の項目を公表することができる。

公表に際しては、より求職者の企業選択に資するよう、情報の公表項目と併せて、行動計画を一体的に閲覧できるようにすることが望ましい。

なお、別紙三の項目については、必ずしも全ての項目を公表しなければならないものではないが、公表範囲そのものが事業主の女性活躍推進に対する姿勢を表すものとして、求職者の企業選択の要素となることに留意が必要である。

(三) 情報の公表の頻度

情報の公表の内容については、おおむね年一回以上、その時点で得られる最新の数値(特段の事情のない限り、古くとも前々事業年度の状況に関する数値)に更新し、情報更新時点を明記することが必要である。

七 認定

一般事業主のうち、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施状況が優良な事業主は、厚生労働省令で定める基準を満たすことにより、厚生労働大臣の認定を受けることができる(法第九条)。

また、当該認定を受けた一般事業主のうち、当該取組の実施状況が特に優良な事業主は、厚生労働省令で定める基準を満たすことにより、厚生労働大臣の特例認定を受けることができ、特例認定を受けた一般事業主は、行動計画の策定等の義務が免除される(法第十二条及び第十三条第一項)。

認定又は特例認定を受けた事業主であることを幅広く積極的に周知・広報することにより、優秀な人材の確保や企業イメージの向上等のメリットにつながることから、認定又は特例認定の取得に向けて積極的な取組が期待される。

第三 女性の活躍推進に関する効果的な取組

女性の活躍推進に関する効果的な取組例は、別紙二のとおりであり、これを参考に、各事業主の実情に応じて、必要な取組を検討することが求められる。

第三部 特定事業主行動計画

第一 女性の活躍の意義及び現状

一 女性の活躍の意義

「女性の活躍」とは、一人一人の女性が、個性と能力を十分に発揮できることである。特に公務部門での女性の活躍は、我が国の政策方針決定過程への女性の参画拡大という重要な意義を有するものである。

女性職員の登用の拡大は、女性の活躍の一側面を測るものであるが、女性の活躍は、それにとどまるものではなく、臨時・非常勤職員を含めた全ての女性職員が、どの役職段階においても、その個性と能力を十分に発揮できることを目指して推進する必要がある。また、多様な人材を活かすダイバーシティ・マネジメントは、公務部門に対するニーズのきめ細かい把握や新しい発想を生み出すことなどを通じて、政策の質と公務部門におけるサービスを向上させる。このため、女性活躍の観点から、女性の採用・登用の拡大や仕事と生活の調和(以下「ワーク・ライフ・バランス」という。)の推進に積極的に取り組む必要がある。

特定事業主の女性の活躍状況は一般事業主も注目しており、一般事業主に対し率先垂範する観点からも、こうした取組を着実に進めることは大きな意義があると考えられる。

二 女性の活躍の現状

公務部門における女性の活躍は、女性職員の採用・登用の拡大など着実に進んでおり、この動きを更に加速していくことが必要である。また、特定事業主によって、女性職員の採用・登用の状況、男女が共に育児・介護等と両立して活躍しやすい環境であるか等の状況は様々である。

第二 女性の活躍に向けた課題及び具体的な取組

女性の活躍に向けた動きを更に加速していくためには、各特定事業主の実情を踏まえ、かつ、公務員法制上の平等取扱の原則及び成績主義の原則や各機関の特性に留意しつつ、採用から登用に至るあらゆる段階において、以下の視点から実効的な取組を進めていくことが必要である。特に、長時間勤務の是正などの働き方改革、性別にかかわりない職務の機会付与と適切な評価に基づく登用及び男性の家庭生活(家事及び育児等)への参加促進に取り組む必要がある。

一 採用

採用者に占める女性職員の割合は、近年、国家公務員(採用試験全体及び総合職試験)及び都道府県の地方公務員(大学卒業程度)で三割を超える水準に、市町村の地方公務員では約五割の水準に拡大してきている。女性の活躍に向けては、その入口となる女性職員の採用の拡大が重要であることから、採用試験の女性受験者・合格者の拡大に向け、積極的な広報活動を実施するとともに、多様な人材確保等の観点から、中途採用の拡大や、育児等を理由に国家公務員・地方公務員を中途退職した女性が再度公務において活躍できる取組を進めることも重要である。

二 職域拡大・計画的育成とキャリア形成支援

女性職員の意欲を維持しながら計画的な育成やキャリア形成支援を図るに当たり、出産・子育て期に入る以前の時期に、女性職員がやりがいを感じられる職務経験を重ねることが重要である。育児休業等の取得期間は、本人の希望が最大限尊重されるべきことは当然であるが、この職務経験により、育児休業を経ても、仕事への高い意欲を保ったまま職場への早期復帰を望む可能性が高まると考えられる。また、家庭生活との両立が困難な職場は、育児休業の取得期間を必要以上に長期化させ、職員のキャリア形成機会や意欲を阻害し得る観点からも改善が求められる。

三 継続勤務

我が国の女性の年齢階級別労働力率は、いわゆるM字カーブを描いていることから、全体の離職率が低い場合でも、近年の晩婚化・晩産化の傾向に留意しつつ、年代別の離職の状況を踏まえて、両立を阻む職場の課題を改善する必要がある。

なお、男女を通じたテレワーク・フレックスタイム制を活用した柔軟な働き方の推進は、能率的な公務運営にも資するものであることを踏まえることが重要である。

四 登用

女性職員の登用は、女性の活躍の進捗状況を示す最も端的な指標であり、公務部門においては、性別にかかわりない公正な人事評価に基づく成績主義の原則に基づいた率先した取組が望まれる。

また、管理的地位にある職員への女性の登用拡大に加え、女性の人材プールを確実に形成していくことが重要である。なお、女性職員に昇進を希望しない傾向がみられた場合には、長時間勤務などの昇進意欲を阻害している職場の要因を考察・改善することも重要である。

五 長時間勤務の是正等の男女双方の働き方改革

女性職員が活躍できる職場を作るためには、男女双方の職員の働き方改革によるワーク・ライフ・バランスの実現が不可欠である。中でも長時間勤務は、その職場における女性職員の活躍の大きな障壁となるだけでなく、男性職員の家事・育児・介護等の分担を困難にし、当該男性職員の配偶者である女性の活躍の障壁となるものである。

男女を通じて長時間勤務を是正し、限られた時間の中で集中的・効率的に業務を行う方向へ職場環境を見直していくことは、生産性を高め、組織の競争力を高めることにも貢献するものでもあることから、これまでの価値観・意識を大きく改革するとともに、職場における仕事の抜本的な改革、働く時間と場所の柔軟化を進めることが重要である。

このため、多様な人材を活かす業務運営及び生産性の重視並びに効率的な業務運営等の取組に係る人事評価への適切な反映等についての組織のトップによる明確なメッセージの継続的な発信や、テレワーク・フレックスタイム制の推進や制度の円滑な運用に向けた取組を進める必要がある。

六 家事、育児や介護をしながら活躍できる職場環境の整備

仕事と家庭の両立支援制度の利用が女性職員に偏り、男性職員の利用が低い現状の背景には、家事・育児・介護等の家庭責任のために、男性が仕事に制約を抱えることが当然とは受け止められにくい職場の風土や性別役割分担意識があると考えられる。このような職場風土は、様々なハラスメントの背景にもなりやすい。

これからの急速な少子高齢化の時代においては、男女共に、親の介護等に携わる職員が増加する。制度の周知や管理的地位にある職員等への意識啓発、利用者の状況に応じたきめ細かい対応等により、男性職員が一定のまとまった期間、休暇等を利用して家事・育児・介護等の多様な経験を得ることは、マネジメント力の向上や多様な価値観の醸成等を通じ職務における視野を広げるなど、自身のキャリア形成にとっても有用なものであるだけでなく、働き方改革の推進、育児等の家庭生活に理解のある職場風土の形成に資するものと考えられる。

第三 特定事業主行動計画の策定等に向けた手順

法において、特定事業主については、自らの事務及び事業における女性の活躍に関する状況把握・課題分析(二)、特定事業主行動計画(三(五)ロを除き、以下第三部において「行動計画」という。)の策定・周知・公表(三及び四)、取組の実施状況の公表(五(二))及び女性の職業選択に資することを目的とした女性の活躍に関する情報の公表(六)が義務付けられている。

これらの義務の履行に際しては、以下の一から六までに規定する事項を踏まえて行うことが重要である。

一 女性の活躍推進に向けた体制整備

(一) 女性の活躍推進に向けた組織のトップの関与・推進体制の整備等

女性の活躍推進に向けた取組は、多様な職務機会や必要な研修機会の付与等の計画的育成・キャリア形成支援や、長時間勤務の是正、職場風土改革など、組織全体で継続的に取り組む必要のあるものが多く、これらの取組を効果的に行うためには、組織全体の理解の下に進めることが重要である。このため、まず、組織のトップ自らが、組織経営戦略としても女性活躍が重要であるという問題意識を持って、組織全体で女性の活躍を推進していくという考え方を明確にし、強いメッセージを発信することによりリーダーシップを持って取り組んでいくことが重要である。

また、組織のトップの関与の下に、担当部局を明確に定めるなど、継続的な推進体制を設けることが効果的である。

(二) 行動計画の策定体制の整備等

行動計画の策定・推進に当たっては、常勤職員はもとより臨時・非常勤職員を含め、全ての職員を対象としていることを明確にし、男女双方の幅広い職員の理解と納得の下、協力を得ながら、各課題に応じた目標・取組を進めていくことが極めて重要である。このうち、臨時・非常勤職員については、その状況を適切に把握するとともに、課題の内容に応じ、両立支援制度やハラスメント等の各種相談体制の整備などの取組が期待される。なお、派遣労働者については、特定事業主が派遣先となっている場合、当該特定事業主が長時間勤務の是正等の働き方改革を進めるため、当該派遣労働者の状況把握を行うことも有益である。

また、法に基づく状況把握項目に現れないものも含めた職場の実情の的確な把握を行うことも重要である。このため、行動計画の策定の過程において、必要に応じて、職員に対するアンケート調査や意見交換等を実施するなど、各職場・各世代の男女の声を広くくみ上げつつ、職場の実情の的確な把握に努めることが重要である。

二 状況把握・課題分析

(一) 状況把握・課題分析の意義

行動計画は、自らの事務及び事業における女性の活躍の状況把握・課題分析を行い、その結果を勘案して定めなければならない(法第十九条第三項)。

女性の活躍に向けては、第二で見たように、採用から登用に至る各過程において様々な課題があるが、どの部分が特に大きな課題であるかは、特定事業主ごとに多種多様である。状況把握・課題分析の意義は、自らの組織が解決すべき女性の活躍に向けた課題を明らかにし、行動計画の策定の基礎とすることにある。

その際、女性の活躍推進は、常勤職員だけではなく、臨時・非常勤職員を含めた全ての女性が、その希望に応じて個性と能力を十分に発揮できることを目指して進める必要があることに留意し、職員のまとまりごとの状況把握・課題分析が求められている項目に限らず、職員のまとまりごとに実態が異なる可能性のある項目については、各特定事業主の実情に応じ、必要となる状況把握・課題分析を行っていくことが望ましい。

(二) 状況把握・課題分析の方法

行動計画の策定に当たっては、まず、別紙四の第一欄の項目の状況把握を行い、課題分析を行うことが求められる。その結果、特定事業主にとって課題であると判断された事項については、別紙四の第二欄の項目を活用し、別紙五の観点も参考に、更にその原因の分析を深めるべきである。

状況把握・課題分析に当たっては、以下の方法によることに留意されたいが、各特定事業主の実情に応じて、他に適切な方法がある場合は、当該方法による把握・分析も効果的である。

・離職者の年代別割合は、「五歳ごと」等に把握すること。

・超過勤務の状況は、組織の単位(課室や部局等)ごと等に区分して把握すること。更に実態を把握する観点からは、超過勤務時間が「一月について四十五時間」や「一年について三百六十時間」等を超えた職員数を把握すること。

・超過勤務の縮減に向けた取組の有効性を検証する観点からは、超過勤務の状況を経年的に把握すること。

・各役職段階に占める女性職員の割合については、その伸び率を把握する際には、三事業年度前からの変化等を捉えること。

・男性職員の育児休業の取得期間について一月以下が多い場合には、「五日未満」や「二週間未満」等に単位を細分化して把握すること。

・地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)の改正により令和二年度から運用開始となる会計年度任用職員の育児休業等の両立支援制度については、その制度の整備状況等も併せて把握すること。

・配偶者出産休暇及び育児参加のための休暇の合計取得日数は、国の各府省等の政府目標となっている「五日以上」の取得割合等を把握すること。

・セクシュアルハラスメント等対策の整備状況は、特定事業主の措置義務が、男女雇用機会均等法や人事院規則等に基づき定められている趣旨を十分に踏まえ、被害の防止の観点で行う研修や制度の周知の状況、相談窓口の設置状況及び窓口担当者等が相談を受けた後に適切な対応をとるための「対応マニュアル」等の整備・周知の状況等を把握すること。

・職員の配置の状況は、女性職員が配属されていない職場の有無等を把握し、さらに、当該職場の超過勤務の状況や男性の育児休業等の取得状況を重ねて職場の課題を分析すること。

・将来的な育成に向けた教育訓練の受講状況は、選抜型の研修への参加や在外機関への異動等に性別の偏りがないかを把握すること。

・年次休暇等の取得状況は、「一年の年次休暇等が二十日以上付与された者の平均取得日数」や「取得日数が五日未満の職員割合」等を把握すること。

・職員のまとまりごとの給与の男女間の差異の状況は、行動計画の策定等による取組の結果を把握する観点から有効な指標となり得ること。

三 行動計画の策定

(一) 行動計画の策定対象となる課題の選定

行動計画においては、①計画期間、②数値目標、③取組内容及び実施時期を定めるものとされている(法第十九条第二項)。

また、行動計画の策定等に際しては、状況把握・課題分析の結果を勘案して定めなければならないものとされている(法第十九条第三項)。

(二) 計画期間の決定

法は令和七年度までの時限立法である。このため、行動計画の計画期間の決定に際しては、計画期間内に数値目標の達成を目指すことを念頭に、平成二十八年度から令和七年度までの十年間を、各特定事業主の実情に応じておおむね二年間から五年間程度に区切ることとするとともに、定期的に行動計画の進捗を検証しながら、改定を行っていくことが望ましい。

(三) 数値目標の設定

数値目標の設定の対象については、状況把握・課題分析の結果、各特定事業主にとって課題であると判断されたものに対応すべきであるが、職業生活における女性の継続的な活躍を推進していくためには、その任用し、又は任用しようとする女性に対する職業生活に関する機会の提供とその任用する職員の職業生活と家庭生活との両立に資する勤務環境の整備に関する取組をバランスよく進めていくことが重要である。このため、状況把握・課題分析の結果を勘案した上で、別紙四の(1)及び(2)の区分に属する状況把握項目に関連する数値目標をそれぞれ一つ以上設定することが求められる。

数値目標については、実数、割合、倍数等数値を用いるものであればいずれでもよい。

数値目標の水準については、計画期間内に達成を目指すものとして、過去の実績、将来の見込みや同種の他団体などとの比較も踏まえ、各特定事業主の実情に見合った水準とすることが重要である。

なお、各府省等においては、少なくとも、女性職員の採用・登用と、男性職員の育児休業取得率、配偶者出産休暇及び育児参加のための休暇については、数値目標を設定し、積極的に取り組むものとする。

また、地方公共団体においては、各特定事業主における状況把握・課題分析の結果を勘案しつつ、国の各府省等における取組も参考にしながら数値目標を設定し、主体的かつ積極的に取り組むことが望ましい。

(四) 取組内容の選定・実施時期の決定

行動計画に盛り込む取組内容を決定するに際しては、まず、状況把握・課題分析の結果、数値目標の設定を行ったものから優先的に、その数値目標の達成に向けてどのような取組を行っていくべきかについて検討を行うことが基本である。

第二で述べた特に取り組むべき長時間勤務の是正などの働き方改革、性別にかかわりない職務の機会付与と適切な評価に基づく登用及び男性の家庭生活(家事及び育児等)への参加促進について、各特定事業主において、当該特定事業主の実情に応じて積極的かつ主体的に各課題の解決に向けた多様な取組を取り上げ、これらの取組を総合的に進めていくことが効果的であると考えられる。

こうした認識の下、具体的な取組の内容については、別紙五も参考にしつつ、実施時期も併せて決定することが望ましい。

なお、実施時期については、計画期間終了時までを実施時期とするものについては、その旨、個別に記載する必要はない。

(五) その他

イ 地方公共団体による率先垂範

地方公共団体においては、地域の先頭に立って、当該地域内の一般事業主をリードする行動計画を策定するとともに、積極的に女性職員の活躍を推進していくことが求められる。

ロ 次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画等との一体的策定

法に基づく行動計画は、状況把握・課題分析を行った上で、その結果を勘案して、計画期間、数値目標、取組内容及び実施時期を定める必要がある(法第十九条第二項及び第三項)。

一方、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画は、計画期間、目標(数値目標に限らない。)、対策内容及び実施時期を定める必要がある。

これらの両法律に定める要件を満たしていれば、両法律に基づく行動計画を一体的に策定することは可能である。また、各府省等は、採用昇任等基本方針(平成二十六年六月二十四日閣議決定)の5(4)に基づき策定した取組計画と法に基づく行動計画を一体的に策定することも可能である。

なお、一体的に策定した場合、法に基づく行動計画である旨及び法に基づく部分を、分かりやすく明示することが望ましい。

四 行動計画の周知・公表

(一) 職員に対する周知

策定・変更した行動計画については、職員に周知することが求められている(法第十九条第四項)。

行動計画に定めた数値目標を達成し、各役職段階や臨時・非常勤職員を含めた全ての女性職員の活躍に向けて組織全体で取り組んでいくため、まずは、全ての職員が知り得るように、電子メールによる送付その他の適切な方法で周知することが求められる。また、組織トップの主導の下、特に管理的地位にある職員に対する周知を徹底することが重要である。さらに、職員が行動計画を常時閲覧できる状態にしておくことが望ましい。

(二) 公表

策定・変更した行動計画については、公表することが求められている(法第十九条第五項)。

国民や一般事業主が各特定事業主の女性の活躍推進に向けた姿勢や取組等を了知することができるよう、また、事業主間で効果的な取組等を情報共有し、社会全体の女性の活躍が推進されるよう、広報誌やホームページへの掲載等適切な方法で公表することが求められる。

五 行動計画の推進等

(一) 行動計画の推進体制

行動計画の推進に当たっては、毎年少なくとも一回、数値目標の達成状況や、行動計画に基づく取組の実施状況の点検・評価を実施し、その結果をその後の取組や計画に反映させる、PDCAサイクルを確立することが重要である。

その際には、行動計画の策定に際して状況把握を行った女性の活躍に関する状況の数値の改善状況についても、併せて点検・評価を行うことが効果的である。

また、行動計画の改定に向けた検討の際には、職場の実情を踏まえた実施状況の的確な点検を基に行うことも重要であり、必要に応じて、職員に対するアンケート調査や、職員との意見交換等を実施するなど、職場の実情の的確な把握に努めることが重要である。

(二) 実施状況の公表

各特定事業主は、毎年少なくとも一回、行動計画に基づく取組の実施状況を公表しなければならない(法第十九条第六項)。数値目標を設定した項目については、経年で、その進捗状況や目標達成のために実施した取組の実績を広報誌やホームページへの掲載等により公表することが求められる。加えて、当該公表の内容を、幹部職員の定例会議の場等で定期的に報告することも取組の継続的な推進の観点から有効である。

六 情報の公表

(一) 情報の公表の意義

特定事業主は、自らの事務及び事業における女性の活躍に関する情報の公表が求められている(法第二十一条)。

情報の公表の意義は、就職活動中の学生等の求職者の職業選択において、女性が活躍しやすい事業主であるほど優秀な人材が集まり、競争力を高めることができる社会環境を整備することにより、市場を通じた社会全体の女性の活躍の推進を図ることにある。

(二) 情報の公表の項目及び方法

情報の公表については、別紙六の(1)及び(2)の区分の項目((1)⑦及び(2)⑧を除く。)の中から、それぞれ一つ以上を選択して、広報誌やホームページへの掲載等、求職者が容易に閲覧できる方法によって行う必要がある。その際には、行動計画策定の際に状況把握・課題分析した項目から選択することが基本であり、別紙四の第一欄にも掲げられている項目は、積極的に公表することが望ましい。また、別紙六の(1)⑦の制度の概要としては、セクシュアルハラスメント等対策の整備状況、特定事業主として実施する教育訓練・研修の概要及び中途採用の概要等が、同表の(2)⑧の制度の概要としては、テレワーク等の柔軟な働き方に資する制度の概要及びその円滑な施行のため特定事業主が実施する取組の概要等が考えられる。

公表に際しては、求職者の選択により資するよう、情報の公表項目と併せて、行動計画を一体的に閲覧できるようにすることが望ましい。

なお、別紙六の項目については、必ずしも全ての項目を公表しなければならないものではないが、一般事業主に対し率先垂範すべき公務部門として積極的に公表することが望ましい。

(三) 情報の公表の頻度

情報の公表の内容については、おおむね年一回以上、その時点に得られる最新の数値に更新し、情報更新時点を明記することが必要である。

(令元内官内府総省厚労告一・一部改正)

附 則 (令和元年一二月二七日内閣官房、内閣府、総務省、厚生労働省告示第一号)

1 この告示は、令和二年四月一日から適用する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から適用する。

一 第一条中第一部第三の改正規定(「第十五条第一項」を「第十九条第一項」に改める部分に限る。)、第二部第二の一(一)、六及び七の改正規定、第三部第三の二(一)中「第十五条第三項」を「第十九条第三項」に改める改正規定、三(一)中「第十五条第二項」を「第十九条第二項」に、「第十五条第三項」を「第十九条第三項」に改める改正規定、三(五)ロ中「第十五条第二項及び第三項」を「第十九条第二項及び第三項」に改める改正規定、四の改正規定、五(二)中「法第十五条第六項の規定に基づき、」を削り、「公表しなければならない」の下に「(法第十九条第六項)」を加える改正規定、六(一)中「第十七条」を「第二十一条」に改める改正規定及び六(二)の改正規定並びに別紙三の改正規定 令和二年六月一日

二 第二条の規定 令和四年四月一日

2 この告示による改正後の事業主行動計画策定指針第二部第二の二及び三並びに第三部第三の二及び三の規定は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に規定する一般事業主行動計画及び特定事業主行動計画でこの告示の適用の日前に計画期間が開始したものについては、適用しない。

附 則 (令和元年一二月二七日内閣官房、内閣府、総務省、厚生労働省告示第二号)

この告示は、令和二年六月一日から適用する。

別紙一(第二部第二の二(二)及び三(三)関係)

(令元内官内府総省厚労告1・全改)

別紙二(第二部第二の二(二)、三(四)及び第三関係)

(令元内官内府総省厚労告1・全改)

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別紙三(第二部第二の六(二)関係)

(令元内官内府総省厚労告1・全改)

別紙四(第三部第三の二(二)、三(三)及び六(二)関係)

(令元内官内府総省厚労告1・全改、令元内官内府総省厚労告2・一部改正)

別紙五(第三部第三の二(二)及び三(四)関係)

(令元内官内府総省厚労告1・全改)

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別紙六(第三部第三の六(二)関係)

(令元内官内府総省厚労告2・全改)