ジヒドロストレプトマイシン及びストレプトマイシン試験法(農産物)

1.分析対象化合物
 ジヒドロストレプトマイシン
 ストレプトマイシン

2.装置
 液体クロマトグラフ・質量分析計(LC/MS)

3.試薬、試液
 次に示すもの以外は、総則の3に示すものを用いる。
 クエン酸緩衝液(pH3) クエン酸(一水和物)16.6gとリン酸二ナトリウム(十二水和物)14.8gを量り、水を加えて1,000 mLとする。
 リン酸緩衝液(pH7) リン酸一カリウム2.713gを量り、水を加えて1,000 mLとし、1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpH7に調整する。
 硫酸ジヒドロストレプトマイシン標準品 本品1,000 mgはジヒドロストレプトマイシン0.720 mg力価以上を含む。
 硫酸ストレプトマイシン標準品 本品1,000 mgはストレプトマイシン0.718 mg力価以上を含む。

4.試験溶液の調製
1)抽出
 試料20.0gを量り採り、1%メタリン酸溶液100 mL及びジクロロメタン50 mLを加え、ホモジナイズした後、毎分3,000回転で遠心分離を行う。水層を採り、ジクロロメタン層及び残留物に1%メタリン酸溶液50 mLを加えてホモジナイズし、上記と同様に遠心分離を行う。よく振り混ぜた後、上記と同様に遠心分離を行う。得られた水層を先の水層に合わせ、これをろ過した後、1%メタリン酸溶液を加えて正確に200 mLとする。

2)精製
(1) オクタデシルシリル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー
 オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(360 mg)にメタノール及び1%メタリン酸溶液各5mLを順次注入し、各流出液は捨てる。このカラムに1)で得られた抽出溶液の20 mLを注入した後、1%メタリン酸溶液5mLを注入する。全溶出液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpH7に調整する。

(2) カルボキシジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体カラムクロマトグラフィー
 カルボキシジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(150 mg)に−ヘキサン、メタノール及びリン酸緩衝液(pH7)各5mLを順次注入し、各流出液は捨てる。このカラムに(1)で得られた溶液を注入した後、さらにリン酸緩衝液(pH7)及びメタノール各10 mLを順次注入し、各流出液は捨てる。次いでクエン酸緩衝液(pH3)10 mLを注入する。この溶出液に0.1 mol/Lヘプタンスルホン酸ナトリウム溶液2mLを加える。

(3) オクタデシルシリル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー
 オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(360 mg)にメタノール5mLを注入し、流出液は捨てる。次いで0.1 mol/Lヘプタンスルホン酸ナトリウム溶液及び水(1:5)混液6mLを注入し、流出液は捨てる。このカラムに(2)で得られた溶液を注入した後、水10 mLを注入し、流出液は捨てる。次いでメタノール10 mLを注入し、溶出液を40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物をアセトニトリル及び0.005 mol/Lヘプタフルオロ酪酸溶液(1:9)混液に溶解し、正確に1mLとしたものを試験溶液とする。

5.検量線の作成
 ジヒドロストレプトマイシン10.0 mg(力価)に相当する硫酸ジヒドロストレプトマイシン標準品及びストレプトマイシン10.0 mg(力価)に相当する硫酸ストレプトマイシン標準品をそれぞれ水に溶解して100 mLとしたものを標準原液とする。これらをアセトニトリル及び0.005 mol/Lヘプタフルオロ酪酸溶液(1:9)混液で希釈し、0.02〜0.4 mg/L混合溶液を数点調製し、それぞれ5μLをLC/MSに注入し、ピ−ク高法又はピ−ク面積法で検量線を作成する。

6.定量
 試験溶液5μLをLC/MSに注入し、5の検量線でジヒドロストレプトマイシン及びストレプトマイシンの含量を求め、両者の和を分析値とする。

7.確認試験
 LC/MSにより確認する。

8.測定条件
 LC/MS
  カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル(粒径5μm)、内径2mm、長さ100 mm、
  カラム温度:40℃
  移動相:アセトニトリル及び0.005 mol/Lヘプタフルオロ酪酸溶液(1:9)混液
  イオン化モード:ESI(+)
  主なイオン(m/z):ジヒドロストレプトマイシン 584、263
ストレプトマイシン 582、263
  保持時間の目安:ジヒドロストレプトマイシン 18分
ストレプトマイシン 17分

9.定量限界
 各0.01 mg/kg

10.留意事項
1)試験法の概要
 ジヒドロストレプトマイシン及びストレプトマイシンを試料からメタリン酸で抽出すると同時にジクロロメタンで洗浄する。オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム、カルボキシジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム及びオクタデシルシリル化シリカゲルミニカラムにより精製した後、LC/MSで測定及び確認する方法である。

2)注意点
(1) カルボキシジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体カラムクロマトグラフィーでは試料溶液注入前に、−ヘキサン、メタノール及びリン酸緩衝液(pH7)各5mLをあらかじめ流下させ洗浄したものを使用するが、−ヘキサンを流下させた後に十分吸引を行い、−ヘキサンを除去した後にメタノールを流下させる。
(2) LC/MSにおいてフラグメントイオンであるm/z=263で測定する場合、機種によっては親イオン(m/z=582、584)に比べ低感度になることがある。その場合はフラグメンテーションを促進させるパラメータを変更する、注入量を増やす等の対応を行う。

11.参考文献
 厚生労働省通知第0124001号「食品に残留する農薬、飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質の試験法について」(ジヒドロストレプトマイシン、ストレプトマイシン、スペクチノマイシン及びネオマイシン試験法)(平成17年1月24日)

12.類型
 C

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