ニコチン試験法(農産物)

1.分析対象化合物
 ニコチン

2.装置
 ガスクロマトグラフ・質量分析計(GC/MS)

3.試薬、試液
 次に示すもの以外は、総則の3に示すものを用いる。
 酢酸ブチル 酢酸ブチル(特級)
 ニコチン標準品 本品はニコチン99%以上を含む。
 [2H]メチルニコチン標準品 本品は[2H]メチルニコチン98%以上を含む。

4.試験溶液の調製
 試料3〜5gを正確に量り採り、内標準物質として[2H]メチルニコチン82 ngを添加し、よく混和する。これに、アンモニア水1mLを加えて、 pH12に調整し、トルエン3mLを加え、15時間振とう抽出する。4,200回転で遠心分離し、トルエン層2mLを採る。これに0.05 mol/L塩酸1mLを加え、1分間激しく混合し、水層0.7〜0.8 mLを採り、これに5mol/L水酸化ナトリウム溶液3滴及びトルエン0.5 mLを加え、1分間激しく混合する。トルエン層を採り、これを試験溶液とする。

5.検量線の作成
 ニコチン標準品及び[2H]メチルニコチンを0.01%トリエチルアミン含有酢酸ブチルに溶解し、それぞれ100 mg/L溶液を調製する。これらの溶液を混合し、0.01%トリエチルアミン含有酢酸エチルで希釈して、ニコチン 12〜240 ng/mL([2H]メチルニコチン各 82 ng/mL含有)溶液を数点調製する。標準原液は暗所に冷凍保存し、使用の直前に希釈する。それぞれ2μLをGC/MSに注入し、ニコチンと[2H]メチルニコチンのピーク高比又はピーク面積比を求め、検量線を作成する。

6.定量
 試験溶液2μLをGC/MSに注入し、5の検量線でニコチンの含量を求める。

7.確認試験
 GC/MSにより確認する。

8.測定条件
 GC/MS
 カラム:5%フェニル−メチルシリコン、内径 0.25 mm、長さ 30 m、膜厚 0.25μm
 カラム温度:70℃(1分)−25℃/分−280℃(3分)
 注入口温度:235℃
 検出器温度:280℃
 イオン化モード(電圧): EI(70 eV)
 主なイオン(m/z):ニコチン 162、133、84、[2H]メチルニコチン 165、136、87
 保持時間の目安:6分(ニコチン及び[2H]メチルニコチンの保持時間はほぼ同じ)

9.定量限界
 0.01 mg/kg

10.留意事項
1)試験法の概要
 内標準物質として[2H]メチルニコチンを添加した試料から、塩基性条件下でニコチンをトルエンで抽出し、酸性条件下で水に転溶する。再度塩基性条件下でトルエンに転溶し、GC/MSで測定及び確認する方法である。

2) 注意点
(1) 遠心分離を行ってもトルエン層が分離しにくい場合は、塩化ナトリウムを少量加えて混ぜ、再度遠心分離する。
(2) 夾雑物が少ない試料では、遠心分離後の液々分配による精製を省略することができる。
(3) 液々分配において、水層の分離が悪い場合は、遠心分離を行うとよい。
(4) 不活性化処理したライナーに、不活性化処理したガラスウールを詰めて使用する。ライナーを交換した後は、120 ng/mLのニコチンと82 ng/mLの内標準を含む標準溶液を10〜15回注入することにより装置を安定化させる必要がある。
(5) 環境中のニコチンによる試薬や装置の汚染の可能性があるので、事前に確認する必要がある。

11.参考文献
 なし

12.類型
 D( Siegmund, B., et.al., Development of a simple sample preparation technique for gas chromatographic-mass spectrometric determination of nicotine in edible nightshades (Solanaceae), Journal of Chromatography A, 840,249-260,1999)

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