2  用語の解説及び使用上の注意

この報告書は患者調査の数値を用いている。

傷病分類

 傷病の分類に当たっては、世界保健機関(WHO)の「国際疾病、傷害および死因統計分類(ICD)」
に基づき分類している。

 このICDは医学の進展に伴い、約10年ごとに改訂が行われており、この報告書においては、
昭和59年〜平成5年は「第9回修正国際疾病、傷害及び死因統計分類」(ICD−9)、
平成8年〜17年は「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10回修正」(ICD−10)による
疾病分類を用いている。

 この、第10回修正ICDにおいては、分野体型の大幅な変更などがあったため、ICD-9とICD-10に
おいて、傷病によっては年次比較できないものもある。(「傷病分類の年次比較について」参照)

傷病名

 調査日現在(退院患者の場合は入院期間中)、医療施設(複数の診療科を有する場合は当該診療科)
において主として治療または検査した病態をいう。

推計患者数

調査日当日に、病院、一般診療所、歯科診療所で受診した患者の推計数。

千人単位で表章している。(0.0は該当件数50未満をあらわす。)

数値は単位未満を四捨五入しているため、内訳の合計が総数と合わない場合もある。

受療率

推計患者数を人口で除して人口10万対であらわした数。

受療率(人口10万対)=推計患者数/推計人口×100,000




 平成2年は確定人口
平成17年は国勢調査人口



総患者数

 調査日現在において、継続的に医療を受けている者(調査日には医療施設を受療していない者も含
む。)の数を次の算式により推計したものである。

 千人単位で表章している。(0は該当件数500未満をあらわす。)

  総患者数=入院患者数+初診外来患者数+再来外来患者数×平均診療間隔×調整係数(6/7)

総患者数
表章記号の規約
計数のない場合
計数不明または計数を表章することが不適当な場合

○傷病分類の年次比較について

 昭和59年〜平成5年と平成8年〜17年調査の結果の比較を行う場合、平成5年以前のデータを
ICD-10のコードを用いて同じ分類で比較する必要がある。

 しかし、平成5年以前の傷病分類別データはICD-9の傷病コードに変換したものしか存在しないため、
ICD-9コードをICD-10コードへ変換しなければならない。

 その場合、次のような問題が生じる。

(例)

傷病分類の年次比較について

 上記の例は、調査票に記載されている傷病名は異なるが、ICD-9を用いてコード付けすると同じ
傷病コード(011.9)が付くが、ICD-10では、(A16.2)と(A16.9)と別々の傷病コードが付くことを示している。

 このような場合、ICD-9コード(011.9)だけに着目すると、A16.2とA16.9のどちらのコードに変換すべきか
判断できないため、事実上コード変換は不可能であり、年次比較はできないことになる。

 これに該当する傷病は「傷病別年次推移表の目次」で一覧できるようになっており、「傷病別年次推移
表」では傷病名の左側に「×」を付してあるので注意して利用されたい。


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