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(2)高齢者リハビリテーション研究会について

 平成15年6月に公表された高齢者介護研究会の報告書に基づき、今後の高齢者の介護予防、リハビリテーションのあり方について精査・研究するために、老健局内に、医療、リハビリテーションの専門家等からなる高齢者リハビリテーション研究会を同年7月に設置した。
 本研究会においては、要介護状態にならないようにする予防的リハビリテーションの在り方、医療・介護を通じた高齢者の各ステージごとのリハビリテーションの提供体制、また、福祉用具や住宅改修の在り方、地域でのリハビリテーションの提供体制などについて、検討を行い、平成16年1月29日に中間報告をとりまとめたところである。
 この中間報告においては、介護保険後見えてきた課題として、
(1)  死亡の原因疾患と生活機能低下の原因疾患が異なること
(2)  軽度の要介護者が急増していること
(3)  介護予防の効果があがっていないこと
(4) 高齢者の状態像に応じた適切なアプローチが必要であること
と指摘し、この課題を解決するため、今後の高齢者リハビリテーションの基本的な考え方として、
(1)  高齢者の態様に応じた対応(脳卒中モデル、廃用症候群モデル、痴呆高齢者モデル)
(2)  疾患の発症直後の急性期の治療と並行した実施
(3)  必要な時期に、短期間に集中しての実施、また、期間を限定して計画的な実施 の必要性を指摘し、現行サービスの見直しについては、予防、医療、介護が断片的でなく、総合的に提供されるよう行うべきであるとしている。
 本報告書はこれからの高齢者リハビリテーションの方向性を示したものであり、 今後の介護保険制度の見直しやゴールドプラン21の後継プラン、保健事業第5次計画の策定、平成18年度に予定される介護報酬改定などにおいて、その具体化を検討することとしている。

「高齢者リハビリテーション研究会」委員

  青井 禮子  (社)日本医師会常任理事(第4回〜第7回)
  石神 重信  (社)日本リハビリテーション医学会常任理事
上田 敏  日本障害者リハビリテーション協会顧問
  大川 弥生  国立長寿医療研究センター老人ケア研究部部長
  太田 睦美  (社)日本作業療法士協会保険部部員
  越智 隆弘  国立相模原病院院長
  柏木 知臣  全国脳卒中者友の会連合会副会長
  川越 雅弘  日本医師会総合政策研究機構主席研究員
  木村 隆次  全国介護支援専門員連絡協議会会長
  小宮 英美  NHK解説委員
  齊藤 正身  全国老人デイ・ケア連絡協議会会長
  坂井 剛  (社) 日本歯科医師会常務理事
  正林 督章  島根県健康福祉部次長
  鈴木 隆雄  東京都老人総合研究所副所長
  西島 英利  (社)日本医師会常任理事(第1回〜第3回)
  浜村 明徳  日本リハビリテーション病院・施設協会会長、
 (社)全国老人保健施設協会常任理事
  備酒 伸彦  兵庫県但馬県民局但馬長寿の郷地域ケア課主査
  藤田 郁代  日本言語聴覚士協会会長
  山口 武典  国立循環器病センター名誉総長
  山崎 摩耶  (社)日本看護協会常任理事
  吉尾 雅春  (社)日本理学療法士協会神経系研究部会部長

(敬称略、五十音順、○は座長)


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