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II 調査結果の概要


 労働者構成

 (1)職種別労働者構成
 調査職種における推計労働者数は9,874人となっており、職種別の労働者構成をみると、チェンソー伐木作業者(自己所有)が32.1%と最も高く、次いでチェンソー伐木作業者(会社所有)が20.9%、機械集運材作業者が20.2%となっており、これら3職種で全体の7割を超えている(第1図)。

第1図 職種別労働者構成

第1図 職種別労働者構成



 (2)年齢階級別労働者構成
 年齢階級別に労働者構成をみると、調査職種計では60歳以上が39.6%と最も高く、次いで50〜59歳層が26.3%となっており、50歳以上で約7割を占めている。
 職種別に年齢階級別労働者構成をみると、機械伐木造材作業者を除く5職種で60歳以上の占める割合が最も高くなっており、伐木造材作業者及びチェンソー伐木作業者(自己所有)では、約5割となっている。
 平均年齢は、調査職種計で53.5歳(前年53.8歳)となっており、職種別には機械伐木造材作業者が46.0歳となっているほかは、各職種とも50歳代となっている。(第2図)

第2図 職種、年齢階級別労働者構成及び平均年齢

第2図 職種、年齢階級別労働者構成及び平均年齢



2 賃金

 (1)職種別賃金
 賃金(1人1日平均きまって支給する現金給与額をいう。以下同じ。)は、調査職種計で12,330円(前年12,350円)、対前年比では0.2%減となっている。チェンソー伐木作業者(自己所有)を除く5職種計では、12,110円(前年11,980円)となり、対前年比では1.1%増となっている。
 職種別に賃金をみると、機械伐木造材作業者が13,360円と最も高く、チェンソー伐木作業者(自己所有)が12,790円、機械集運材作業者が12,520円、伐木造材作業者及びチェンソー伐木作業者(会社所有)が12,390円と1万2千円台となっており、伐出雑役が9,710円と1万円未満となっている。
 労働者の最も多いチェンソー伐木作業者(自己所有)を100とした職種間賃金格差についてみると、伐出雑役が76と最も格差が大きく、他の職種では97〜104と比較的格差は小さい。(第3図、第1表)

第3図 賃金及び対前年増減率の推移(調査職種計)

第3図 賃金及び対前年増減率の推移(調査職種計)

注:1) 平成9年から畜力集運材作業者を対象外とし、平成12年から人力集運材作業者を対象外とするとともに機械伐木造材作業者を新たに調査対象に加えたため、単純には時系列比較を行うことはできない。
2) 平成11年より、賃金額の最小表章単位を1円から10円に改めた。



第1表 職種別賃金、対前年増減率及び賃金格差

職種 賃金(円) 対前年増減率(%) 賃金格差
(チェンソー伐木作業者(自己所有)=100)
平成15年 平成14年 平成15年 平成14年 平成15年 平成14年
調査職種計 12,330 12,350 -0.2 -1.9
5職種計(自己所有職種を除く) 12,110 11,980 1.1 -2.3
  伐木造材作業者 12,390 12,160 1.9 -3.4 97 94
チェンソー伐木作業者(会社所有) 12,390 12,450 -0.5 0.9 97 96
機械伐木造材作業者 13,360 12,160 9.9 -6.1 104 94
機械集運材作業者 12,520 12,470 0.4 -2.2 98 96
伐出雑役 9,710 9,700 0.1 -6.6 76 75
チェンソー伐木作業者(自己所有) 12,790 13,000 -1.6 -2.2 100 100

注: 「…」は統計数がない場合である。


 (2)賃金形態別賃金
 賃金を支払形態別にみると、調査職種計で定額制が11,990円、出来高制が12,950円と、出来高制が定額制に比べ約1割上回っている。
 職種別に賃金格差をみると、チェンソー伐木作業者(会社所有)及び伐出雑役を除く職種で、出来高制が定額制を1割程度上回っている。
 労働者構成についてみると、調査職種計では定額のみが6割を超えている。(第2表)

第2表 職種別、賃金形態別賃金、格差及び労働者構成

職種 賃金(円) 賃金格差 労働者構成(%)
定額制 出来高制 出来高制/定額制×100 定額制 出来高制
調査職種計 11,990 12,950 108 64.5 35.5
  伐木造材作業者 11,940 12,930 108 54.8 45.2
チェンソー伐木作業者(会社所有) 12,490 12,060 97 76.5 23.5
機械伐木造材作業者 13,070 14,070 108 71.4 28.6
機械集運材作業者 12,240 13,120 107 68.3 31.7
伐出雑役 9,840 9,380 95 73.5 26.5
チェンソー伐木作業者(自己所有) 12,010 13,690 114 53.5 46.5

注:「出来高制」とは、「出来高のみ」のほか「主として出来高」、「主として定額」を含めたものである。


 (3)年齢階級別賃金
 賃金を年齢階級別にみると、調査職種計では30〜39歳層の賃金が12,690円で最も高くなっている。
 職種別にみると、伐出雑役では、30歳代を除き、9,000円台と低くなっており、機械伐木造材作業者では30歳代(14,420円)をピークに年齢とともに賃金は低くなっている。また、他の職種では、30歳以上で、各年齢層のほとんどが1万2千円台となっている。
 30〜39歳層の賃金を100とした年齢間格差についてみると、伐木造材作業者で最も格差が小さく、機械伐木造材作業者で最も格差が大きい。(第3表)

第3表 職種、年齢階級別賃金及び年齢間格差

年齢階級 調査職種計 伐木造材
作業者
チェンソー
伐木作業者
(会社所有)
機械伐木
造材作業者
機械集運材
作業者
伐出雑役 チェンソー
伐木作業者
(自己所有)
賃金(円) 年齢計 12,330 12,390 12,390 13,360 12,520 9,710 12,790
 〜29歳 10,540 11,660 10,220 11,030 10,780 9,240 10,990
30〜39歳 12,690 12,730 12,120 14,420 12,620 10,640 12,840
40〜49歳 12,590 12,650 12,740 14,080 12,710 9,960 12,490
50〜59歳 12,490 12,840 12,650 13,090 12,470 9,520 13,140
60歳〜 12,410 12,160 12,700 12,210 12,910 9,770 12,900
年齢間格差(30〜39歳=100)  〜29歳 83 92 84 76 85 87 86
30〜39歳 100 100 100 100 100 100 100
40〜49歳 99 99 105 98 101 94 97
50〜59歳 98 101 104 91 99 89 102
60歳〜 98 96 105 85 102 92 100


 (4)地域別賃金
 地域別に賃金をみると、調査職種計では東海が14,140円で最も高く、次いで近畿が14,010円となっている。以下、北海道及び関東・信越が1万3千円台、中国が1万2千円台、四国が1万1千円台、東北及び九州が1万円台となっている。
 賃金の最も高い東海を100とした地域間格差をみると、九州が71、東北が76と格差が大きい。(第4表)

第4表 職種、地域別賃金及び地域間格差

地域 調査
職種計
伐木造材
作業者
チェンソー
伐木作業者
(会社所有)
機械伐木
造材作業者
機械集運材
作業者
伐出雑役 チェンソー
伐木作業者
(自己所有)
賃金(円) 地域計 12,330 12,390 12,390 13,360 12,520 9,710 12,790
北海道 13,860 12,140 13,870 13,100 13,470 10,450 16,080
東北 10,770 11,590 10,870 10,820 10,880 8,910 11,160
関東・信越 13,360 13,460 11,930 15,150 14,720 10,280 14,010
東海 14,140 13,630 14,240 16,450 14,090 11,830 14,460
近畿 14,010 13,890 14,360 14,900 13,520 12,430 14,510
中国 12,260 11,380 11,790 13,720 12,220 9,770 13,180
四国 11,300 10,790 11,410 13,390 11,540 9,670 11,320
九州 10,110 9,660 10,590 11,440 10,420 7,940 10,480
 
地域間格差
(東海=100)
北海道 98 89 97 80 96 88 111
東北 76 85 76 66 77 75 77
関東・信越 94 99 84 92 104 87 97
東海 100 100 100 100 100 100 100
近畿 99 102 101 91 96 105 100
中国 87 83 83 83 87 83 91
四国 80 79 80 81 82 82 78
九州 71 71 74 70 74 67 72
 地域別内訳(8ブロック)
   北海道・・・北海道
   東北 ・・・青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
   関東・信越・・茨城、栃木、群馬、新潟、長野
   東海 ・・・岐阜、静岡、愛知、三重
   近畿・・・兵庫、奈良、和歌山
   中国・・・島根、岡山、広島、山口
   四国・・・徳島、愛媛、高知
   九州・・・熊本、大分、宮崎、鹿児島


 平均稼働率
 平均稼働率(注)をみると、調査職種計で57%となっており、前年並であった。
 職種別にみると、機械伐木造材作業者が66%、機械集運材作業者が62%と6割を超えており、他の職種では5割台となっている。(第5表)
 注:稼働率とは、雇用期間日数に対する実労働日数の割合を表す。

第5表 職種別平均稼働率
(%)
職種 平成15年 平成14年
調査職種計 57 57
  伐木造材作業者 56 54
チェンソー伐木作業者(会社所有) 55 58
機械伐木造材作業者 66 64
機械集運材作業者 62 61
伐出雑役 50 54
チェンソー伐木作業者(自己所有) 54 53


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