厚生労働省大臣官房統計情報部
担当係:雇用統計課労働経済第一係
電  話:03(5253)1111 内線 7622
03(3595)3145(ダイヤルイン)

厚生労働省発表
平成19年11月

平成18年パートタイム労働者総合実態調査結果の概況

目   次

調査の概要

結果の概要


調 査 の 概 要

1 調査の目的

パートタイム労働は経済社会に欠かせない存在であり、今後このパートタイム労働対策を効果的に推進する上で、その就労状況等の実態把握を行う必要がある。このため、パートタイム等労働者の雇用管理等に関する実態について把握することとし、今後のパートタイム労働に関する厚生労働行政の施策に資することとする。

2 調査の範囲及び対象

(1) 地域 

日本国全域とする。ただし、一部地域を除く。

(2) 事業所調査

日本標準産業分類に基づく14大産業〔鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、卸売・小売業、金融・保険業、不動産業、飲食店,宿泊業、医療,福祉、教育,学習支援業、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)(ただし、その他の生活関連サービス業のうち家事サービス業及び外国公務を除く。)〕に属する常用労働者を5人以上雇用している民営事業所のうちから抽出した約9,100事業所。

(3) 個人調査

上記(2)の事業所調査の調査対象事業所において就業しているパートタイム等労働者のうち、一定の方法により抽出した者。

3 調査の実施時期

事業所調査は、平成18年10月1日現在の状況について、平成18年10月1日から10月31日までの間に行った。

個人調査は、平成18年10月1日現在の状況について、平成18年10月1日から11月10日までの間に行った。

4 主な調査事項

(1) 事業所調査

事業所の属性、パート等労働者の就業状況、賃金、処遇、勤務状況等

(2) 個人調査

個人の属性、就業の実態、仕事についての考え方、労働条件等

5 調査機関

(1) 事業所調査

厚生労働省大臣官房統計情報部−都道府県労働局−公共職業安定所−統計調査員−調査対象者

(2) 個人調査

厚生労働省大臣官房統計情報部−都道府県労働局−公共職業安定所−統計調査員−調査対象者

6 調査の方法

(1) 事業所調査

事業所票は、厚生労働省大臣官房統計情報部から直接、調査対象事業所へ郵送し、調査対象事業所において記入した後、統計調査員がこれを回収。

(2) 個人調査

個人票は、統計調査員が調査対象事業所において調査対象労働者数を算出し、調査対象事業所に配付を依頼、調査対象労働者が調査票に記入した後、直接、厚生労働省大臣官房統計情報部に郵送。

7 調査対象数、有効回答数及び有効回答率

事業所調査 調査対象数 9,133 有効回答数 6,653 有効回答率 72.8%
個人調査 調査対象数 24,469 有効回答数 13,426 有効回答率 54.9%

8 主な用語の説明

(1) 常用労働者

次のア、イのいずれかに該当する者(出稼ぎ及び季節労働者を除く。)

ア 期間を定めずに、又は1ヵ月を超える期間を定めて雇用されている者。

イ 日々雇われている者又は1ヵ月以内の期間を定めて雇用されている者で、平成18年8月及び9月の各月に各々18日以上雇われた者。

なお、(1)取締役、理事などの役員であって常時勤務して、一般の労働者と同じ給与規則若しくは同じ基準で毎月の給与の支払いを受けている者、(2)事業主の家族であって、その事業所に常時勤務して給与の支払いを受けている者でア、イのいずれかに該当する者は常用労働者に含める。

また、人材派遣会社から受け入れた派遣労働者については、対象事業所との指揮・命令関係はあるが、雇用関係はないので調査対象には含まない。対象事業所が人材派遣会社である場合、他社へ派遣している派遣労働者は調査対象には含まない。

(2) 就業形態

この調査においては、常用労働者を「正社員」、「パート」、「その他」の3つの就業形態に区分している。なお、調査の中では「パート」と「その他」を合わせた「パート等労働者」の区分も用いている。

ア 正社員

  いわゆる正規型の労働者。一般にフルタイム勤務で期間の定めのない労働契約により雇用されている労働者。なお、正社員には1週間の所定労働時間が35時間未満の労働者を含む。

イ パート

  正社員以外の労働者でパートタイマー、アルバイト、準社員、嘱託、臨時社員などの名称にかかわらず、週の所定労働時間が正社員よりも短い労働者。

ウ その他

  正社員やパート以外の労働者(1週間の所定労働時間が正社員と同じか長い労働者。)。

(3) 法定福利費

健康保険、厚生年金保険、労働保険等の事業主負担額等をいう。

(4) 法定外福利費

事業主独自の施策に基づく福利厚生費で、住居、医療保険、食事、文化・体育・娯楽、私的保険制度への拠出金、労災付加給付、慶弔見舞、財産形成貯蓄奨励金等などの費用をいう。

(5) 職務

通常従事する業務の内容だけでなく、作業のレベル(難易度)、求められる能力、責任や権限の範囲も含む。トラブル発生などの臨時・緊急の対応、ノルマや与えられた権限といった業務上の責任について、正社員と同じように課されているか考慮するとともに、作業を行う上で必要な能力、作業の難易度、肉体的・精神的負担なども含めて判断したもの。

(6) 就業規則

事業所において、その労働者の労働条件の具体的細目と労働者の守るべき職場規律を定めた規則をいう。社規、工場規則、従業員規則と称する場合もある。常時10人以上の労働者を雇用する事業所は、一定事項について使用者は作成することを義務づけられている。

(7) 職種分類
ア  専門的・技術的な仕事

高度の専門的水準において、科学的知識を応用した技術的な仕事に従事する者及び医療・法律・芸術・その他の専門的性質の仕事に従事する者をいう。(例えば、科学研究者、鉱工業技術者、医師、薬剤師、看護師、准看護師、弁護士、税理士、記者など。)

イ  管理的な仕事

課(課相当を含む)以上の組織の管理的仕事に従事する者をいう。(例えば、部長、課長、工場長、支店長など。) 

ウ  事務の仕事

一般に課長(課長相当職を含む)以上の職務にあるものの監督を受けて、庶務・人事・会計・調査等の仕事、運輸・通信・生産関連・営業販売・外勤に関する事務及び事務用機械の操作の仕事に従事する者をいう。(例えば、事務員、レジスター係(精算のみ)、集金人、検針員、出札・改札係、速記者、ワード・プロセッサー操作員、キーパンチャーなど。)

エ  販売の仕事

商品、不動産、証券などの売買、保険外交など取引上の勧誘・交渉・受注の仕事に従事する者をいう。(例えば、販売店員、仲介人、保険外交員など。)

オ  サービスの仕事

理容・美容・クリーニング・調理・接客・娯楽など個人に対するサービス、居住施設・ビルなどの管理サービス及びその他のサービスの仕事に従事する者をいう。(例えば、理容師、美容師、クリーニング工、調理師、給仕人、キャディー、ビル管理人、観光ガイドなど。)

カ  保安の仕事

個人・財産の保護、工場・病院・事務所・その他の施設での火災・破損・盗難の予防などの仕事に従事する者をいう。(例えば、警備員、守衛、建設現場誘導員など。)

キ  運輸・通信の仕事

機関車・電車・自動車・船舶・航空機の運転・操縦作業、通信機の操作及びその他の関連作業に従事する者をいう。(例えば、電車運転士、バス運転者、航空機関士、車掌、無線技術士、郵便・電報外務員など。)

ク  生産工程・労務の仕事

機械・器具等を用いて原料・材料を加工する仕事、各種の機械器具を組立・調整する仕事、製版・印刷などの仕事、建設機械を操作する仕事、採掘・採取などの仕事、建設の仕事、病院などの雑務、及び他に分類されない運搬・清掃など労務的作業に従事する者をいう。(例えば、製銑工、旋盤工、板金工、自動車整備工、配管工、土木工、荷造工、清掃員など。)

9 利用上の注意

(1) 構成比は小数点以下第二位を四捨五入としているため、計は必ずしも100.0とはならない。
(2) 統計表中「0.0」は、表章単位未満の数値を示す。
(3) 統計表中「−」は、該当数値がないことを示す。
(4) 統計表中「…」は、調査をしていないことを示す。

本調査では、今回、「正社員」と「パート等労働者」の両方を雇用する事業所におけるパート等労働者の状況を正社員との比較を通じて把握することに重点を置いた。このため、本概況の事業所調査部分では、一部の表(表1、表2−1、表2−2、表3、表4、表5、表13、表15)を除き、「正社員」と「パート等労働者」の両方を雇用する事業所についてのみ集計している。

また、平成18年調査は前回調査(平成13年)とは調査対象や集計対象が異なり、前回調査と正確な比較ができないため、前回調査の結果は参考として参照されたい。

具体的には以下のとおり。

(1)  前回調査は調査対象に官公営事業所を含むが、18年調査は民営事業所のみを対象としている。

(2)  前回調査の集計の多くは「正社員」のいない事業所も集計対象としていたが、18年調査では多くの集計において「正社員」と「パート等労働者」の両方を雇用する事業所のみを対象としている。
  したがって表7、表8、表17の「正社員」の集計対象には「正社員」のみの事業所が含まれていないので留意が必要である。


結 果 の 概 要

【事業所調査】

1 パート等労働者の就業状況
(1) パート等労働者の雇用の有無

平成18年10月1日現在で、パート等労働者(「パート」と「その他」を合わせたもの。以下同じ。)を雇用している事業所の割合は66.3%、平成13年調査(以下「前回」という。)では62.1%となっている。「パート」を雇用している割合は61.0%(前回56.6%)、「その他」を雇用している割合は17.3%(前回15.3%)となっている。

これを産業別にみると、「パート」を雇用している事業所は「飲食店,宿泊業」が91.3%と最も多く、次いで「医療,福祉」83.3%、「教育,学習支援業」79.2%の順となっている。「その他」を雇用している事業所では「複合サービス事業」が42.0%と最も多く、次いで「情報通信業」、「教育,学習支援業」がともに21.9%の順となっている。

また、事業所規模別にみると事業所規模が大きくなるほどパート等労働者を雇用している事業所の割合が概ね高くなっている。(表1、第1図)


(2) パート等労働者数

パート等労働者は約1,148万人(前回約1,058万人)、うち「パート」は約956万人(前回約911万人)、「その他」は約193万人(前回約147万人)となっている。パート等労働者の割合は30.7%(前回26.5%)、うち「パート」は25.6%(前回22.8%)、「その他」は5.2%(前回3.7%)となっており、前回調査と比較するといずれも上昇している。

これを男女別にみると、パート等労働者の割合は男15.5%(前回12.1%)、女52.4%(前回46.8%)、うち「パート」は男11.2%(前回9.1%)、女46.1%(前回42.0%)、「その他」は男4.3%(前回2.9%)、女6.3%(前回4.8%)、となっている。(表2−1、表2−2)


(3) 職種別の状況

パート等労働者を雇用している事業所のパート等労働者を職種別の割合でみると、「パート」では、「サービスの仕事」が29.1%(前回29.8%)、「販売の仕事」28.6%(前回26.3%)、「生産工程・労務の仕事」16.7%(前回20.8%)の順に多くなっており、男女別では、「事務の仕事」と「販売の仕事」等が男に比べて女の割合が多くなっている。「その他」では、「生産工程・労務の仕事」31.0%(前回31.4%)、「事務の仕事」19.2%(前回16.7%)、「サービスの仕事」13.0%(前回19.5%)の順に多くなっている。(表3)

2 雇用理由及び人件費のうち、割安だと思う内容

パート等労働者を雇用している事業所の雇用理由(複数回答)をみると、「パート」では、「人件費が割安なため(労務コストの効率化)」が71.0%(前回65.3%)と最も多く、次いで「1日の忙しい時間帯に対処するため」39.5%(前回39.2%)、「簡単な仕事内容のため」36.3%(前回31.4%)の順となっている。「その他」では、「人件費が割安なため(労務コストの効率化)」が58.4%(前回57.9%)と最も多く、次いで「経験・知識・技能のある人を採用したいため」31.9%(前回19.8%)、「定年社員の再雇用のため」21.7%(前回13.5%)の順となっている。

また、雇用理由を「人件費が割安なため」とする事業所について、特に割安だと思う内容(3つまでの複数回答)の割合をみると、「賃金」とする割合が最も多く「パート」70.5%(前回78.5%)、「その他」64.2%(前回76.4%)、次いで「賞与」が「パート」63.5%(前回72.8%)、「その他」70.6%(前回75.6%)、「退職金」が「パート」47.9%(前回51.0%)、「その他」54.8%(前回60.3%)となっている。(表4、表5、第2図)



3 賃金
(1) 採用時の賃金決定の際に考慮した内容

正社員とパート等労働者の両方を雇用している事業所の採用時の賃金決定の際に考慮した内容(複数回答)をみると、「同じ地域・職種のパートの賃金相場」とする割合が最も多く「パート」71.7%(前回67.4%)、「その他」49.6%(前回49.5%)、次いで「仕事の困難度」が「パート」31.4%(前回26.5%)、「その他」31.5%(前回30.4%)となっている(表6、第3図)。


(2) 過去1年間の賃金の昇給の有無及び昇給決定の際に考慮した内容

正社員とパート等労働者の両方を雇用している事業所のうち、過去1年間に賃金の昇給を行った事業所の割合は「パート」で55.5%(前回52.4%)となっており、このうち「全員に行った」36.8%(前回44.3%)、「一部の労働者について行った」63.2%(前回55.7%)となっている。「その他」では賃金の昇給を行った割合は50.9%(前回47.5%)となっており、このうち「全員に行った」38.4%(前回59.1%)、「一部の労働者について行った」61.6%(前回40.9%)となっている。

また、賃金の昇給を行った事業所について、賃金の昇給の際に考慮した内容(複数回答)をみると、「能力等について一定の評価基準により(職能により)」とする割合が最も多く「パート」47.5%、「その他」41.2%、次いで「経験年数に応じて」が「パート」41.8%、「その他」40.2%となっている。(表7、表8)


4 処遇
(1) 正社員が行っていた業務に充てたパート等労働者の割合

正社員とパート等労働者の両方を雇用している事業所のうち、以前正社員が行っていた業務に充てた事業所の割合をみると、「パート」では「ほとんど又は全く充てなかった(1割未満)」とする事業所が30.9%、「半分以上の労働者を充てた」が22.3%となっている。「その他」では「半分以上の労働者を充てた」とする事業所が35.2%、「ほとんど又は全く充てなかった(1割未満)」が24.0%となっている。(表9)

(2) 職務が正社員とほとんど同じパート等労働者の有無及び割合

正社員とパート等労働者の両方を雇用している事業所のうち、「職務が正社員とほとんど同じパート等労働者がいる」事業所の割合は「パート」が51.9%(前回40.7%)、このうち、職務が正社員とほとんど同じ者の「パート」全体に占める割合が「1割未満」とする事業所が32.2%と多くなっている。「その他」の「職務が正社員とほとんど同じパート等労働者がいる」事業所の割合は65.2%(前回53.7%)、このうち、職務が正社員とほとんど同じ者の「その他」全体に占める割合が「8割以上」とする事業所が50.0%と多くなっている。(表10)

(3) 職務がほとんど同じ正社員との賃金格差の有無

職務が正社員とほとんど同じパート等労働者がいる事業所のうち、1時間当たりの賃金額に差がある事業所の割合をみると、「パート」では81.7%、「その他」で71.3%となっている。これを規模別にみると、「パート」では規模が大きくなるほど割合が高くなっている。

一方、賃金額の差がない事業所の割合をみると、「パート」で16.9%、「その他」で26.0%となっている。これを規模別にみると、「パート」では規模が小さくなるほど割合が高くなっている。(表11)

(4) 賃金格差がある場合の低い理由

1時間当たりの賃金額に差がある事業所のうち、パート等労働者の方が低いとする理由(3つまでの複数回答)をみると、「勤務時間の自由度が違うから」とする事業所の割合が「パート」、「その他」ともに最も多く、それぞれ72.7%、41.7%、次いで「正社員には企業への貢献がより期待できるから」がそれぞれ32.9%、31.4%となっている。

また、規模別にみると、「パート」、「その他」ともに「勤務時間の自由度が違うから」は規模が小さくなるほど割合が高くなっている。(表12)

(5) 採用時における労働条件の明示の有無及び明示方法

パート等労働者を雇用している事業所のうち、採用時に労働条件を明示している事業所の割合は「パート」が94.9%(前回98.4%)、「その他」が93.9%(前回96.3%)となっている。

また、労働条件を明示している事業所のうち、明示方法をみると、「パート」では「主に口頭で説明している」とする事業所の割合が40.8%(前回45.9%)と多く、「その他」では「主に労働条件通知書・労働契約書等書面を交付している」とする割合が52.2%(前回51.4%)と多くなっている。(表13)

(6) 就業規則の適用状況

正社員とパート等労働者の両方を雇用している事業所のうち、事業所に就業規則がある事業所の割合は「パート」が80.2%(前回84.7%)、「その他」が88.5%(前回90.6%)となっている。また、就業規則がある事業所のうち、「パート」に適用される事業所の割合は78.7%(前回74.1%)、「その他」に適用される事業所の割合は84.7%(前回80.1%)となっている。(表14)

(7) 労使の話し合い促進のための措置の実施状況

パート等労働者を雇用している事業所のうち、パート等労働者との話し合い促進のための措置を講じている事業所の割合は「パート」で85.4%、「その他」で87.6%となっている。

また、話し合い促進のための措置を講じている事業所のうち、講じている措置の内容(複数回答)をみると、「パート等労働者から本人の処遇について説明を求められたときは、説明している」とする割合が最も多く「パート」88.4%、「その他」92.9%となっている。(表15)

(8) 年次有給休暇の付与の有無及び取得状況

正社員とパート等労働者の両方を雇用している事業所のうち、年次有給休暇を与えている事業所の割合は「パート」が53.8%(前回61.1%)となっており、このうち、「出勤日数又は勤務時間に応じて比例付与している」事業所の割合が56.4%(前回48.4%)と最も多くなっている。「その他」では年次有給休暇を与えている事業所の割合は74.1%(前回78.1%)となっており、このうち、「正社員と同じ日数を付与している」事業所の割合が53.6%(前回39.8%)と最も多くなっている。

年次有給休暇を与えている事業所のうち、年次有給休暇の平均的な取得状況をみると「パート」では、「与えられた休暇の2割未満しか取得していない」が28.6%と最も多く、次いで「与えられた休暇の8割以上を取得している」が26.9%となっている。「その他」では、「与えられた休暇の2割未満しか取得していない」が29.1%と最も多くなっている。

また、これを規模別にみると、「与えられた休暇の8割以上取得している」、「与えられた休暇の5〜8割程度取得している」では「パート」、「その他」ともに規模が大きくなるほど割合が概ね高くなっている。一方、「与えられた休暇の2割未満しか取得していない」では「パート」、「その他」ともに規模が小さくなるほど割合が高くなっている。(表16−1、表16−2)


(9) 各種手当・制度等の実施状況

正社員とパート等労働者の両方を雇用している事業所のうち、労働者に対する各種手当・制度等の実施状況(複数回答)をみると、「通勤手当」の実施割合が最も多く、「パート」68.4%(前回66.6%)、「その他」70.1%(前回73.2%)となっており、次いで「社内行事への参加」が「パート」55.1%(前回59.6%)、「その他」62.7%(前回68.1%)、「定期健康診断」が「パート」50.3%(前回51.4%)、「その他」69.1%(前回69.9%)の順となっている(表17)。

(10) 就業形態の転換制度の有無

正社員とパート等労働者の両方を雇用している事業所のうち、「パート」から正社員への転換制度がある事業所の割合は45.8%(前回46.4%)となっており、これを主な産業別にみると、「飲食店,宿泊業」が59.1%、「医療,福祉」が52.2%と多くなっている。また、「その他」から正社員への転換制度がある事業所の割合は48.4%(前回40.8%)となっており、主な産業別でみると、「運輸業」が63.3%、「卸売・小売業」が54.6%と多くなっている。(表18)

【個人調査】

1 パート等労働者の属性
(1) 配偶者の有無

「配偶者がいる」割合について、「パート」を男女別にみると、男では42.4%(前回37.8%)、女では76.3%(前回72.6%)となっており、「その他」の男では59.0%(前回56.4%)、女では50.3%(前回49.6%)となっている(表19)。

(2) 主な生活の収入源

主な生活の収入源について、「パート」を男女別にみると、男では「主に自分の収入で暮らしている」55.7%(前回57.4%)、女では「主に配偶者の収入で暮らしている」69.1%(前回65.9%)が最も多くなっている。「その他」の男では「主に自分の収入で暮らしている」85.4%(前回85.6%)、女では「主に配偶者の収入で暮らしている」40.0%(前回42.6%)が多くなっている。(表20)

2 就業の実態
(1) 雇用保険の加入の有無及び厚生年金等の加入状況 

パート等労働者の雇用保険の加入状況をみると、「加入している」は「パート」で50.5%(前回45.1%)、「その他」で85.4%(前回78.9%)となっており、前回調査と比較すると、「パート」、「その他」ともに上昇している。

また、厚生年金等の公的年金について、「20〜59歳」の労働者の加入状況をみると、「パート」では「配偶者の加入している厚生年金・共済年金の被扶養配偶者になっている(第3号被保険者)」が35.2%と最も多くなっている。「その他」では「厚生年金・共済年金に本人が被保険者として加入している(別の会社で加入している場合も含む)」が81.4%と最も多くなっている。(表21−1、表21−2)


(2) 役職及び責任・判断の度合い

パート等労働者の役職の有無についてみると、「役職についている」は「パート」で6.9%、「その他」で11.2%となっている。

役職についている者のうち、該当する役職をみると、「パート」、「その他」ともに「係(グループ)の統率はしていないが、係の長の指揮・監督のもと、係内の人を指示・命令するもの」がそれぞれ75.0%、52.6%と最も多くなっている。

また、責任・判断の度合いをみると、「上司の指示は受けるが、一部については自分自身の責任、判断で仕事を行っている」が「パート」、「その他」ともにそれぞれ54.7%、62.4%と最も多くなっている。(表22−1、表22−2)


(3) 同じ仕事を行っている正社員と比較した賃金等処遇面についての意識

パート等労働者のうち、「同じ仕事を行っている正社員がいる」は「パート」で56.8%、「その他」で67.4%となっている。これらの者について、正社員と比較した賃金等処遇面への意識をみると、「パート」、「その他」ともに「正社員より賃金は低いと思うが、納得できる」がそれぞれ40.0%、39.3%と最も多くなっている。(表23)

3 仕事についての考え方
(1) 働いている理由

パート等労働者の働いている理由(複数回答)をみると、「パート」では「主たる稼ぎ手ではないが、家計の足しにするため」が53.9%と最も多く、次いで「自分の学費や娯楽費を稼ぐため」31.0%、「生きがい・社会参加のため」30.8%の順となっている。「その他」では、「家計の主たる稼ぎ手として、生活を維持するため」が51.6%と最も多く、次いで「主たる稼ぎ手ではないが、家計の足しにするため」32.3%、「生きがい・社会参加のため」27.7%となっている。(表24、第4図)


(2) パート等労働者を選んだ理由

パート等労働者としての働き方を選んだ理由(複数回答)をみると、「パート」では「自分の都合の良い時間(日)に働きたいから」が50.3%と最も多く、次いで「勤務時間・日数が短いから」38.1%、「正社員として働ける会社がないから」23.8%の順となっている。「その他」では「正社員として働ける会社がないから」が44.2%と最も多くなっている。(表25)

(3) 今の会社や仕事への不満・不安

今の会社や仕事に対する不満・不安の有無についてみると、「不満・不安がある」は「パート」で63.9%(前回54.3%)、「その他」で70.4%(前回60.5%)となっており、前回調査と比較すると、「パート」、「その他」ともに上昇している。

また、不満・不安がある者のうち、不満・不安の内容(複数回答)をみると、「パート」では「賃金が安い」が61.8%(前回51.1%)と最も多く、次いで「有給休暇がとりにくい」26.2%(前回19.2%)、「パート等としては仕事がきつい」24.1%(前回14.9%)の順となっている。「その他」では「賃金が安い」が64.5%(前回47.4%)と最も多く、次いで「正社員になれない」40.0%(前回36.4%)、「雇用が不安定」28.6%(前回30.6%)の順となっている。前回調査と比較すると「賃金が安い」、「パート等としては仕事がきつい」が「パート」、「その他」ともに大きく上昇している。(表26−1、表26−2)


(4) 今後の就業に対する希望

今後の就業に対する希望について「パート」労働者の希望をみると、「パート等で仕事を続けたい」が68.4%(前回62.9%)、「正社員になりたい」では18.4%(前回15.6%)となっている。「その他」では、「パート等で仕事を続けたい」が43.4%(前回47.4%)、「正社員になりたい」では41.2%(前回30.8%)となっている。(表27)

4 年収等について
(1) 平成17年(1年間)のパート等の年収

平成17年1月〜12月までの過去1年間にパート等労働者として働いた年収をみると、「パート」の全体では、100万円未満で44.4%(前回37.7%)、100〜150万円未満で26.4%(前回24.4%)、150万円以上で17.3%(前回23.0%)となっている。「その他」の全体では、150万円未満で27.5%、150万円以上で59.0%となっている。(表28)

(2) 過去1年間の就業調整の有無及び調整の理由

過去1年間の年収等の調整についてみると、「調整をしている」は「パート」で20.4%(前回22.6%)、「その他」で4.3%(前回4.9%)となっている。「パート」について男女別にみると、「パート」の男14.7%(前回9.3%)、女22.4%(前回26.7%)となっている。

また、調整をしている労働者について、その理由(複数回答)をみると、「パート」、「その他」ともに「自分の所得税の非課税限度額(103万円)を超えると税金を支払わなければならないから」がそれぞれ65.8%(前回71.7%)、47.9%(前回49.2%)と最も多くなっている。(表29−1、表29−2)



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