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(3)特別徴収の運用について

ア 年金保険者への正確な通知の徹底について

 介護保険制度において、保険料を円滑に徴収することは制度の根幹であり、特に保険料徴収の大多数を占める特別徴収に対する信頼を確保する上でもその適正な運用が何よりも重要である。
 このため、特別徴収の徴収額については、法令に厳格な規定が置かれているところであり、これらの規定に即した適切な運用が求められるものである。
 また、介護保険料の特別徴収を円滑に実施するためには、市町村から年金保険者に対し正確な通知が行われる必要がある。
 しかし、本年度の年金保険者に対する特別徴収依頼の通知に一部誤りがあったため、年金保険者において、特例的な処理を行わざるを得ない事例が見られた。
 具体的には以下のa)〜e)のとおりであるが、いずれの事例も、年金保険者への通知前に市町村において送付データの確認を適切に行うことにより回避できるものと考えられ、例えば、電算システムの運用を外部に委託している市町村においては、データ送付前に各市町村において抽出検査を行うなどの対応も考えられる。
 平成14年度の介護特別徴収依頼の通知に当たっては、以下の事例も参照の上、年金保険者への通知が正確に行われるよう、適切な事務処理の実施について改めて管内市町村に対し周知徹底をお願いしたい。

a)データ構成エラー
 特別徴収義務者ごとに1つにまとめて通知を作成すべきところ、複数に分割し て磁気媒体に収録されていた。

b)日付設定の不備

(1) 作成年月日をすべて0で設定
 当該市町村の大部分のデータの「作成年月日」に日付ではなく0が設定されていた。

(2) 各種年月日をすべて0で作成
 当該市町村の一部のデータの「各種年月日」に日付ではなく0が設定されていた。

(3) 各種年月日と作成年月日の相関エラー
 「各種年月日」は「作成年月日」より前の日付を設定することとしているが(情報交換要領及び介護保険最新情報VOL112号参照)、「各種年月日」が「作成年月日」以後の日付で設定されていた。

c)通知作成誤り(区分設定の誤り)
 一部の市町村から、すべての者が「特別徴収非対象者」(各種区分:03)として通知されていた。

※ 非対象と通知された場合には、特別徴収ができなくなる点に留意すべきである。

d)支払回数割保険料額の設定
 介護保険法及び介護保険法施行規則の規定による算定方法と異なる金額設定を行っている。

(1) 12月以降の徴収額に100円未満の端数がある。
(2) 10月の徴収額が12月の徴収額より少ない。
(3) 10月の徴収額が12月の徴収額より300円以上多い。

e)その他

(1) 平成12年度データをそのまま使用(特別対策による半額のままの保険料額を通知)

(2) 平成13年10月から特別徴収となる新規対象者記載漏れ

(3) 所得段階が変更になり段階が下がった者について、変更前の所得段階で保険料額を算定し、本来額より高い額を通知。

※ (2)、(3)については、今後も生じる可能性のあるものであり、記入漏れや高い額で通知された場合には、特別徴収ができなくなる又は還付が必要となる点に留意すべきである。

イ 特別徴収された保険料の過誤納の取扱い(相続人への還付)について

 第1号被保険者の死亡により生じた特別徴収された保険料の返納については、年金保険者に対する返納分は、年金保険者において、遺族等からの届出を基に過誤納保険料の返納額を確定し、市町村に返納金納入告知書を送付している。
 社会保険庁においては、当該返納金納入告知書を送付する際には、被保険者ごとの返納金額の内訳を記載した「介護保険料返納金内訳書(個人別一覧表)」を添付しているところであるが、現在、当該内訳書においては、社会保険庁に死亡届の提出のあった者で、返納が確定した者のみ記載されているため、社会保険庁に対する返納額がなく全額を相続人に還付するのか、死亡届が社会保険庁に提出されていないなどのために返納処理が行われていないのかの判断が市町村において困難であり、還付事務を執ることができないとの指摘があったところである。
 こうしたご指摘を踏まえ、市町村における過誤納保険料の還付事務(相続人への還付)の円滑な実施に配慮するため、今般、社会保険庁において以下の対応を講じることとしたのでお知らせする。各市町村におかれては、引き続き、過誤納保険料の返納事務の円滑な実施にご配慮いただくとともに、遺族等が「年金受給者死亡届」を速やかに社会保険庁に提出するよう御配慮をお願いする。
 なお、出力処理変更に伴う事務処理の詳細については、「市町村における保険料納入及び過誤納保険料の取扱いに係る事務処理要領」を改正し、追って社会保険庁より通知される予定である。

○ 過誤納介護保険料の返納告知事務に係る「介護保険料返納金内訳書(個人別一覧 表)」の出力処理の変更内容

※ 現行仕様では、下記の過誤納保険料の還付先の[II][III]を返納告知分として出力対象としていた。((参考1)介護保険料返納金内訳書(個人別一覧表の出力例(現行))

a)「介護保険料返納金内訳書(個人別一覧表)」において、これまでも記載されてきた返納告知分に加え、返納不要分についても別出力する仕様に変更する。

(1) 社会保険庁に対する返納金が0円の者について、返納金額を0円で出力し、市町村に回付する。
  • [I]のみの場合について、その者を出力対象とし、返納金を0円で出力する。
  • 返納告知分に続けて別出力する。(市町村毎)

(2) 社会保険庁に対し、返納金が0円の特別徴収期が存在する者について、返納金額を0円で出力し市町村に回付する。

  • [I]+[III]の場合に、返納金が0円の特別徴収期についても出力対象とし、返納金額を0円で出力する。
  • 返納告知分に続けて別出力する。(市町村毎)

 (実施予定時期)平成14年6月

b) 平成14年5月以前分の該当者についても、同様に返納金額を0円で一括出力し、市町村に回付する。

 (実施予定時期)平成14年8月 (8月分返納告知と同時送付)

(参考)過誤納保険料の還付先
死亡日前に支払われた年金から特別徴収された過誤納保険料 特別徴収対象被保険者の相続人に還付
死亡日の翌日以降、死亡日の属する月の翌月までの間に支払われた年金から特別徴収された過誤納保険料 [I]死亡した特別徴収対象被保険者に未支給年金請求者がいる場合
  → 相続人に還付
[II]死亡した特別徴収対象被保険者に未支給年金請求者がいない場合
  → 年金保険者に還付
死亡日の属する月の翌々月以降に支払われた
年金から特別徴収された過誤納保険料
[III]年金保険者に還付

介護保険料返納金内訳書(個人別一覧表) ・・PDF (1〜2ページ(PDF:(515KB)
3ページ(PDF:212KB))


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