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(2)介護関連施設の整備について
ア 平成16年度の整備費補助について
(ア)  平成16年度予算(案)においては、厚生労働省の公共投資関係費(少子化対策分を除く。)が対前年度▲8.2%となっている中で、介護関連施設の整備費補助は約931億円(対前年度▲4.4%)を確保している。
 しかしながら、近年は当初予算と補正予算を併せて執行してきたのに対して、今年度は補正予算がなく、平成16年度の整備は実質的に枠が相当小さくなっていることから、各都道府県・市におかれては、この点を十分に踏まえて協議に臨んでいただきたい。

(イ)  国庫補助の基本方針等については既に通知したところであるが、激変緩和の観点から、新たに次のとおり取り扱うこととする方針であり、おって通知を予定している。

(現行通知)

1. 基本方針
(1)  略
(2)  新規事業に関する取扱い
(1)  平成17年度への継続を前提とした事業のうち平成16年度の進捗率が5割を下回るものは、協議対象外とする。

(激変緩和措置)

1. 基本方針
(1)  略
(2)  新規事業に関する取扱い
(1)  平成17年度への継続を前提とした事業のうち平成16年度の進捗率が5割を下回るものは、協議対象外とする。
   ただし、「平成16年度新規協議限度額」(注1)が「平成16年度新規協議予定額」(注2)を著しく下回るなど特別の事情が認められる都道府県・市にあっては、激変緩和の観点から、平成16年度の進捗率が2割程度を上回るものについては協議対象とする。

 
(注1)  上記1.(1)による額をいう。
 ただし、上記1.(1)の(2)のBの左欄に該当する都道府県・市にあっては、上記1.(1)による額に、同欄に規定した追加協議額を加えた額をいう。
(注2)  平成15年10月の「平成16年度社会福祉施設等施設整備費関係国庫補助協議予定額調」に対して「老健局」分の「新規」として回答のあった額のうち、民老改築整備分に係る協議予定額を除いた額をいう。

イ 施設整備に関する留意事項

(ア)  自己財源による施設整備について
 各都道府県・市に対しては、整備計画及び事業内容等を十分精査した上で、真に必要な施設の整備に厳選して国庫補助協議を行うようお願いしているところであるが、社会福祉法人等が国庫補助を受けずに自己財源で整備を行うことも可能であることに留意されたい。

(イ)  平成17年度以降の整備費補助について
 整備費補助については厳しい状況が続くと見込まれることから、各都道府県・市におかれては、この点を十分に踏まえた上で、今後の国庫補助協議の方針について検討されたい。

(ウ)  木材の活用
 木材の柔らかさや温かさを採り入れることにより、利用者に精神的なゆとりや安らぎをもたらすなどの効果が期待できることから、積極的に木材の活用を図ること。

(エ)  立地
 施設整備に当たっては、住民が生活している地域から孤立した立地環境とならないよう配慮すること。
 特にケアハウスについては、開設後一定年数を経過しているにもかかわらず入居状況の思わしくない施設が相当数存在しているとの会計検査院の指摘を受け、「ケアハウスの整備及び運営に対する審査・指導の強化について」(平成13年10月12日付老健局計画課長通知)を示しているところであり、以下の点に留意されたい。
 
(1)  住民が生活している地域から離れた場所に建設されるものではないこと。
(2)  商店街への買物など外出に不便な地域に建設されるものではないことなど立地条件が適切であることを裏付ける資料及び実地調査の結果等を、協議資料として提出すること。
(3)  事業者に対して、特に次の2点について指導されたいこと。
 
 当該地域及び県内のニーズ調査の結果など様々な情報を最大限に活用し、利用見込者のうちの単身世帯と夫婦世帯の割合、夫婦世帯のうち個室利用を希望する者の割合などを適切に予測すること。
 夫婦部屋は、可動式のパーテーションを利用するなど、個室としての利用も阻害されないような構造とすること。

ウ 施設整備業務の適正化について
(ア)  補助金の不正受給の未然防止について
 社会福祉法人が、補助事業を行うために締結した契約の相手等から寄付金等の資金提供を受けることは、いわゆる水増し契約が行われていてリベートなどとして不当に資金が還流しているのではないかとの社会的な疑惑を招く基になる。
 このため、既に「社会福祉施設等施設整備費及び社会福祉施設等設備整備費に係る契約の相手方等からの寄付金等の取扱いについて」(平成13年7月19日付4部局課長連名通知)により通知しているとおり、契約の相手方等からの寄付金等の資金提供を受けることを禁止しているところである。

 しかしながら、本年度においても、本来の工事費を水増しした虚偽の契約書をもとに実績報告を行い、整備費補助金を不正な手段により過大に受給するなどの事件が散見される。
 こうした事件のほとんどは、平成9年度に施設整備業務改善方策を示す以前の整備であるものの、同様の事件の再発は厳に防止すべきであり、このため、管内市区町村及び社会福祉法人等に対し、引き続き各種関連通知の趣旨に沿った指導の徹底を図られたい。

 さらに、各種の全国会議等でも再三申し上げてきたところであるが、不正受給の事実が発覚した場合には、補助金を返還させることはもとより、不正に関与していた者について告発を行うなど、厳正な対処を行われたい。
 併せて、このような不適正な整備事業が採択された要因を分析し、再発防止に万全を期されたい。

(イ)  補助金の過大受給の防止について
 平成15年度の会計検査院の実地検査においても、特別養護老人ホーム等を設置する際のスプリンクラー設備等に係る補助に関して、設置者である社会福祉法人等が、補助の仕組みの理解不足によって、補助対象外経費を補助対象に含めていたことにより、結果として補助金を過大に受給している事例が指摘されている。

 ついては、管内市区町村及び社会福祉法人等に対して、適切な補助の取扱いについて更なる周知の徹底を行うとともに、国庫補助協議時のみならず、交付申請時、実績報告時の書類審査をより厳格に行われたい。

エ 施設整備費関係の執行事務の地方厚生局移管について

   地方自治体を交付対象とする補助金等の執行事務については、より地域に密着した地方厚生局へ移管することによって、本省と地方支分部局との役割分担の明確化及び地方自治体に対する行政サービスの向上(交付決定の早期化等)を図ることができることから、平成16年度より、社会福祉施設及び保健衛生施設に係る施設整備費及び設備整備費の執行事務を、地方厚生局に移管することとしている。
 なお、社会福祉施設のうち、小規模生活単位型特別養護老人ホームについては、制度化されて間もないものであることから、当分の間、従来どおり本省において、整備費補助の協議及び実施計画を行うこととしているので留意願いたい。


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