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○水道原水水質保全事業の実施の促進に関する基本方針

(平成六年五月十六日)

(/厚生省/農林水産省/建設省/告示第一号)

水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律(平成六年法律第八号)第三条第一項の規定に基づき、水道原水水質保全事業の実施の促進に関する基本方針を次のように定めたので、同条第五項の規定に基づき公表する。

水道原水水質保全事業の実施の促進に関する基本方針

第一 水道原水水質保全事業の実施の促進に関する基本的な事項

近年、トリハロメタン等の有害物質や異臭味の影響の問題などにより、国民の水道水に対する信頼が低下している。また、水道事業者の対応のみでは、その供給する水道水が、水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第四条第一項各号に掲げる要件を満たさなくなる場合が生じるおそれがある。

こうした状況を踏まえ、安全かつ良質な水道水の供給を確保するため、水道原水水質保全事業の実施の促進に関する法律(以下「法」という。)は、都道府県計画及び河川管理者事業計画の策定等水道原水水質保全事業の実施を促進することとしたものである。

一 水道事業者による水道原水水質保全事業の実施の促進に関する要請

水道事業者は、過去一定期間内に実施した水質検査において対象水道原水に係る水道水の水質が水質基準に関する省令(平成四年厚生省令第六十九号)に定める基準(以下「水道水質基準」という。)に係る基準値の一定割合を超える等の結果が得られ、かつ、対象水道原水の水質の汚濁の状況等からみて、浄水方法、水源の種別の変更等水道事業者が講じた措置及び講じようとする措置のみによっては水道水質基準に適合する水道水の供給が困難となるおそれがある場合であって、自らの技術水準、代替水源の確保の見込み等からみて、これらの措置以外の措置を講ずることが困難である場合に、その給水区域をその区域に含む都道府県に対し、法第四条第一項の要請を行うことができるものとする。

二 他の都府県に対する都道府県計画の策定に関する要請

水道事業者より法第四条第一項の要請を受けた都府県が、他の都府県に対し、同条第三項の要請を行うことができるのは、次に掲げる場合とする。

1 対象水道原水に係る取水地点をその区域に含まない場合

2 対象水道原水に係る取水地点をその区域に含む場合であって、対象水道原水の水質の汚濁の状況及びその原因、浄水施設の浄化能力等のほか、当該都府県における都道府県計画の実施によって見込まれる効果を勘案して、対象水道原水に係る水道水が水道水質基準に係る基準値を超えるおそれがあり、かつ、他の都府県の区域内における水道原水水質保全事業の実施が対象水道原水の水質の保全に相当程度寄与すると認められる場合

三 河川管理者に対する通知及び意見

水道事業者より要請を受けた都道府県は、法第四条第四項の規定により、その旨を対象水道原水の取水地点に係る河川を管理する河川管理者に通知するとともに、対象水道原水の水質の汚濁の状況、対象水道原水に係る水道水の水質の状況、浄水施設の浄化能力等を勘案し、実施の促進が図られる必要があると認める河川水道原水水質保全事業の内容等に関し、意見を述べるものとする。

四 都道府県又は河川管理者による事業計画の策定

1 都道府県計画

(一) 都道府県は、対象水道原水に係る水道水が水道水質基準に係る基準値を満たさなくなるおそれがある場合であって、かつ、対象水道原水の水質の汚濁の状況及びその原因等に関する検討を行った結果、当該都道府県の区域内において、対象水道原水に係る地域水道原水水質保全事業を実施することが対象水道原水の水質の保全上有効であるとともに合理的であるなど必要と認められる場合に、都道府県計画を策定するものとする。この場合において、当該都道府県が下水道の整備に関する事業を当該都道府県計画に定めようとするときは、特段の事情がない限り、法第六条第一項の規定に基づき当該下水道に係る下水道管理者に対し、当該下水道の整備に関する事業に係る案の提出を求めるとともに、当該案の提出を受けたときは、当該都道府県計画に当該案の内容が十分に反映されるよう努めるものとする。

(二) 都道府県計画の策定に当たっては、対象水道原水の水質の汚濁に相当程度関係があると認められる区域を管轄する市町村に対し、当該対象水道原水の水質の保全に資する事業の実施の検討を要請するほか、必要と認める場合は、地域水道原水水質保全事業に係る事業の実施に関する計画の策定等を要請するものとし、当該要請に応じ市町村が必要に応じて策定等を行った計画に都道府県計画は法第五条第六項に定めるところにより適合しなければならないものとする。

2 河川管理者事業計画

河川管理者は、対象水道原水に係る水道水が水道水質基準に係る基準値を満たさなくなるおそれがある場合であって、対象水道原水の水質の汚濁の状況及びその原因等に関する検討を行った結果、対象水道原水の取水地点に係る河川において、対象水道原水に係る河川水道原水水質保全事業を実施することが対象水道原水の水質の保全上有効であるとともに合理的であるなど必要と認められる場合に、河川管理者事業計画を策定するものとする。

五 都道府県又は河川管理者による水道事業者に対する意見聴取

1 都道府県計画

都道府県は、法第五条第三項に定めるところにより、法第四条第一項の要請を行った水道事業者の対象水道原水に係る取水地点の近傍に存在する取水地点(流量等からみて河川の自浄作用が無視できると認められる距離に存在するものをいう。)に係る水道事業者が存在する場合、当該取水地点における水道原水の水質の保全の効果が要請を行った水道事業者に係る当該対象水道原水の水質の保全の効果とおおむね同等と認められる水道事業者に対し、対象水道事業者となるかどうかについて、意見を聴くものとする。

2 河川管理者事業計画

河川管理者は、法第七条第四項に定めるところにより、法第四条第一項の要請を行った水道事業者の対象水道原水に係る取水地点の近傍に存在する取水地点(流量等からみて河川の自浄作用が無視できると認められる距離に存在するものをいう。)に係る水道事業者が存在する場合、当該取水地点における水道原水の水質の保全の効果が要請を行った水道事業者に係る当該対象水道原水の水質の保全の効果とおおむね同等と認められる水道事業者に対し、対象水道事業者となるかどうかについて、意見を聴くものとする。

第二 水道原水水質保全事業の内容に関する事項

一 地域水道原水水質保全事業

地域水道原水水質保全事業の内容は、次のとおりとする。

なお、実施予定期間は、おおむね五年を目途として定めるものとする。

1 法第二条第四項第一号に掲げる事業

公共下水道及び流域下水道の整備に関する事業をいい、都道府県計画に当該事業を定める場合には、実施主体及び実施区域の名称、処理区域の面積、処理人口、終末処理施設の位置、処理能力及び処理方式、実施予定期間、費用の概算等を定めるものとする。

2 法第二条第四項第二号に掲げる事業

市町村が各家庭のし尿及び雑排水を管きよにより収集し、処理する施設(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第六条第一項に規定する計画に定められたものに限る。以下「コミュニティプラント」という。)とし、都道府県計画に当該事業を定める場合には、実施主体及び実施区域の名称、処理区域の面積、処理人口、処理施設の位置、処理能力及び処理方式、実施予定期間、費用の概算等を定めるものとする。

3 法第二条第四項第三号に掲げる事業

し尿及び雑排水を集合して処理する農業集落排水施設、林業集落排水施設、漁業集落排水施設等の合併処理浄化槽の整備に関する事業(市町村又は都道府県以外の者が設置する合併処理浄化槽に係るものにあっては、市町村又は都道府県が下水道等の施設の整備を予定していない区域において行われるものに限る。)をいい、都道府県計画に当該事業を定める場合には、実施主体及び実施区域の名称、処理区域の面積、処理人口、処理施設の位置、処理能力及び処理方式、実施予定期間、費用の概算等を定めるものとする。

4 法第二条第四項第四号に掲げる事業

住民が自ら所有又は占有する土地において行うし尿及び雑排水を各戸ごとに処理する合併処理浄化槽の整備に要する費用の全部又は一部について市町村が補助を行う事業(当該事業を行う市町村に対し、国が当該事業に要する費用の一部を補助するものであって、市町村又は都道府県が下水道等の施設の整備を予定していない区域において行われるものに限る。)並びに住民が所有又は占有する土地に市町村が各戸ごとの合併処理浄化槽を設置する事業をいい、都道府県計画に当該事業を定める場合には、実施主体及び実施区域の名称、設置基数、処理人口、処理方式、実施予定期間、費用の概算等を定めるものとする。

5 法第二条第四項第五号に掲げる事業

地方公共団体が行う畜産農業の用に供する施設の整備に関する事業のうち、家畜のふん尿を堆肥、液肥その他の肥料とするための発酵施設、乾燥施設等の整備に関する事業をいい、都道府県計画に当該事業を定める場合には、実施主体及び実施区域の名称、当該施設の位置、処理能力及び処理方式、実施予定期間、費用の概算等を定めるものとする。

6 法第二条第四項第六号に掲げる事業

(一) 地方公共団体が、水道原水の水質の汚濁を防止することを目的として、取水施設等の水道施設に隣接する土地を取得する事業をいい、都道府県計画に当該事業を定める場合には、実施主体及び実施区域の名称、取得面積、実施予定期間、費用の概算等を定めるものとする。

(二) 地方公共団体が土地を買い取る際の価格については、地価公示法(昭和四十四年法律第四十九号)第六条の規定による公示価格を規準として算定した価格(当該土地が同法第二条第一項の都市計画区域以外の区域内に所在するときは、近傍類地の取引価格等を考慮して算定した当該土地の相当な価格)とするものとする。

(三) 当該事業の対象となる土地には、農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第二条第一項に規定する農地及び採草放牧地、農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第八条第二項第一号に規定する農用地区域内にある土地、森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二条第一項に規定する森林の区域内にある土地及び同法第四十一条第一項の規定に基づき指定された保安施設地区内にある土地その他法律の規定に基づき使途に一定の制限のある土地を含まないものとする。

二 河川水道原水水質保全事業

河川水道原水水質保全事業は、法第二条第四項第七号に掲げる事業をいい、その内容は、次のとおりとする。

なお、当該事業の実施予定期間は、おおむね五年を目途に定めるものとする。

1 しゅんせつに関する事業

河川の浄化を目的として実施する汚泥のしゅんせつに関する事業をいい、河川管理者事業計画に当該事業を定める場合には、実施主体及び実施区域、しゅんせつ汚泥量、実施予定期間、費用の概算等を定めるものとする。

2 浄化用水の導入に関する事業

河川の浄化を目的とした清浄な流水の導入に関する事業(主として流量の確保を目的としたものを除く。)をいい、河川管理者事業計画に当該事業を定める場合には、実施主体及び実施区域、導水方式、導水量、実施予定期間、費用の概算等を定めるものとする。

3 河川直接浄化施設の整備に関する事業

河川の流水を直接浄化する施設の整備に関する事業をいい、河川管理者事業計画に当該事業を定める場合には、実施主体及び実施区域、浄化方式及び規模、実施予定期間、費用の概算等を定めるものとする。

4 流水保全水路の整備に関する事業

河道内に新たに低水路を設置し流入汚濁水と上流からの清浄な流水を分離することにより流水の適切な保全を図る流水保全水路の整備に関する事業をいい、河川管理者事業計画に当該事業を定める場合には、実施主体及び実施区域、規模、実施予定期間、費用の概算等を定めるものとする。

5 ダム貯水池の水質保全に関する事業

ダム貯水池においてばっ気循環等により富栄養化等の防止・軽減を図るダム貯水池水質保全に関する事業(ダム建設に係るものを除く。)をいい、河川管理者事業計画に当該事業を定める場合には、実施主体及び実施区域、浄化方式及び規模、実施予定期間、費用の概算等を定めるものとする。

第三 水道原水水質保全事業の実施区域に関する事項

一 地域水道原水水質保全事業

法第五条第一項に規定する対象水道原水の水質の汚濁に相当程度関係があると認められる区域は、取水地点の上流に位置する区域であって、当該取水地点からおおむね十五キロメートルまでないしおおむね二十キロメートルまでの範囲において、当該河川の流量、地形、汚濁負荷の状況等を勘案して要請した水道事業者の水道原水に係る取水地点ごとに定めるものとする。

二 河川水道原水水質保全事業

法第七条第一項に規定する対象水道原水の水質の汚濁に相当程度関係があると認められる区域は、河川の流量、地形、汚濁負荷の状況、河川水道原水水質保全事業の内容等を勘案して要請した水道事業者の水道原水に係る取水地点ごとに定めるものとする。

第四 水道原水水質保全事業に係る水道事業者の費用の負担に関する事項

一 基本原則

水道原水水質保全事業として定められた事業は、それぞれ本来の目的を有し、それぞれの費用負担のルールに基づいて進められることにより一定の水道原水の水質の保全効果が得られるものであるが、水道原水の汚濁が生じている地域においては、水道事業者において水道水質基準を満たす水道水の供給を確保するため、その一層の充実が求められることとなる。一方、一般的な水質保全対策の範囲を超えて、水道事業者が求める汚染物質の削減効果が特に大きい事業を行おうとすれば、事業実施に要する費用がより大きくなることがある。このような場合において、水道原水水質保全事業として定められた事業についてそれぞれ本来の事業目的により達成されることになる水道原水の水質の保全効果、水道事業者からの要請にこたえて事業実施者が行う事業に伴い増加する当該事業実施者の負担、当該事業の実施によって水道事業者にもたらされる効用等を勘案して、水道事業者は、水道原水水質保全事業の実施に係る費用の一部を負担することが適当である。

二 対象事業の種類

水道事業者の費用の負担の対象となる事業は、次に掲げる事業とする。

1 法第二条第四項第一号から第四号までに掲げる事業のうち、次の(一)から(四)までに掲げる事業とする。

なお、次の(一)にいう高度処理、(二)にいう高度な処理、(三)にいう高度な処理及び(四)にいう高度な処理による各施設の水質改善の効果は、対象水道事業者において水道水質基準に係る基準値を満たさなくなるおそれがある物質等の低減等に関し、同等の効果を有するものとする。また、実施主体及び水道事業者が特に必要としている場合にあって、その他の特段の事情がある場合にあっては、これら事業以外の事業(法第二条第四項第一号から第四号までに掲げる事業に限る。)について、対象水道事業者と実施主体の意向を踏まえ、個別に判断を行い対象事業とすることができるものとする。

(一) 法第二条第四項第一号に掲げる事業のうち、対象水道事業者において水道水質基準に係る基準値を満たさなくなるおそれがある物質等の低減等を目的とした高度処理のための下水道の整備に関するもの(実施主体が当該下水道の終末処理施設から放流される水について月一回以上水質検査を行うものに限る。)

(二) 法第二条第四項第二号に掲げる事業のうち、対象水道事業者において水道水質基準に係る基準値を満たさなくなるおそれがある物質等の低減等を目的とした高度な処理のためのコミュニティプラントの整備に関するもの(実施主体が当該コミュニティプラントから放流される水について月一回以上水質検査を行うものに限る。)

(三) 法第二条第四項第三号に掲げる事業のうち、対象水道事業者において水道水質基準に係る基準値を満たさなくなるおそれがある物質等の低減等を目的とした高度な処理のための合併処理浄化槽の整備に関するもの(合併処理浄化槽の設置者又は実施主体が当該合併処理浄化槽から放流される水について月一回以上水質検査を行うものに限る。)

(四) 法第二条第四項第四号に掲げる事業のうち、対象水道事業者において水道水質基準に係る基準値を満たさなくなるおそれがある物質等の低減等を目的とした高度な処理のための合併処理浄化槽の整備に関するもの(合併処理浄化槽の設置者又は実施主体が当該合併処理浄化槽から放流される水について月一回以上水質検査を行うものに限る。)

2 法第二条第四項第七号に掲げる事業のうち、次の(一)から(四)までに掲げる事業で、水道事業者からの要請にこたえて追加的に行われるもの(河川の流水の浄化に係る一定の効果を有するものに限る。)とする。

(一) 浄化用水の導入

(二) 河川直接浄化施設の整備(主として親水性確保のために行われるものを除く。)

(三) 流水保全水路の整備(主として親水性確保のために行うものを除く。)

(四) ダム貯水池の水質保全

三 負担額の設定

1 法第二条第四項第一号から第四号までに掲げる事業

対象水道事業者が費用負担を行う場合の負担額は、計画に定められたそれぞれの水道原水水質保全事業ごとに当該水道原水水質保全事業の実施に要する費用から一般的な水質保全対策の実施に要する費用を控除した額を基準として、当該対象水道事業者の水道原水の汚濁の原因、当該水道原水水質保全事業の汚濁の負荷(計画水道原水水質保全事業の実施によって削減可能なものに限る。)の削減割合、水道原水として当該対象水道事業者が利用する上で維持することが望ましい水質と比較した水道原水の水質の状況、当該対象水道事業者及び事業実施者の財政力等を勘案し、当該対象水道事業者及び事業実施者が協議の上、定めるものとする。

2 法第二条第四項第七号に掲げる事業

対象水道事業者が費用負担を行う場合の負担額は、水道原水水質保全事業に要する費用から一般的な水質保全対策の実施に要する費用を控除した額、すなわち、水道事業者からの要請にこたえて追加的に行われる事業に相当する部分に要する費用の額を基準とし、当該事業の実施による水質の改善により水道事業者以外の国民一般の利益の増進が図られることを勘案して、当該額の二分の一に相当する額とする。

四 その他

1 従来より水道事業者の要請にかかわりなく行われている事業については、水道原水の水質の保全を図るために事業内容の変更を行う場合を除き、原則として費用負担の対象としないものとする。

2 対象水道事業者が複数である場合には、それぞれの水道事業者が受ける効用及び取水量等を勘案し、それぞれの負担額を決定するものとする。

3 都道府県計画又は河川管理者事業計画においては、各事業ごとに対象水道事業者の負担予定額を記載するものとする。

第五 その他水道原水水質保全事業の実施に際し配慮すべき重要事項

一 関連計画との整合性の確保

1 都道府県計画の策定に当たっては、公共下水道事業計画、流域下水道事業計画、一般廃棄物処理計画、農業振興地域整備基本方針及び農業振興地域整備計画、国土総合開発計画、大都市圏整備計画その他法律の規定による地域の振興又は整備に関する計画及び土地利用に関する国又は地方公共団体の計画並びに湖沼水質保全計画等法律の規定による水質保全対策に関する計画との調和を図るものとする。

2 河川管理者事業計画の策定に当たっては、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第十六条第一項(同法第百条において準用する場合を含む。)に規定する工事実施基本計画に適合するとともに、国土総合開発計画、大都市圏整備計画その他法律の規定による地域の振興又は整備に関する計画との調和を図るものとする。

二 水道事業者による水質記録の提出

計画水道事業者は、計画取水地点に係る水道原水の水質記録及び当該水道原水に係る水道水の水質記録を都道府県及び河川管理者に定期的に提出するものとする。

三 事業計画の閲覧等

都道府県又は河川管理者は、対象水道原水に係るすべての事業計画(他の都府県又は河川管理者により定められたものを含む。)について、関係者が容易に知ることができるよう一般の閲覧に供する等適切な措置を講ずるものとする。

四 事業計画の変更

都道府県又は河川管理者は、計画水道原水水質保全事業の実施によっては、対象水道原水の水質の保全が十分になされないと認められる場合その他情勢の変化があった場合においては、必要に応じ、事業計画の変更を行うものとする。

五 特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法との関係

法第五条又は第七条に規定する「対象水道原水の水質の汚濁に相当程度関係があると認められる区域」に該当する区域が、特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法(平成六年法律第九号。以下「特別措置法」という。)第四条第一項の指定地域として指定されている場合、当該区域を対象とする都道府県計画又は河川管理者事業計画と特別措置法に基づく水質保全計画とは一体のものとして作成するよう努めるものとする。