2006年世界禁煙デー記念シンポジウム
禁煙治療の現場から
日本大学医学部総合健診センター
高橋 敦彦
禁煙治療の現場から
日本大学医学部総合健診センター
高橋 敦彦
2006.5.31 サイエンスホール 東京都千代田区
タバコの危険性 喫煙はニコチン依存症という病気です 禁煙外来とは 禁煙のコツ ニコチン代替療法の実際 禁煙のメリット |
タバコの有害成分

タバコの煙には4000種類以上の化学物質 そのうち有害物質は200種類以上! |



タバコによる動脈硬化の進展
タバコは動脈壁傷害後の平滑筋細胞増殖を促進する
タバコは動脈壁傷害後の平滑筋細胞増殖を促進する
![]()
Tani S, Anazawa T, Cercek B, et al. Atherosclerosis. 2004;175:7
|
タバコの危険性
● | 慢性影響
|
脳卒中 | ![]() |
冠状動脈 心臓に酸素、栄養を 送っている動脈 |
![]() |
虚血性心疾患
狭心症の誘因
症状 前胸部圧迫感 数分程度持続 安静で軽快 誘因(上記) |
![]() |
喫煙後の脳血流の変化
喫煙前![]() |
喫煙後![]() |
1日喫煙本数と虚血性心疾患死亡リスク
(狭心症・心筋梗塞)
(狭心症・心筋梗塞)
![]() 平山 雄:循環科学,10(5):472,1990 |
1日あたりのタバコ本数と虚血性心疾患の危険性(男性)
![]() 心筋梗塞に限れば、35本/日以上の人の危険性は非喫煙者の4.4倍 厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎 国立がんセンター予防研究部長) 2006.4 |
喫煙と虚血性心疾患の発症率


受動喫煙と血中コチニン濃度
家庭又は職場での受動喫煙状況別、血中コチニン濃度

家庭又は職場での受動喫煙状況別、血中コチニン濃度



受動喫煙(室内等において、他人のたばこの煙を吸わされること)
平成15年度国民健康・栄養調査 |
実は タバコをやめたいんだけど やめられない!
|
喫煙は 「ニコチン依存症」 という病気です |
たばこがやめられない!・・・・・2つの依存


ニコチン依存症、たばこ依存症の定義
|
快感を求めるためにタバコを求めてしまう


禁煙外来とは
禁煙治療の流れ
以下の4条件を満たすこと
初診+再診4回(2、4、8、12週目) |
禁煙スケジュール
外来は (1)禁煙開始前 (2)2週目 (3)4週目 (4)8週目 (5)12週目

外来は (1)禁煙開始前 (2)2週目 (3)4週目 (4)8週目 (5)12週目

ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)



ニコチン依存症の4条件を満たさないとき
・ | 直ちに禁煙しようとは考えない喫煙者 | |||||||||
・ | ニコチン依存症ではない喫煙者
|
|
呼気一酸化炭素(CO)濃度測定





禁煙開始日の決定


禁煙を継続するコツ


吸いたい気持ちをコントロールする方法


代償行動法
喫煙の代わりに他の行動を実行し、吸いたい気持ちをコントロールしましょう
高橋 敦彦 |
禁煙後3日、3週間、3ヶ月がポイント!


よくみられる離脱症状とその対処方法(1)


よくみられる離脱症状とその対処方法(2)


万一、禁煙中にタバコを吸ってしまったら・・・
![]() |
禁煙成功者の多くは、 3〜4回の禁煙チャレンジを 経験しています。 失敗してしまっても また、禁煙すればいいんです! 大切なこと・・・・・
|
ニコチン代替療法
ニコチン代替療法とは 禁煙時に出現するニコチン離脱症状に対して、 ニコチンを薬剤の形で補給し、その症状を緩和しながら、まず (1)心理・行動的依存(習慣)から抜け出し、 次にニコチン補給量を調節しながら、
(2)ニコチン依存から離脱する
というものです。 ニコチン代替療法により禁煙率は約2倍改善する |

ニコチンパッチとガムの特徴
ニコチンパッチ | ニコチンガム | |||||||||||
特徴 |
|
|
||||||||||
欠点 |
|
|
ニコチンパッチ・ガムの主な副作用と対処法


ニコチンガム≠ガムタバコ
ニコチンガム
![]() |
|
||
![]() |
|
||
![]() |
|
ニコチンガム使用量の目安


ニコチンパッチの構造


ニコチンパッチを貼る位置


ニコチンパッチによる血中ニコチン濃度


禁煙のメリット
禁煙のメリット
自分の気持ちがいい 周囲の人が喜ぶ 病気の危険性が下がる お金が貯まる etc. |
喫煙の有無と心筋梗塞の再発率
心筋梗塞再灌流施行例における禁煙の2次予防効果
心筋梗塞再灌流施行例における禁煙の2次予防効果
![]() 川俣、他. 日本冠疾患学会雑誌 2002;81:1 |

もしも・・・日本人全員が禁煙したら・・・
たばこを吸う人が心筋梗塞などの虚血性心疾患になるリスクは、吸わない人の約3倍 禁煙すればリスクを1/2以下に下げられる 1990年からの11年間、岩手、秋田、長野、沖縄各県の40〜59歳の男女、約4万人を対象
厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)
大阪大学 磯博康教授 2006.4
|

きたかぜ と たいよう


ご清聴ありがとうございました