厚生労働省発表 平成１４年２月

担当 厚生労働省大臣官房統計情報部 賃金福祉統計課長　　新宅　 友穂 　　同　　 課長補佐　　丸山多嘉子 　　　電話　03(5253)1111 　　　内線　7655・7657 　　　夜間直通　03(3595)3147

II　調査結果の概要
　　（骨子）

（注）	主要１１職種とは、電気工、配管工、機械運転工、大工、型枠工、とび工、左官、貨物自動車運転者、塗装工、溶接工、鉄筋工をいう（前頁参照）。

１

技能職種別賃金 　１人１日平均きまって支給する現金給与額（以下「賃金」という。）は、技能職種計（２１職種の計、以下同様。）で１４，６２０円（前年１４，５５０円）となり、対前年増減率は０．５％増（前年０．６％減）と前年をやや上回った。 　技能職種のうち、主要１１職種の賃金についてみると、電気工(１６，０７０円)が１万６千円台で最も高く、機械運転工（１４，８２０円）、大工（１４，４７０円）、溶接工（１４，２５０円）、とび工（１４，１５０円）が１万４千円台、配管工（１３，９７０円）、左官（１３，８９０円）、塗装工（１３，５３０円）、貨物自動車運転者（１３，２４０円）、型枠工（１３，２３０円）が１万３千円台、鉄筋工（１２，１６０円）が１万２千円台となっている。前年と比べると電気工、機械運転工、とび工、貨物自動車運転者、塗装工では上回っているが、他の６職種では下回った。 　賃金の最も高い電気工を１００とした職種別の賃金格差をみると、鉄筋工が７６で他の職種と比べて格差が大きい（第１図、第１表）。

（注）	技能職種計は、主要１１職種以外の、板金工、屋根ふき工、鉄骨工、タイル張工・れんが積工、はつり工、建具工、掘削・発破工、石工、ボーリング工、潜函土工を含む２１職種の計（以下同様）。

２

年齢階級別賃金 　年齢階級別に賃金をみると、技能職種計では、最も賃金の高い年齢層は５０〜５４歳層で１６，１４０円となっている。 　２０〜２４歳層の賃金（１０，７５０円）を１００とした年齢間格差をみると、技能職種計では賃金の最も高い年齢層は約１．５倍となっている。この５年間の推移をみると各年齢層の格差は拡大している（第２図、第２表、第３表）。 　主要１１職種について、２０〜２４歳層の賃金を１００として賃金の最も高い年齢層との年齢間格差をみると、機械運転工、鉄筋工、とび工は約１．３倍となり格差は小さいが、電気工は約１．９倍と他の職種に比べ格差は大きい（第３図、第３表）。 　なお、平成12年賃金構造基本統計調査における産業計、企業規模計、学歴計及び職種計のきまって支給する現金給与額に基づく年齢間格差は、約１．９倍であり、これに比べると技能職種計の賃金の年齢間格差は小さい（第２図、第２表）。

(注)	「平成1２年賃構全労働者」は、平成1２年賃金構造基本統計調査の全労働者のきまって支給する現金給与額（産業計、企業規模計、学歴計及び職種計）についての格差である。

(注)職種は、２１の技能職種のうち労働者の多い５職種である。

（注）	「平成12年賃構全労働者」は、平成12年賃金構造基本統計調査の全労働者のきまって支給する現金給与額（産業計、企業規模計、学歴計及び職種計）についての格差である。

（注） 「＊」は、調査労働者数が10人未満のため、利用に際し注意を要する。

３

地域別賃金 　全国を１３ブロックに分けて地域別に賃金をみると、技能職種計では南関東が１６，６３０円、京阪神が１６，４３０円と高く、次いで東海１５，７８０円、近畿１５，６００円、北関東１５，０１０円の順となっており、南九州１２，０００円、東北１２，７２０円、山陰１３，２９０円、四国１３，７００円、北九州１３，８１０円などで低くなっている。 　南関東の賃金を１００とした地域間格差のこの５年間の推移をみると、京阪神はほぼ同水準であり、その他の地域では縮小傾向にあるが、前年と較べると一部の地域（北陸、東海、北九州）を除き拡大している。 　同様に主要１１職種について地域別に賃金をみると、溶接工、配管工など８職種が南関東、電気工、とび工など３職種が京阪神で賃金が最も高くなっている（第４図、第４表）。

地域別内訳（１３ブロック）

北海道・・・北海道	京阪神・・・京都、大阪、兵庫
東北・・・青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島	山陰・・・鳥取、島根
北関東・・・茨城、栃木、群馬、山梨、長野	山陽・・・岡山、広島、山口
南関東・・・埼玉、千葉、東京、神奈川	四国・・・徳島、香川、愛媛、高知
北陸・・・新潟、富山、石川、福井	北九州・・・福岡、佐賀、長崎、大分
東海・・・岐阜、静岡、愛知、三重	南九州・・・熊本、宮崎、鹿児島、沖縄
近畿・・・滋賀、奈良、和歌山

４　実労働日数及び実労働時間数

（１）	１か月の実労働日数は、技能職種計で２１.２日となり、前年（２１．６日）に比べて０．４日減少した。 　主要１１職種についてみると、貨物自動車運転者が２０．５日、とび工、左官が２０．８日と比較的少なく、溶接工が２１．７日、配管工が２１．６日と比較的多くなっている(第５表)。
（２）	１日当たりの実労働時間数は、技能職種計で８．１時間であり、前年と変化はなかった。 　主要１１職種についてみると、電気工は８．５時間、溶接工は８．３時間と他の職種に比べ比較的長くなっている（第５表）。

５　平均年齢及び年齢階級別労働者構成

（１）	技能職種計の平均年齢は４２．６歳（前年４２．０歳）となっている。 　技能職種計の年齢階級別労働者構成をみると、５０〜５９歳が２５．４％、２９歳以下が２３．７％、４０〜４９歳が２２．２％、３０〜３９歳が１９．４％、６０歳以上が９．３％となっており、この５年間の推移をみると、４０歳代の割合が低下し、５０歳代の割合が高まってきている（第５図）。
（２）	主要１１職種の平均年齢は、１０職種が４０歳代、電気工が３０歳代となっており、最も高い左官（４８．２歳）と最も低い電気工（３８．３歳）との差は約１０歳となっている。 　主要１１職種の年齢階級別労働者構成をみると、左官では５０歳以上の占める割合が５２．９％と５割を超えており、型枠工、大工、機械運転工、貨物自動車運転者、溶接工で４割を超えている。一方、電気工、とび工では２９歳以下の若年者の占める割合が３割を超えている（第６図）。