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「日本アイ・ビー・エム株式会社」の投資教育の事例について

「日本アイ・ビー・エム株式会社」の投資教育の事例について

1.企業のプロフィール

名称 日本アイ・ビー・エム株式会社
設立年月日 昭和12年6月17日
業種 電気機械器具製造業
従業員数 平成15年12月31日現在
約20,000名(男16,600名、女3,400名)
平均年齢 34.2歳

2.導入している年金制度等について

(1) 企業年金等の導入状況 (平成15年12月31日現在)

〔給付費の割合〕 〔加入者数〕
・確定拠出年金 ------ 15,000名
・確定給付年金 ------ 20,000名

(2) 確定拠出年金制度の導入理由

日本アイ・ビー・エム株式会社では、平成14年に退職金制度の見直しを行い、厚生労働省の認可のもと、以下のとおり新しい退職金制度を導入した。

  1. 確定拠出年金法に基づく確定拠出年金制度(以下DC)
  2. 確定給付企業年金法に基づくキャッシュバランス型年金制度(規約型)(以下CB)

日本の経済が成長するためには、産業構造の変革が必要不可欠であり、そのためにはこれからの経済発展を支える新しい産業分野への労働力のシフトが求められている。これを実現するには、雇用の流動化を促進することが必要であろう。また一方では、働く側の意識やキャリアに対する考え方も、年々多様化しており、従来のように定年になるまで一つの会社で勤めることを望む社員は必ずしも多数とは言えなくなってきた。

このような環境のもと、新しい社会的ニーズへの対応を目的として企業の年金制度にかかわる二つの法律が相次いで制定された。一つは「確定拠出年金法」で、会社が資金を拠出しその運用は個人毎に行うという、新しい年金制度の要件を法的に定めたものである。これにより、年金資産の企業間での持ち運びが可能になった。もう一つは「確定給付企業年金法」である。これにより、資産状況のディスクロージャーが強化されるとともに、給付額が経済状況に応じて決定される制度も認められることになった。同時に、現行の適格退職年金制度については10年以内に廃止し、新しい制度に移行することが義務付けられた。

一方、現行の退職年金制度は、いずれも市場金利がある程度の水準で、かつ変動の範囲が限られている環境を前提に法制化され設定された制度である。ところが今日のような、従来想定し得なかった低金利の時期には、これらの制度の運営に問題が生じてきている。特に、年金資産を運用しながら支払いを行っていくという仕組みは、金利が低く、かつ株価も低迷するという環境下では、うまく機能しなくなってきている。

このようなことから、当社では既存の退職金制度を抜本から見直すこととした。

(3) 導入前後の体系図(ポンチ絵)及び制度改定の考え方

導入前後の体系図

具体的には、実施日以後の期間に係る給付の一部をDCに移行し、実施日前に係る期間の給付の全部と実施日以後の期間に係る給付のうちDCに移行した部分以外の給付をCBに移行した。両制度はセットで社員に適用されるものであり、どちらかを選択するのではない。なお、制度実施日以前は、定年退職者に対する退職金制度として適格退職年金が、中途退職者に対しては中途退職一時金制度が用意されていた。

(4) 導入した確定拠出年金の仕組み

制度を開始時に、個人ごとに運用のための口座が設定される。会社は毎月18,000円を、それぞれの口座に拠出する。個人は、あらかじめ用意された運用商品の中からひとつないしは複数を選び、拠出された資金の運用を行う。

運営管理機関は、複数の候補機関にプレゼンテーションを依頼し、運営コストはもちろんであるが、サービス内容・レベル(Webの内容、社員からの質問への対応、サービス時間帯等)を総合的に判断し決定した。

運用商品は、元本確保型商品14本、元本が確保されていない商品が7本の計21本が用意され、その中で個人の判断により組み合わせを決めることになる。なお、資産運用に関する手数料は社員の負担であるが、その他の費用は原則として会社負担である。参考までに、運用商品のメニューの組み合わせは、WebやCall Centerを通じていつでも変更することができる。

このようにして、拠出と運用を継続し、退職時に積みあがった額が給付額となるが、この制度での資産形成を望まない社員、または老後の生活設計よりも現在の収入を重視したい場合は、拠出相当額を賞与時に現金で受け取ることが可能である。

3.投資教育について

(1) 企業における投資教育に対する基本的考え方(運営管理機関との役割分担、事業主として実施する事項等に関する企業としての考え方を含む。)

DCは社員の自らがその運用を行うものである。その意味では、今までのように会社が全てを抱えるのではなく、社員が自ら考え行動を起こす必要が今まで以上に必要である。その趣旨から、投資教育においては以下のような考えで実施している

<会社の役割>

投資教育に関する必要最低限の情報発信および社員へ啓蒙活動

<運営機関の役割>

投資教育に関するより詳細な情報の提供

投資に関する社員から寄せられる質問・疑問への対応

(2) 投資教育の具体的取組

<制度導入時>

IBMでは、全ての情報の発信はWebで実施しており、また既存のe-learning等を通じてWebでの情報取得に社員はあまり違和感を持っていない。したがって、制度導入時は集合研修を実施するのでなく、Webを通じた情報提供で実施した。当然、制度を理解していく中で様々な疑問・質問が出てくる。その際は、運営機関のほうで提供されるWeb Siteでの情報提供やCall Centerを通じて疑問・質問を解消していくことになる。なお、運営管理機関にお願いし、e-mailでの質問も可能にしている点がIBMの特徴であるかもしれない。

<継続時>

継続的にDCに興味を持たせるために、Webを通じ定期的に情報を発信している。この場合、社員の目を引くよう、WebのTop Pageの目立つところに情報を掲載するなどの工夫をしている。

<投資教育の課題>

いかに継続的に社員に興味を持たせるかにつきると考える。集合研修を定期的に実施することが一番効果があるかもしれないが、投資についての考え方およびレベルは様々であること、日本国内に100箇所の事業所あることを考えると物理的に不可能である。したがって、会社としての投資教育は以下を課題として認識している

  1. 定期的な情報発信の継続および啓蒙活動
  2. いつでもどこでも情報を入手できる環境の整備。
  3. 質問・疑問に即座に対応できる体制強化

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