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(4)介護輸送に係る法的取扱いについて

 今般、厚生労働省と国土交通省の間で、介護輸送に係る法的取扱いの整理について、おおむね、共通の理解が得られたため、2月12日(木)に、「中間整理案」としてホームページ等において公表し、両省で、パブリックコメントに付したところ。

 今後、2月29日(日)までパブリックコメントを行い、その結果も踏まえ、3月中を目途に整理の方向性を決定し、国土交通省におけるガイドラインの作成等を経て、4月以降、順次、実施する予定である。

 これらについては、それぞれ決定次第お知らせすることとなるので、よろしくお願いしたい。




(パブリックコメント掲載文)

介護輸送に係る法的取扱いに対する意見の募集について

平成16年2月12日
厚生労働省老健局振興課


 厚生労働省と国土交通省においては、今般「介護輸送に係る法的取扱いについて」(別添)のとおり、介護輸送に係る法的取扱いについて一定の方向性を示すことを考えております。
 つきましては、これに関しましてご意見のある場合には、下記により提出して下さい。なお、電話によるご意見は受けつけておりません。また、いただいたご意見に対しての個別の回答はいたしかねますので、あらかじめその旨ご了承願います。
 なお、この意見募集は国土交通省においても同時に実施されております。ご意見は厚生労働省と国土交通省のいずれかにご提出いただければ、両省において考慮されることとなりますので、同じ意見を両省に提出いただく必要はありません。

 募集期限
   平成16年2月29日(日)必着

 提出方法
 御意見等は、理由を付して、電子メール又は郵送にて提出して下さい。
 なお、提出していただく電子メール及び郵送には、必ず「介護輸送に係る法的取扱いに対する意見の募集について」と明記して提出して下さい。
電子メールの場合
  電子メールアドレス:kytht@mhlw.go.jp
厚生労働省老健局振興課あて
(電子メールで提出される場合は、メール本文に記載してテキスト形式でお願いします。なお、添付ファイルによる意見の提出はご遠慮願います。)

郵送の場合
〒100-8916 東京都千代田区霞ヶ関1-2-2
厚生労働省老健局振興課あて

 御意見等の提出上の注意
 提出の御意見等は、日本語に限ります。また、個人の場合は、氏名・住所・電話番号・年齢・職業を、法人の場合は法人名・法人所在地・法人電話番号を記載して下さい。これらは、住所・電話番号、法人所在地・法人電話番号を除き公表させていただくことがありますので、予め御了承願います。
 ご意見中に、個人に関する情報であって特定の個人が識別しうる記述がある場合及び法人等の財産権等を害する恐れがあると判断される場合には、公表の際に当該個所を伏せさせていただきます。



(別添)

介護輸送に係る法的取扱いについて

平成16年2月
厚生労働省老健局振興課
国土交通省自動車交通局旅客課


1.  背景等
   標記については、平成15年9月に閣議報告された「全国規模の規制改革要望への対応方針」において、平成15年度中を目途に一定の方向性を見出すこととされている。
 今般、厚生労働省と国土交通省の間において、「一定の方向性」についておおむね共通の理解が得られたため、「中間整理案」としてホームページ等において公表し、共同でパブリックコメントに付することとした。

2.  中間整理案の概要

(1) 訪問介護
  (1)  訪問介護事業者等が行う要介護者等の輸送については、道路運送法の事業許可(一般又は特定)によることを原則とする。
  (2)  NPO等の非営利法人は、一定の手続、条件の下で、自家用自動車の有償運送許可によることができる。
  (3)  訪問介護員等が自己の車両で要介護者等を有償で運送する場合についても、自家用自動車の有償運送許可によることができる。
  (4)  一定の準備期間の後、訪問介護サービス等に連続して移送を行う場合は、道路運送法上の許可を求めることとし、無許可で輸送を行う事業者については、介護報酬の対象としないものとする。

(2) 施設介護
   施設介護事業者が行う要介護者の送迎輸送については、自家輸送であることを明確化するとともに、輸送安全の向上の観点から、運行管理体制の確保、送迎輸送の外部委託化等を促進する。

(3) 重点指導期間
   上記の実施に当たっては、一定の重点指導期間(仮称)を設け、業務適正化、許可取得等に向けた重点指導、啓発を図る。



<中間整理案>

 介護サービス事業者が公的介護保険の適用を受ける介護サービス(以下「介護保険サービス」という。)と連続して、又は一体として行う要介護者等の輸送サービスに係る今後の取扱いについて、厚生労働省及び国土交通省は、

現在、要介護者等であって公共交通機関を利用することが困難な移動制約者に係るSTS(スペシャル・トランスポート・サービス。要介護者、身体障害者等であって公共交通機関を利用することが困難な移動制約者を対象に、必要な介助等と連続して、又は一体として行われる個別的な輸送サービスをいう。)による移動が、タクシー等の公共交通機関のみによっては、必ずしも十分に提供されていない状況にあること、

一方、これらの移動制約者に係るSTSによる移動の提供に要する費用の社会的な負担のあり方については、いまだ社会的に議論が成熟していない状況にあること。公的介護保険制度においても、STSに係る運賃については、原則として介護報酬の評価の対象としていないこと、

こうした状況において、これらの移動制約者に係るSTSが、タクシー事業者等のほか、社会福祉法人、医療法人、特定非営利活動法人、ボランティア等多様な担い手によって現に提供されている状況にあること、

を十分認識しつつ、それゆえ、

これらの移動制約者に係るSTSによる輸送サービスが適切に提供されるため、現に提供されている輸送サービス、特に介護サービス事業者が介護保険サービスと連続して、又は一体として行う要介護者等の輸送サービスについて、その実態を十分踏まえつつ、法的な位置付けの明確化を早急に図る必要があり、

その際、タクシー事業者等以外の担い手による輸送サービスについては、輸送中の旅客の安全確保、利用者の保護等の観点から“安全で安心して利用できるSTS”を目指すとともに、その方策については、現に行われているSTSを過度に萎縮させ、利用者利便に影響することがないよう配慮していく必要がある、

との視点に立ち、今後、本年度内を目途に別紙方針に沿って検討作業を行い、具体的な結論を得て、平成16年度のできる限り早い時期に実施するものとする。



(別紙)

介護サービス事業者が公的介護サービスと連続的・一体的に行う要介護者に係るSTSの取扱いに係る検討方針


(訪問介護サービス等の提供に伴うSTSの取扱い)
1.  指定訪問介護事業者等が提供する、通所、通院等のためのSTS(訪問介護サービス等と連続して、又は一体として行うものに限る。)については、道路運送法の旅客自動車運送事業に該当するものであり、同法による一般乗用旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業の許可を取得することを基本とし、以下の方針に沿って具体的な取扱いを検討する。

 
道路運送法第4条第1項の規定による一般乗用旅客自動車運送事業(患者等輸送限定)の許可の対象として、介護福祉士又は訪問介護員の資格を有する乗務員が要介護者等に限定した輸送を行う場合を追加し、あわせて許可基準を緩和するとともに、運賃に係る認可基準、審査手続を弾力化すること、

道路運送法第43条第1項の規定による特定旅客自動車運送事業の許可の対象として、要介護者等であって特定の市町村(保険者)に係る制度的な関連において、継続的な需要に応じるものであって、かつ、指定居宅サービス事業者において会員制等によりあらかじめ旅客の範囲を具体的に明示している場合等が含まれることを明確化すること、

NPO等の非営利事業者については、構造改革特別区域における措置として実施され、本年度内に予定されている「NPOによるボランティア輸送としての有償運送可能化事業」の全国実施等(セダン型等の一般車両の使用について特定の地域において行う措置を含む。)により、道路運送法第80条第1項の許可により対応できることとすること、

道路運送法第80条第1項による自家用自動車有償運送の許可の対象として、指定訪問介護事業者等の介護福祉士又は訪問介護員が、介護保険サービスと連続して自己の車両で当該サービスを利用した要介護者等に対象を限定して輸送サービスを行う場合を追加するとともに、この場合における許可申請は、指定訪問介護事業者等が一括で行うことができるものとすること、

道路運送法による許可(上記の措置によるものを含む。)を得ることなく、指定訪問介護事業者等が、その提供する介護保険サービスと連続して、又は一体としてSTSを提供することは、道路運送法に抵触する違法な行為であること。このことからも、当該介護サービスについては、介護報酬の対象としないこと、

(指定通所介護サービス等の提供に伴うSTSの取扱い)
2.  指定通所介護事業者若しくは指定通所リハビリテーション事業者が、その提供する通所介護サービス若しくは通所リハビリテーションサービスと、指定短期入所サービス事業者が、その提供する短期入所生活介護サービス若しくは短期入所療養介護サービスと、それぞれ一体として行うもっぱら「施設送迎」としてのSTSについては、以下の方針に沿って具体的な取扱いを検討する。

 
送迎加算の取扱いについて引き続き検討するとともに、介護報酬に含まれる送迎加算を受けて要介護者の自宅等との間で行う送迎については、道路運送法が適用されない「自家輸送」として取り扱うこと、

介護サービス事業者において、運行管理等の体制を確保するなど輸送の安全確保を自主的に図るとともに、送迎加算を財源とすること等により、道路運送法による許可を受けた旅客自動車運送事業者への委託を促進すること、

(重点指導期間(仮称))
3.  1.及び2.に掲げる検討により結論が得られた事項を措置するに当たっては、現に道路運送法による許可を取得することなく公的介護サービスと連続して、又は一体としてSTSを行っている介護サービス事業者について、著しく高額な対価を収受しているもの、訪問介護の実態に乏しく実質的にタクシー業務のみを行っているもの等を除き、ただちに介護保険法や道路運送法による行政処分、刑事告発を行うのではなく、重点指導期間(仮称)を設け、その間においては、業務適正化、許可取得等に係る指導、啓発を重点的に実施することについて検討を行う。

(その他)
4.  障害者(児)福祉サービスに係るSTSについても、上記の方針に沿って具体的な取扱いを検討する。
以上


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