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平成12年林業労働者職種別賃金調査結果概要

1労働者構成

(1)職種別労働者構成

 職種別の労働者構成をみると、チェンソー伐木作業者(自己所有)が3,999人(34.0%)と最も高く、次いで機械集運材作業者が2,739人(23.3%)、チェンソー伐木作業者(会社所有)が1,979人(16.8%)となっており、これら3職種で全体の約4分の3を占めている(第1図)。

第1図 職種別労働者構成
第1図 職種別労働者構成


(2)年齢階級別労働者構成

 年齢階級別に労働者構成をみると、調査職種計では60歳以上が42.6%で最も高く、50歳以上で約7割を占めている。
 職種別にみると、機械伐木造材作業者を除いて60歳以上の占める割合が最も高くなっている(第2図)。

第2図 職種、年齢階級別労働者構成
第2図 職種、年齢階級別労働者構成


2 賃金

(1)職種別賃金

 1人1日平均きまって支給する現金給与額(以下「賃金」という。)は、調査職種計では12,710円となり、チェンソー伐木作業者(自己所有)を除く職種計では12,160円となっている。
 12年調査から調査職種について人力集運材作業者を対象外とし、機械伐木造材作業者を新たに対象に加えたため、変更となった職種を除いた5職種計の賃金額は12,660円(前年12,680円)で対前年増減率は0.2%減、自己所有を除く4職種計では12,030円(前年12,360円)で対前年増減率は2.7%減となっている。
 職種別に賃金をみると、最も高いのは機械伐木造材作業者の13,920円で、次いでチェンソー伐木作業者(自己所有)が13,790円、機械集運材作業者が13,560円、チェンソー伐木作業者(会社所有)が11,980円、伐木造材作業者が11,700円、伐出雑役が9,090円となっている。
 労働者の最も多いチェンソー伐木作業者(自己所有)を100とした職種間格差をみると、伐出雑役が66となり、他の職種に比べて格差が大きい(第3図、第1表)。


第3図 賃金及び対前年増減率の推移(調査職種計及び5職種計)
第3図 賃金及び対前年増減率の推移(調査職種計及び5職種計)
(注1)調査職種計については、平成9年から畜力集運材作業者を対象外とし、平成12年から人力集運材作業者を対象外とするとともに機械伐木造材作業者を新たに対象に加えたため単純には時系列比較を行うことはできない。
(注2)5職種計とは、伐木造材作業者、チェンソー伐木作業者(会社所有)、機械集運材作業者、伐出雑役およびチェンソー伐木作業者(自己所有)の計である。
(注3)対前年増減率は、5職種計の増減率である。


第1表 職種別賃金、対前年増減率及び賃金格差

職種 賃金 対前年増減率(%) 賃金格差
(チェンソー伐木作業者(自己所有)=100
平成11年 平成12年 平成11年 平成12年 平成11年 平成12年
調査職種計 12,660 12,710        
★ 12,680 ★ 12,660 1.1 -0.2    
自己所有職種を除く職種計 12,340 12,160        
☆ 12,360 ☆ 12,030 0.7 -2.7    
 伐木造材作業者 12,520 11,700 1.2 -6.5 94 85
 チェンソー伐木作業者
 (会社所有)
12,740 11,980 -0.1 -6.0 96 87
 機械伐木造材作業者 ・・・・・・ 13,920 ・・・・ ・・・・ ・・ 101
 人力集運材作業者 11,480 ・・・・・・ -4.0 ・・・・ 87 ・・
 機械集運材作業者 13,190 13,560 1.4 2.8 99 98
 伐出雑役 9,540 9,090 -1.2 -4.7 72 66
 チェンソー伐木作業者
 (自己所有)
13,270 13,790 1.1 3.9 100 100

(注1) 調査職種計の下段の賃金の★印は5職種(伐木造材作業者、チェンソー伐木作業者(会社所有)、機械集運材作業者、伐出雑役、チェンソー伐木作業者(自己所有))計の賃金である。
(注2) 自己所有を除く職種計の下段の☆印は5職種より自己所有職種を除いた4職種計の賃金である。


(2)賃金支払形態別賃金

 支払形態別に賃金をみると、調査職種計で出来高制が13,190円、定額制が12,400円で出来高制が定額制に比べ6%上回っている。
 職種別についてみると、機械集運材作業者と機械伐木造材作業者の出来高制が定額制を10%以上上回っているが、チェンソー伐木作業者(自己所有)では、それほどの大きな差はみられない。
 労働者構成についてみると、調査職種計では定額制が約6割、出来高制が約4割となっている。
 職種別では、チェンソー伐木作業者(自己所有)及び伐木造材作業者の出来高制が約5割と他の職種に比べて高い割合となっている(第2表)。

第2表 職種、賃金支払形態別賃金、格差及び労働者構成比

職種 賃金(円) 賃金格差
出来高制/定額制×100
労働者構成(%)
定額制 出来高制 定額制 出来高制
調査職種計 12,400 13,190 106 60.4 39.6
 伐木造材作業者 11,530 11,890 103 53.8 46.2
 チェンソー伐木作業者
 (会社所有)
11,840 12,340 104 71.5 28.5
 機械伐木造材作業者 13,540 14,960 110 73.5 26.5
 機械集運材作業者 12,940 14,720 114 65.2 34.8
 伐出雑役 8,990 9,270 103 64.2 35.8
 チェンソー伐木作業者
 (自己所有)
13,720 13,850 101 51.0 49.0

(注) 「出来高制」とは、「出来高のみ」のほか「主として出来高」、「主として定額」を含めたものである。


(3)年齢階級別賃金

 年齢階級別に賃金をみると、調査職種計では50〜59歳層が13,290円で最も高く、次いで40〜49歳層が13,100円、30〜39歳層が12,790円、60歳以上が12,630円、29歳以下が10,410円となっている。
 30〜39歳層を100とした年齢間格差を調査職種計でみると、29歳以下が81と大きな格差があるが、40歳以上ではそれほどの格差はない。
 同様に職種別について年齢階級別の賃金をみると、伐木造材作業者、機械集運材作業者が30〜39歳層、機械伐木造材作業者、伐出雑役が40歳〜49歳層、チェンソー伐木作業者(会社所有)、チェンソー伐木作業者(自己所有)が50歳〜59歳層で賃金が最も高くなっている(第3表)。

第3表 職種、年齢階級別賃金及び格差

職種 賃金(円) 年齢間格差(30〜39歳=100)
年齢計 〜29歳 30〜
39歳
40〜
49歳
50〜
59歳
60歳〜 〜29歳 30〜
39歳
40〜
49歳
50〜
59歳
60歳〜
調査職種計 12,710 10,410 12,790 13,100 13,290 12,630 81 100 102 104 99
 伐木造材作業者 11,700 10,160 12,150 11,760 11,770 11,850 84 100 97 97 98
 チェンソー伐木作業者
 (会社所有)
11,980 10,150 12,310 12,000 12,650 11,950 82 100 97 103 97
 機械伐木造材作業者 13,920 11,270 13,710 15,110 13,770 14,770 82 100 110 100 108
 機械集運材作業者 13,560 10,870 13,980 13,550 13,890 13,660 78 100 97 99 98
 伐出雑役 9,090 8,590 9,280 9,450 9,050 9,170 93 100 102 98 99
 チェンソー伐木作業者
 (自己所有)
13,790 12,570 13,370 14,050 14,460 13,490 94 100 105 108 101


(4)地域別賃金

 地域別に賃金をみると、調査職種計で近畿が15,120円で最も高く、次いで北海道が14,510円、東海が13,640円、関東・信越が13,510円、四国が12,210円、中国が12,160円、東北が11,270円、九州が10,620円の順となっている。
 北海道を100とした地域間格差を調査職種計でみると、九州が73と最も格差が大きく、東北は78、四国及び中国は84、関東・信越は93、東海は94、近畿は104となっている。
 職種別に地域別の賃金をみると、最も高い地域は、チェンソー伐木作業者(自己所有)が北海道、他の5職種では近畿となっており、最も低い地域は、チェンソー伐木作業者(会社所有)と機械伐木造材作業者が東北、他の4職種では九州となっている(第4図、第4表)。


第4図 地域間格差(北海道=100)
第4図 地域間格差(北海道=100)


第4表 職種、地域別賃金及び格差

職種 賃金 (円)
地域計 北海道 東北 関東・
信越
東海 近畿 中国 四国 九州
調査職種計 12,710 14,510 11,270 13,510 13,640 15,120 12,160 12,210 10,620
 伐木造材作業者 11,700 13,380 10,350 11,740 12,520 13,610 10,880 11,320 9,810
 チェンソー伐木作業者
 (会社所有)
11,980 13,300 10,230 12,170 12,680 14,840 11,300 11,640 10,910
 機械伐木造材作業者 13,920 13,800 11,750 15,940 15,030 18,910 16,680 13,380 12,240
 機械集運材作業者 13,560 13,800 12,140 14,980 15,330 16,480 13,130 12,880 11,090
 伐出雑役 9,090 10,420 8,940 9,200 9,320 10,790 8,410 9,670 8,290
 チェンソー伐木作業者
 (自己所有)
13,790 16,870 12,140 14,180 14,600 15,860 14,140 12,570 11,210
職種 地域間格差 (北海道=100)
  北海道 東北 関東・
信越
東海 近畿 中国 四国 九州
調査職種計   100 78 93 94 104 84 84 73
 伐木造材作業者   100 77 88 94 102 81 85 73
 チェンソー伐木作業者
 (会社所有)
  100 77 92 95 112 85 88 82
 機械伐木造材作業者   100 85 116 109 137 121 97 89
 機械集運材作業者   100 88 109 111 119 95 93 80
 伐出雑役   100 86 88 89 104 81 93 80
 チェンソー伐木作業者
 (自己所有)
  100 72 84 87 94 84 75 66


3 平均稼働率

 平均稼働率(注)をみると、調査職種計で58%(前年56%)となっており、比較できる職種においては全ての職種で1〜3ポイント上昇している。
 職種別にみると、機械伐木造材作業者が68%と他の職種に比べ高くなっている(第5表)。

(注)稼働率とは、雇用期間日数に対する実労働日数の割合を表す。

第5表 職種別平均稼働率

(%)
職種 平成11年 平成12年
調査職種計 56 58
5職種計(自己所有職種を除く) 57 59
 伐木造材作業者 55 57
 チェンソー伐木造材作業者(会社所有) 57 58
 機械伐木造材作業者 68
 人力集運材作業者 60
 機械集運材作業者 60 61
 伐出雑役 51 54
 チェンソー伐木造材作業者(自己所有) 54 55



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