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[労働者調査]

1 労働災害防止対策に対する意識

 事業所が取り組んでいる労働災害防止に関する各種の対策については、「関心がある」とする労働者は69.9%で、そのうち「非常に関心がある」とする者は29.0%、「少し関心がある」とする者は40.8%となっている。
 事業所規模別にみると、1,000人以上規模では「関心がある」とする労働者の割合は85.5%と高く、規模が大きいほど関心が高くなっている。
 産業別にみると、「関心がある」とする割合は、電気・ガス・熱供給・水道業(92.1%)、建設業(85.1%)が高い。
 年齢別にみると、年齢が高いほど関心が高くなっている。
 「関心がある」とする労働者割合は、労働災害防止対策を進めることに関心の高い事業所に雇用されている労働者ほど高くなっている(第14表)。

第14表 事業所が取り組んでいる労働災害防止対策に関する各種の対策についての関心状況別労働者割合

(%)
区分 労働者計
  関心がある 関心がない
  関心の程度   関心の程度
非常に関心がある 少し関心がある あまり関心がない 全く関心がない
平成12年 100.0 69.9 29.0 40.8 30.1 26.7 3.4
平成7年 100.0 69.0 26.8 42.2 31.0 26.3 4.7
(事業所規模)  
1,000人以上 100.0 85.5 50.3 35.2 14.5 13.1 1.4
500〜999人 100.0 77.0 38.4 38.6 23.0 21.1 1.8
300〜499人 100.0 72.7 32.3 40.4 27.3 25.5 1.8
100〜299人 100.0 74.6 33.1 41.6 25.4 23.0 2.4
50〜99人 100.0 71.9 29.8 42.1 28.1 23.4 4.7
30〜49人 100.0 64.2 23.4 40.9 35.8 31.8 4.0
10〜29人 100.0 64.3 23.1 41.2 35.7 31.7 4.0
(産業)  
建設業 100.0 85.1 48.4 36.7 14.9 14.0 0.9
製造業 100.0 75.4 33.9 41.4 24.6 22.9 1.8
電気・ガス・熱供給・水道業 100.0 92.1 60.7 31.3 7.9 7.2 0.7
運輸・通信業 100.0 74.9 34.2 40.7 25.1 22.2 2.9
卸売・小売業,飲食店 100.0 59.0 15.7 43.4 41.0 35.2 5.8
サービス業 100.0 61.4 24.5 36.9 38.6 33.3 5.3
(年齢階級)  
20歳未満 100.0 31.5 4.3 27.2 68.5 40.8 27.7
20〜29歳 100.0 52.3 14.7 37.6 47.7 41.4 6.3
30〜39歳 100.0 70.1 24.1 46.0 29.9 26.6 3.2
40〜49歳 100.0 76.9 31.7 45.2 23.1 21.1 2.0
50〜59歳 100.0 81.8 46.0 35.8 18.2 17.0 1.2
60歳以上 100.0 73.5 39.2 34.3 26.5 25.9 0.6
(事業所の災害防止への関心)  
高い関心を持っている 100.0 79.0 38.5 40.5 21.0 19.1 1.9
少し関心を持っている 100.0 63.3 17.9 45.3 36.7 33.7 3.0
あまり関心がない 100.0 39.4 8.7 30.7 60.6 47.2 13.4
全く関心がない 100.0 27.7 2.6 25.1 72.3 65.1 7.2

2 安全衛生教育受講の評価

(1) 入社時の安全衛生教育の受講状況等について

 入社した時の安全衛生教育は59.1%の労働者が受講しており、事業所規模が大きいほど受講の割合が高い。
 また、その教育について「大いに役立っている」とする労働者が、受講者の46.5%であり、「少し役立っている」が46.1%、「あまり役立っていない」が7.4%となっている(第15表)。

第15表 入社時における安全衛生教育の受講の有無及びその評価別労働者割合

(%)
区分 労働者計
  入社時の安全衛生教育を受けたことがある 入社時の安全衛生教育を受けたことがない
  大いに役立っている 少し役立っている あまり役立っていない
平成12年 100.0 59.1(100.0) (46.5) (46.1) (7.4) 40.9
平成7年 100.0 53.1(100.0) (38.1) (54.8) (7.0) 46.9
(事業所規模)  
1,000人以上 100.0 72.7(100.0) (41.0) (48.6) (10.4) 27.3
500〜999人 100.0 70.9(100.0) (37.7) (52.3) (10.0) 29.1
300〜499人 100.0 64.9(100.0) (44.5) (45.9) (9.6) 35.1
100〜299人 100.0 58.9(100.0) (38.3) (51.2) (10.5) 41.1
50〜99人 100.0 51.1(100.0) (51.6) (43.6) (4.8) 48.9
30〜49人 100.0 51.1(100.0) (35.4) (55.2) (9.4) 48.9
10〜29人 100.0 51.2(100.0) (58.3) (38.8) (2.9) 48.8

(2) 作業内容変更時の安全衛生教育の受講状況等について

 作業内容が変わったことがある労働者は55.4%であり、そのうち作業内容が変わった時に安全衛生教育を受けたことがある労働者は60.3%である。
 これを事業所規模別でみると、1,000人以上規模では84.2%であるが、他の規模では6割程度となっている。
 また、その教育について「大いに役立っている」とする労働者は受講者の60.4%であり、前回と比べると17.3ポイント高くなっている(第16表)。

第16表 作業内容変更時における安全衛生教育の受講の有無及びその評価別労働者割合

(%)
区分 労働者計 作業内容が変わったことがある 作業内容が変わったことがない
  作業内容変更時に安全衛生教育を受けたことがある 作業内容変更時に安全衛生教育を受けたことがない
  大いに役立っている 少し役立っている あまり役立っていない
平成12年 100.0 55.4(100.0) (60.3)[100.0] [60.4] [37.8] [1.8] (39.7) 44.6
平成7年 100.0 54.4(100.0) (57.1)[100.0] [43.1] [52.9] [4.0] (42.9) 45.6
(事業所規模)  
1,000人以上 100.0 75.4(100.0) (84.2)[100.0] [63.5] [35.7] [0.7] (15.8) 24.6
500〜999人 100.0 60.4(100.0) (59.2)[100.0] [59.6] [37.6] [2.8] (40.8) 39.6
300〜499人 100.0 64.3(100.0) (58.4)[100.0] [50.6] [46.7] [2.7] (41.6) 35.7
100〜299人 100.0 59.8(100.0) (58.7)[100.0] [57.1] [41.3] [1.6] (41.3) 40.2
50〜99人 100.0 59.3(100.0) (60.5)[100.0] [49.9] [49.0] [1.0] (39.5) 40.7
30〜49人 100.0 51.9(100.0) (54.8)[100.0] [59.5] [35.3] [5.2] (45.2) 48.1
10〜29人 100.0 46.9(100.0) (56.9)[100.0] [70.3] [28.7] [1.0] (43.1) 53.1

3 ヒヤリ・ハット体験への対応

(1) 「ヒヤリ・ハット体験」について

 「ヒヤリ・ハット体験」(労働災害につながるようなひやりとしたり、はっとした体験)は、労働者の59.9%が体験している。
 事業所規模別にみると、1,000人規模が77.9%と最も高く、おおむね規模が小さくなるほど「ヒヤリ・ハット体験」のある労働者の割合は低くなっている。
 産業別にみると、建設業(74.8%)、電気・ガス・熱供給・水道業(71.6%)、運輸・通信業(67.2%)、製造業(67.0%)の順に割合が高い。
 前回と比べると、「ヒヤリ・ハット」体験のある労働者割合は、産業計で5.8ポイント高く、特に卸売・小売業,飲食店が18.7ポイント、電気・ガス・熱供給・水道業が12.4ポイント高くなっている(第5図第17表)。

第5図 産業別ヒヤリ・ハット体験有り労働者割合


(2) 「ヒヤリ・ハット体験」時の状況

 「ヒヤリ・ハット体験」について、体験したときの状況別割合をみると、「物の置き方、作業場所の欠陥」(40.1%)、「作業方法の欠陥」(29.7%)、「第三者(物)による不安全な状態」(24.1%)が高く、これらは産業別にみても共通して高くなっている。
 また、「自然的不安全な状態」の割合も、製造業を除いて高くなっている(第17表)。

第17表 「ヒヤリ・ハット体験」の有無及び体験したときの状況別労働者割合

(%)
区分 労働者計 ヒヤリ・ハット体験をしたことがある
  体験したときの状況(M.A) ヒヤリ・ハット体験をしたことがない
物自体の欠陥 防護装置、安全装置の欠陥 物の置き方、作業場所の欠陥 保護具、服装等の欠陥 作業環境の欠陥 第三者(物)による不安全な状態 自然的不安全な状態 作業方法の欠陥 その他
平成12年 100.0 59.9(100.0) (15.5) (12.5) (40.1) (11.9) (14.1) (24.1) (20.5) (29.7) (18.5) 40.1
平成7年 100.0 54.1(100.0) (14.8) (14.2) (40.2) (9.8) (11.2) (32.3) (16.6) (43.6) (14.6) 45.9
(事業所規模)  
1,000人以上 100.0 77.9(100.0) (17.2) (14.0) (60.0) (7.3) (12.1) (16.7) (8.7) (41.5) (12.9) 22.1
500〜999人 100.0 64.2(100.0) (16.8) (21.5) (49.9) (10.9) (12.6) (19.4) (13.3) (34.8) (15.9) 35.8
300〜499人 100.0 72.2(100.0) (14.6) (18.4) (45.2) (13.1) (15.2) (25.1) (10.6) (33.3) (12.7) 27.8
100〜299人 100.0 64.6(100.0) (14.5) (13.3) (39.9) (11.0) (12.8) (26.2) (17.5) (28.2) (18.7) 35.4
50〜99人 100.0 64.3(100.0) (13.2) (9.9) (39.2) (10.5) (14.0) (19.6) (22.1) (29.3) (16.6) 35.7
30〜49人 100.0 62.1(100.0) (18.8) (11.7) (35.1) (8.7) (15.5) (21.9) (28.9) (24.0) (16.1) 37.9
10〜29人 100.0 48.8(100.0) (15.3) (10.7) (34.8) (16.5) (15.1) (29.5) (24.1) (28.9) (23.9) 51.2
(産業)  
建設業 100.0 74.8(100.0) (19.5) (28.8) (38.2) (23.6) (19.3) (26.6) (37.2) (36.4) (16.8) 25.2
製造業 100.0 67.0(100.0) (15.3) (15.3) (47.8) (12.0) (13.7) (18.4) (8.4) (39.3) (14.2) 33.0
電気・ガス・熱供給・水道業 100.0 71.6(100.0) (9.8) (8.7) (31.8) (11.6) (6.5) (29.0) (27.4) (38.2) (17.7) 28.4
運輸・通信業 100.0 67.2(100.0) (15.1) (4.6) (26.9) (6.8) (10.3) (38.4) (34.1) (13.8) (21.3) 32.8
卸売・小売業,飲食店 100.0 48.4(100.0) (15.6) (4.3) (35.6) (8.8) (14.6) (28.3) (25.2) (21.0) (23.6) 51.6
サービス業 100.0 47.6(100.0) (11.3) (7.7) (38.3) (9.2) (12.2) (17.3) (19.9) (20.1) (22.6) 52.4

(3) 「ヒヤリ・ハット体験」時の会社(上司)への報告及び対応

 「ヒヤリ・ハット体験」をした労働者のうち、「会社(上司)へ報告した」とする者の割合は78.3%であり、そのうち、「原因の究明や設備の改善など具体的で十分な対応をしてくれた」とする労働者の割合は66.5%となっている。また、「対応はしてくれたが十分な対応でなかった」とする労働者の割合が32.0%となっている。
 これらを事業所規模にみると、いずれも規模による差は小さい(第18表)。

第18表 「ヒヤリ・ハット体験」をしたときの会社(上司)への報告の有無及び会社(上司)の対応別労働者割合

(%)
区分 ヒヤリ・ハット体験をしたことがある労働者計 会社(上司)へ報告した 報告しなかった 会社に報告するような制度(機会)がない
  会社(上司)の対応
原因の究明や設備の改善など具体的で十分な対応をしてくれた 対応はしてくれたが十分な対応ではなかった 全く対応してくれなかった
合計 100.0 78.3(100.0) (66.5) (32.0) (1.4) 17.7 4.0
(事業所規模)  
1,000人以上 100.0 85.5(100.0) (76.7) (22.8) (0.5) 14.0 0.5
500〜999人 100.0 75.9(100.0) (61.6) (36.7) (1.6) 20.7 3.3
300〜499人 100.0 80.3(100.0) (64.0) (34.8) (1.1) 17.6 2.2
100〜299人 100.0 79.5(100.0) (62.9) (35.8) (1.3) 18.1 2.4
50〜99人 100.0 77.9(100.0) (65.2) (34.1) (0.7) 18.1 4.0
30〜49人 100.0 75.0(100.0) (60.7) (35.1) (4.2) 20.0 5.0
10〜29人 100.0 77.3(100.0) (71.0) (28.1) (0.9) 16.5 6.2

4 自発的健康診断制度について

(1) 自発的健康診断制度の知識の有無

 深夜業に関する自発的健康診断制度について「知っている」とする労働者の割合は、19.1%となっている。
 産業別にみると、運輸・通信業(31.1%)、電気・ガス・熱供給・水道業(27.6%)、建設業 (25.4%)の順に「知っている」とする労働者の割合が高い(第19表)。

第19表 自発的健康診断制度の知識の有無別労働者割合

(%)
区分 労働者計
  知っている 知らない
合計 100.0 19.1 80.9
(事業所規模)  
1,000人以上 100.0 29.2 70.8
500〜999人 100.0 26.2 73.8
300〜499人 100.0 24.2 75.8
100〜299人 100.0 23.3 76.7
50〜99人 100.0 19.9 80.1
30〜49人 100.0 13.0 87.0
10〜29人 100.0 15.4 84.6
(産業)  
建設業 100.0 25.4 74.6
製造業 100.0 21.4 78.6
電気・ガス・熱供給・水道業 100.0 27.6 72.4
運輸・通信業 100.0 31.1 68.9
卸売・小売業,飲食店 100.0 12.4 87.6
サービス業 100.0 12.9 87.1

(2) 自発的健康診断制度の利用状況

 自発的健康診断制度を「知っている」とする労働者のうち、深夜業に従事している労働者は63.2%であり、そのうち、自発的に健康診断を受けたことが「ある」とした労働者の割合は49.3%となっている。
 職種別にみると、保安職業従事者・労務作業者(89.7%)、販売従事者(64.0%)、運輸・通信従事者(64.0%)で「ある」とする労働者の割合が高い。
 また、受診結果を会社に「提出した」労働者の割合は、受けたことが「ある」とした労働者の85.0%となっている(第20表)。

第20表 自発的に健康診断を受診したことの有無別及び受診結果の会社への提出の有無別労働者割合

(%)
区分 自発的健康診断制度を知っている労働者計 深夜業に従事している 深夜業に従事していない
  自発的に健康診断を受診したことがある 自発的に健康診断を受診したことがない
  受診結果を会社に提出した 受診結果を会社に提出しなかった
合計 100.0 63.2(100.0) (49.3)[100.0] [85.0] [15.0] (50.7) 36.8
(職種)  
販売従事者 100.0 77.9(100.0) (64.0)[100.0] [100.0] [ - ] (36.0) 22.1
サービス職業従事者 100.0 80.8(100.0) (49.6)[100.0] [90.6] [9.4] (50.4) 19.2
運輸・通信従事者 100.0 86.9(100.0) (64.0)[100.0] [80.7] [19.3] (36.0) 13.1
技能工、製造・建設作業者 100.0 68.1(100.0) (42.9)[100.0] [85.6] [14.4] (57.1) 31.9
保安職業従事者、労務作業者 100.0 80.6(100.0) (89.7)[100.0] [49.2] [50.8] (10.3) 19.4
管理者 100.0 45.3(100.0) (28.5)[100.0] [79.3] [20.7] (71.5) 54.7
その他 100.0 43.3(100.0) (46.8)[100.0] [85.3] [14.7] (53.2) 56.7


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