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8
(期間)合計特殊出生率の全国との格差分解
(1)
合計特殊出生率を有配偶出生率、出生率の比(有配偶の効果)及び嫡出でない出生率で表す。
[1]
年齢別に、出生数= 嫡出出生数 + 嫡出でない出生数より
出生数
女子人口
=
嫡出出生数
女子人口
+
嫡出でない出生数
女子人口
出生率= 嫡出出生率 + 嫡出でない出生率
* 都道府県別は5歳階級別に算出する。
[2]
5歳階級別に、有配偶出生率=
嫡出出生数
有配偶女子人口
として
* 都道府県別の出生率の比(有配偶の効果)の分子は(嫡出出生率×5)とする。
[3]
合計特殊出生率(嫡出子分・当該年齢階級分)=(有配偶出生率×5)×出生率の比(有配偶の効果)
[4]
合計特殊出生率は年齢別出生率の合計であるので、[1]、[2]、[3]より
合計特殊出生率= 合計特殊出生率(嫡出子分)+ 合計特殊出生率(嫡出でない子分)
+ 合計特殊出生率(嫡出でない子分)
(2)
全国と都道府県(A県とする)の合計特殊出生率の差を分解する。
[1]
(合計特殊出生率)(A県)−(合計特殊出生率)(全国)
[2]
各年齢階級別の合計特殊出生率(嫡出子分)の差は、次のように分解できる。
(年齢階級を省略して記す。)
合計特殊出生率(嫡出子分)の差
=(合計特殊出生率(嫡出子分))(A県)−(合計特殊出生率(嫡出子分))(全国)
=(合計特殊出生率(嫡出子分)の差)
・
年齢階級別に計算された「有配偶出生率による差」と「出生率の比(有配偶の効果)による差」から「有配偶出生率による差」だけ合計したもの、「出生率の比(有配偶の効果)による差」だけ合計したものをそれぞれA県と全国の「有配偶出生率による差」、「出生率の比(有配偶の効果)による差」とする。
[3]
(合計特殊出生率(嫡出でない子分)による差)=
(合計特殊出生率(嫡出でない子分))(A県)−
(合計特殊出生率(嫡出でない子分))(全国)
[4]
[1]、[2]、[3]より
(合計特殊出生率)(A県)−(合計特殊出生率)(全国)
=(有配偶出生率による差)+(出生率の比(有配偶の効果)による差)
+(合計特殊出生率(嫡出でない子分)による差)
注)
「東京の有配偶出生率による差」はプラスになっているが、これは東京では晩婚化が進んでいるため、30歳代で生み終えた妻の割合が少なくなっていることもその背景の一つである。
(参考)
A県と全国の年齢階級分の合計特殊出生率(嫡出分)の差をlogで分解している理由
簡単のため、a×xとA×Xの差を分解することとする。
[1]
a×xとA×Xはそれぞれ長方形の面積を表すので、その差は残りの鍵形の図形の面積である。
[2]
a×xとA×Xの差をa、Aの要因分(有配偶出生率の要因分)と、x、Xの要因分 (出生率の比(有配偶の効果)の要因分)に分けることは、2つの長方形の頂点PとQを曲線で結び、鍵形の図形を2つに分け、それぞれの面積を求めることである。
[3]
様々なPとQの結び方のうち、2つの要因のどちらにも偏らない結び方は、
「点がPからQまで曲線に沿って移動するとしたとき、途中のどの位置Rにおいても、Rを頂点としてできる鍵形の図形を曲線で分けた2つの図形の面積の比が、Qを頂点としてできる鍵形の図形を曲線で分けた2つの図形の面積の比に等しい場合」
である。
[4]
[3]の条件を計算すると、その比は
となるので、この比でQを頂点としてできた鍵形の図形の面積を分けたものがそれぞれa、Aの要因分、x、Xの要因分である。
log(常用対数)について
○ x=10
y
となるyのことを「xの常用対数」と言い、y=logxと書く。
(例)
100=10
2
2=log100
1000=10
3
3=log1000
100000=10
5
5=log100000
○ logの性質:log(a×b)=loga+logb
(例)
10
2
×10
3
=10
5
より
log10
5
=log(10
2
×10
3
)=log10
2
+log10
3
5=2+3
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