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○特定健康診査及び特定保健指導の適切かつ有効な実施を図るための基本的な指針

(平成二十年三月三十一日)

(厚生労働省告示第百五十号)

高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第十八条第一項の規定に基づき、特定健康診査及び特定保健指導の適切かつ有効な実施を図るための基本的な指針を次のように定め、平成二十年四月一日から適用する。

特定健康診査及び特定保健指導の適切かつ有効な実施を図るための基本的な指針

目次

はじめに

第1 特定健康診査等の実施方法に関する基本的な事項

一 特定健康診査の実施方法に関する基本的な事項

1 特定健康診査の基本的考え方

2 特定健康診査の実施に係る留意事項

3 事業者等が行う健康診断との関係

4 その他

二 特定保健指導の実施方法に関する基本的な事項

1 特定保健指導の基本的考え方

2 特定保健指導の実施に係る留意事項

3 事業者等が行う保健指導との関係

4 その他

三 特定健康診査等の実施における個人情報の保護

第2 特定健康診査等の実施及びその成果に係る目標に関する基本的な事項

一 特定健康診査の実施に係る目標

二 特定保健指導の実施に係る目標

三 特定健康診査等の実施の成果に係る目標

第3 特定健康診査等実施計画の作成に関する重要事項

一 達成しようとする目標

二 特定健康診査等の対象者数に関する事項

三 特定健康診査等の実施方法に関する事項

四 個人情報の保護に関する事項

五 特定健康診査等実施計画の公表及び周知に関する事項

六 特定健康診査等実施計画の評価及び見直しに関する事項

七 その他特定健康診査等の円滑な実施を確保するために保険者が必要と認める事項

はじめに

我が国は、国民皆保険の下、誰もが安心して医療を受けることができる医療制度を実現し、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた。しかしながら、急速な少子高齢化、経済の低成長への移行、国民生活や意識の変化など、大きな環境変化に直面しており、国民皆保険を堅持し、医療制度を将来にわたり持続可能なものとしていくためには、その構造改革が急務となっていた。

このような状況に対応するため、国民誰しもの願いである健康と長寿を確保しつつ、医療費の伸びの抑制にも資することから、生活習慣病を中心とした疾病予防を重視することとし、保険者による健診及び保健指導の充実を図る観点から、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号。以下「法」という。)に基づき、保険者(法第7条第2項に規定する保険者(国民健康保険法(昭和33年法律第192号)の定めるところにより都道府県が当該都道府県内の市町村(特別区を含む。以下同じ。)とともに行う国民健康保険にあっては、市町村(以下「市町村国保」という。))をいう。以下同じ。)は、被保険者及び被扶養者に対し、糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査及び健康診査の結果により健康の保持に努める必要がある者に対する保健指導を実施することとされた。

本指針は、法第18条第1項の規定に基づき、特定健康診査(同項に規定する特定健康診査をいう。以下同じ。)及び特定保健指導(同項に規定する特定保健指導をいう。以下同じ。)の実施方法に関する基本的な事項、特定健康診査及び特定保健指導(以下「特定健康診査等」という。)の実施及びその成果に係る目標に関する基本的な事項並びに特定健康診査等実施計画(法第19条第1項に規定する特定健康診査等実施計画をいう。以下同じ。)の作成に関する重要事項を定めるものであり、法第19条の規定により、各保険者は、本指針に即して、6年ごとに、6年を一期として、特定健康診査等実施計画を定めるものとする。

なお、医療費適正化計画が6年ごとの計画であることを踏まえ、本指針についても、6年ごとに検討を行い、必要があると認めるときはこれを変更していくものである。

また、特定健康診査等の実施に当たっては、健康増進法(平成14年法律第103号)第9条第1項に規定する健康診査等指針に定める内容に留意する必要がある。

第1 特定健康診査等の実施方法に関する基本的な事項

一 特定健康診査の実施方法に関する基本的な事項

1 特定健康診査の基本的考え方

(1) 国民の受療の実態を見ると、高齢期に向けて生活習慣病の外来受療率が徐々に増加し、次に75歳頃を境にして生活習慣病を中心とした入院受療率が上昇している。これを個人に置き換えてみると、不適切な食生活や運動不足等の不健康な生活習慣がやがて糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肥満症等の発症を招き、外来通院及び服薬が始まり、生活習慣の改善がないままに、虚血性心疾患や脳血管疾患等の発症に至るという経過をたどることになる。

このため、生活習慣の改善による糖尿病等の生活習慣病の予防対策を進め、糖尿病等の発症を予防することができれば、通院患者を減らすことができ、更には重症化や合併症の発症を抑え、入院患者を減らすことができ、この結果、国民の生活の質の維持及び向上を図りながら医療費の伸びの抑制を実現することが可能となる。

(2) 糖尿病等の生活習慣病の発症には、内臓脂肪の蓄積(内臓脂肪型肥満)が関与しており、肥満に加え、高血糖、高血圧等の状態が重複した場合には、虚血性心疾患、脳血管疾患等の発症リスクが高くなる。このため、メタボリックシンドロームの概念を踏まえ適度な運動やバランスのとれた食事の定着などの生活習慣の改善を行うことにより、糖尿病等の発症リスクの低減を図ることが可能となる。

(3) 特定健康診査は、糖尿病等の生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的として、メタボリックシンドロームに着目し、生活習慣を改善するための特定保健指導を必要とする者を、的確に抽出するために行うものである。

(4) 特定健康診査の項目については、特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準(平成19年厚生労働省令第157号。以下「実施基準」という。)第1条第1項で定めるものとする。

2 特定健康診査の実施に係る留意事項

(1) 特定健康診査を実施するに当たっては、事業者健診(労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)その他の法令に基づき行われる特定健康診査に相当する健康診断をいう。以下同じ。)との関係を考慮すること、被扶養者の居住地は様々であり、受診の利便を考慮する必要があること等、それぞれの実情を踏まえた実施方法とすること。

(2) 特定健康診査の精度を適正に保つことは、受診者が健診結果を正確に比較し、生涯にわたり自身の健康管理を行うために重要である。このため、保険者は、特定健康診査を実施するに際しては、内部精度管理及び外部精度管理を適切に実施するよう努めること。

(3) 保険者等は、研修の実施等により、特定健康診査に係る業務に従事する者の知識及び技能の向上を図るよう努めること。

3 事業者等が行う健康診断との関係

被用者保険(保険者のうち、市町村国保を除いたものをいう。以下同じ。)は、健康診断の実施場所、実施時期、健診結果の送付等の点について事業者等(法第21条第2項に規定する事業者等をいう。以下同じ。)と十分な連携を図り、被保険者及び被扶養者の受診の利便の向上を図るよう努めること。

4 その他

特定健康診査の記録の保存義務期間は、実施基準第10条第1項の規定に基づき、記録の作成の日の属する年度の翌年度から5年を経過するまでの期間又は加入者が他の保険者の加入者となった日の属する年度の翌年度の末日までの期間のうちいずれか短い期間となるが、保険者は、保存してある記録を加入者の求めに応じて当該加入者に提供するなど、加入者が生涯にわたり自己の健診情報を活用し、自己の健康づくりに役立てるための支援を行うよう努めること。

二 特定保健指導の実施方法に関する基本的な事項

1 特定保健指導の基本的考え方

(1) 特定保健指導は、内臓脂肪型肥満に着目し、生活習慣を改善するための保健指導を行うことにより、対象者が自らの生活習慣における課題を認識して行動変容と自己管理を行うとともに健康的な生活を維持することができるようになることを通じて、糖尿病等の生活習慣病を予防することを目的とするものである。

(2) 特定健康診査の結果に基づき、特定保健指導の対象者を選定する基準、及び特定保健指導の内容については、実施基準第4条及び第6条から第8条までの規定において定めるものとする。

2 特定保健指導の実施に係る留意事項

(1) 特定保健指導を実施するに当たっては、対象者が利便よく利用できるよう配慮すること。

(2) 特定保健指導を実施するに当たっては、対象者に生活習慣の改善に必要な行動変容に関する情報を提示し、自己決定ができるよう支援することが重要であること。また、生活習慣の改善の必要性や行動変容の準備状況によってその支援内容、方法及び頻度が異なることに留意すること。

(3) 保険者等は、研修の実施等により、特定保健指導に係る業務に従事する者の知識及び技能の向上を図るよう努めること。

3 事業者等が行う保健指導との関係

被用者保険において特定保健指導を実施するに当たっては、事業者等に対して特定保健指導の実施を委託する場合においては、特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準第16条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める者(平成25年厚生労働省告示第92号)に定める実施方法等について留意すること。

4 その他

(1) 特定保健指導の記録の保存義務期間は、実施基準第10条第1項の規定に基づき、記録の作成の日の属する年度の翌年度から5年を経過するまでの期間又は加入者が他の保険者の加入者となった日の属する年度の翌年度の末日までの期間のうちいずれか短い期間となるが、保険者は、保存してある記録を加入者の求めに応じて当該加入者に提供するなど、加入者が特定保健指導の意義及び結果を認識し、生涯にわたり自己の健康づくりを行うための支援を行うよう努めること。

(2) 保険者は、加入者の健康の保持及び増進のため、特定健康診査の結果及び診療報酬明細書等の情報を活用し、特定保健指導の対象とはならないが、受診の勧奨その他の保健指導を積極的に行う必要がある者を選定し、これらの者に対する特定保健指導以外の保健指導を実施するよう努めること。

三 特定健康診査等の実施における個人情報の保護

1 特定健康診査等の実施に当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び同法に基づくガイドライン等に定める役員・職員の義務(データの正確性の確保、漏えい防止措置、従業者の監督、委託先の監督等)について周知徹底をするとともに、保険者において定めている情報セキュリティポリシーについても周知徹底を図り、個人情報の漏えい防止に細心の注意を払うこと。

2 被用者保険の被保険者に係る特定健康診査等のデータ(事業者健診のデータを除く。)については、被用者保険の被保険者に対する就業上の不利益取扱いを未然に防ぐ観点から、事業者等への特定健康診査等のデータの流出防止措置を講じること。

第2 特定健康診査等の実施及びその成果に係る目標に関する基本的な事項

一 特定健康診査の実施に係る目標

平成35年度における特定健康診査の実施率を70%以上にすること。

各保険者の目標は次の区分に応じてそれぞれに掲げる値を踏まえて設定すること。

1 健康保険組合(健康保険法(大正11年法律第70号)第11条第1項の規定により設立されたものに限る。)及び法第7条第2項に規定する共済組合の加入者に係る特定健康診査の実施率 90%以上

2 健康保険組合(健康保険法第11条第2項の規定により設立されたものに限る。)及び日本私立学校振興・共済事業団の加入者に係る特定健康診査の実施率 85%以上

3 国民健康保険組合の加入者に係る特定健康診査の実施率 70%以上

4 全国健康保険協会が管掌する健康保険及び船員保険の加入者に係る特定健康診査の実施率 65%以上

5 市町村国保の加入者に係る特定健康診査の実施率 60%以上

二 特定保健指導の実施に係る目標

平成35年度における特定保健指導の実施率を45%以上にすること。

各保険者の目標は、次の区分に応じてそれぞれに掲げる値を踏まえて設定すること。

1 市町村国保の加入者に係る特定保健指導の実施率 60%以上

2 健康保険組合(健康保険法第11条第1項の規定により設立されたものに限る。)の加入者に係る特定保健指導の実施率 55%以上

3 法第7条第2項に規定する共済組合の加入者に係る特定保健指導の実施率 45%以上

4 全国健康保険協会が管掌する健康保険の加入者に係る特定保健指導の実施率 35%以上

5 健康保険組合(健康保険法第11条第2項の規定により設立されたものに限る。)、船員保険、国民健康保険組合及び日本私立学校振興・共済事業団の加入者に係る特定保健指導の実施率 30%以上

三 特定健康診査等の実施の成果に係る目標

平成35年度において、平成20年度と比較したメタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率(特定保健指導対象者の減少率をいう。)を25%以上にすること。

各保険者は当該数値を必ずしも目標として設定する必要はないが、特定健康診査等の対象者におけるメタボリックシンドロームの該当者及び予備群の構成割合や減少率を基に、各保険者において、特定健康診査等の効果の検証や効率的な対策の検討を行うことは重要であることから、各保険者がこれらの数値を把握し、保健事業に活用することが望ましい。

第3 特定健康診査等実施計画の作成に関する重要事項

保険者が特定健康診査等実施計画において定める事項は次に掲げるとおりとし、保険者は、加入者数、加入者の年齢構成、地域的条件等の実情を考慮して、特定健康診査等の効率的かつ効果的な実施に資するよう特定健康診査等実施計画を作成すること。

一 達成しようとする目標

特定健康診査の実施率及び特定保健指導の実施率に係る目標を、第2の各号に即し、各保険者の実情を踏まえて定めること。その際、第2の一及び二については、各年度の目標値も定めること。

二 特定健康診査等の対象者数に関する事項

特定健康診査等の対象者数(特定健康診査については事業者健診の受診者等を除き、特定保健指導については事業者健診の結果から対象となる者を含める等、保険者として実施すべき数)の見込み(計画期間中の各年度の見込み)を推計し、記載すること。

三 特定健康診査等の実施方法に関する事項

1 実施場所、実施項目、実施時期又は期間、外部委託の有無、外部委託契約の契約形態、外部委託者の選定に当たっての考え方、周知や案内の方法、事業者健診等の健診受診者のデータ収集方法等を定めること。

2 特定健康診査等を実施するに当たり、保険者(複数の保険者を代表する保険者を含む。)と特定健康診査等の実施機関(全国組織等複数の実施機関を代表する実施機関を含む。)との間に特定健康診査等の契約の締結を行う場合には、これらの契約関係者の名称その他のこれら契約形態に関する事項を記載すること。

3 特定健康診査の受診券又は特定保健指導の利用券を交付する場合には、これらの様式及びこれらの交付時期について定めること。

4 特定健康診査等の費用の支払及びデータの送信事務に関し、代行機関(実施基準第16条第3項に規定する者をいう。)を利用する場合には、当該機関の名称を記載すること。

5 特定保健指導の対象者のうち、優先的に特定保健指導を実施する者を選定する場合には、その方法を記載すること。

6 実施に関する年間のスケジュールその他必要な事項を定めること。

四 個人情報の保護に関する事項

1 特定健康診査等の記録の保存方法、体制、保存に係る外部委託の有無について定めること。外部委託をする場合には、外部委託先を記載すること。

2 特定健康診査等の記録の管理に関するルール(第1の三に掲げる個人情報の保護に関する法律及び同法に基づくガイドライン等、保険者において既に定めている情報セキュリティポリシー等のルール)について定めること。

五 特定健康診査等実施計画の公表及び周知に関する事項

特定健康診査等実施計画の公表方法、特定健康診査等を実施する趣旨の普及啓発の方法(広報誌やホームページへの掲載等の利用)等を定めること。なお、特定健康診査等を実施する趣旨については、第1の一の1及び二の1を参考にすること。

六 特定健康診査等実施計画の評価及び見直しに関する事項

1 特定健康診査等の実施及び成果に係る目標の達成状況、その他の特定健康診査等実施計画の評価方法について定めること。

2 1に基づく評価に伴う特定健康診査等実施計画の見直しに関する考え方を定めること。

七 その他特定健康診査等の円滑な実施を確保するために保険者が必要と認める事項

附 則 (平成二〇年九月三〇日厚生労働省告示第四六五号) 抄

1 この告示は、平成二十年十月一日から施行する。

改正文 (平成二四年九月二八日厚生労働省告示第五二五号) 抄

平成二十五年四月一日から適用する。

改正文 (平成二九年八月一日厚生労働省告示第二七一号) 抄

平成三十年四月一日から適用する。

改正文 (令和二年三月二七日厚生労働省告示第一一四号) 抄

令和二年四月一日から適用する。