結果の概要

1 労働協約の締結状況

(1) 労働協約の締結状況

労働組合と使用者(又は使用者団体)の間で締結される労働協約の状況をみると、「締結している」89.0%、「締結していない」11.0%となっている。

企業規模別では、規模が大きいほど、労働協約を「締結している」とする労働組合の割合が高くなっている。(第1表

(2) 労働協約の締結のレベル別状況

ア 労働協約を締結している組合について、労働協約はどのレベルにおいて締結されているかをみると、「当該労働組合において締結」70.2%、「上部組織において締結」23.8%、「当該労働組合及び上部組織双方において締結」6.0%となっている(第2表)。

イ 労働協約を締結している組合について、その周知の状況をみると、「周知のための措置を講じている」92.3%、「周知のための措置を何も講じてない」7.5%となっている。
「周知のための措置を講じている」労働組合について、その方法(複数回答)をみると、「労働組合員全員に配布」51.8%、「職場ごとに回覧、提示」34.3%、「説明会の開催」と「電子的手段(インターネット、LANなど)の活用」は24.0%となっている。(第3表

(3) 労働協約の必要性の認識

労働協約を締結していない組合において、労働協約の必要性をみると、「必要である」66.3%、「必要でない」33.7%となっている。

労働協約が「必要である」とする労働組合の現在の状況についてみると、「現在交渉中である」16.8%、「近い将来締結したいと考えている」63.9%となっている。

一方、労働協約は「必要でない」とする労働組合の理由は、「就業規則があるから」64.8%、「団体交渉等で合意したことは労働協約にしなくても守ることになっているから」28.6%となっている。(第4表

(4) 包括協約の有効期間

「包括協約がある」組合(「労働協約を締結している」組合の67.3%)のうち「有効期間の定めがある」のは77.4%となっている。有効期間をみると、「1年以下」63.3%、「1年を超え3年未満」28.7%、「3年」8.0%となっている。

また、「有効期間の定めがある」とする組合のうち、「自動延長規定あり」48.3%、「自動更新規定あり」38.3%となっている。(第1図

2 労働協約の事項別締結状況

(1) 労働組合に関する事項

組合に関する事項(「組合組織」、「組合活動」、「団体交渉」及び「争議」)について、事項別に規定の有無をみると、何らかの規定あり(労働協約の他、個別の労働契約等を含む。)とする組合が概ね6割〜8割であり、労働協約を締結して規定している組合は概ね5割〜7割と他の項目に比べ締結状況が高くなっている(第2図)。

(2) 労働条件等に関する事項

労働条件に関する事項(「人事」、「賃金」、「労働時間・休日・休暇」、「福利厚生」及び「安全衛生」)をみると、「人事」、「賃金」、「労働時間・休日・休暇」に関する事項では、何らかの規定あり(労働協約の他、就業規則、個別の労働契約等を含む。)とする組合が概ね9割あり、労働協約を締結して規定している組合は概ね2割〜5割となっている(第2図)。

3 就業形態別の労働協約の適用状況

(1) パートタイム労働者
ア パートタイム労働者の有無及び労働組合員の有無

労働組合が所属する事業所におけるパートタイム労働者の有無をみると、パートタイム労働者が「いる」67.2%、パートタイム労働者が「いない」32.5%となっている。

また、パートタイム労働者がいる事業所について、パートタイム労働者の労働組合員の有無についてみると、パートタイム労働者の労働組合員が「いる」19.1%、「いない」80.9%となっている。(第5表

イ パートタイム労働者への労働協約の適用状況

パートタイム労働者への労働協約の適用状況をみると、「労働協約があり、その全部又は一部がパートタイム労働者に適用される」33.5%、「労働協約はあるが、パートタイム労働者には全く適用されない」55.7%となっている。

「労働協約があり、その全部又は一部がパートタイム労働者に適用される」組合を産業別にみると、「卸売・小売業」49.5%、「運輸業」46.5%、「教育,学習支援業」36.2%で多くなっている。(第6表

(2) 有期契約労働者
ア 有期契約労働者の有無及び労働組合員の有無

労働組合が所属する事業所における有期契約労働者の有無をみると、有期契約労働者が「いる」63.7%、有期契約労働者が「いない」36.0%となっている。

また、有期契約労働者がいる事業所について、有期契約労働者の労働組合員の有無についてみると、有期契約労働者の労働組合員が「いる」23.5%、「いない」76.5%となっている。(第7表

イ 有期契約労働者への労働協約の適用状況

有期契約労働者への労働協約の適用状況をみると、「労働協約があり、その全部又は一部が有期契約労 働者に適用される」42.7%、「労働協約はあるが、有期契約労働者には全く適用されない」47.4%となっている(第8表)。

4 労働協約等の運営状況

(1) 人事に関する事項についての労働組合の関与状況

一般組合員(組合役員を除く)の人事に関する事項について、労働組合の関与状況をみると、なんらかの方法で「関与している」(「同意」、「協議」、「意見聴取」、「事前通知」、「事後通知」、「その他の関与」を合わせたものをいう。)組合の割合は、「解雇」78.8%、「懲戒処分」77.1%、「配置転換」67.1%の順で高くなっている。

労働組合の関与の程度が大きいもの(「同意」、「協議」、「意見聴取」の計)では、「解雇」、「懲戒処分」が5割前後となっている。

採用計画について、労働組合の関与状況をみると、なんらかの方法で「関与している」組合は、「正社員の採用計画」59.2%、「正社員以外の採用計画」49.4%となっている。(第3図

(2) 就業時間中の組合活動について

ア 就業時間中の組合活動に組合員が参加する場合の取扱いをみると、組合大会等定期の会合では、「届出、通知等をすればできる」55.9%、「許可、承認等のあった場合できる」22.3%「許可、届出等を要しないでできる」10.4%となっている。

イ 教宣活動等日常の組合活動では、「届出、通知等をすればできる」42.2%、「許可、承認等のあった場合できる」26.4%「許可、届出等を要しないでできる」16.3%となっている。

ウ 就業時間中の組合活動に組合員が参加する場合の取扱いについて、労働協約の規定の有無別にみると、「組合大会等定期の会合」、「教宣活動等日常の組合活動」のいずれの場合も、「届出、通知等をすればできる」が、労働協約の規定がある組合で高くなっている。(第9表

(3) チェック・オフ状況について

組合費のチェック・オフの状況をみると、組合費のチェック・オフが「行われている」組合は93.5%、「全く行われていない」組合は4.6%となっている。

チェック・オフが行われている組合のうち、「定期組合費以外についても行われている」組合は54.3%、「定期組合費のみについて行われている」組合は45.7%となっている。(第4図


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