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(3)「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」についてのQ&A

 居住福祉型特別養護老人ホームの居室の床面積「13.2平方メートル」には、入居者の身の回り品を収納する作り付けのクローゼットや押入れは含まれるのか。

 お尋ねのようなクローゼットや押入れも含めて差し支えないが、13.2平方メートルとした趣旨は、通常、入居者が生活する部分10.65平方メートル(約6.5畳)のほかに、入居者が自宅から持ち込む家具などのスペース(約2畳程度)を想定したものであり、この点を十分に踏まえて、入所者の立場に立った設計を行うことが重要である。

 居住福祉型特別養護老人ホームにおける居室については、共同生活室(リビング)に近接して一体的に設けることとされ、

ア 当該共同生活室に隣接している居室

イ 当該共同生活室に隣接してはいないが、アに定める居室と隣接している居室

ウ その他当該共同生活室に近接して一体的に設けられている居室
  (他の共同生活室のア及びイに相当する居室を除く。)

が該当するとされているが、その趣旨は何か。

 これは、居室と共同生活室があまり離れてしまうと、両者の間の気軽な行き来が難しくなり、ひとり一人の生活のリズムを基本に据えたケアを行って入所者にできる限り自立した生活を送っていただけるようにするというユニットケアの趣旨が損なわれてしまうことに鑑みたものである。
 また、介護職員の動線の問題もあることに、注意が必要である。

 居室等の面積及び廊下の幅の測定方法については、「平成14年改正省令の施行の際現に存する居室等及び廊下についてまで当てはめる趣旨ではないこと」とされているが、平成14年改正省令施行の際に現に建築が終了していないものについては、すべて今般明確化された測定方法により基準を満たしているかどうかを判断しなければならないのか。

 今般の改正において、「居室等の面積に係る基準は、すべて内法での測定によるものであること」及び「廊下の幅は、内法によるものとし手すりを含むものであること」としているが、これらの測定方法についてはこれまで明確化されていなかったことから、平成14年改正省令の施行の際現に存する居室等や廊下についてまで当てはめる趣旨ではないこととしているところである。
 その具体的な運用に当たっては、平成14年改正省令の施行の際現に存する居室等及び廊下のほか、平成14年度及び平成15年度の国庫補助協議に係るものなど、同省令施行の際現に基本設計が終了している特別養護老人ホームについても弾力的な運用を行って差し支えない。

 特別養護老人ホームにおいては、必ず防災上有効な傾斜路(スロープ)を設けなければならないのか。

 特別養護老人ホームにおいて、防災上有効な傾斜路(スロープ)を設けなければならないのは、居室等を3階以上の階に設ける場合であって、居室等のある3階以上の各階に通ずる特別避難階段を1つしか有しない場合のみである。
 なお、このような場合にあっても、車いす又はストレッチャーで通行するために必要な幅を有するバルコニー及び屋外に設ける避難階段を有する場合には、防災上有効な傾斜路(スロープ)を設けることは必要ないので、注意が必要である。



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