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○事業主が講ずべき短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針

(平成十九年十月一日)

(厚生労働省告示第三百二十六号)

短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律(平成十九年法律第七十二号)の施行に伴い、及び短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成五年法律第七十六号)第十四条第一項の規定に基づき、事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針を次のとおり定め、平成二十年四月一日から適用することとしたので、同条第二項において準用する同法第五条第五項の規定に基づき告示する。

なお、事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針(平成五年労働省告示第百十八号)は、平成二十年三月三十一日限り廃止する。

事業主が講ずべき短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針

(平三〇厚労告四二九・改称)

第一 趣旨

この指針は、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成五年法律第七十六号。以下「短時間・有期雇用労働者法」という。)第六条、第七条及び第十条から第十四条までに定める措置その他の短時間・有期雇用労働者法第三条第一項の事業主が講ずべき適正な労働条件の確保、教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善及び通常の労働者への転換の推進(以下「雇用管理の改善等」という。)に関する措置等に関し、その適切かつ有効な実施を図るために必要な事項を定めたものである。

第二 事業主が講ずべき短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるに当たっての基本的考え方

事業主は、短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるに当たって、次の事項を踏まえるべきである。

一 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)、最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)、労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号)、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)、雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)等の労働に関する法令は短時間・有期雇用労働者についても適用があることを認識しこれを遵守しなければならないこと。

二 短時間・有期雇用労働者法第六条から第十四条までの規定に従い、短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるとともに、多様な就業実態を踏まえ、その職務の内容、職務の成果、意欲、能力及び経験その他の就業の実態に関する事項に応じた待遇に係る措置を講ずるように努めるものとすること。

三 短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるに際して、その雇用する通常の労働者その他の労働者の労働条件を合理的な理由なく一方的に不利益に変更することは法的に許されないことに留意すること。

第三 事業主が講ずべき短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等

事業主は、第二の基本的考え方に基づき、特に、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一 労働時間

(一) 事業主は、短時間・有期雇用労働者の労働時間及び労働日を定め、又は変更するに当たっては、当該短時間・有期雇用労働者の事情を十分考慮するように努めるものとする。

(二) 事業主は、短時間・有期雇用労働者について、できるだけ所定労働時間を超えて、又は所定労働日以外の日に労働させないように努めるものとする。

二 待遇の相違の内容及び理由の説明

(一) 比較の対象となる通常の労働者

事業主は、職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲等が、短時間・有期雇用労働者の職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲等に最も近いと事業主が判断する通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由について説明するものとする。

(二) 待遇の相違の内容

事業主は、待遇の相違の内容として、次のイ及びロに掲げる事項を説明するものとする。

イ 通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間の待遇に関する基準の相違の有無

ロ 次の(イ)又は(ロ)に掲げる事項

(イ) 通常の労働者及び短時間・有期雇用労働者の待遇の個別具体的な内容

(ロ) 通常の労働者及び短時間・有期雇用労働者の待遇に関する基準

(三) 待遇の相違の理由

事業主は、通常の労働者及び短時間・有期雇用労働者の職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、待遇の性質及び待遇を行う目的に照らして適切と認められるものに基づき、待遇の相違の理由を説明するものとする。

(四) 説明の方法

事業主は、短時間・有期雇用労働者がその内容を理解することができるよう、資料を活用し、口頭により説明することを基本とするものとする。ただし、説明すべき事項を全て記載した短時間・有期雇用労働者が容易に理解できる内容の資料を用いる場合には、当該資料を交付する等の方法でも差し支えない。

三 労使の話合いの促進

(一) 事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇い入れた後、当該短時間・有期雇用労働者から求めがあったときは、短時間・有期雇用労働者法第十四条第二項に定める事項以外の、当該短時間・有期雇用労働者の待遇に係る事項についても、説明するように努めるものとする。

(二) 事業主は、短時間・有期雇用労働者の就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるに当たっては、当該事業主における関係労使の十分な話合いの機会を提供する等短時間・有期雇用労働者の意見を聴く機会を設けるための適当な方法を工夫するように努めるものとする。

(三) 事業主は、短時間・有期雇用労働者法第二十二条に定める事項以外の、短時間・有期雇用労働者の就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮した待遇に係る事項についても、短時間・有期雇用労働者から苦情の申出を受けたときは、当該事業所における苦情処理の仕組みを活用する等その自主的な解決を図るように努めるものとする。

四 不利益取扱いの禁止

(一) 事業主は、短時間・有期雇用労働者が、短時間・有期雇用労働者法第七条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に定める過半数代表者であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしないようにするものとする。

(二) 事業主は、短時間・有期雇用労働者が、事業主による不利益な取扱いをおそれて、短時間・有期雇用労働者法第十四条第二項に定める説明を求めないことがないようにするものとする。

(三) 事業主は、短時間・有期雇用労働者が、親族の葬儀等のために勤務しなかったことを理由として解雇等が行われることがないようにするものとする。

五 短時間・有期雇用管理者の氏名の周知

事業主は、短時間・有期雇用管理者を選任したときは、当該短時間・有期雇用管理者の氏名を事業所の見やすい場所に掲示する等により、その雇用する短時間・有期雇用労働者に周知させるよう努めるものとする。

改正文 (平成二六年七月二四日厚生労働省告示第二九三号) 抄

短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成二十七年四月一日)から適用することとしたので、同条第二項において準用する同法第五条第五項の規定に基づき告示する。

改正文 (平成三〇年一二月二八日厚生労働省告示第四二九号) 抄

平成三十二年四月一日から適用する。ただし、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律附則第三条第一項に規定する中小事業主については、平成三十三年三月三十一日までの間、この告示による改正後の事業主が講ずべき短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針第二及び第三の規定は適用せず、この告示による改正前の事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針第二及び第三の規定は、なおその効力を有する。