アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針

(平成二十七年十月二十九日)

(厚生労働省告示第四百三十一号)

児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十一条の五の規定に基づき、小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針を次のように定めたので、告示する。

小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針

児童福祉法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第四十七号。以下「改正法」という。)により、小児慢性特定疾病児童等(児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号。以下「法」という。)第六条の二第二項に規定する小児慢性特定疾病児童等をいう。以下同じ。)に係る法定給付としての小児慢性特定疾病医療費の支給や小児慢性特定疾病児童等自立支援事業が法に位置づけられ、平成二十七年一月一日に施行された。

本方針は、法第二十一条の五の規定に基づき、法第六条の二第三項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の良質かつ適切な実施をはじめとして、国、地方公共団体等が取り組むべき方向性を示すことにより、疾病児童等(法第二十一条の四第一項に規定する疾病児童等をいう。以下同じ。)の健全な育成を図ることを目的とする。

第一 疾病児童等の健全な育成に係る施策の推進の基本的な方向

一 国並びに都道府県、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市、同法第二百五十二条の二十二第一項に規定する中核市及び法第五十九条の四第一項に規定する児童相談所設置市(特別区を含む。以下「都道府県等」という。)は、小児慢性特定疾病児童等及びその家族が必要な医療や支援等を確実に、かつ、切れ目なく受けられるようにするため、当事者である小児慢性特定疾病児童等及びその家族の意見を踏まえつつ、小児慢性特定疾病児童等の健全な育成に係る施策の実施及び充実に努める。なお、施策の実施及び充実に当たっては、小児慢性特定疾病児童等には、小児慢性特定疾病であって、指定難病(難病の患者に対する医療等に関する法律(平成二十六年法律第五十号)第五条第一項に規定する指定難病をいう。以下同じ。)の要件を満たさない疾病に患している児童及び児童以外の満二十歳に満たない者が含まれることに留意することが重要である。

二 疾病児童等の健全な育成に係る施策は、疾病児童等の社会参加の機会が確保されることを旨として、社会福祉をはじめとする関連施策との有機的な連携に配慮しつつ、総合的に実施されることが必要である。また、施策の実施に当たっては、関係機関、関係団体及び疾病児童等に対する医療又は福祉、教育若しくは雇用支援に関連する職務に従事する者、事業主、大学その他の研究機関、小児慢性特定疾病に関係する各学会その他の関係者(以下「関係機関等」という。)並びに疾病児童等及びその家族が参画し、疾病児童等及びその家族の個別のニーズへの対応が図られることが必要である。

三 国及び都道府県等が講ずる小児慢性特定疾病児童等の健全な育成に係る施策は、広く国民の理解を得ながら推進されることが必要である。

四 国及び都道府県等が講ずる小児慢性特定疾病児童等の健全な育成に係る施策は、小児慢性特定疾病児童等が成人後も必要な医療等を切れ目なく受けられるようにするため、難病の患者に対する医療等の施策との連携を図る観点から、難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成二十七年厚生労働省告示第三百七十五号)を踏まえつつ、実施されることが必要である。

五 国は、社会の状況変化等に的確に対応するため、小児慢性特定疾病対策の実施状況等を踏まえ、少なくとも五年ごとに再検討を加え、その結果に基づき、必要があると認めるときは本方針の見直しを行う。

第二 小児慢性特定疾病医療費の支給に関する事項

一 小児慢性特定疾病については、法第六条の二第一項に定められた要件を満たす疾病を小児慢性特定疾病医療費の対象とするよう、国は、疾病について情報収集を広く行い、それぞれの疾病が置かれた状況を踏まえつつ、小児慢性特定疾病の要件の適合性について適宜判断を行う。併せて、国際的な状況も含めた医学の進歩に応じ、法第六条の二第三項に基づき小児慢性特定疾病ごとに厚生労働大臣が定める疾病の状態の程度を見直すとともに、小児慢性特定疾病の診断の手引きの見直しを推進する。

二 小児慢性特定疾病医療費の支給の目的が、小児慢性特定疾病児童等の健全な育成の観点から、小児慢性特定疾病児童等の家庭に対する経済的支援を行うとともに、小児慢性特定疾病に関する調査及び研究の推進に資することであることに鑑み、国は、小児慢性特定疾病児童等及びその家族等の同意を得た同意小児慢性特定疾病関連情報(法第二十一条の四第五項に規定する同意小児慢性特定疾病関連情報をいう。以下同じ。)の収集を行い、小児慢性特定疾病に関する調査及び研究の推進等に活用するため、同意小児慢性特定疾病関連情報に係る医学的データベース(以下「小児慢性特定疾病児童等データベース」という。)から抽出したデータを加工した匿名小児慢性特定疾病関連情報(法第二十一条の四の二第一項に規定する匿名小児慢性特定疾病関連情報をいう。以下同じ。)について、個人情報の保護等に万全を期することを最優先とした上で、第三者への提供等を行う。都道府県等は、同意小児慢性特定疾病関連情報を国へ提供する。小児慢性特定疾病児童等及びその家族等は、必要なデータの提供に協力し、指定医(法第十九条の三第一項に規定する指定医をいう。以下同じ。)は、正確な小児慢性特定疾病医療費の支給の申請に係る小児慢性特定疾病児童等についての臨床データの登録に努める。

第三 良質かつ適切な小児慢性特定疾病医療支援の実施に関する事項

一 小児慢性特定疾病について、できる限り早期に正しい診断が行われるよう、国及び都道府県等は、日本医師会や小児慢性特定疾病に関係する学会等の協力を得て、多種多様な疾患を理解するために有用なeラーニング教材を活用する等、指定医の育成を行うことが重要である。

二 国は、小児慢性特定疾病の診断の際に活用できるよう、国際的な状況も含めた医学の進歩に応じ、診断の手引きの見直しの推進及びその周知を図る。

三 小児慢性特定疾病の診断後は、できる限り身近な医療機関で適切な治療が受けられるよう、都道府県等は、小児慢性特定疾病医療支援を行うことが可能な医療機関に対して、指定小児慢性特定疾病医療機関(法第六条の二第二項に規定する指定小児慢性特定疾病医療機関をいう。)の指定の申請を促す等、小児慢性特定疾病児童等に対する医療提供体制の確保に努める。

四 都道府県は、小児慢性特定疾病児童等への支援策等、地域の実情に応じた小児慢性特定疾病に関する医療を提供する体制の確保に向けて必要な事項を医療計画(医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の四第一項に規定する医療計画をいう。)に盛り込むなどの措置を講じるよう努めるとともに、それらの措置の実施、評価及び改善を通じて、必要な医療提供体制の構築に努める。

五 国は、小児慢性特定疾病児童等に対して、成人後も必要な医療等を切れ目なく受けられるようにするため、「都道府県における小児慢性特定疾病の患者に対する移行期医療支援体制の構築に係るガイド」(平成二十九年十月二十五日付け健難発一〇二五第一号厚生労働省健康局難病対策課長通知別紙。以下「ガイド」という。)を周知する。都道府県は、ガイドを参考にしつつ、小児期及び成人期をそれぞれ担当する医療従事者間の連携などの支援体制の整備や、自身の疾病等の理解を深めるなどの自律支援及び自立支援等を目的とした移行期医療の体制を整備する事業の実施に努める。また、小児慢性特定疾病対策地域協議会(法第十九条の二十三第一項に規定する小児慢性特定疾病対策地域協議会をいう。以下同じ。)の置かれた都道府県等の区域において、難病対策地域協議会(難病の患者に対する医療等に関する法律第三十二条第一項に規定する難病対策地域協議会をいう。以下同じ。)が置かれている場合には、当該小児慢性特定疾病対策地域協議会及び難病対策地域協議会は、相互に連携を図るよう努めるものとする。

六 国は、小児慢性特定疾病児童等が成人後も必要な医療等を切れ目なく受けられるようにするため、前号の周知を行う際、成人後においても主に成人医療に従事する者に担当が移行しない小児慢性特定疾病児童等については、成人後も引き続き主に小児医療に従事する者が、必要に応じて主に成人医療に従事する者と連携しつつ、必要な医療等を提供することについて、併せて周知する。

第四 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業に関する事項

一 小児慢性特定疾病児童等の将来の自立を支援するため、都道府県等は、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の積極的な実施に取り組むものとする。小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の実施に当たっては、都道府県等は、地域において疾病児童等の自立を支援する体制を確立するために都道府県等が設置する小児慢性特定疾病対策地域協議会における検討を踏まえ、ピアカウンセリングを含む相談支援に加えて、一時預かり等の日常生活支援、小児慢性特定疾病児童等同士や小児慢性特定疾病児童等と小児慢性特定疾病児童等であった者等との相互交流支援、相談等の機会を通じた雇用情報の提供等の就労支援、通院の付添い、きょうだいの預かり等の介護者支援、学習支援等を実施するなど、事業内容の充実に努める。

二 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の実施に当たっては、小児慢性特定疾病児童等及びその家族の意見を踏まえるとともに、疾病児童等を支援する関係機関等の間で、共通認識を持って、連携した支援を行うことが重要であることから、都道府県等は、小児慢性特定疾病対策地域協議会に患者会又は家族会の代表者、小児慢性特定疾病児童等やその家族、医療従事者、福祉サービスを提供する者、教育関係者、就労支援関係者、事業主等を加え、事業内容を検討し、実施するよう努めるとともに、小児慢性特定疾病児童等が成人後も必要な医療等を切れ目なく受けられるようにするため、当該区域において、難病対策地域協議会が設置されている場合には、相互に連携を図るよう努める。

三 都道府県等は、疾病児童等及びその家族に対して支援を行っている地域の患者会、家族会、特定非営利活動法人等の協力の下に、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業を円滑に実施するよう努める。

四 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の積極的な実施及び内容の充実を図るとともに、地域間格差が生じないようにするため、国は、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の先進的事例や好事例等の情報提供を行うなど、都道府県等の取組を支援する。また、小児慢性特定疾病児童等の支援者に対する研修等の人材育成に関する事業の実施に努める。

五 小児慢性特定疾病児童等及びその家族のニーズを踏まえた支援が提供できるよう、国は、成人後を含む小児慢性特定疾病児童等の就労状況や生活実態の把握をはじめ、療養生活、自立支援、家族支援など疾病児童等の健全な育成に資する調査及び研究の実施及び充実に努める。また、都道府県等は、地域における小児慢性特定疾病児童等の実情の把握等が努力義務化されたことを踏まえ、小児慢性特定疾病医療費の支給や小児慢性特定疾病児童等自立支援事業等の実施を通じて、小児慢性特定疾病児童等及びその家族のニーズを把握することに努める。

第五 小児慢性特定疾病児童等の成人移行に関する事項

一 小児慢性特定疾病児童等が成人後も必要な医療等を切れ目なく受けられるようにするため、第三の五及び六の取組を進めるとともに、国及び都道府県等は、小児慢性特定疾病児童等の健全な育成に係る施策の実施に当たり、小児慢性特定疾病児童等の成人期を見据えて、福祉サービスに関する施策等の各種支援策との有機的な連携に配慮しつつ、包括的かつ総合的に実施することが重要である。

二 国は、小児慢性特定疾病であって、指定難病の要件を満たすものについて、切れ目のない医療費助成が受けられるよう、指定難病の対象疾病に追加するものとし、指定難病の対象疾病への追加及び新規の小児慢性特定疾病への追加に当たっては、社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病検討委員会と厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会が緊密に連携をしつつ検討する。

三 小児慢性特定疾病児童等の成人後の自立を支援するため、国は、第四の五の成人後を含む小児慢性特定疾病児童等の就労状況や生活実態の把握に努めるとともに、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業等と成人に対する各種の自立支援策との連携強化など、その自立支援に資する環境整備を図る。

四 小児慢性特定疾病児童等の成人後の自立を支援するため、都道府県等は、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の内容の充実を図る。また、国は、第四の四の小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の先進的事例や好事例等の情報提供を行うなど、都道府県等の取組を支援する。

五 国は、小児期から成人期への移行期医療の体制を整備するため、移行期医療に従事する者等に対する研修を実施する。

第六 疾病児童等の健全な育成に資する調査及び研究に関する事項

一 国は、治療方法の確立に向けて小児慢性特定疾病の各疾病の病態を解明するための研究事業や、小児慢性特定疾病の各疾病に関する現状の把握、疾病概念の整理、診断の手引きの作成や改訂を推進するための研究事業を実施する。

二 国は、小児慢性特定疾病児童等データベースから抽出したデータを加工した匿名小児慢性特定疾病関連情報について、小児慢性特定疾病に関する調査及び研究の推進等に資するため、個人情報の保護等に万全を期することを最優先とした上で、小児慢性特定疾病児童等に対する医療の確保や、療養生活の質の維持向上に資する研究を行う大学その他の研究機関、小児慢性特定疾病児童等に対する医療又は福祉分野の研究開発に資する分析等を行う民間事業者等への提供を進める。また、指定難病患者データベース(難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針第二(2)イに規定する指定難病患者データベースをいう。)その他の公的データベース等と連結できる形での提供を進める。

三 国は、第四の五の成人後を含む小児慢性特定疾病児童等の就労状況や生活実態の把握をはじめ、療養生活、自立支援、家族支援など疾病児童等の健全な育成に資する調査及び研究の実施及び充実に努める。

四 国は、疾病児童等の健全な育成に資する調査及び研究の推進に当たっては、難病(難病の患者に対する医療等に関する法律第一条に規定する難病をいう。)の病因や病態の解明並びに医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第一項に規定する医薬品をいう。)、医療機器(同条第四項に規定する医療機器をいう。)及び再生医療等製品(同条第九項に規定する再生医療等製品をいう。)の開発を推進するための実用的な研究や、既存薬の新たな治療効果のエビデンス構築(ドラッグ・リポジショニング)に係る研究を含むその他の調査及び研究との適切な連携を図るよう留意する。

五 国は、小児慢性特定疾病に関する研究その他疾病児童等の健全な育成に資する調査及び研究により得られた成果について、ウェブサイトへの情報掲載等を通じて、国民に対して広く情報提供する。

第七 疾病児童等に対する学校教育、福祉サービスに関する施策及び就労の支援に関する施策その他の関連する施策との連携に関する事項

一 疾病児童等の健全な育成に係る施策が、福祉サービス、乳幼児期からの発達支援、就学前教育、学校教育及び就労支援に関する施策と有機的に連携し総合的に実施されるよう、都道府県等は、小児慢性特定疾病対策地域協議会の活用等により、疾病児童等の健全な育成に係る施策への関係機関等の理解と参画が得られるよう努める。

二 国は、都道府県等における小児慢性特定疾病児童等の健全な育成に係る施策の取組状況や課題を把握し、都道府県等に対し情報提供するとともに、教育機関等に対し、小児慢性特定疾病児童等の健全な育成に係る施策の趣旨や事業内容等を周知し協力を促すよう努める。

三 小児慢性特定疾病児童等及びその家族からの個別の相談に応じた適切な支援が提供されるよう、都道府県等は、その実施する小児慢性特定疾病児童等自立支援事業における相談支援を担当する者として小児慢性特定疾病児童等自立支援員を配置する等により、関係機関等との連絡及び調整を行い、相談の内容に応じて関係機関等につなぐほか、個別に各種の自立支援策の活用を提案する等に取り組むよう努める。

四 国は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)に基づき障害福祉サービス等の対象となる特殊の疾病について、小児慢性特定疾病の対象となる疾病の検討を踏まえて見直しを検討する。また、市区町村は、小児慢性特定疾病の特性に配慮した福祉サービス等の内容の充実に努める。

五 福祉サービスを提供する者は、訪問診療、訪問看護等の医療系サービスと連携しつつ、小児慢性特定疾病児童等のニーズに合ったサービスの提供に積極的に努めるとともに、国は、医療と福祉が連携した先駆的なサービスについて把握し、普及に努める。

六 国は、疾病児童等を含めた病弱・身体虚弱の子供が入院中や療養中にあっても教育の継続が図られるよう教育の機会を保障し、当該者の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点から、一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するための適切な指導や必要な支援を行うため、特別支援教育を引き続き推進する。また、疾病児童等を含めた病弱・身体虚弱の子供の在籍校及びその設置者は、病院を退院後も通学が困難な者に対する指導に当たって、例えば訪問教育やICT等を活用した指導の実施等により、効果的な指導方法の工夫を行うことで、教育の機会を保障し、当該者が退院後にあっても教育への継続が図られるよう、医療機関や保護者等との連携体制の確保に努めることが重要である。

七 市町村の教育委員会は、特別支援教育の推進に当たって、疾病児童等を含めた病弱・身体虚弱の子供及びその保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、最終的な就学先の決定等に当たって、可能な限り、その意向を尊重することに留意する。また、教育現場での合理的配慮の提供に当たっては、一人一人の疾病の状態や教育的ニーズ等に応じ、本人、保護者、在籍校及びその設置者により、発達の段階を考慮しつつ合意形成を図った上で提供されることが重要である。

八 小児慢性特定疾病児童等の就労及びその継続を支援するため、都道府県等は、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の実施に当たり、学校教育段階から疾病の自己管理方法の習得のための支援を行うことや、資格取得等により疾病の状態等に合わせて働きやすい仕事に就けるよう、学校や就労支援機関等の協力の下での相談等の機会を通じた雇用情報の提供や職業訓練の実施等に取り組むことが重要である。

九 国は、第四の五の成人後を含む小児慢性特定疾病児童等の就労状況や生活実態の把握に努めるとともに、難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針を踏まえつつ、適切な就労支援等を含む小児慢性特定疾病児童等自立支援事業と成人に対する各種の自立支援策との連携強化に取り組む。

十 都道府県等は、小児慢性特定疾病児童等が、地域における自立した日常生活の支援のための施策を円滑に利用できるようにするため、小児慢性特定疾病にかかっていることを証明する事業を行うよう努める。また、国は登録者証のニーズや活用事例の把握等に努める。

十一 都道府県等は、庁内外の難病、保健、福祉、防災等の関係者との連携を図るとともに、小児慢性特定疾病児童等に関する情報について、災害時を想定して平時から市町村に共有する仕組みを構築することが重要である。

十二 災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第四十九条の十の規定に基づき、市町村長は、避難行動要支援者の把握に努めるとともに、避難行動要支援者名簿を作成することが義務とされていることに加え、同法第四十九条の十四の規定に基づき、個別避難計画を作成するよう努めなければならないこととされている。災害発生時に円滑かつ迅速な対応ができるよう、事前に庁内外の難病、保健、福祉、防災等の関係者との連携を図り、避難行動要支援者名簿及び個別避難計画の作成を行うことが重要である。このため、国は、災害時に速やかに避難支援等に当たることができるよう、避難行動要支援者名簿の更新やこれを活用した個別避難計画の作成の推進について、市町村及び都道府県に働きかける。

第八 その他疾病児童等の健全な育成に係る施策の推進に関する事項

一 国、地方公共団体及び関係団体は、小児慢性特定疾病に対する正しい知識及び疾病児童等に対する必要な配慮等についての国民の理解が広がるよう、啓発活動を行うことが重要である。

二 国及び都道府県等は、小児慢性特定疾病医療費の支給の申請方法、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業や相談支援の窓口の紹介など、小児慢性特定疾病児童等及びその家族をはじめとする関係者が必要とする正確でわかりやすい情報を充実させ、その提供に努める。

三 国及び都道府県等は、小児慢性特定疾病児童手帳の一層の周知を行うことが重要である。また、国は、小児慢性特疾病児童手帳や医療受給者証(法第十九条の三第七項に規定する医療受給者証をいう。)の取得に係る手続の簡素化等、これらの取得を促進する方策について検討する。

改正文 (令和三年一二月二七日厚生労働省告示第四一四号) 抄

令和四年四月一日から適用する。

附 則 (令和六年三月二九日厚生労働省告示第一三六号)

この告示は、令和六年四月一日から適用する。