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(1) 平成14年度老人保健福祉関係予算(案)の概要

− 老健局 −


老人保健福祉関係予算
(13年度予算額)
 1兆7,401億円
(14年度予算(案))
1兆7,981億円

   老健局計上経費 1兆2,940億円 → 1兆3,783億円
        *他局計上分(2号保険料国庫負担金等)を除いた額である。

【主要事項】

I 介護保険制度の安定運営の確保  1兆4,840億円

1.介護給付費負担金  9,040億円
各市町村における介護給付及び予防給付に要する費用の20%を負担。

2.調整交付金  2,260億円
全市町村における介護給付及び予防給付に要する費用の5%を負担。
(各市町村間の後期高齢者割合等に応じて調整)

3.財政安定化基金負担金  226億円
都道府県が設置する財政安定化基金に対し、国がその3分の1を負担。

4.介護保険事務費交付金  252億円
市町村が行う要介護認定・要支援認定の事務処理に要する費用を交付。

5.介護保険広域化支援事業費  5億円
広域化及び市町村合併を図る市町村に対して広域化等のためのシステム整備を支援。

II ゴールドプラン21の着実な推進  2,298億円

1 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、痴呆性高齢者グループホーム等の整備
  1,064億円

14年度整備量
(1)特別養護老人ホーム 13,000人分
(2)介護老人保健施設 7,000人分
(3)介護利用型軽費老人ホーム(ケアハウス) 3,700人分
(4)生活支援ハウス(高齢者生活福祉センター) 110か所
(5)短期入所生活介護(ショートステイ) 5,000人分
(6)通所介護(デイサービス) 1,000か所
(7)痴呆性高齢者グループホーム 500か所
(8)訪問看護事業所(訪問看護ステーション) 1,000か所

2 施設整備費補助内容の改善による整備促進

3 社会福祉・医療事業団貸付条件の改善

III 介護支援専門員(ケアマネジャー)に対する支援等による介護サービスの質の向上
56億円

1 介護支援専門員(ケアマネジャー)に対する支援及び資質の向上  27億円

(1) ケアマネジメントリーダー活動支援事業  3.1億円

(2) 基幹型在宅介護支援センター機能の拡充 ー

(3) 介護支援専門員現任研修事業の充実等  1.8億円

2.痴呆介護技術等に関する研究と指導者の養成   6.4億円

 全国3か所の高齢者痴呆介護研究センターにおいて、痴呆性高齢者の介護技術等に関する研究を実施するとともに、地域において介護技術の指導に当たる指導者の養成研修を実施。
 なお、14年度においては、痴呆性高齢者グループホームに対する第三者評価を実施。

IV 要介護認定の仕組みの検討  16億円

○要介護認定ソフト(改訂版)の開発

 要介護認定の一次判定に用いる「要介護認定ソフト」について、新たな各種調査の結果等を踏まえたソフトを開発して、各自治体においてそのソフトに基づく試行的事業を実施。

V 介護報酬見直しに向けた取組  37億円

1 介護報酬見直しに係るシステム改修  35億円

 介護報酬の見直しに係る市町村の事務処理システム及び国民健康保険団体連合会の審査支払システムのプログラム改修を行う。

2 介護事業経営実態調査  2.5億円

 介護報酬見直しの基礎資料を得るため、全国の介護保険施設や指定居宅介護サービス事業者等を対象に、収支の状況、資産等の状況、従業員及び給与の状況等、その経営実態を調査。

VI 福祉用具・住宅改修の普及・適切な活用の促進  5.2億円

1.福祉用具・住宅改修研修事業  2.3億円

 福祉用具や住宅改修の適切な活用が図られるよう、福祉用具販売事業者、住宅改修業者、介護支援専門員等に加え、在宅介護支援センターの職員、OT、PT等に対し、福祉用具・住宅改修に関する研修を実施。

2.福祉用具・住宅改修地域利用促進事業  2.4億円

 在宅介護支援センター等を活用し、福祉用具や住宅改修に係る地域の事業者協議会の開催、相談等に応じる専門家の登録・活用等、市町村レベルでの身近な相談援助体制の整備を図る。

3.福祉用具・住宅改修活用広域支援事業  58百万円

 介護実習・普及センター等を活用し、福祉用具や住宅改修に係る広域的な事業者協議会の開催、市町村で対応できない高度で複雑な福祉用具の活用や住宅改修について相談援助体制の整備を図る。

VII 介護予防・生活支援事業の着実な推進 500億円

○介護予防・生活支援事業

 高齢者ができる限り寝たきりなどの要介護状態にならずに自立した生活を送ることができるよう、転倒骨折予防教室、外出支援サービスなどの介護予防・生活支援や家族への支援策を総合的に推進。

(主な新規メニュー)
  ・「食」の自立支援事業
  ・痴呆性高齢者家族やすらぎ支援事業
  ・高齢者住宅等安心確保事業

VIII 保健事業の推進  299億円

1.C型肝炎等緊急総合対策の推進のうち老人保健事業に関する部分(再掲)  31億円

 40歳から70歳までの老人保健法に基づく健康診査の受診者に対し、5歳刻みで節目検診を行い、5年間で全員に肝炎ウイルス検査等を実施。
 なお、節目検診の対象以外の者についても、現に肝機能検査で要指導領域にある者等については、早期に二次検診として肝炎ウイルス検査を実施。

2.保健事業第4次計画の着実な推進(再掲)  268億円

 生活習慣病などの疾病の予防、早期発見、早期治療を図り、要介護状態となることを防止するため、健康教育、健康相談、健康診査等の保健事業を推進。


(参考)

ゴールドプラン21の推進

区分
平成13年度
第2次補正予算案

平成14年度
整備量
(参考)
平成16年度
見込量
特別養護老人ホーム 14,000人分 13,000人分 36万人分
介護老人保健施設 12,000人分 7,000人分 29.7万人分
痴呆対応型共同生活介護
(痴呆性高齢者グループホーム)
300か所 500か所 3,200か所
短期入所生活介護/
短期入所療養介護

4,000人分
(短期入所生活介護専用床)

5,000人分
(短期入所生活介護専用床)
4,785千週
9.6万人分
(短期入所生活介護専用床)
通所介護(デイサービス)/
通所リハビリテーション(デイ・ケア)

400か所

1,000か所
105百万回
(2.6万か所)
訪問看護
訪問看護ステーション

− か所

1,000か所
44百万時間
( 9,900か所)
 
介護利用型軽費老人ホーム
(ケアハウス)
1,000人分 3,700人分 10.5万人分
高齢者生活福祉センター
(生活支援ハウス)
100か所 110か所 1,800か所
注:平成16年度( )の数値については、一定の前提条件の下で試算した参考値である。

○ 特別養護老人ホームについては、4人部屋を主体としていた従来の居住環境を抜本的に改善し、入居者の尊厳を重視したケアを実現するため、個室・ユニットケアを特徴とする新型特別養護老人ホームの整備を推進する。
 これに伴い、新型特養の入居者については、低所得者に配慮しつつ、ホテルコストの負担を求めることとする。(平成15年度から)(別紙1

○ ケアハウスについては、規制改革推進3カ年計画を受け、設置主体を民間企業等に拡大し、自治体がPFI選定事業者に貸与することを目的としてケアハウスを整備する場合の買取費用についても施設整備費の補助対象とすることにより、整備を促進する。(平成13年度第1次補正予算において措置済)(別紙2


(別紙1)

全室個室・ユニットケアの特別養護老人ホーム(新型特養)の整備について

1.趣旨

 特別養護老人ホームにおける4人部屋主体の居住環境を抜本的に改善し、入居者の尊厳を重視したケアを実現するため、個室・ユニットケアを特徴とする「居住福祉型の介護施設」としての特別養護老人ホーム(以下「新型特養」という。)の積極的な整備を進める。その趣旨は、以下のとおり。

○ 介護保険制度は、個人の自立した日常生活を支援するため、質の高いサービスを提供するものであり、「生活の場」である特別養護老人ホームにおいては、これまでの集団処遇型のケアから個人の自立を尊重したケアへの転換が求められている。

○ このため、今後整備する特別養護老人ホームについては、全室個室・ユニットケアを原則としていくこととする。

※ ユニットケアとは、施設の居室をいくつかのグループに分けて、それぞれをひとつの生活単位とし、少人数の家庭的な雰囲気の中でケアを行うもの。

<「個室・ユニットケア」の意義>

(1)入居者は個性とプライバシーが確保された生活空間を持つことができる。
(2)個室の近くに交流できる空間を設けることにより、他の入居者と良好な人間関係が築け、相互の交流が進む。
(3)自分の生活空間ができ、少人数の入居者が交流できる空間もあることで、入居者のストレスが減る(痴呆性高齢者の徘徊などが少なくなる例も多い)。
(4)家族が周囲に気兼ねなく入居者を訪問できるようになり、家族関係が深まることにもつながる。
(5)インフルエンザ等の感染症の防止に効果がある。

2.新型特養の概要

(1)多様な生活空間の確保など居住環境を重視した構造とする

○ 個人的空間から公共的空間まで多様な生活空間を重層的に確保する。
○ 個室の近くに共用スペースを設け、ユニットケアを実現する。

<望ましい多様な生活空間の確保例>
個人スペース 個人的空間
(個室)
入居者個人の所有物を持ち込み、管理する空間 ユニット
(生活単位)
準個人的空間 個室の近くにあって、少数の入居者が食事や談話に利用する空間
公共スペース 準公共的空間 多数の入居者を対象に、リハビリテーション等のプログラムなどが行われる空間  
公共的空間 地域住民にも開かれ、入居者と地域の交流が可能な空間

(2)全室個室を原則とする

○ 個室の広さは、8畳(約13m2)程度とする(収納スペース、洗面設備スペースを含む。トイレの面積を除く。)。

○ 入居者が個室内に家具等を持ち込めるようにする。夫婦などが2人部屋として利用できる構造とすることは可。

(3)ユニットケアとする

○ 10人前後をユニット(生活単位)とするユニットケアを原則とする。

○ 簡単な調理、食事、談話などを通じて交流が図られるよう、ユニットごとに共用スペースを設ける。

※ 個室・ユニットケア化に伴い、静養室や面会室は不要とするほか、一定の要件の下で廊下幅の見直しを行うものとする。

3.費用負担の考え方

(1)施設整備費助成

○ 平成14年度から、新型特養に対する施設整備費補助を導入するものとする。
 なお、設置準備の状況を勘案して、数年間は新型と従来型の両者から選択できるものとする。

○ 新型特養に対する施設整備費補助においては、施設内の公共スペース部分及び事務室等の管理部分について助成対象とする。

○ 既存施設の改築等を行う場合は、新型特養に対する評価の状況も踏まえつつ、上記の考え方に準じた取扱いとする。

(2)利用者負担等

○ 新型特養の入居者は、居住環境が抜本的に改善されることから、従来の介護・食事に係る利用者負担のほか、ホテルコストに係る費用を負担することを基本とする。(平成15年度から)
※ 負担するホテルコストは、個人スペースに係る建築費用・光熱水費等に相当する額とする。なお、各施設における算定ルールを明確にするとともに、利用者への説明と同意の手続きを義務づけるものとする。

○ 低所得者の個室利用が阻害されないよう、低所得者についてはホテルコストの負担軽減を行うこととし、具体的には新型特養に対応した介護報酬体系を設ける中で、その配慮を検討する。

※(別添)全室個室・ユニットケアの特別養護老人ホームの構造例 (PDF:213KB)

※ (別紙2)PFI制度を活用した公設民営型ケアハウスの整備促進について(PDF:196KB)


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