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○生物学的製剤基準

(平成十六年三月三十日)

(厚生労働省告示第百五十五号)

薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第四十二条第一項の規定に基づき、生物学的製剤基準を次のように定め、生物学的製剤基準(平成五年厚生省告示第二百十七号)は廃止する。ただし、平成十六年十二月三十一日までに製造され、又は輸入されるものについては、なお従前の例によることができる。

生物学的製剤基準

目次

まえがき

通則

医薬品各条

インフルエンザワクチン

インフルエンザHAワクチン

細胞培養インフルエンザワクチン(H5N1株)

沈降インフルエンザワクチン(H5N1株)

沈降細胞培養インフルエンザワクチン(H5N1株)

乳濁細胞培養インフルエンザHAワクチン(H5N1株)

乾燥組織培養不活化A型肝炎ワクチン

乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン

乾燥ガスえそウマ抗毒素

不活化狂犬病ワクチン

乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン

コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS―CoV―2)

組換えコロナウイルス(SARS―CoV―2)ワクチン

コロナウイルス(SARS―CoV―2)ワクチン(遺伝子組換えサルアデノウイルスベクター)

乾燥ジフテリアウマ抗毒素

ジフテリアトキソイド

沈降ジフテリアトキソイド

成人用沈降ジフテリアトキソイド

沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド

水痘抗原

乾燥弱毒生水痘ワクチン

4価髄膜炎菌ワクチン(ジフテリアトキソイド結合体)

乾燥組換え帯状疱疹ほうしんワクチン(チャイニーズハムスター卵巣細胞由来)

腸チフスパラチフス混合ワクチン

精製ツベルクリン

痘そうワクチン(痘苗)

乾燥痘そうワクチン(乾燥痘苗)

細胞培養痘そうワクチン

乾燥細胞培養痘そうワクチン

乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン

肺炎球菌ワクチン

沈降10価肺炎球菌結合型ワクチン(無きょう膜型インフルエンザ菌プロテインD,破傷風トキソイド,ジフテリアトキソイド結合体)

沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)

破傷風トキソイド

沈降破傷風トキソイド

乾燥はぶウマ抗毒素

沈降B型肝炎ワクチン

沈降B型肝炎ワクチン(huGK―14細胞由来)

組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)

組換え沈降B型肝炎ワクチン(チャイニーズハムスター卵巣細胞由来)

組換え沈降pre―S2抗原・HBs抗原含有B型肝炎ワクチン(酵母由来)

乾燥BCG膀胱ぼうこう内用(コンノート株)

乾燥BCG膀胱ぼうこう内用(日本株)

乾燥BCGワクチン

組換え沈降2価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(イラクサギンウワバ細胞由来)

組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来)

組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来)

経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチン

沈降精製百日せきワクチン

沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン

沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(セービン株)混合ワクチン

沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(ソークワクチン)混合ワクチン

乾燥弱毒生風しんワクチン

乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(破傷風トキソイド結合体)

発しんチフスワクチン

乾燥ボツリヌスウマ抗毒素

不活化ポリオワクチン(ソークワクチン)

乾燥弱毒生麻しんワクチン

乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン

乾燥まむしウマ抗毒素

5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン

人全血液

人赤血球液

洗浄人赤血球液

解凍人赤血球液

新鮮凍結人血漿しょう

人血小板濃厚液

加熱人血漿しょうたん白

人血清アルブミン

乾燥人フィブリノゲン

乾燥濃縮人プロトロンビン複合体

乾燥濃縮人血液凝固第Ⅷ因子

乾燥人血液凝固第Ⅸ因子複合体

乾燥濃縮人血液凝固第Ⅸ因子

乾燥濃縮人血液凝固第Ⅹ因子加活性化第Ⅶ因子

人免疫グロブリン

乾燥イオン交換樹脂処理人免疫グロブリン

乾燥スルホ化人免疫グロブリン

pH4処理酸性人免疫グロブリン

pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注射)

乾燥pH4処理人免疫グロブリン

乾燥ペプシン処理人免疫グロブリン

ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン

乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン

抗HBs人免疫グロブリン

乾燥抗HBs人免疫グロブリン

ポリエチレングリコール処理抗HBs人免疫グロブリン

抗D(Rho)人免疫グロブリン

乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン

抗破傷風人免疫グロブリン

乾燥抗破傷風人免疫グロブリン

ポリエチレングリコール処理抗破傷風人免疫グロブリン

乾燥濃縮人アンチトロンビンⅢ

乾燥濃縮人α1―プロテイナーゼインヒビター

乾燥濃縮人活性化プロテインC

人ハプトグロビン

一般試験法

A 試験法

アルミニウム定量法

異常毒性否定試験法

塩素定量法

エンドトキシン試験法

カリウム定量法

含湿度測定法

クエン酸定量法

クエン酸ナトリウム定量法

結核菌培養否定試験法

光学濁度測定法

抗HBs抗体価測定法

抗D抗体価測定法

抗補体性否定試験法

質量偏差試験法

セルロースアセテート膜電気泳動試験法

染色試験法

たん白質定量法

たん白窒素定量法

チメロサール定量法

糖定量法

ナトリウム定量法

熱安定性試験法

破傷風抗毒素価測定法

発熱試験法

pH測定法

フェノール定量法

ヘム定量法

ヘモグロビン定量法

ホルムアルデヒド定量法

マイコプラズマ否定試験法

麻しん抗体価測定法

無菌試験法

免疫グロブリンG重合物否定試験法

リン酸二水素ナトリウム定量法

B 標準品,参照品,試験毒素及び単位

C 試薬・試液等

D 緩衝液及び培地

まえがき

1 沿革略記

ワクチン等の生物学的製剤に関する基準は,まず,昭和24年5月に百日咳ワクチン基準が制定された後各種ワクチン,血液製剤等の製剤基準が個別に制定されてきた.したがって,各基準の制定後における製造法,試験法等について技術的な相違があり,記載用語等にも不統一な点が見られた.

他方,世界保健機関(WHO)においても,生物学的製剤の品質の国際的統一の必要性を認め,国際標準品の制定を行ってきたが,それのみでは不十分であるため,更に国際基準による規制の必要性を認め,各国の専門家の意見を徴し,昭和34年の製造施設・管理機関一般基準をはじめ,逐次各種基準を制定してきた.これらWHOの各種基準は,“製造工程間試験”に重点をおいて,品質の確保に勤めているのが特徴であり,これらがわが国の各基準との大きな相違点であった.

このような状況を考慮して,中央薬事審議会(当時.以下同じ.)の生物学的製剤ならびに血液製剤特別部会は,「原則として,従来の個別基準の要求する品質内容を変更することなく,表現や記述の用語・形式の不統一を修正すること」を基本方針として,個別の基準を集大成した生物学的製剤基準の制定を発議した.その発議に基づき,昭和43年7月から中村敬三生物学的製剤特別部会長(後に血液製剤特別部会長兼任)を中心に,生物学的製剤基準制定のための検討事務局を設置した.事務局は,更に,「従来,その規定が不統一であった製造工程間の試験を基準全般に盛り込み,製造業者自身の段階における試験を基準に明確に規定し,義務づけることにより,よりよい品質のワクチンの供給を図ること」等の具体的な基本方針のもとに,制定作業に入り,42回の会議を経て,その骨子案の完成をみた.そこで昭和45年2月の生物学的製剤特別部会及び同年8月の血液製剤特別部会にその基本方針と骨子案を諮り,その承認を得た.

厚生大臣(当時.以下同じ.)は,その発議に応じて昭和45年10月に中央薬事審議会に対し,正式に「生物学的製剤基準の制定について」諮問した.これをうけて中央薬事審議会は両特別部会の下に設置されていた調査会で,本格的な審議に入り,8回の生物学的製剤調査会及び10回(15品目)の同調査会に対する書面検討依頼並びに4回の血液製剤調査会での検討の結果,調査会案が完成した.

この案は,昭和46年3月の血液製剤特別部会並びに同年4月の生物学的製剤特別部会において審議され,同年5月の常任部会に上程審議承認され,厚生大臣に答申された.

この答申を基に厚生大臣は,昭和46年7月17日厚生省告示第263号をもって生物学的製剤基準を公示した.

この基準の作成に従事した委員等は次のとおりである.

中央薬事審議会生物学的製剤特別部会

牛場 大蔵

川島 秀雄

田嶋 嘉雄

中村 敬三

柳沢 謙

天野 恒久

川喜田 愛郎

北岡 正見

黒川 正身

染谷 四郎

高津 忠夫

豊倉 康夫

中村 文弥

福見 秀雄

水野 伝一

村田 良介

同 血液製剤特別部会

柳沢 謙

中村 敬三

美甘 義夫

村上 省三

上野 正吉

大林 静男

黒川 正身

鈴木 鑑

島田 信勝

中尾 喜久

福田 保

三木 敏行

吉川 春寿

同 生物学的製剤調査会(○印幹事)

牛場 大蔵

北本 治

安斎 博

石田 正次

井上 幸重

今泉 清

岩原 繁雄

江頭 靖之

海老沢 功

尾形 学

奥野 良臣

大林 容二

大森 義仁

春日 忠善

加藤 四郎

金子 順一

金子 義徳

釜洞 醇太郎

川喜田 愛郎

川村 明義

北岡 正見

朽木 五郎作

國田 信治

黒川 正身

桑原 章吾

合田 朗

甲野 礼作

小張 一峰

斎藤 誠

佐々木 正五

佐藤 和男

佐野 一郎

沢井 芳男

沢田 哲治

宍戸 亮

園口 忠男

染谷 四郎

武谷 建二

高世 幸弘

高津 忠夫

多々谷 勇

田所 一郎

富沢 純一

長野 泰一

中村 文弥

平山 宗宏

深井 孝之助

福見 秀雄

藤井 良知

堀 三津夫

松橋 直

松本 稔

水岡 慶二

村田 良介

室橋 豊穂

山本 郁夫

米田 正彦

野島 庄七

○赤真 清人

○有馬 重統

○石井 慶蔵

○緒方 隆幸

○大谷 明

○倉塚 和夫

○佐藤 勇治

○武内 安恵

○橋本 達一郎

○山内 一也

○山田 千昌

○山中 和

○長谷川 慧重

○伊藤 定孝

○若林 正之

同 血液製剤調査会(○印幹事)

阿部 英

石井 良治

今堀 和友

大林 静雄

北浜 睦夫

黒川 正身

徳永 栄一

鳥居 有人

中村 文弥

中村 弘

福岡 良男

福武 勝博

藤井 良知

松橋 直

三木 敏行

村田 良介

○山中 和

○長谷川 慧重

○安田 純一

○伊藤 定孝

○若林 正之

その後生物学的製剤に関する技術の急速な進歩及び試験法の発達等の状況に対処し,時代に則した基準とするため,昭和58年になって,厚生省(当時.以下同じ.)は,基準の全面改正案を作成する生物学的製剤基準整備検討委員会(当時,国立予防衛生研究所長であった宍戸亮氏を委員長とし,16名の委員で構成)を設置した.

同検討委員会は,それまでの基準を全面的に見直すとともに,新しい基準としてふさわしい内容に改めることを目的として検討作業を進めることとし,更に,検討作業を効率的に行うため,委員会をワクチン類等検討班と血液製剤検討班とに二分して,それぞれ検討を行った.

このようにして作成された全面改正案は,昭和59年度から中央薬事審議会での審議に付され,生物学的製剤調査会,血液製剤調査会,生物学的製剤特別部会及び血液製剤特別部会で審議の上,翌昭和60年7月に常任部会に上程され,審議承認された後,厚生大臣に答申された.

この答申を基に厚生大臣は,昭和60年10月2日厚生省告示第159号をもって新たな生物学的製剤基準を公示した.この基準の作成に従事した委員等は次のとおりである.

中央薬事審議会生物学的製剤特別部会

金井 興美

木村 三生夫

中谷 林太郎

赤真 清人

池本 秀雄

斎藤 和久

平山 宗宏

同 血液製剤特別部会

鶴藤 丞

藤巻 道男

大沢 利昭

多田 富雄

遠山 博

中尾 真

西岡 久壽彌

山中 學

赤松 穣

同 生物学的製剤調査会(○印幹事)

金井 興美

赤真 清人

赤松 穣

木村 三生夫

下条 寛人

杉浦 昭

平山 宗宏

山内 一也

松橋 直

山崎 修道

○安倍 道治

○伊藤 哲夫

○遅塚 令二

○平林 敏彦

○増田 和茂

○松村 明仁

同 血液製剤調査会(○印幹事)

安田 純一

赤真 清人

赤松 穣

天木 一太

河合 忠

清水 勝

十字 猛夫

鈴田 達男

長谷川 博

真弓 忠

山中 學

風間 睦美

湯浅 晋治

北濱 睦夫

松橋 直

○安倍 道治

○伊藤 哲夫

○小室 勝利

○遅塚 令二

○平林 敏彦

○増田 和茂

○松村 明仁

厚生省は,技術進歩,各種新試験法の開発等により時代に即した基準の改善が求められるようになったため中央薬事審議会に諮り,国立予防衛生研究所の中に基準改正に関するワーキンググループを設置して基準を見直すとともに,改正基準案を作成することとした.

同ワーキンググループは,各界から寄せられた改正要望の内容を踏まえ,最新の科学技術の成果を背景としてこれまでの基準を全体として見直す検討作業を開始した.検討の結果作成された改正基準案は,平成4年3月から中央薬事審議会での審議に付され,生物学的製剤調査会,血液製剤調査会,生物学的製剤特別部会及び血液製剤特別部会での審議を経て,翌平成5年6月に常任部会に上程され,審議承認された後,厚生大臣に答申された.

この答申を基に厚生大臣は,平成5年10月1日厚生省告示第217号をもって新たな生物学的製剤基準を公示した.

この基準の作成に従事した委員等は次のとおりである.

中央薬事審議会生物学的製剤特別部会

赤松 穣

徳永 徹

山崎 修道

北村 敬

木村 三生夫

成内 秀雄

早川 堯夫

平山 宗宏

同 血液製剤特別部会

遠山 博

橋本 嘉幸

山中 學

青木 延雄

井上 圭三

小室 勝利

真弓 忠

矢田 純一

同 生物学的製剤調査会(○印幹事)

阿部 千代治

有田 峰生

川名 尚

堺 春美

清水 文七

白井 俊一

茅野 文利

成内 秀雄

西島 正弘

根路銘 国昭

水野 左敏

森次 保雄

山口 照英

山崎 修道

○衛藤 光明

○小長谷 昌功

○藤井 基之

○久保田 晴久

同 血液製剤調査会(○印幹事)

池田 康夫

川井 三郎

木下 忠俊

小暮 正久

小松 文夫

小室 勝利

茅野 文利

長尾 大

三田村 圭二

矢田 純一

山口 照英

○衛藤 光明

○藤井 基之

○平山 佳伸

2 平成16年3月の全面改正の経過及び内容

生物学的製剤基準は,平成5年に改正が行われて以来全般的な見直しが行われていなかったが,その後の科学技術の進展,新試験法の開発,ヒト又は動物の生物由来原料を用いた製品の安全確保に対する関心の高まり等を踏まえた改善が求められていた.また,薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律(平成14年法律第96号)の施行に伴い制定された生物由来原料基準(平成15年厚生労働省告示第210号)及び日本薬局方並びにWHO基準等の国際的な基準との整合性を確保する観点からの見直しも必要と考えられた.このため,厚生労働省は,薬事・食品衛生審議会に諮り,医薬品第二部会の下に生物学的製剤基準改正検討小委員会(以下「小委員会」という.)を平成15年4月に設置し,各界から寄せられた改正要望の内容を踏まえつつ,最新の科学技術水準や社会的要請に即した基準とするため,全面的に見直すこととした.

小委員会は,生物学的製剤検討ワーキンググループと血液製剤検討ワーキンググループとに分かれ,それぞれ検討を行うとともに,通則,一般試験法等の生物学的製剤と血液製剤とに共通する事項については,両ワーキンググループが合同で検討を行った.その結果作成された改正基準案は,平成15年9月に薬事・食品衛生審議会に諮問され,同年10月に医薬品第二部会での審議,血液事業部会への報告を経て,翌平成16年3月に薬事分科会に上程され,審議承認された後,厚生労働大臣に答申された.

この結果,生物学的製剤基準は,通則45項目,医薬品各条88条及び一般試験法[A(33法),B,C及びD]4項目からなる内容となった.改正の要旨は次のとおりである.

1 通則について

(1) 主な計量の単位について,原則として日局規定の記号を用いることとしたこと.(新基準7項)

(2) 主なバイオアッセイ単位について規定したこと.(8項)

(3) ロットの定義について,諸外国の基準や医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理規則(平成11年厚生省令第16号)との整合性を図ったこと.(20項)

(4) 同一ロットにおいて,同一の条件とみなし得ない操作によって作られた小分製品群について,同一の製造番号に分注区分ごとの記号を付記することとしたこと.(21項)

(5) 21項に該当する小分製品群について,製造工程のバリデーション及び適切な工程管理と品質管理の試験検査に関する記録により,恒常的にその品質が均一であり生物学的製剤基準に適合することが保証されている場合には,医薬品各条の小分製品の試験を省略できることとしたこと.(22項)

(6) 各条医薬品(輸血用血液製剤を除く)及びこれに添付する溶剤は,通常,日局の不溶性異物検査法に適合しなければならない旨を規定したこと.(24項)

(7) ロットを構成する血液製剤について,製造工程のいずれかにおいて無菌試験及び発熱試験を行うこととされているが,製造工程のバリデーション及び適切な工程管理と品質管理の試験検査に関する記録により無菌性が保証される場合はこの限りではないとしたこと.(44項)

2 医薬品各条について

(1) 保存剤としてチメロサールを加えることができる旨規定されている製剤について,チメロサール以外の保存剤についても用いることができることとしたこと.

(2) 各種試験に使用する動物の条件について

① 原則として,「約」を用いず,幅記載としたこと.

② 原則として,マウスは週齢又は日齢,モルモット及びウサギは体重による記載に統一したこと.

(3) 日局及びWHO基準との整合性を図ったこと.

(4) 生ワクチン類について

① マイコプラズマ否定試験について,濾過前のウイルス浮遊液の試験とし,濾過後の原液についての試験は削除したこと.

② 結核菌否定試験について,原液の試験から濾過前のウイルス浮遊液の試験としたこと.

③ その他,ニワトリ卵接種試験,神経毒力試験,弱毒確認試験,乳のみマウス接種試験等について,方法,内容の合理化を図ったこと.

(5) 血液製剤類について

① 人全血液等の赤血球を含む製剤の貯蔵温度を「4~6℃」から「2~6℃」としたこと.

② 「人全血液」中の血液保存液B液について,当該血液保存液を使用して製造する輸血用血液製剤がないため削除したこと.

③ 試験用血液についての血液型試験及び梅毒血清学的試験は,生物由来原料基準(平成15年厚生労働省告示第210号)により規定されているため,新基準から削除をしたこと.また,交差適合試験に用いる試験用血液を「交差適合試験用血液(セグメントチューブ)」とし,明確にしたこと.

④ 血液保存液としてCPD液を使用した場合,ヒト血液(原料血液)から血漿しょう成分を分離するまでの時間を「6時間以内」から「8時間以内」としたこと.

⑤ 「新鮮凍結人血漿しょう」について凝固試験の頻度を「100本につき少なくとも1本」を「500本につき少なくとも1本」に変更したこと.

⑥ 「解凍人赤血球濃厚液」,「洗浄人赤血球浮遊液」の表示事項について変更したこと.

⑦ 血液保存液について,発熱試験法に加えエンドトキシン試験法も適用できることとしたこと.

⑧ 「加熱人血漿しょうたん白」等について,製造管理技術の向上等により異種たん白質否定試験を削除したこと.

⑨ 「人免疫グロブリン」等について,製造管理技術の向上等により熱安定性試験を削除したこと.

(6) 次の医薬品は承認整理されているため医薬品各条から削除したこと.

解凍赤血球浮遊液

乾燥破傷風ウマ抗毒素

3 一般試験法について

(1) 標準希釈液について,濃度を規定せず,標準液を3つ以上の異なる濃度に希釈することとしたこと.検体を標準希釈液の最高濃度と最低濃度の範囲内で希釈し,試料とすることとしたこと.

(2) 異常毒性否定試験法について,モルモット試験法のみで品質管理等が可能であるため,マウス試験法を削除したこと.

(3) エンドトキシン試験について,日局を準用することとしたこと.また,判定において再試験の規定を削除し,発熱試験法の適用が必要な品目(加熱人血漿しょうたん白,人血清アルブミン)についてはその旨を医薬品各条に記載することとしたこと.

(4) チメロサール定量法について,還元気化原子吸光法及び加熱気化アマルガム原子吸光法を追加したこと.

(5) 熱安定性試験法について,第2法のみで品質管理等が可能であるため,第1法を削除したこと.

(6) 無菌試験法について,日局を準用することとしたこと.

(7) 重量偏差試験法について,追加したこと.

(8) 標準品,試薬・試液等,培地等について,国際基準との整合性を図るとともに,一般試験法,医薬品各条等の変更に対応して変更,追加,削除等を行い,内容を整備したこと.

また,この生物学的製剤基準の作成に従事した委員は次のとおりである.

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会

池田 康男

上原 至雅

岡田 義昭

折笠 秀樹

守殿 貞夫

神谷 齊

川㟢 敏祐

木村 哲

後藤 元

櫻井 秀也

早川 堯夫

藤上 雅子

堀内 龍也

三瀬 勝利

溝口 昌子

吉田 茂昭

同 生物学的製剤基準改正検討小委員会生物学的製剤検討ワーキンググループ

荒川 宜親

加藤 篤

倉根 一郎

後藤 紀久

堺 春美

佐々木 次雄

高山 直秀

田代 真人

堀内 善信

山口 照英

同 生物学的製剤基準改正検討小委員会血液製剤検討ワーキンググループ

岡田 義昭

川西 徹

小室 勝利

鈴木 哲朗

高橋 孝喜

比留間 潔

布施 晃

水落 利明

宮村 達男

通則

1 この基準は,医薬品各条に掲げる生物学的製剤医薬品(以下「各条医薬品」という.)について,その製法,性状,品質,貯法等に関する基準を定めたものである.この基準の略名を「生物基準」という.

2 医薬品各条のうち人全血液以下の医薬品には,この通則を適用するほか生物由来原料基準(平成15年厚生労働省告示第210号)第2 血液製剤総則(以下この通則において「血液製剤総則」という.)を適用する.

3 「日本薬局方」とは,医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号.以下「法」という.)に規定する日本薬局方をいい,「日本産業規格」とは,産業標準化法(昭和24年法律第185号)に規定する日本産業規格をいう.

4 「基準名」とは,医薬品各条に掲げる名称又はその別名をいう.基準名は,法第50条の適用に関しては一般的名称とみなす.

5 各条医薬品の適否は,通則,医薬品各条及び一般試験法のほか,血液製剤総則の規定によって判定する.ただし,医薬品各条の規定中,性状及び貯法は,参考に供したもので,各条医薬品の適否の判定基準を示すものでない.

6 生物学的製剤基準の医薬品は,その医薬品名の前後に「 」を付けて示す.ただし,医薬品各条の表題には「 」をつけない.『 』は,特定の生物活性をあらわす物質を示す.

7 主な計量の単位については,原則として日本薬局方規定の記号を用いる.ただし,重力加速度にはgを用いる.

8 主なバイオアッセイ単位については,次の記号を用いる.