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平成11年林業労働者職種別賃金調査結果概要


 賃 金
(1)職種別賃金
 1人1日平均きまって支給する現金給与額(以下 「賃金」という。)は、調査職種計で12,660円と なり、対前年比は1.0%増となった。チェンソー 伐木作業者(自己所有)を除く5職種計では 12,340円、対前年比は0.7%増となっている。職種別に賃金をみると、 最も高いのはチェンソ ー伐木作業者(自己所有)の13,270円で、次いで 機械集運材作業者が13,190円、チェンソー伐木作業者(会社所有)が12,740円、伐木造材作業者 が12,520円、人力集運材作業者が11,480円、伐出雑役が9,540円となっている。  労働者の最も多いチェンソー伐木作業者(自己所有)を100とした職種間格差をみると、伐出雑役が72となり、他の職種に比べて格差が大きい(第1図、第1表)。

第1図 賃金及び対前年比の推移(調査職種計)
図

(注)1 本年より、賃金額の最小表章単位を1円から10円に改めた(以下同様)。
   2 平成9年から、調査職種のうち畜力集運材作業者を対象外とし6職種としたので、時系列比較を行う場合は注意を要する。( )内は、対前年比の数値(%)である。





第1表 職種別賃金、対前年比及び賃金格差

職 種 賃 金(円) 対前年比(%) 賃 金 格 差
(チェンソー伐木作業者(自己所有)=100)
平成10年 平成11年 平成10年 平成11年 平成10年 平成11年
調査職種計 12,533 12,660 - 3.4 1.0 96 95
5職種計(自己所有職種を除く) 12,259 12,340 - 2.4 0.7 93 93
 伐木造材作業者 12,372 12,520 - 1.3 1.2 94 94
 チェンソー伐木作業者(会社所有) 12,758 12,740 - 2.7 - 0.1 97 96
 人力集運材作業者 11,955 11,480 - 8.4 - 4.0 91 87
 機械集運材作業者 13,012 13,190 - 0.5 1.4 99 99
 伐出雑役 9,651 9,540 - 6.0 - 1.2 74 72
チェンソー伐木作業者(自己所有) 13,121 13,270 - 5.0 1.1 100 100


(2)賃金支払形態別賃金
支払形態別に賃金をみると、調査職種計で出来高制が13,280円、定額制が12,200円で 出来高制が定額制に比べ約1割高くなっている。
 労働者が比較的多い職種(以下「主な職種」 (注)という。)についてみると、伐木造材作業者を除いて、出来高制の方が高くなっている(第2表)。

(注) 「主な職種」とは、人力集運材作業者を除く、伐木造材作業者、チェンソー伐木作業者(会社所有)、機械集運材作業者、伐出雑役、チェンソー伐木作業者(自己所有)の5職種をさす。

第2表 職種、賃金支払形態別賃金、格差及び労働者構成比

職 種 賃  金 (円) 賃  金  格  差
出来高制/定額制×100
労働者構成比(%)
定額制 出来高制 定額制 出来高制
調査職種計 12,200 13,280 109 57.2 42.8
 伐木造材作業者 12,560 12,480 99 51.7 48.3
 チェンソー伐木作業者(会社所有) 12,390 13,510 109 68.1 31.9
 機械集運材作業者 12,460 14,290 115 60.4 39.6
 伐出雑役 9,430 9,760 103 65.6 34.4
 チェンソー伐木作業者(自己所有) 12,810 13,710 107 48.7 51.3
(注) 「出来高制」とは、「出来高のみ」のほか「主として出来高」、「主として定額」を含めたものである。

(3)年齢階級別賃金
 年齢階級別に賃金をみると、調査職種計では40歳代が13,110円で最も高く、次いで50歳代が12,900円、30歳代が12,770円、60歳以上が12,580円、29歳以下が10,880円となっている。
 30〜39歳を100とした年齢間格差を調査職種計でみると、29歳以下が85となり他の年齢層に比べて比較的格差が大きい。
 同様に主な職種について年齢階級別に賃金をみると、機械集運材作業者、伐出雑役が30歳代、 伐木造材作業者、チェンソー伐木作業者(自己所有)が40歳代、 チェンソー伐木作業者(会社所有)が50歳代で賃金が最も高くなっている(第3表)。

第3表 職種、年齢階級別賃金及び格差

職  種 賃  金 (円) 年齢間格差(30〜39歳=100)
〜29歳 30〜39歳 40〜49歳 50〜59歳 60歳〜 〜29歳 30〜39歳 40〜49歳 50〜59歳 60歳〜
調査職種計 10,880 12,770 13,110 12,900 12,580 85 100 103 101 99
 伐木造材作業者 12,680 12,140 12,990 12,260 12,580 104 100 107 101 104
 チェンソー伐木作業者(会社所有) 11,540 12,570 12,970 13,500 12,480 92 100 103 107 99
 機械集運材作業者 11,260 13,630 13,420 13,330 13,120 83 100 98 98 96
 伐出雑役 8,120 10,570 9,850 9,510 9,700 77 100 93 90 92
 チェンソー伐木作業者(自己所有) 10,910 12,700 13,630 13,450 13,250 86 100 107 106 104


(4)地域別賃金
 地域別に賃金をみると、調査職種計で近畿が15,350円で最も高く、次いで北海道が14,120円、東海が13,990円、関東・信越が13,640円、中国が12,190円、四国が11,790円、東北が11,100円、九州が10,690円の順となっている。
 北海道を100とした地域間格差を調査職種計でみると、九州が76と最も格差が大きく、東北は79、四国は83、中国は86、関東・信越は97、東海は99、近畿は109となっている。
 主な職種について地域別に賃金をみると、最も高い地域は、チェンソー伐木作業者(自己所有)が北海道、他の4職種では近畿となっており、最も低い地域は、伐木造材作業者で東北、チェンソー伐木作業者(会社所有)で東北と九州、他3職種では九州となっている(第2図、第4表)。
第2図 地域間格差(北海道=100)

図







第4表 職種、地域別賃金及び格差

職  種 賃  金(円)
北海道 東 北 関東・ 信越 東 海 近 畿 中 国 四 国 九 州
調査職種計 14,120 11,100 13,640 13,990 15,350 12,190 11,790 10,690
 伐木造材作業者 12,740 10,710 11,170 13,630 15,180 13,900 11,010 10,980
 チェンソー伐木作業者(会社所有) 13,920 10,870 12,550 13,060 16,050 12,030 13,470 10,870
 機械集運材作業者 13,370 11,890 15,900 14,800 16,000 11,880 12,040 11,250
 伐出雑役 9,760 8,510 10,310 10,920 12,640 9,400 9,830 8,440
 チェンソー伐木作業者(自己所有) 16,550 11,450 14,200 14,940 15,360 12,750 11,860 11,230
職  種 地  域  間  格  差(北海道=100)
北海道 東 北 関東・ 信越 東 海 近 畿 中 国 四 国 九 州
調査職種計 100 79 97 99 109 86 83 76
 伐木造材作業者 100 84 88 107 119 109 86 86
 チェンソー伐木作業者(会社所有) 100 78 90 94 115 86 97 78
 機械集運材作業者 100 89 119 111 120 89 90 84
 伐出雑役 100 87 106 112 130 96 101 86
 チェンソー伐木作業者(自己所有) 100 69 86 90 93 77 72 68


 平均稼働率
 平均稼働率(注)をみると、調査職種計で56%(前年58%)となっており、昨年と比較すると全ての職種で1〜4ポイント低下している。
 職種別にみると、伐出雑役が51%と他の職種に比べて低くなっている(第5表)。

(注)稼働率とは、雇用期間日数に対する実労働日数の割合を表す。

第5表 職種別平均稼働率(%)
職  種 平成10年 平成11年
調査職種計 58 56
5職種計
(自己所有職種を除く)
59 57
 伐木造材作業者 59 55
 チェンソー伐木作業者
(会社所有)
60 57
 人力集運材作業者 60 59
 機械集運材作業者 61 60
 伐出雑役 52 51
チェンソー伐木作業者
(自己所有)
56 54



 労働者構成

(1)職種別労働者構成
 職種別の労働者構成をみると、チェンソー伐木作業者(自己所有)が34.3%と最も高く、次いで機械集運材作業者が23.6%、チェンソー伐木作業者(会社所有)が17.6%となっており、機械を使用する職種で約4分の3を占めている(第3図)。

(2)年齢階級別労働者構成
 年齢階級別に労働者構成をみると、調査職種計では60歳以上が45.1%で最も高く、次いで50歳代が26.0%、40歳代が14.9%、30歳代が8.3%、29歳以下が5.6%となっており、50歳以上で約7割を占めている。
 主な職種についてみると、各職種とも60歳以上の占める割合が高く、機械集運材作業者で約30%となっているほかは、43〜53%となっている(第4図)。
第3図 職種別労働者構成
図
第4図 職種、年齢階級別労働者構成
図

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