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ミルベメクチン及びレピメクチン試験法(農産物)


1. 分析対象化合物
 

農薬等の成分である物質

分析対象化合物

ミルベメクチン

ミルベメクチンA3
(10E,14E,16E,22Z)-(1R,4S,5'S,6R,6'R,8R,13R,20R,21R,24S)-21,24-ジヒドロキシ5',6',11,13,22-ペンタメチル-3,7,19-トリオキサテトラシクロ[15.6.1.14,8.020,24]ペンタコサ-10,14,16,22-テトラエン-6-スピロ-2'-テトラヒドロピラン-2-オン

ミルベメクチンA4
(10E,14E,16E,22Z)-(1R,4S,5'S,6R,6'R,8R,13R,20R,21R,24S)-6'-エチル-21,24-ジヒドロキシ-5',11,13,22-テトラメチル-3,7,19-トリオキサテトラシクロ[15.6.1.14,8.020,24]ペンタコサ-10,14,16,22-テトラエン-6-スピロ-2'-テトラヒドロピラン-2-オン

レピメクチン

L.A3(レピメクチンA3)
(10E,14E,16E)-(1R,4S,5'S,6R,6'R,8R,12R,13S,20R,21R,24S)-21,24-ジヒドロキシ-5',6',11,13,22-ペンタメチル-2-オキソ-3,7,19-トリオキサテトラシクロ[15.6.1.14,8.020,24]ペンタコサ-10,14,16,22-テトラエン-6-スピロ-2'-テトラヒドロピラン-12-イル(Z)-2-メトキシイミノ-2-フェニルアセタート

L.A4(レピメクチンA4)
(10E,14E,16E)-(1R,4S,5'S,6R,6'R,8R,12R,13S,20R,21R,24S)-6'-エチル-21,24-ジヒドロキシ-5',11,13,22-テトラメチル-2-オキソ-3,7,19-トリオキサテトラシクロ[15.6.1.14,8.020,24]ペンタコサ-10,14,16,22-テトラエン-6-スピロ-2'-テトラヒドロピラン-12-イル(Z)-2-メトキシイミノ-2-フェニルアセタート


2. 装置
 蛍光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ(HPLC-FL)

3. 試薬、試液
 次に示すもの以外は、総則の3に示すものを用いる。
 無水トリフルオロ酢酸 無水トリフルオロ酢酸(特級)
 ミルベメクチンA3標準品 本品はミルベメクチンA3 95%以上を含む。
 ミルベメクチンA4標準品 本品はミルベメクチンA4 95%以上を含む。
 レピメクチン標準品 本品はレピメクチン 97%以上を含む。

4. 試験溶液の調製
1)抽出
(1)穀類、豆類及び種実類の場合
 試料10.0 gに水20 mLを加え、30分間放置する。これにアセトン100 mLを加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にアセトン50 mLを加えてホモジナイズした後、上記と同様にろ過する。得られたろ液を合わせて、アセトンで正確に200 mLとする。この20 mLを採り、40℃以下で濃縮し、アセトンを除去する。10%塩化ナトリウム溶液100 mLを加え、酢酸エチル及びn-ヘキサン(1:4)混液50 mLで2回振とう抽出する。抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムを加えて脱水し、無水硫酸ナトリウムをろ別した後、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にn-ヘキサン30 mLを加え、n-ヘキサン飽和アセトニトリル30 mLで2回振とう抽出する。抽出液を合わせ、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にアセトン及びn-ヘキサン(1:19)混液5 mLを加えて溶かす。

(2)果実及び野菜の場合
 試料20.0 gにアセトン100 mLを加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にアセトン50 mLを加えてホモジナイズした後、上記と同様にろ過する。得られたろ液を合わせて、アセトンで正確に200 mLとする。この10 mLを採り、40℃以下で濃縮し、アセトンを除去する。10%塩化ナトリウム溶液100 mLを加え、酢酸エチル及びn-ヘキサン(1:4)混液50 mLで2回振とう抽出する。抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムを加えて脱水し、無水硫酸ナトリウムをろ別した後、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にアセトン及びn-ヘキサン(1:19)混液5 mLを加えて溶かす。

(3)茶の場合
 試料5.00 gに水20 mLを加え、30分間放置する。これにアセトン100 mLを加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にアセトン50 mLを加えてホモジナイズした後、上記と同様にろ過する。得られたろ液を合わせて、アセトンで正確に200 mLとする。この40 mLを採り、40℃以下で濃縮し、アセトンを除去する。10%塩化ナトリウム溶液100 mLを加え、酢酸エチル及びn-ヘキサン(1:4)混液50 mLで2回振とう抽出する。抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムを加えて脱水し、無水硫酸ナトリウムをろ別した後、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にアセトン及びn-ヘキサン(1:19)混液5 mLを加えて溶かす。

2)精製
 グラファイトカーボンミニカラム(500 mg)の下にシリカゲルミニカラム(690 mg)を連結し、アセトン及びn-ヘキサン各10 mLを順次注入し、流出液は捨てる。このカラムに1)で得られた溶液を注入した後、アセトン及びn-ヘキサン(1:19)混液15 mLを注入し、流出液は捨てる。次いで、アセトン及びn-ヘキサン(3:7)混液30 mLを注入し、溶出液を40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にトルエン1 mLを加えて溶かす。

3)蛍光誘導体化
 2)で得られた溶液にトリエチルアミン0.05 mL及び無水トリフルオロ酢酸0.1 mLを加えて密栓し、40℃で30分間緩やかに振とう後、トリエチルアミン0.05 mLを加え、窒素気流下で溶媒を除去する。この残留物をメタノールに溶解し、正確に5 mLとしたものを試験溶液とする。

5. 検量線の作成
1)ミルベメクチンについて
 ミルベメクチンA3標準品及びミルベメクチンA4標準品の混合標準溶液(各2 mg/Lアセトニトリル溶液)を調製する。混合標準溶液1 mLを採り窒素気流下で溶媒を除去した後、トルエン1 mLを加えて溶かし、4.試験溶液の調製3)蛍光誘導体化と同様の操作を行い、蛍光誘導体の検量線用メタノール溶液を調製する。この溶液を希釈してメタノール溶液を数点調製し、それぞれHPLC-FLに注入し、ピーク高法もしくはピーク面積法で検量線を作成する。なお、本法に従って試験溶液を調製した場合、試料中0.01 mg/kgに相当する試験溶液中濃度は各0.002 mg/Lである。
2)レピメクチンについて
 レピメクチン標準品の2 mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、その1 mLを採り窒素気流下で溶媒を除去した後、トルエン1 mLを加えて溶かし、4.試験溶液の調製3)蛍光誘導体化と同様の操作を行い、蛍光誘導体の検量線用メタノール溶液を調製する。この溶液を希釈してメタノール溶液を数点調製し、それぞれHPLC-FLに注入し、レピメクチンA3及びレピメクチンA4の両ピークの高さ又は面積の合計を用いて、ピーク高法もしくはピーク面積法で検量線を作成する。なお、本法に従って試験溶液を調製した場合、試料中0.01 mg/kgに相当する試験溶液中濃度は0.002 mg/Lである。

6. 定量
 試験溶液をHPLC-FLに注入し、5の検量線でミルベメクチンA3、ミルベメクチンA4及びレピメクチンの含量を求める。

7. 確認試験
 HPLC-FLにより確認する。

8. 測定条件
 (例)
 検出器:FL(励起波長368 nm、蛍光波長460 nm)
 カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル、内径4.6 mm、長さ150 mm、粒子径5 μm
 カラム温度:40℃
 移動相:アセトニトリル及び水(9:1)混液
 注入量:20 μL
 保持時間の目安:
  ミルベメクチンA3;14分
  ミルベメクチンA4;18分
  レピメクチンA3;13分
  レピメクチンA4;15分

9. 定量限界
 0.01 mg/kg

10. 留意事項
1)試験法の概要
 ミルベメクチン(ミルベメクチンA3及びミルベメクチンA4)及びレピメクチン(レピメクチンA3及びレピメクチンA4)を試料からアセトンで抽出し、酢酸エチル及びn-ヘキサン(1:4)混液で転溶した後、穀類、豆類及び種実類はアセトニトリル/ヘキサン分配で脱脂する。グラファイトカーボン/シリカゲル連結ミニカラムで精製した後、蛍光誘導体化しHPLC-FLで定量及び確認する方法である。

2)注意点
(1)蛍光誘導体化において、30分間振とう後に添加するトリエチルアミンは、誘導体化反応を停止するために加える。誘導体化後に溶媒を除去した後、残留物が0.1〜0.2 mL程度残る。また、蛍光誘導体は不安定であることから、蛍光誘導体化後の操作は速やかに行い、測定まで即日で行うと良い。
(2)確認条件
 検出器:蛍光光度型検出器(励起波長368 nm、蛍光波長460 nm)
 カラム:フェニル結合型シリカゲル、内径4.6 mm、長さ250 mm、粒子径5 μm
 カラム温度:40℃
 移動相:アセトニトリル及び水の混液(3:1)
 保持時間の目安:
  ミルベメクチンA3;13分
  ミルベメクチンA4;15分
  レピメクチンA3;16分
  レピメクチンA4;18分
 なお、試験法開発時にLC-MS/MSでの確認条件も検討したが、十分な感度が得られなかった。
(3)試験法開発時には、レピメクチンA3及びレピメクチンA4それぞれの標準品を入手できなかったため、両者の混合標準品(それぞれの割合はレピメクチンA3が20%以下、レピメクチンA4が80%以上のもの)を用いて両ピークの合計値で定量を行った。レピメクチンA3及びレピメクチンA4の各標準品が入手可能な場合には、それぞれの含量を求めその和を分析値とする。

11. 参考文献
 旧環境省告示ミルベメクチン試験法

12. 類型
 C


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