まつ枝さんは今年98歳。まつ枝さんの長女・幸子さん夫妻とともに宇治市にお住まいです。介護保険による、まつ枝さんの要介護度は、老人性痴呆症で4と認定。ケアマネジャーが、介護する家族の希望を聞いて介護プランを作成、まつ枝さんとその家族にとって最適の介護計画を提示。「どうしても在宅でがんばりたい」という幸子さんの強い希望もあり、週2回のデイサービスと歩行器やベッドなどの介護用品の貸与を受けました。サービスを受けて1年。まつ枝さんご家族の暮らしぶりや幸子さん夫婦の感想をうかがいました。
これからは私が支える番
「私も73歳になり、腰は痛いし足は弱るし、母を抱きかかえて一緒にこけてしまい、立ち上がることもできずに泣きだしてしまったことも・・・」、「一番大変なのはトイレ。これは人には言えない苦労があります」。幸子さんはまつ枝さんの長女。長年、小学校の教諭を勤めてきた女性です。その幸子さんを陰で支え続けてきたのはまつ枝さんでした。幸子さん夫妻の3人の子どもの子育ては、主にまつ枝おばあちゃんの役目だったのです。「子育て中は私が支えられたのですから、今度は私が支える番」と、幸子さんは在宅での介護サービスを強く希望したのです。しかし、介護者である幸子さん自身も高齢者。文字通り「老老介護」で、やはり誰かの支えが欲しいと思っていた時、介護保険のことを知ったといいます。
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