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5.介護予防・生活支援対策及び介護基盤整備等について

(1)介護予防・生活支援対策について

ア 介護予防・生活支援事業について

 本事業は、高齢者の自立促進を目的とするものであり、「高齢者等の生活支援事業」に位置づけられているメニュー事業であっても、その実施に当たっては、高齢者が要介護状態になったり、状態が悪化したりすることがないよう配慮することが極めて重要である。このような観点から本事業の拡充を図り、平成14年度予算(案)において、十分なアセスメントを行った上で配食サービス等の「食」に関わるサービスを計画的に提供する事業を、「「食」の自立支援事業」として追加することとしているところである。
 これに伴い、「配食サービス事業」は、「「食」の自立支援事業」の中に位置づけることとしている。ただし、十分なアセスメントを行った上で配食サービスを提供する体制を整備するためには一定の期間を要することにかんがみ、概ね1〜2年程度は、改正前の通知に基づく「配食サービス事業」として実施できることとする予定である。
 なお、「「食」の自立支援事業」の実施に当たり参考となる資料を4月末を目途にお示しする予定であるので、積極的な取組みについて管内市町村に周知願いたい。
 また、痴呆のお年寄りを介護する家族への支援の充実を図る観点から、近隣者、ボランティア等が訪問して見守りや話し相手を行うことにより、家族の外出等を支援する事業を、「痴呆性高齢者家族やすらぎ支援事業」として追加することとしている。この事業は、痴呆のお年寄りの方に受け容れられやすいよう、対象者と訪問者との「なじみの関係づくり」を行うことが重要であることから、専門性の高い市町村職員(保健福祉専門職)や、地域で積極的にこのような活動を展開している団体職員等がコーディネーターとなって推進していくことが期待される。
 都道府県・市町村においては、これらの新規メニューも視野に入れ、また、地域におけるさまざまな組織・団体等を有効に活用し、より一層の本事業への取り組みをお願いしたい。
 なお、平成14年度予算成立以降に、「介護予防・生活支援事業実施要綱」をお示 しすることとなるが、現段階における新規事業及び改正部分の素案を別紙1に掲げて いるので参照されたい。

〈平成14年度予算(案)におけるメニューの追加等〉

(ア)予算額 500億円

※ 市町村限度額については平成13年度と同額とする予定。

(イ)メニューの追加

○ 市町村事業
 ・ 「食」の自立支援事業
 ・ 痴呆性高齢者家族やすらぎ支援事業
 ・ 在宅介護支援事業
 ・ 高齢者住宅等安心確保事業
○ 都道府県事業
 ・ 老人性痴呆指導対策事業

(ウ)対象の拡大

○ 平成15年度から、障害者福祉サービスについて、新たに障害者がサービスを選択し、事業者との間で直接に契約を行い、サービスの提供を受ける「支援費制度」に移行することになることから、その支援費制度の円滑な導入を図るため、成年後見制度利用支援事業の対象者に新たに「知的障害者等の障害者」を加える。

イ 都道府県における支援体制について

 介護予防・生活支援事業を効果的かつ効率的に実施していく観点から、「介護予防事業等の総合的実施について」(平成13年6月21日老計第28号)を発出し、市町村の保健部局と福祉部局とが常に連携を保つとともに、サービス提供情報を共有するなどの積極的な取組みをお願いしているところである。
 また、介護保険制度の施行後の状況等を踏まえ、市町村又は基幹型在宅介護支援センターには、保健、福祉、医療などの現場職員を中心に構成される「地域ケア会議」を設置し、地域ケアの総合調整を行いながら、介護支援専門員(ケアマネジャー)に対する支援体制を整備するようお願いしているところである。これを実効あるものにしていくためには、都道府県においても保健部局と福祉部局とが連携し、市町村に対する支援体制を確保することが極めて重要であることから、今般、別紙2(案)のとおり「都道府県高齢者保健福祉サービス調整支援体制整備指針」を発出する予定であるので、それを参考としつつ、市町村の実施する高齢者保健福祉サービス調整への取組みに対する支援について、特段のご配意をお願いしたい。
 なお、都道府県で取り組んでいただいている「介護予防指導者養成事業」を側面的に支援するために、「介護予防指導者養成支援研修会」(厚生労働省補助事業)が、本年3月13日から15日にかけて東京において実施される予定であるので、介護予防事業の予算・企画等の担当者及び指導者養成の研修実務担当者並びに保健部局の専門技術職員等の保健部局と福祉部局の担当者の方の積極的な参加をお願いしたい。
 また、各都道府県、管内市町村に協力願って御提出いただいた介護予防実践事例については、市町村が介護予防事業を実践していく上で参考にしていただけるよう事例集としてまとめ、上記の研修会にて配布する予定であるので、管内市町村に対してその趣旨及び活用方法についての伝達をお願いしたい。

ウ 「介護予防・生活支援事業」への組み替え事業

(ア)「高齢者住宅等安心確保事業」

 平成2年度より実施してきた「高齢者世話付住宅(シルバーハウジング等)生活援助員派遣事業」については、多様化する高齢者向けの住まいにおける生活面・健康面での不安に、より柔軟に対応できるよう、平成14年度から「高齢者住宅等安心確保事業」として介護予防・生活支援事業の「市町村事業」へ組替計上するものである。
 事業内容は、高齢者が安心して生活できるよう、市町村が地域の特性に応じて、高齢者の安否確認や生活相談を行うための基本となる計画を策定し、シルバーハウジング、登録住宅等に対する生活援助員の派遣のほか、民生委員、老人クラブ、NPO等による訪問活動等地域の関係機関(者)による安心確保のための連携体制づくりに対する支援を行うこととしたところであり、積極的な取組みをお願いしたい。
 なお、事業内容の詳細については、別途、実施要綱でお示しする予定である。

(イ)「都道府県老人クラブ連合会活動等推進事業」

 これまで、(財)全国老人クラブ連合会を通じて交付していた「都道府県老人クラブ連合会活動等推進事業費」については、行政改革大綱(平成12年12月1日閣議決定)に基づき見直しが進められているが、「行政委託型公益法人等改革の実施計画(補助金等関係)中間とりまとめ」(平成13年12月行政改革推進事務局)の指摘を踏まえ、介護予防・生活支援事業の「老人クラブ活動等事業」へ組替計上したものである。(別紙3
 この組替により、従来、(財)全国老人クラブ連合会に対して行われていた申請事務等の流れが、都道府県・指定都市を通じての手続きへと変更となることから、各都道府県及び指定都市の所管部局におかれては、申請事務手続き等につき、十分ご留意願いたい。
 さらに、本事業に関する各都道府県及び指定都市に係る地方交付税措置(補助うら)については、平成14年度においても、引き続きその確保に努めているところである。本事業の実施に当たっては、各都道府県・指定都市老人クラブ連合会とも十分な連携を図られ、その円滑な実施に向けた取組みをお願いしたい。
 なお、事業内容については、これまでと変更はないものであるが、その詳細については、別途、実施要綱でお示しする予定である。

エ 在宅介護支援センター運営事業について

 在宅介護支援センターは、介護保険制度導入前にあっては、在宅高齢者やその家族等に対する在宅介護の相談やケアマネジメントの要として、その役割を果たしてきたところである。今後、市町村から在宅介護支援センター運営事業を受託した法人としては、こうした従前からの実績も踏まえ、居宅介護支援事業も併せ実施することにより、例えば、要介護者であって、いわゆる社会適応が困難な方など高度なサービス調整を必要とする方に対する適切なケアプラン作成などの機能も担っていくことが期待されている。また、要介護・要支援状態とは認定されていない者も含めた在宅高齢者等の総合相談、高齢者の実態把握、地域の要援護高齢者等に対する保健福祉サービスの利用調整(申請代行)等の業務を行うとともに、介護予防拠点としての機能を担っていくことがますます期待されている。
 平成14年度予算(案)においては、地域型在宅介護支援センターで実施している高齢者の実態把握及び介護予防プラン作成を、介護予防・生活支援事業の「在宅介護支援事業」として区分変更し、在宅介護支援センター運営事業の効果的・効率的な予算執行を可能とし、介護予防拠点機能の充実の促進を図ることとしている。
 各都道府県には、今後の市町村の事業展開に対するご指導、ご支援をお願いしたい。
 また、介護保険制度の円滑な運営のため、基幹型在宅介護支援センターによるケアマネジャーに対し、支援することは重要な役割の一つであり、これを実効あるものとする一つの手段として、平成14年度予算(案)において、ケアマネジメントリーダーを配置し、ケアマネジャーに対する支援の充実を図ることとしている。
 都道府県においても、市町村によるケアマネジャーの支援活動に対しての後方支援体制の整備をお願いしたい。

〈平成14年度予算(案)における補助基準単価〉

○ 補助基準単価

 (ア)基幹型
   ・通常型 14,965千円
   ・小規模型 9,669千円
   ・ケアプラン作成指導事業 年額 300千円

 (イ)地域型
   ・基本事業   2,890千円
   ・福祉用具展示紹介業務   796千円
   ・実態把握 1件あたり 2,700円
   ・介護予防プラン作成 1件あたり 2,000円
   ・痴呆相談事業 1回あたり 30,000円
   ・住宅改修プラン作成 1件あたり 2,000円
   ・介護予防教室、転倒骨折予防教室 1回あたり 30,000円
   ・サービスマップ作成事業、適正契約普及事業  年額 1,700千円 ※

基幹型における「ケアプラン作成指導事業」及び地域型における「サービスマップ作成事業、適正契約普及事業」については「介護サービス適正実施指導事業」の委託を、また、地域型における「実態把握」、「介護予防プラン作成」、「住宅改修プラン作成」及び「介護予防教室、転倒骨折予防教室」については「介護予防・生活支援事業」の委託を、それぞれ別途市町村から受け、その補助金を活用して実施。


別紙1

介護予防・生活支援事業実施要綱(新規事業及び改正部分の素案)

別記(事業内容)

1 市町村事業

(1)高齢者等の生活支援事業

ア〜エ −略−
オ 実施事業

(ア)配食サービス事業 →削除
(イ)〜(エ)−略−
(オ)住宅改修支援事業

(1)、(2) −略−

(3)留意事項
 介護支援専門員又は作業療法士、福祉住環境コーディネーター検定試験2級以上その他これに準ずる資格等を有する者など、居宅介護住宅改修費又は居宅支援住宅改修費の支給の対象となる住宅改修について十分な専門性があると認められる者が、居宅介護住宅改修費又は居宅支援住宅改修費の支給の申請に係る理由書を作成した場合について、これを市町村の委託事業又は市町村助成事業として、本メニューの対象事業とすることができる。
 なお、その場合の単価は、1件当たり2,000円とする。

 −以下削除−
 ただし、「在宅介護支援センター運営事業等の実施について」(平成12年9月27日老発第654号)の別紙「在宅介護支援センター運営事業等実施要綱」の1の(5)のアの(ケ)に基づき理由書を作成する場合は、本メニューの対象事業とすることはできない。

(カ)〜(キ) −略−
(ク)短期入所振替利用援助事業 →削除
(ケ) −略−

(2)介護予防・生きがい活動支援事業

ア〜エ −略−
オ 実施事業

(ア)〜(オ) −略−

( )「食」の自立支援事業 【新規事業】
 在宅の高齢者等が健康で自立した生活を送ることができるよう、配食サービスや食事の提供を伴う生きがい活動通所支援事業等の「食」に関わるサービスを、「食」の自立の観点から十分なアセスメントを行った上で計画的・有機的につなげて提供する事業。

(1)事業内容

a 食関連サービスの利用調整
 対象者の心身の状況、その置かれている環境、対象者及びその家族等の希望等の情報を収集、分析するとともに、地域の実情に応じ、配食サービス、生きがい活動通所支援事業等のほか、地域住民が主体となった活動などのインフォーマルサービスも含めた社会資源の状況を勘案して、「食」の自立の観点から、食関連サービスの利用調整を行う。また、定期的(おおむね3か月〜6か月程度)にサービスの実施状況、利用者の状態等を確認し、必要に応じ、サービスの再調整を行う。

b 配食サービスの実施
 aにより必要と認められた者に対し、配食サービスを実施する。

○ 実施方法
 調理が困難な高齢者等に対して、定期的に居宅に訪問して栄養のバランスのとれた食事を提供するとともに、当該利用者の安否確認を行う。

○ 利用対象者
 おおむね65歳以上の単身世帯、高齢者のみの世帯又はこれに準ずる世帯に属する高齢者並びに身体障害者であって、自立支援の観点からサービスを利用することが適切であると市町村が認めたものとする。

○ サービス提供に当たっての留意点

  • サービス提供に当たっては、対象者の心身の状況、その置かれている環境、対象者及びその家族等の希望等の情報を収集、分析することが必須となるが、その体制整備に一定の期間を要することに鑑み、当分の間は、改正前の通知に基づく「配食サービス事業」として実施することができるものとする。
  • 実施施設は、利用者の健康等を十分勘案するとともに、食品衛生管理 に十分配慮し、保健所等関係機関と密接な連携を保つこと。
  • 市町村は、実施施設、民生委員、社会福祉協議会等の関係機関との連携を密にするとともに、食生活改善推進員、ボランティア等の協力が得られるよう配慮し、円滑な運営に努めること。

(2)事業実施に当たっての留意点

a 食関連サービスの利用調整については、その記録を独立したプランとして作成するのではなく、既存の居宅介護サービス計画(ケアプラン)又は介護予防プランに反映させる形で作成するものとする。

b 市町村は、常にインフォーマルサービスを含めた地域の社会資源を把握し、サービスの利用調整等に適切に反映できるよう努めるものとする。

(3)家族介護支援事業

ア〜ウ −略−
エ 実施事業

(ア)〜(カ)−略−

( ) 痴呆性高齢者家族やすらぎ支援事業 【新規事業】
 痴呆性高齢者を介護する家族への支援の充実を図る観点から、対象となる痴呆性高齢者の近隣に居住する者、ボランティア等が痴呆性高齢者の居宅を訪問し、見守りや話し相手をする事業。

(1) 事業内容

a 「やすらぎ支援員」の養成事業
 近隣者、ボランティア等を対象として痴呆の基礎知識、接遇の基礎、緊急時の連絡等に関するオリエンテーションを実施し、当該オリエンテーションを受けた者(以下「やすらぎ支援員」という。)を登録する。登録の際には、やすらぎ支援員の訪問可能な日時等の活動に関する情報を記載した台帳を整備するとともに、定期的に記載内容の更新を行うものとする。

b 対象者とやすらぎ支援員とのなじみの関係づくり
 コーディネーター(対象者とやすらぎ支援員との関係づくりを調整する者をいう。以下同じ。)は、やすらぎ支援員の中から訪問日時等の条件が合致する者を選定し、対象となる痴呆性高齢者に受け容れられやすいよう、対象者とやすらぎ支援員との顔合わせの場を設けたり、やすらぎ支援員による対象者への言葉かけが容易になるように対象者の趣味や関心事等を伝えたりするなど、「なじみの関係づくり」の支援を行う。

c やすらぎ訪問事業の実施
 家族が外出することが必要な時間帯又は介護疲れで休息が必要な時間帯(半日から1泊程度)に、やすらぎ支援員が対象者の居宅を訪問する。原則として、直接身体に触れる介護は行わないが、トイレ誘導程度は必要に応じて実施する。

(2)事業実施に当たっての留意点

a 市町村は、医療機関、指定居宅介護支援事業者、指定居宅サービス事業 者等の関係機関との連携体制を確保すること。

b 市町村は、やすらぎ支援員の訪問可能な日時等の活動に関する情報、対 象者の家族状況・生活状況・健康管理状況等に関する情報及び訪問活動の 結果を記録する台帳等を整備すること。

c コーディネーターは、痴呆性高齢者の特性に関する知識を有し、かつ、対象者の状況を熟知している者とし、保健福祉の専門性を有する市町村職員が担うほか、在宅介護支援センターや、地域で積極的にこのような活動を展開している社会福祉法人、NPO法人等に委託して確保するものとする。

d やすらぎ支援員は、対象者が訪問介護等の専門性の高いサービスを必要とする状態にあると判断した時は、適切に専門職との連絡調整を図るものとする。

( )在宅介護支援事業 【新規事業】

ア 事業の趣旨
 在宅の要援護高齢者又は要援護となるおそれのある高齢者の心身の状況及びその家族等の状況等の実態を把握するとともに、これらの者の介護等に関するニーズの評価を行った上で、要介護状態のおそれのある高齢者等に対し、できる限り寝たきり等の要介護状態にならないよう介護予防サービス等の利用調整を行い、もって地域の高齢者等の福祉の向上を図ることを目的とするものである。

イ 事業主体
 実施主体は市町村とし、その責任の下に事業を実施するものとする。この場合において、市町村は、在宅介護支援センター運営事業を実施する者に事業の全部又は一部を委託することができる。

ウ 実施事業

(ア) 高齢者実態把握事業
 地域の要援護高齢者等の心身の状況及びその家族等の状況等の実態を把握するとともに、介護ニーズ等の評価を行う。

(イ) 介護予防プラン作成事業
 要介護状態になる危険因子の高い者に対して、できる限り寝たきり等の要介護状態にならないための適切な介護予防サービス等を利用できるように支援する事業。

(4)−略−
(5)成年後見制度利用支援事業

ア 事業の趣旨
 介護保険サービス、平成15年度からの導入が予定されている支援費制度における障害者福祉サービスの利用等の観点から、痴呆性高齢者又は知的障害者等にとって、成年後見制度の利用が有効と認められるにも関わらず、制度に対する理解が不十分であることや費用負担が困難なこと等から利用が進まないといった事態に陥らないために、市町村が行う成年後見制度の利用を支援する事業に対して補助を行うものである。 イ 事業内容

(ア)成年後見制度利用促進のための広報・普及活動の実施

(1) 在宅介護支援センター、居宅介護支援事業者等を通じた、成年後見制度のわかりやすいパンフレットの作成・配布

(2) 高齢者、知的障害者等の障害者やその家族に対する説明会の開催

(3) 高齢者、知的障害者等の障害者やその家族に対する相談会の開催

(4) 後見事務等を廉価で実施する団体等の紹介

(5) その他成年後見制度の利用促進に資する事業

(イ)成年後見制度の利用に係る経費に対する助成

(1) 利用対象者

 次のいずれにも該当する者

a. 介護保険サービス又は支援費制度における障害者福祉サービスを利用し、又は利用しようとする身寄りのない重度の痴呆性高齢者、知的障害者等

b. 市町村が、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第32条又は知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第27条の3の規定に基づき、民法(明治29年法律第89号)第7条(後見開始の審判)、第11条(保佐開始の審判)、第14条第1項(補助開始の審判)等に規定する審判の請求を行うことが必要と認める者

c. 後見人等の報酬等必要となる経費の一部について、助成を受けなければ成年後見制度の利用が困難と認められる者

(2) 助成対象経費
 成年後見制度の申立てに要する経費(登記手数料、鑑定費用等)及び後見人等の報酬の全部又は一部

(6)〜(8)−略−
(9)高齢者地域支援体制整備・評価事業

ア 事業の趣旨
 介護予防・生活支援サービスにおける取組み等を支援し、サービスの充実・強化を図ることにより、地域における高齢者支援の体制整備等を図ることを目的とする。

イ 実施主体
 実施主体は、市町村とする。この場合において市町村は、適切な事業運営が確保できると認められる市区町村社会福祉協議会等に事業を委託することができるものとする。

ウ 事業内容

(ア)ニーズ把握
 地域における高齢者の介護予防・生活支援サービスに関するニーズを把握する。

(イ)研修事業
 把握された高齢者の新たなニーズに対応できる介護予防・生活支援サービスに関する研修を実施する。

(ウ)評価・改善指導
 介護予防・生活支援サービスを行う団体の活動に関する評価を行うとともに、活動上の問題点や課題等について、助言・提言を行う。

(エ)ネットワーク形成
 介護予防・生活支援サービスを行う団体が活動を行う上で必要とする協力関係を構築できるよう、関係団体間の連絡会議の開催等によりネットワークの形成を図る。

(オ)高齢者等に対する身近な相談支援体制の確立
 高齢者等が気軽に来所できる場所に相談窓口を設置し、高齢者等の様々な相談に応じ、その問題の解決に努める。

(カ)その他、本事業として必要と認められる事業

エ 事業実施に当たっての留意点

(ア)介護予防・生活支援サービスの評価を行う団体の活動に関する評価については、地域住民、関係団体等が幅広く参加した会議を開催して行うこと。

(イ)高齢者のニーズに関する情報やネットワーク等に関する情報を、適宜、都道府県等へ提供すること。

(ウ)(オ)の事業については、特に以下の点に留意すること。

(1) 相談に当たる者は、高齢者等に身近な存在である民生委員、高齢者等の支援に熱意のあるボランティア等とし、相談の内容や地域の実情に応じて社会福祉の専門家等を加えること。

(2) 相談は、無料とすること。

(3) あらゆる相談に対応すること。

(4) 在宅介護支援センター等の公的相談機関と常に連携を密にし、問題解決が困難なケースについては当該機関へ連絡を行うなど適切に対応すること。

(5) 相談に当たる者及び当たった者は、相談者のプライバシーの尊重に万全を期すものとし、正当な理由なく知り得た秘密を漏らしてはならないこと。

( )高齢者住宅等安心確保事業 【新規事業】−検討中−

2 都道府県・指定都市事業

(1)〜(6) −略−

( )老人性痴呆指導対策事業 【新規事業】

ア 事業の趣旨
 市町村が、高齢者やその家族に対して痴呆に関する正しい知識を付与し、若しくは相談対応を行う場合、又は痴呆性高齢者に対して行った認定調査等で疑義が生じた場合などに、その技術援助を行い、もって地域の痴呆性高齢者等の保健医療・福祉サービスの向上を図ることを目的とする。

イ 事業主体
 実施主体は都道府県とし、その責任の下に事業を実施するものとする。この場合において、都道府県は、適切な事業運営が確保できると認められる老人性痴呆疾患センター等に委託することができるものとする。

ウ 事業内容

(ア) 市町村の保健医療・福祉関係者への技術援助

(1)市町村、市町村保健センター、在宅介護支援センター等の職員、地区医師会の会員等に対する研修会の開催

(2)保健医療・福祉関係者からの電話照会の対応

(イ) 情報収集・情報提供

(1)高齢者総合相談センター、保健所、福祉事務所等との連絡・調整

(2)事業内容等に関する広報

(ウ) 専門相談の実施

(エ) 困難事例等個別の高齢者の処遇に係る関係機関との調整(ケースワーク)

エ 事業実施に当たっての留意事項
 本通知の施行後に新たに老人性痴呆疾患センターの指定を受けて本事業を委託することは認めないものとする。

※ 項目番号のずれに伴う改正はしていない。


(参考)

「食」の自立支援事業の「介護予防・生活支援事業実施要綱」上の規定イメージ

図


別紙2

(案)

番    号
年 月 日

 各 都道府県知事 殿

厚生労働省健康局長

老健局長

都道府県における高齢者保健福祉サービス調整に係る支援体制の確保について

 高齢者保健福祉サービスの調整については、「高齢者サービス総合調整推進会議等の設置及び運営について」(昭和62年6月18日健政発第329号、健医発第732号、社老第79号)に基づき、都道府県及び指定都市にあっては、市町村における高齢者の保健、福祉、医療等に係る各種サービスの総合的な調整、推進を支援する「高齢者サービス総合調整推進会議」を、また、市町村にあっては、個々の高齢者のニーズに見合う最も適切なサービスを提供するためにこれらの各種サービスを総合的に調整、推進する「高齢者サービス調整チーム」を、それぞれ設置することとされてきたところである。

 こうした中、国としても、介護保険関係者によって構成される「地域ケア会議」を市町村又は基幹型在宅介護支援センターに設置し、地域ケアの総合調整を行いつつ介護支援専門員に対する支援体制を整備すること、また、介護予防に資する保健福祉サービスが利用者本位で提供されるよう、市町村における関係部局、関係機関等の間の連携体制を整備すること(「介護予防事業等の総合的実施について」(平成13年6月21日老計第28号))についてお願いしてきたところであり、各市町村においては、上記の「高齢者サービス調整チーム」を活用するなどにより、介護保険制度の施行後の状況等を踏まえた保健、福祉、医療の連携体制の整備が進められているところである。
 各都道府県におかれては、こうした状況を踏まえ、市町村が高齢者の保健、福祉、医療に係る各種サービスに関して総合的な調整に取り組むことを一層支援していただきたく、今般、別紙のとおり「都道府県高齢者保健福祉サービス調整支援体制整備指針」を定めたので、これを参考として所要の体制の整備に特段のご配意をお願いしたい。
 本通知の発出に伴い、「高齢者サービス総合調整推進会議等の設置及び運営について」(昭和62年6月18日健政発第329号、健医発第732号、社老第79号)は廃止する。
 なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言として発出するものである。


(別紙)

都道府県高齢者保健福祉サービス調整支援体制整備指針

1 目的

 高齢者の保健、福祉、医療に係る各種サービスに関し、保健部局と福祉部局との連携体制や関係団体との協調関係を確立し、もって市町村の保健、福祉、医療にまたがる総合的なサービス調整への取組みを支援すること。

2 支援体制の整備方策

 上記の目的を実現するための体制の整備については、各都道府県が地域の実情に応じて柔軟に対応していくべきものと考えられるが、その具体的取組み例を示すと、以下のとおりである。

(1)保健、福祉、医療にわたる関係部局、関係団体等との協議の場の確保

ア 保健福祉の実務者等による会議の設置

 保健部局・福祉部局の担当者、保健所・精神保健福祉センター等の専門職のほか、必要に応じ、都道府県レベルの関係団体、有識者、地域住民の代表者等にも協力を求めつつ、実務者レベルの会議を設置する。

イ 会議の役割

(1) 高齢者の保健、福祉、医療に係る各種サービスを総合的に実施していくための企画立案を行う。

(2) 高齢者の保健、福祉、医療に係る各種サービスの情報交換を行う。例えば、各部局等が所管している介護サービス、介護予防・生活支援事業、老人保健事業等の保健福祉サービスや市町村に対する当該サービスに係る補助制度等について情報を交換することが考えられる。

(3) 高齢者の保健、福祉、医療に係る各種サービスの相互調整を行う。例えば、各部局が所管している事業に相互に共通する点がある場合など、一体的な事業運営がより効果的かつ効率的と考えられる場合には、それらの事業が円滑に実施されるよう調整する。

(4) 市町村の開催する地域ケア会議が円滑に運営されるよう、支援を行う。
 例えば、管内市町村の連絡会を開催し、各市町村の地域ケア会議において、利用者本位のサービス提供の観点から制度運用面等で問題となった事案などを話し合う、市町村間での広域的なサービス調整を行うなどの場を提供することなどが考えられる。

(5) その他高齢者の保健、福祉、医療に係る各種サービスの総合的実施に必要な取組みを行う。例えば、市町村からの事業実施に関する照会への対応や市町村の実施する介護支援専門員支援事業等に対する技術的支援において、関係部局間の連携を図ることや、介護支援専門員の支援や資質向上に向けた方策を協議し、推進するための専門の会議を設置することなどが考えられる。

ウ 留意点

 会議の運営に当たっては、「地域リハビリテーション推進事業の実施について」(平成12年3月28日老発第286号)に規定する「都道府県リハビリテーション協議会」等との連携を視野に入れるなど、その円滑な実施に留意されたい。

(2)福祉部局と保健部局との間での協力体制の整備例


(別添)

平成14年度老人クラブ予算の事業別概要

事業名 全国老人クラブ連合会助成費 老人クラブ活動等事業
老人クラブ社会活動事業 市町村老人クラブ連合会が行う健康づくり事業
老人クラブ等事業 都道府県老人クラブ連合会活動事業(仮称)
老人クラブ等活動推進事業 都道府県老人クラブ連合会活動等推進事業
実施主体 全国老人クラブ連合会 老人クラブ(単位) 市町村老人クラブ連合会 都道府県・指定都市老人クラブ連合会 市町村老人クラブ連合会
平成14年度概算要求額 16,569千円 2,565,754千円
40,000千円
434,246千円
事業目的 高齢者によるふれあいと活力ある長寿社会の形成を図る。 老人クラブの会員が、(1)その豊富な人生経験や知識、技能を生かし、生きがいづくり等のための多様な社会活動を行うことを支援 (2)老人クラブを指導する市町村老人クラブ連合会の活動を促進することにより、明るい長寿社会の構築に必要な組織づくりを図る。 老人クラブや市町村老人クラブ連合会の指導を行い、老人クラブ活動の充実と推進を図るとともに、高齢者の社会参加の促進を図る。 高齢者自らが相互に助け合い、支え合う社会システムの実現を目指し、地域での明るい長寿社会づくりを図る。 健康づくりに関する実践活動、健康に関する知識等についての普及・啓発を行う
事業内容 老人クラブ活動の全国展開を促進するため、全国レベルにおいて、(1)老人クラブに対する援助指導 (2)老人クラブに関する調査研究 (3)老人クラブ指導者の養成訓練を実施する。

(事業内容)
○老人クラブ指導者に対する研修
全国老人クラブ活動推進員による老人クラブ活動の推進指

○老人クラブスポーツ指導者に対する研修
○老人クラブ活動の指導、調査研究
高齢者の社会参加活動や生きがいづくり等の各種活動を実施する。

(事業内容)
スポーツ大会の開催
社会奉仕活動の実施
健康教室の実施
老人クラブ(単位)に対する指導を実施する。

(事業内容)
○老人クラブ(活動及び運営)のリーダー養成
○老人クラブの実態把握
(調査研究)
○社会奉仕活動のコーディネート
老人クラブ活動の推進のための各種事業を実施する。

(事業内容)
老人クラブ等活動推進員の設置
○高齢者の社会参加を促進するための企画立案(生きがいと健康づくりに資する)
○社会奉仕活動等の調査研究
○市町村老人クラブ連合会の活動促進・育成指導
都道府県レベルにおいて、老人クラブ会員が、(1)地域の一人暮らし高齢者等の家庭を訪問し、家事援助や対話等の実践を行う (2)地域の高齢者に対し、相互支援の啓発普及・指導を行うことを通じ、高齢者への支援体制づくりを行う。

(事業内容)
○高齢者の相互支援活動に係る広報啓発
モデル市町村老人クラブ連合会の指定及び実践会員の選任
(指定を受けたモデル市町村老人クラブ連合会は、実践会員を中心に実際に訪問活動を行う。
○高齢者相互支援活動研修会の開催
連絡会議の開催
老人クラブ(単位)の健康づくりに対する取り組みを推進するため、市町村老人クラブ連合会が各種事業を実施する。

(事業内容)
○スポーツ活動の実施
○健康に関する講習会の開催


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