バリダマイシン試験法(農産物)


1.分析対象化合物
  バリダマイシン

2.装置
  液体クロマトグラフ・質量分析計(LC/MS)

3.試薬、試液
  次に示すもの以外は、総則の3に示すものを用いる。
  バリダマイシン標準品 本品はバリダマイシン90%以上を含む。

4.試験溶液の調製
1) 抽出
  穀類及び豆類の場合は、試料10.0gを量り採り、水20 mLを加えて2時間放置する。
  果実、野菜及びハーブの場合は、試料20.0gを量り採る。
  これに水及びメタノール(1:9)混液100 mLを加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物に水及びメタノール(1:9)混液50 mLを加えてホモジナイズし、上記と同様にろ過する。ろ液を合わせ、40℃以下で約20 mLに濃縮する。

2) 精製
(1) スチレンジビニルベンゼン共重合体カラムクロマトグラフィー
  スチレンジビニルベンゼン共重合体ミニカラム(500 mg)にメタノール5mL及び水5mLを順次注入し、各流出液は捨てる。このカラムに1)で得られた溶液を注入し、さらに水10 mLを注入し、溶出液を合わせ、水を加えて正確に200 mLとする。

(2) グラファイトカーボンカラムクロマトグラフィー
  グラファイトカーボンミニカラム(500 mg)にメタノール10 mL及び水10 mLを順次注入し、各流出液は捨てる。このカラムに (1)で得られた溶液5mLを注入し、流出液は捨てる。さらに、水10 mLを注入し、流出液は捨てる。次いで、メタノール20 mLを注入し、溶出液を40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物を水に溶解し、正確に5mL(穀類及び豆類の場合は、2.5 mL)としたものを試験溶液とする。

5.検量線の作成
  バリダマイシン標準品の 0.005〜0.1 mg/L水溶液を数点調製し、それぞれ5μLをLC/MSに注入し、ピーク高法又はピーク面積法で検量線を作成する。

6.定量
  試験溶液5μLをLC/MSに注入し、5の検量線でバリダマイシンの含量を求める。

7.確認試験
    LC/MSにより確認する。

8.測定条件
  LC/MS
  カラム:トリアコンチルシリル化シリカゲル(粒径5μm)、内径2.0 mm、長さ150 mm
  カラム温度:40℃
  移動相:アセトニトリル及び0.01 mol/L酢酸アンモニウム溶液(1:99)混液
  移動相流速:0.2 mL/分
  イオン化モード:ESI(+)
  主なイオン (m/z):498
  保持時間の目安:8分

9.定量限界
  0.05 mg/kg

10.留意事項
1)試験法の概要
  バリダマイシンを試料から含水メタノールで抽出し、スチレンジビニルベンゼン共重合体ミニカラム及びグラファイトカーボンミニカラムで精製した後、LC/MSで測定及び確認する方法である。

2)注意点
(1) スチレンジビニルベンゼン共重合体カラムクロマトグラフィーの代わりに −ヘキサンで洗浄する方法がある。その場合は、濃縮液に水を加えて80 mLとし、これに −ヘキサン50 mLを加えて、振とう洗浄する。精製効果はカラムクロマトグラフィーと大きな差はない。
(2)グラファイトカーボンカラムクロマトグラフィーでは、試料負荷量を大幅に増やすと、バリダマイシンの溶出率が低下するので、注意が必要である。
(3) バリダマイシンは糖鎖構造を持つ高極性化合物であるため、LCの分離カラムとしてはC18(オクタデシルシリル化シリカゲル)カラムよりもC30(トリアコンチルシリル化シリカゲル)カラムが適している。
(4) LC/MS測定において、バリダマイシン溶出後に妨害成分が溶出されることがある。このような場合は、アセトニトリル及び0.01 mol/L酢酸アンモニウム溶液(1:1)混液を通液して洗浄すると良い。

11.参考文献
  なし

12.類型
  D(未発表資料)

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