屋外労働者職種別賃金調査  最近公表の労働統計  厚生労働省ホームページ

平成10年屋外労働者職種別賃金調査結果概要

1 建設業

(1)賃金

 イ 職種別賃金

  (イ)  1人1日平均きまって支給する現金給与額(以下「賃金」という。)は、調査職種(27職種)計で14,010円、技能職種(21職種)計で15,060円となった。対前年比は、調査職種計で−0.6%(前年2.0%)、技能職種計で−0.8%(前年1.3%)となっている。
 潜函土工及び掘削・発破工を除いて職種別にみると、職長が1万7千円台、電気工が1万6千円台、重作業員、大工、石工、タイル張工・れんが積工、とび工、はつり工、溶接工が1万5千円台、左官、機械運転工、配管工、板金工、屋根ふき工、建具工、型枠工、塗装工が1万4千円台、ボーリング工、鉄骨工、鉄筋工、貨物自動車運転者、土工が1万3千円台、軽作業員(男)が1万円台、各種見習、軽作業員(女)が1万円未満となっている(第1表第1図)。

第1表 職種別賃金、対前年比及び格差
職種 賃金(円) 対前年比(%) 格差(土工=100)
平成9年 平成10年 平成9年 平成10年 平成9年 平成10年
調査職種計 14,100 14,010 2.0 -0.6 - -
一般職種 土工 13,190 13,010 1.7 -1.4 100 100
重作業員 14,510 15,940 -0.2 9.9 110 123
軽作業員(男) 10,990 10,810 2.2 -1.6 83 83
軽作業員(女) 7,710 7,780 2.3 0.9 58 60
技能職種計 15,180 15,060 1.3 -0.8 - -
技能職種 大工 15,450 15,680 -0.3 1.5 117 121
とび工 14,900 15,320 -1.9 2.8 113 118
石工 15,210 15,550 -2.2 2.2 115 120
左官 15,170 14,970 0.5 -1.3 115 115
電気工 16,160 16,060 3.2 -0.6 123 123
配管工 14,650 14,660 1.7 0.1 111 113
塗装工 14,210 14,130 -0.1 -0.6 108 109
貨物自動車運転者 13,600 13,500 1.0 -0.7 103 104
板金工 14,600 14,560 -1.7 -0.3 111 112
溶接工 15,620 15,070 2.9 -3.5 118 116
機械運転工 15,120 14,960 2.3 -1.1 115 115
鉄筋工 13,520 13,640 0.9 0.9 103 105
鉄骨工 14,770 13,850 -1.2 -6.2 112 106
※掘削・発破工 29,350 21,040 10.2 -28.3 223 162
タイル張工・れんが積工 15,210 15,420 -6.7 1.4 115 119
はつり工 15,170 15,280 -1.7 0.7 115 117
型枠工 14,540 14,380 -0.2 -1.1 110 111
建具工 14,930 14,400 0.3 -3.5 113 111
屋根ふき工 15,240 14,400 3.3 -5.5 116 111
※潜函土工 17,900 25,910 -12.8 44.7 136 199
ボーリング工 14,610 13,960 -2.0 -4.4 111 107
職長 17,870 17,370 4.0 -2.8 135 134
各種見習 9,340 9,300 1.6  -0.4 71 71
(注)  調査職種計は27職種計、技能職種計は21職種計である(以下同じ)。
 「※」は、調査労働者数が少なく、数値の変動が大きいため利用に際し注意を要する。

  (ロ)  土工の賃金を100とした職種間格差をみると、一般職種では軽作業員(女)が60と格差が大きい。技能職種では、潜函土工及び掘削・発破工を除くと格差は104〜123となっている(第1表)。

 ロ 企業規模別賃金
 賃金を企業規模別にみると、調査職種計では規模300人以上で18,780円、規模100〜299人で14,430円、規模5〜99人で13,760円となっており、技能職種計ではそれぞれ19,310円、15,960円、14,720円となっている。
 規模300人以上を100とした企業規模間の賃金格差をみると、調査職種計では規模100〜299人で77、規模5〜99人で73、技能職種計ではそれぞれ83、76となっている。
 同様に、労働者が比較的多い職種(以下「主要職種」という。)について規模間格差をみると、規模300人以上に比べ規模100〜299人、5〜99人とも、ほとんどの職種が1〜3割程度低くなっている(第2表)。
 (注)  「主要職種」は、土工、軽作業員(男)、同(女)、大工、とび工、左官、電気工、配管工、塗装工、貨物自動車運転者、溶接工、機械運転工、鉄筋工、型枠工の14職種である。

第1図 賃金及び対前年比の推移
図

第2表 職種、企業規模別賃金及び格差
職種 賃金(円) 格差(300人以上=100)
300人以上 100〜299人 5〜99人 100〜299人 5〜99人
調査職種計 18,780 14,430 13,760 77 73
  土工 15,250 13,160 12,960 86 85
軽作業員(男) 12,510 11,220 10,760 90 86
軽作業員(女) 8,900 8,080 7,730 91 87
技能職種計 19,310 15,960 14,720 83 76
  大工 23,430 14,870 15,610 63 67
とび工 19,200 17,030 15,010 89 78
左官 15,900 15,640 14,940 98 94
電気工 19,700 15,770 15,130 80 77
配管工 18,570 14,720 14,510 79 78
塗装工 16,550 13,250 14,120 80 85
貨物自動車運転者 18,250 14,220 13,350 78 73
溶接工 15,810 16,360 14,980 103 95
機械運転工 16,580 15,680 14,840 95 90
鉄筋工 20,360 16,490 13,250 81 65
型枠工 16,990 17,560 14,010 103 82

 ハ 賃金支払形態別賃金
 賃金を支払形態別にみると、請負制の賃金が定額制より高く、調査職種計、技能職種計とも請負制が定額制を約3割上回っている。主要職種についてみると、多くの職種で1〜5割程度高くなっている(第3表)。

 ニ 雇用形態別賃金
 賃金を雇用形態別にみると、日雇労働者の賃金は常用労働者の賃金と比べて、調査職種計では1割強低いが、技能職種計では同程度となっている。主要職種についてみると、日雇労働者の賃金が、溶接工、塗装工でやや高くなっており、他の職種では貨物自動車運転者、鉄筋工で約2割低くなっているほかは、同程度若しくは1割程度低くなっている(第4表)。

第3表 職種、賃金支払形態別賃金、格差及び労働者構成比
職種 賃金(円) 格差
請負制/定額制×100
労働者構成比(%)
定額制 請負制 定額制 請負制
調査職種計 13,830 18,020 130 95.7 4.3
  土工 12,940 15,580 120 97.1 2.9
軽作業員(男) 10,780 12,160 113 97.8 2.2
軽作業員(女) 7,790 7,430 95 98.0 2.0
技能職種計 14,810 19,140 129 94.3 5.7
  大工 15,020 20,220 135 87.4 12.6
とび工 15,120 18,190 120 93.5 6.5
左官 14,800 16,770 113 91.2 8.8
電気工 15,820 22,880 145 96.7 3.3
配管工 14,490 19,420 134 96.6 3.4
塗装工 13,820 18,000 130 92.6 7.4
貨物自動車運転者 13,510 12,830 95 98.3 1.7
溶接工 14,770 20,820 141 95.0 5.0
機械運転工 14,950 15,560 104 98.1 1.9
鉄筋工 13,460 17,280 128 95.1 4.9
型枠工 14,270 15,830 111 93.5 6.5
(注)  労働者構成比は、各職種の労働者数に対する割合である(以下同じ)。


第4表 職種、雇用形態別賃金、格差及び労働者構成比
職種 賃金(円) 格差
日雇/常用×100
労働者構成比(%)
常用 日雇 常用 日雇
調査職種計 14,090 12,140 86 95.8 4.2
  土工 13,110 11,420 87 94.1 5.9
軽作業員(男) 10,890 10,060 92 90.1 9.9
軽作業員(女) 7,850 7,080 90 91.7 8.3
技能職種計 15,060 14,870 99 97.0 3.0
  大工 15,650 16,170 103 95.0 5.0
とび工 15,350 14,590 95 95.5 4.5
左官 15,010 14,230 95 95.4 4.6
電気工 16,070 14,810 92 98.8 1.2
配管工 14,650 15,100 103 97.9 2.1
塗装工 14,050 15,860 113 95.7 4.3
貨物自動車運転者 13,550 10,830 80 97.9 2.1
溶接工 15,010 17,190 115 97.0 3.0
機械運転工 14,980 14,290 95 97.7 2.3
鉄筋工 13,670 11,410 83 98.8 1.2
型枠工 14,430 13,420 93 94.7 5.3

 ホ 年齢階級別賃金

  (イ)  賃金を年齢階級別にみると、賃金の最も高い年齢層は、調査職種計では40〜44歳で15,770円、技能職種計では50〜54歳で16,570円となっている。賃金の最も高い年齢層の賃金水準は、調査職種計で 20〜24歳層の約1.4倍、技能職種計で約1.5倍となっている。同様に主要職種についてみると、電気工(50〜54歳)の賃金が約1.8倍と比較的高いほかは、ほとんどの職種で1.2〜1.5倍程度となっている(第2図第6表)。

  (ロ)  技能職種計について、20〜24歳層の賃金を100とした年齢間格差の推移を平成5年以降についてみると、緩やかに拡大している。
 なお、全産業における男性労働者の年齢間格差(平成9年賃金構造基本統計調査における産業計、企業規模計及び学歴計のきまって支給する現金給与額に基づく年齢間格差)は約2.0倍であり、これに比べると、建設業技能職種の賃金の年齢間格差は小さい(第3図第5表)。

第2図 職種別年齢間格差
(20〜24歳=100)
図

第3図 年齢間格差の推移
(技能職種計、20〜24歳=100)
図
(注) 第5表の(注)参照

第5表 年齢間格差の推移(20〜24歳=100)
年齢階級 技能職種計 (参考)賃構9年
平成5年 平成6年 平成7年 平成8年 平成9年 平成10年
〜19歳 82 83 82 81 82 82 83
20〜24 100 100 100 100 100 100 100
25〜29 116 117 119 120 120 120 123
30〜34 125 128 128 132 132 132 148
35〜39 130 133 134 137 139 139 166
40〜44 133 137 140 142 143 143 180
45〜49 135 137 142 143 144 145 192
50〜54 133 137 140 143 142 145 199
55〜59 126 129 134 135 138 141 185
60歳〜 113 116 119 121 123 123 135
(注) 「賃構9年」は、平成9年賃金構造基本統計調査の男性労働者のきまって支給する現金給与額(産業計、企業規模計及び学歴計)についての格差である。

第6表 職種、年齢階級別賃金及び年齢間格差
職種 賃金(円)
〜19歳 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜54 55〜59 60歳〜
調査職種計 8,800 11,080 13,350 14,820 15,420 15,770 15,690 15,390 14,360 12,180
  土工 9,470 11,220 12,820 13,980 14,020 14,110 13,780 13,810 13,050 12,060
軽作業員(男) 7,990 9,660 11,150 12,140 12,040 12,210 12,050 12,060 11,310 10,160
軽作業員(女) 7,420 8,180 7,980 7,310 6,900 7,700 8,080 8,030 7,930 7,570
技能職種計 9,380 11,460 13,790 15,160 15,910 16,400 16,560 16,570 16,160 14,130
  大工 8,180 10,990 13,780 15,750 16,930 17,030 17,130 16,710 16,510 14,680
とび工 10,800 13,290 15,130 15,830 15,980 16,290 16,780 16,460 16,020 13,680
左官 8,380 11,290 14,350 14,560 15,330 15,570 15,450 15,800 15,740 14,310
電気工 9,320 11,330 13,750 15,670 17,280 18,410 19,500 20,100 19,930 16,170
配管工 8,790 10,720 13,180 14,990 15,750 16,370 16,280 16,490 16,510 13,800
塗装工 8,790 10,790 13,160 14,550 14,800 15,350 15,500 15,900 15,180 13,940
貨物自動車運転者 *9,530 11,030 13,140 13,470 13,350 13,440 13,880 14,240 14,370 12,770
溶接工 8,980 11,150 13,410 13,960 14,870 16,740 16,730 15,950 16,790 14,340
機械運転工 9,430 12,620 13,870 15,060 14,800 15,240 15,500 15,820 15,330 13,700
鉄筋工 8,950 11,660 13,590 15,190 14,390 14,850 14,520 14,570 14,150 12,670
型枠工 11,540 12,880 14,690 15,360 15,300 15,480 14,650 15,190 14,280 13,420
職種 年齢間格差(20〜24歳=100)
〜19歳 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜54 55〜59 60歳〜
調査職種計 79 100 120 134 139 142 142 139 130 110
  土工 84 100 114 125 125 126 123 123 116 107
軽作業員(男) 83 100 115 126 125 126 125 125 117 105
軽作業員(女) 91 100 98 89 84 94 99 98 97 93
技能職種計 82 100 120 132 139 143 145 145 141 123
  大工 74 100 125 143 154 155 156 152 150 134
とび工 81 100 114 119 120 123 126 124 121 103
左官 74 100 127 129 136 138 137 140 139 127
電気工 82 100 121 138 153 162 172 177 176 143
配管工 82 100 123 140 147 153 152 154 154 129
塗装工 81 100 122 135 137 142 144 147 141 129
貨物自動車運転者 86 100 119 122 121 122 126 129 130 116
溶接工 81 100 120 125 133 150 150 143 151 129
機械運転工 75 100 110 119 117 121 123 125 121 109
鉄筋工 77 100 117 130 123 127 125 125 121 109
型枠工 90 100 114 119 119 120 114 118 111 104
(注) 「*」は、調査労働者数が10人未満のため、利用に際し注意を要する(以下同じ)。

 ヘ 地域別賃金

  (イ)  全国を13ブロックに分けて地域別賃金をみると、調査職種計、技能職種計とも南関東が最も高く、それぞれ16,740円、17,750円となっている。主要職種についてみると、土工、軽作業員(男)、大工など8職種が南関東で、軽作業員(女)、とび工、配管工など5職種が京阪神で、電気工が近畿で賃金が最も高くなっている(第7表)。

第7表 職種、地域別賃金及び地域間格差
職種 賃金(円)
北海道 東北 北関東 南関東 北陸 東海 近畿 京阪神 山陰 山陽 四国 北九州 南九州
調査職種計 13,500 12,020 14,400 16,740 13,780 15,400 15,330 16,410 12,340 13,580 12,790 12,260 11,220
  土工 13,320 10,950 13,800 14,960 13,060 14,520 13,570 14,800 11,530 13,190 12,080 11,270 10,560
軽作業員(男) 11,050 9,920 10,760 12,790 11,150 12,010 11,950 12,600 9,720 10,890 10,500 9,880 9,030
軽作業員(女) 8,290 7,480 8,200 8,030 8,240 8,160 7,940 8,880 7,490 7,500 7,820 7,480 6,690
技能職種計 14,180 13,100 15,140 17,750 14,760 16,150 16,830 17,270 13,280 14,470 13,760 13,220 11,990
  大工 15,430 13,730 15,380 18,940 15,980 16,150 15,690 17,670 15,020 14,730 13,980 15,120 11,720
とび工 14,180 12,350 16,530 16,980 14,990 14,970 17,170 18,200 12,550 13,820 12,310 12,780 11,890
左官 14,900 12,390 15,420 17,660 15,200 15,070 16,860 17,300 13,640 13,890 13,220 13,500 11,680
電気工 14,340 14,650 16,390 18,700 15,230 16,860 19,180 17,080 14,240 15,000 15,500 13,790 13,060
配管工 13,270 13,060 14,110 16,900 13,550 16,440 15,600 17,350 12,500 14,230 13,260 12,390 11,250
塗装工 12,610 11,670 14,180 15,800 13,710 15,010 15,650 17,790 12,350 14,030 12,220 11,570 11,300
貨物自動車運転者 12.430 11,620 14,140 16,590 13,010 15,620 14,960 16,210 11,830 13,180 12,860 11,390 11,650
溶接工 12,200 11,520 14,320 21,640 14,550 16,060 14,280 15,870 12,290 14,080 14,320 12,280 11,570
機械運転工 14,590 13,200 15,420 18,780 14,980 17,060 15,960 17,010 13,320 14,860 14,410 13,540 12,890
鉄筋工 14,000 11,500 13,040 16,460 13,880 15,870 15,390 14,970 10,530 14,720 11,670 12,270 10,550
型枠工 14,980 12,540 14,900 18,120 14,480 13,980 17,670 18,860 12,770 14,170 13,040 11,950 11,220
職種 地域間格差(南関東=100)
北海道 東北 北関東 南関東 北陸 東海 近畿 京阪神 山陰 山陽 四国 北九州 南九州
調査職種計 81 72 86 100 82 92 92 98 74 81 76 73 67
  土工 89 73 92 100 87 97 91 99 77 88 81 75 71
軽作業員(男) 86 78 84 100 87 94 93 99 76 85 82 77 71
軽作業員(女) 103 93 102 100 103 102 99 111 93 93 97 93 83
技能職種計 80 74 85 100 83 91 95 97 75 82 78 74 68
  大工 81 72 81 100 84 85 83 93 79 78 74 80 62
とび工 84 73 97 100 88 88 101 107 74 81 72 75 70
左官 84 70 87 100 86 85 95 98 77 79 75 76 66
電気工 77 78 88 100 81 90 103 91 76 80 83 74 70
配管工 79 77 83 100 80 97 92 103 74 84 78 73 67
塗装工 80 74 90 100 87 95 99 113 78 89 77 73 72
貨物自動車運転者 75 70 85 100 78 94 90 98 71 79 78 69 70
溶接工 56 53 66 100 67 74 66 73 57 65 66 57 53
機械運転工 78 70 82 100 80 91 85 91 71 79 77 72 69
鉄筋工 85 70 79 100 84 96 93 91 64 89 71 75 64
型枠工 83 69 82 100 80 77 98 104 70 78 72 66 62

  (ロ)  南関東を100とした地域間の賃金格差をみると、調査職種計、技能職種計とも、南九州、東北、北九州では7割程度の水準となっており、これらの地域の格差は大きい。同様に主要職種について地域間の賃金格差をみると、溶接工が他の職種に比べて格差が大きい。
 技能職種計について、この5年間での地域間格差の推移をみると、いずれの地域も平成9年までは縮小傾向にあったが、平成10年は一部の地域(東海、近畿、山陰、四国)を除き拡大している(第4図第7表)。

第4図 地域間格差の推移(技能職種計、南関東=100)
図

地域別内訳(13ブロック)
  北海道 ・・・ 北海道   京阪神 ・・・ 京都、大阪、兵庫
東北 ・・・ 青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島 山陰 ・・・ 鳥取、島根
北関東 ・・・ 茨城、栃木、群馬、山梨、長野 山陽 ・・・ 岡山、広島、山口
南関東 ・・・ 埼玉、千葉、東京、神奈川 四国 ・・・ 徳島、香川、愛媛、高知
北陸 ・・・ 新潟、富山、石川、福井 北九州 ・・・ 福岡、佐賀、長崎、大分
東海 ・・・ 岐阜、静岡、愛知、三重 南九州 ・・・ 熊本、宮崎、鹿児島、沖縄
近畿 ・・・ 滋賀、奈良、和歌山  

(2)実労働日数及び実労働時間数

 イ 実労働日数
 1人1か月平均の実労働日数は、調査職種計で20.7日(前年20.5日)、技能職種計で21.1日(同21.0日)といずれも前年より増加した。職種別にみると、掘削・発破工の18.1日、軽作業員(女)の18.7日が比較的短く、配管工、ボーリング工の21.8日が比較的長くなっている(第8表)。

 ロ 実労働時間数
 1人1日平均の実労働時間数は、調査職種計で8.0時間、技能職種計で8.1時間となり調査職種計、技能職種計とも前年と変化はなかった。職種別にみると潜函土工が7.1時間と短く、ボーリング工の8.7時間、電気工の8.5時間が比較的長くなっている(第8表)。

(3)労働者構成

 イ 職種別労働者構成
 職種別労働者構成をみると、土工の占める割合が25.3%と最も高く、次いで、軽作業員10.4 %(男6.4%、女4.0%)となっており、重作業員0.7%を加えた一般職種で全体の36.4%となっている。技能職種では、電気工11.2%、配管工8.2%、大工6.4%、機械運転工6.3%などの割合が比較的高くなっている(第5図)。

第8表 職種別実労働日数及び実労働時間数
職種 実労働日数(日) 実労働時間数(時間)
平成9年 平成10年 平成9年 平成10年
調査職種計 20.5 20.7 8.0 8.0
一般職種 土工 19.9 20.1 7.9 7.9
重作業員 19.5 20.5 8.1 8.3
軽作業員(男) 19.2 19.3 7.8 7.8
軽作業員(女) 18.2 18.7 7.6 7.6
技能職種計 21.0 21.1 8.1 8.1
技能職種 大工 21.2 21.3 7.9 7.9
とび工 20.7 20.6 8.0 8.0
石工 19.0 19.1 7.9 7.7
左官 21.0 21.1 7.8 7.8
電気工 21.1 21.3 8.6 8.5
配管工 21.4 21.8 8.3 8.2
塗装工 21.6 21.1 8.0 7.9
貨物自動車運転者 20.8 20.8 8.0 8.1
板金工 21.7 21.3 8.1 8.0
溶接工 21.2 21.0 8.3 8.3
機械運転工 20.8 21.0 8.1 8.0
鉄筋工 20.8 21.0 7.6 7.7
鉄骨工 21.1 21.7 8.2 8.3
掘削・発破工 19.6 18.1 9.2 8.0
タイル張工・れんが積工 21.2 20.6 8.1 8.1
はつり工 20.0 21.3 7.5 7.6
型枠工 20.6 20.2 7.7 7.7
建具工 21.4 21.9 8.3 8.3
屋根ふき工 20.6 20.1 7.8 7.7
潜函土工 20.4 20.4 7.5 7.1
ボーリング工 21.1 21.8 8.6 8.7
職長 21.4 21.7 8.0 8.0
各種見習 20.2 20.4 8.0 8.0

第5図 職種別労働者構成比
図
(注) その他の内訳
 板金工(1.0%)
 はつり工(0.7%)
 屋根ふき工(0.7%)
 鉄骨工(0.6%)
 タイル張工・れんが積工(0.6%)
 建具工(0.5%)
 ボーリング工(0.4%)
 石工(0.3%)
 掘削・発破工(0.1%)
 潜函土工(0.0%)
 職長(7.2%)
 各種見習(2.5%)

 ロ 企業規模別労働者構成
 企業規模別労働者構成をみると、調査職種計、技能職種計とも、規模5〜99人の企業に占める労働者の割合が高くなっている。主要職種についてみてもすべての職種において、規模5〜99人の企業に占める割合が高いが、電気工は、規模300人以上の企業に占める労働者の割合も約2割と、他の職種に比べ高くなっている(第9表)。

 ハ 年齢階級別労働者構成及び平均年齢

  (イ)  年齢階級別労働者構成を主要職種についてみると、軽作業員(女)、同(男)、土工は、50歳以上の占める割合が過半数を超えており、特に軽作業員(女)では、77.9%を占めている。逆に、電気工、配管工、とび工、塗装工、鉄筋工では、29歳以下の若年者の占める割合が最も多く、その中でも電気工は、36.5%と高い割合となっている(第7図)。
 技能職種計について、年齢階級別労働者構成の推移をみると、平成5年以降29歳以下の若年者の割合が高まりつつある(第6図)。

  (ロ)  平均年齢は、調査職種計で44.2歳(前年44.9歳)、技能職種計で41.8歳(同42.3歳)となっている。主要職種についてみると、電気工36.9歳、配管工39.7歳、塗装工39.9歳が30歳代、軽作業員(男)51.1歳、同(女)55.2歳が50歳代となっているほかは、各職種とも40歳代となっている(第7図)。

第9表 職種、企業規模別労働者構成
(%)
職種 合計 300人
以上
100 〜
299人
5 〜
99人
調査職種計 100.0 4.2 6.1 89.7
  土工 100.0 1.7 7.0 91.3
軽作業員(男) 100.0 0.9 6.7 92.4
軽作業員(女) 100.0 1.7 8.3 90.0
技能職種計 100.0 5.9 5.3 88.8
  大工 100.0 1.2 2.8 96.0
とび工 100.0 3.8 7.3 88.9
左官 100.0 1.0 3.1 95.9
電気工 100.0 19.3 7.2 73.5
配管工 100.0 3.7 2.3 94.1
塗装工 100.0 0.6 1.1 98.3
貨物自動車運転者 100.0 1.9 6.6 91.4
溶接工 100.0 3.5 4.9 91.6
機械運転工 100.0 3.8 7.2 89.0
鉄筋工 100.0 1.0 10.0 89.0
型枠工 100.0 1.0 9.5 89.5


第6図 年齢階級別労働者構成比の推移(技能職種計)

図


第7図 職種、年齢階級別労働者構成及び平均年齢

図

2 港湾運送関係事業

(1)賃金

 イ 職種別賃金

  (イ)  賃金は、調査職種(8職種)計で20,020円となり、対前年比は、−0.9%となった。
 職種別にみると、最も高いのはデッキマンの24,510円で、次いで、船内荷役作業員22,130円、ウインチマン21,040円、沿岸荷役作業員19,820円、検数員19,160円、はしけ長19,060円、陸上荷役作業員17,810円、雑役12,210円の順となっている。
 対前年比をみると、検数員、船内荷役作業員を除く職種で前年を下回った。

  (ロ)  沿岸荷役作業員を100とした職種間格差をみると、雑役が62と格差が大きいほかは、比較的格差は小さくなっている(第10表)。

第10表 職種別賃金、対前年比及び格差
職種 賃金(円) 対前年比(%) 格差
(沿岸荷役作業員=100)
平成9年 平成10年 平成9年 平成10年 平成9年 平成10年
調査職種計 20,210 20,020 1.6 - 0.9 - -
  ウインチマン 22,050 21,040 2.2 - 4.6 112 106
デッキマン 24,670 24,510 1.7 - 0.6 125 124
船内荷役作業員 22,090 22,130 0.2 0.2 112 112
沿岸荷役作業員 19,730 19,820 2.5 0.5 100 100
陸上荷役作業員 19,200 17,810 3.8 - 7.2 97 90
はしけ長 19,940 19,060 8.9 - 4.4 101 96
検数員 18,700 19,160 - 1.3 2.5 95 97
雑役 13,420 12,210 - 2.3 - 9.0 68 62

 ロ 企業規模別賃金
 賃金を企業規模別にみると、調査職種計では規模100〜299人で21,060円、規模300人以上で20,330円、規模10〜99人で17,850円となっている。
 規模300人以上を100とした規模間格差をみると、調査職種計では規模100〜299人で104、規模10〜99人で88となり格差はあまりみられない(第11表)。

 ハ 年齢階級別賃金
 賃金を年齢階級別にみると、調査職種計では、賃金の最も高い年齢層は50〜54歳の22,650円で、20〜24歳(13,760円)の約1.7倍となっている。
 20〜24歳を100として、賃金の最も高い年齢層との年齢間格差を職種別にみると、検数員206、デッキマン198で格差が大きく、他の職種では122〜165となっている(第12表)。

第11表 職種、企業規模別賃金及び格差
職種 賃金(円) 格差(300人以上=100)
300人以上 100〜299人 10〜99人 100〜299人 10〜99人
調査職種計 20,330 21,060 17,850 104 88
  ウインチマン 20,520 23,290 18,660 113 91
デッキマン 24,950 25,770 20,010 103 80
船内荷役作業員 22,850 22,150 20,720 97 91
沿岸荷役作業員 19,880 21,100 17,980 106 90
陸上荷役作業員 19,490 17,570 15,760 90 81
はしけ長 25,110 19,490 15,650 78 62
検数員 19,280 17,760 15,880 92 82
雑役 9,870 13,430 12,680 136 128

第12表 職種、年齢階級別賃金及び格差
職種 賃金(円)
〜19歳 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜54 55〜59 60歳〜
調査職種計 11,520 13,760 16,570 19,270 20,270 20,800 21,550 22,650 22,500 14,530
  ウインチマン 10,950 14,130 16,350 18,250 21,230 22,210 23,320 22,510 23,380 14,720
デッキマン - 13,830 18,090 17,340 21,500 22,940 23,530 27,340 25,860 20,400
船内荷役作業員 12,210 16,020 19,390 21,800 22,990 22,840 23,660 25,110 24,670 16,520
沿岸荷役作業員 11,440 13,590 16,680 19,220 19,610 20,770 21,980 22,470 22,160 15,550
陸上荷役作業員 11,610 13,550 15,130 16,460 17,370 18,490 19,770 21,140 20,230 13,240
はしけ長 - - - *12,450 *16,070 *16,950 18,450 21,960 20,120 15,810
検数員 9,240 11,030 11,910 14,100 16,550 18,780 19,990 21,420 22,770 14,330
雑役 - 12,840 13,480 12,640 12,280 10,040 12,670 15,660 12,190 9,950
 
職種 年齢間格差(20〜24歳=100)
〜19歳 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜54 55〜59 60歳〜
調査職種計 84 100 120 140 147 151 157 165 164 106
  ウインチマン 77 100 116 129 150 157 165 159 165 104
デッキマン - 100 131 125 155 166 170 198 187 148
船内荷役作業員 76 100 121 136 144 143 148 157 154 103
沿岸荷役作業員 84 100 123 141 144 153 162 165 163 114
陸上荷役作業員 86 100 112 121 128 136 146 156 149 98
はしけ長 - - - - - - - - - -
検数員 84 100 108 128 150 170 181 194 206 130
雑役 - 100 105 98 96 78 99 122 95 77
(注) 「*」は、調査労働者数が10人未満のため、利用に際し注意を要する(以下同じ。)。

 ニ 主要港湾別賃金
 賃金を主要港湾(東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、北九州)別にみると、調査職種計では、横浜港が22,790円と最も高く、次いで、東京港22,600円、名古屋港21,660円、神戸港21,150円、大阪港20,430円、北九州18,830円の順となっている(第13表)。

第13表 職種、主要港湾別賃金
職種 賃金(円)
東京 横浜 名古屋 大阪 神戸 北九州
調査職種計 22,600 22,790 21,660 20,430 21,150 18,830
  ウインチマン 23,390 26,230 23,690 23,630 23,210 22,630
デッキマン 29,360 28,590 29,300 25,520 25,990 25,610
船内荷役作業員 26,760 27,820 25,410 26,700 22,410 20,570
沿岸荷役作業員 24,160 23,040 19,960 18,690 21,340 18,920
陸上荷役作業員 20,520 18,550 21,060 17,600 19,430 14,770
はしけ長 - 15,940 27,100 15,590 15,340 xxxxxx
検数員 17,550 21,040 17,990 19,750 18,820 21,640
雑役 *16,740 11,180 10,050 13,960 *14,540 10,800
(注)  北九州は、門司、小倉、戸畑、若松、八幡港をいう。
 「xxxxxx」は、調査労働者数が少なく、数値の変動が大きいため表章していない。

(2)実労働日数及び実労働時間数

 イ 実労働日数
 1人1か月平均の実労働日数は、調査職種計で20.6日(前年20.8日)となった。職種別にみると、沿岸荷役作業員を除く他の職種で0.1〜0.6日減少した。

 ロ 実労働時間数
 1人1日平均の実労働時間数は、調査職種計で8.6時間(前年8.7時間)となった。職種別にみると、雑役の7.8時間が最も短く、検数員の9.0時間が最も長くなっている(第14表)。

第14表 職種別実労働日数及び実労働時間数
職種 実労働日数(日) 実労働時間数(時間)
平成9年 平成10年 平成9年 平成10年
調査職種計 20.8 20.6 8.7 8.6
  ウインチマン 20.6 20.5 8.8 8.5
デッキマン 20.6 20.1 8.8 8.6
船内荷役作業員 20.4 19.8 9.0 8.9
沿岸荷役作業員 20.8 20.8 8.5 8.4
陸上荷役作業員 21.4 21.2 8.6 8.4
はしけ長 21.2 20.7 7.8 7.9
検数員 20.9 20.7 9.0 9.0
雑役 21.1 20.7 7.9 7.8

(3)労働者構成

 イ 職種別労働者構成
 職種別に労働者構成をみると、沿岸荷役作業員29.1%、船内荷役作業員24.8%、陸上荷役作業員18.3%、検数員15.2%となっており、荷役作業員で72.2%を占めている(第8図)。

 ロ 年齢階級別労働者構成及び平均年齢

  (イ)  年齢階級別労働者構成をみると、調査職種計では、50〜59歳が37.1%と最も高く、次いで、40〜49歳21.7%、20〜29歳18.9%、30〜39歳18.0%、60歳以上2.7%、19歳以下1.5%となっており、50歳以上の高齢者の占める割合は約4割となっている。職種別にみても、50歳以上の占める割合は高く、はしけ長が9割以上、デッキマン、雑役では6割以上を占めている。

  (ロ)  平均年齢は、調査職種計で43.0歳(前年43.2歳)となっている。職種別にみると、はしけ長が56.8歳と最も高く、次いで雑役が51.0歳、デッキマンが49.5歳の順となっており、沿岸、船内、陸上の荷役作業員は41〜42歳前後となっている(第9図)。

第8図 職種別労働者構成比
図

第9図 職種、年齢階級別労働者構成及び平均年齢
図

(注)  デッキマンの19歳以下、はしけ長の19歳以下と20〜29歳、雑役の19歳以下は該当労働者がいない。
 はしけ長の30〜39歳の年齢層は0.0%となっている。


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