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(3)保健事業第4次計画の推進について
   6事業の推進について
     老人保健法に基づく医療等以外の保健事業については、平成12年度より5か年の保健事業第4次計画を策定し、(1)生活習慣改善等を通じた疾病予防対策の推進、(2)介護を要する状態となることを予防する対策等の推進、(3)健康度評価の実施、(4)多様な主体の参画による健康づくり運動の展開、(5)計画的な保健事業の展開と基盤整備、(6)適切な保健事業の評価等を重点事項として、一層の充実を図ることとしている 。
 平成16年度においても、所要の予算を確保したところであり、各事業のより一層の推進が図られるよう、引き続き各市町村に対する支援等をお願いする。

   
(ア) 健康手帳について
   保健事業第4次計画においては、市町村が創意工夫を図ることができるよう、手帳の大きさ等に関する規定が廃止されたほか、生活習慣改善等を通じた疾病予防対策の推進を図るために、「生活習慣行動等の把握に係るページ」が設けられている。また、介護保険制度における要介護認定を受けた者及び要支援認定を受けた者(以下「要介護者等」という)についても必要に応じて交付し活用することとしている。これらの点を踏まえ、地域住民の自らの健康管理と適切な医療の確保のために有効に活用されるよう市町村等への周知をお願いする。

(イ) 健康教育について
   「個別健康教育」については、保健事業第4次計画において新たに導入され、平成16年度までに全市町村で実施されるようその目標を示して現在まで実施している。平成15年度においても市町村における実施体制等に留意しつつ、積極的な推進をお願いする。
 また、個別健康教育の従事者に対する研修の指導者を養成するための個別健康教育指導者養成研修についても、平成15年度に引き続き国立保健医療科学院において実施することを予定しているので、研修参加者の派遣等については特段の配慮をお願いする。

(ウ) 健康相談について
   健康相談については、「重点健康相談」「介護家族健康相談」「総合健康相談」として実施することとしている。地域住民が利用しやすい体制づくりを行うなど、引き続き相談事業の充実を図っていただきたい。

(エ) 健康診査について
   保健事業第4次計画では、生活習慣病の予防、介護を要する状態等の予防を図る観点から、「健康度評価」を導入し、実施しているところである。平成16年度においても引き続き積極的な取組みをお願いする。
 健康度評価の実施にあたっては、「生活習慣・生活環境アセスメントマニュアル」を参考にし、市町村の特性を踏まえ、積極的に活用されるよう周知を図られたい。なお、健康度評価として保健事業費等負担金の対象となるのは、基本健康診査の結果及び質問票の回答結果、その他の情報を総合的に評価し、保健サービスの提供に関する計画等を対象者に提示した場合に限られるので留意されたい。

(オ) 機能訓練について
   介護保険制度の実施に伴い、機能訓練については、閉じこもりや転倒の予防、日常生活の自立の支援など、介護を要する状態となることの予防に重点を置いた事業としており、要介護者等については、原則として機能訓練の対象としないこととしている。介護保険サービスを十分確保することが困難な市町村については、当分の間に限り、要介護者等を機能訓練の対象者として差し支えないこととしているが、制度の趣旨を踏まえ、介護保険制度担当部局との調整を図るなど、適正に運用されるよう周知をお願いする。

(カ) 訪問指導について
   訪問指導については、閉じこもりや転倒の予防、介護を要する状態になることの予防、生活習慣病の予防、あるいは保健・医療・福祉サービスの活用方法に関する相談・調整等に重点をおいて事業を展開することとしている。
 訪問指導の実施にあたっては、医療保険制度又は介護保険制度により訪問看護・訪問リハビリテーションを受けている者に対しては、訪問看護・訪問リハビリテーションと内容的に重複するサービスは行わないことを原則としているところであるが、介護保険の対象者等で、複数の健康問題により対応困難な者に対し、行政からのアプローチが必要な場合には、地域の実情を踏まえて訪問指導を積極的に活用することが望ましい。したがって、これらのサービスの提供者と十分に連携を図るなど、適正に運用されるよう、引き続き周知をお願いする。

   健康診査受診者の適正化について
     健康診査等の対象者については、老人保健法第22条により、医療保険各法その他の法令に基づく事業のうち保健事業に相当するサービスを受けた場合又は受けることができる場合は、老人保健法の保健事業を行わないこととなっている。対象者については、適正に把握するよう財務省から指摘を受けていることから、対象者の選定については、地域の実状に応じて調査や情報収集、広報などの活用をお願いする。また、対象者の範囲については、厚生省公衆衛生局長通知「老人保健法による保健事業について」(昭和57年11月17日衛第927号)において示してきたところである。健康診査等の実施にあたっては、その主旨を踏まえ、引き続き適正な実施を図られたい。

   保健事業推進にあたっての基盤づくり等について

   
(ア) 保健・医療・福祉の連携
   高齢者の健康保持を効果的に推進するためには、健康増進活動や生きがい対策を含む、保健・医療・福祉のサービスを一体的に提供できる体制を構築することが必要である。老人保健事業の実施にあたっては、「市町村・都道府県老人保健福祉計画」や「健康日本21地方計画」等を踏まえ、医療、福祉との連携を図りながら推進していただきたい。

(イ) 保険者による保健事業との連携について
   保険者による自主的な事業運営を尊重しつつ、老人保健事業と連携し、効果的に推進する観点から、都道府県に設置される地域・職域保健連絡協議会(平成11年度までは職域保健連絡協議会)は、地域住民の生涯を通じた保健活動、健康づくりからも重要であるので、より一層の活性化を図られたい。


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