イオドスルフロンメチル、エタメツルフロンメチル、エトキシスルフロン、シノスルフロン、スルホスルフロン、トリアスルフロン、ニコスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、プリミスルフロンメチル、プロスルフロン及びリムスルフロン試験法(農産物)

1.分析対象化合物
農薬等の成分である物質 分析対象化合物
イオドスルフロンメチル イオドスルフロンメチル及びイオドスルフ
ロンメチルナトリウム塩
エタメツルフロンメチル エタメツルフロンメチル
エトキシスルフロン エトキシスルフロン
シノスルフロン シノスルフロン
スルホスルフロン スルホスルフロン
トリアスルフロン トリアスルフロン
ニコスルフロン ニコスルフロン
ピラゾスルフロンエチル ピラゾスルフロンエチル
プリミスルフロンメチル プリミスルフロンメチル
プロスルフロン プロスルフロン
リムスルフロン リムスルフロン

2.装置
 液体クロマトグラフ・質量分析計(LC/MS)

3.試薬、試液
 次に示すもの以外は、総則の3に示すものを用いる。
 酸性アルミナミニカラム(1,710 mg) 内径9〜10 mmのポリエチレン製のカラム管に、酸性アルミナ 1,710 mgを充てんしたもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる。
 ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(500 mg) 内径12〜13 mmのポリエチレン製のカラム管に、ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体500 mgを充てんしたもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる。
 イオドスルフロンメチル標準品 本品はイオドスルフロンメチルナトリウム塩92%以上を含み、融点は152℃である。
 エタメツルフロンメチル標準品 本品はエタメツルフロンメチル98%以上を含み、融点は194℃である。
 エトキシスルフロン標準品 本品はエトキシスルフロン97%以上を含み、融点は144〜147℃である。
 シノスルフロン標準品 本品はシノスルフロン97%以上を含み、融点は127〜135℃である。
 スルホスルフロン標準品 本品はスルホスルフロン98%以上を含み、融点は201〜202℃である。
 トリアスルフロン標準品 本品はトリアスルフロン97%以上を含み、融点は178℃である。
 ニコスルフロン標準品 本品はニコスルフロン98%以上を含み、融点は169〜172℃である。
 ピラゾスルフロンエチル標準品 本品はピラゾスルフロンエチル98%以上を含み、融点は178〜180℃である。
 プリミスルフロンメチル標準品 本品はプリミスルフロンメチル99%以上を含み、融点は195〜197℃である。
 プロスルフロン標準品 本品はプロスルフロン98%以上を含み、融点は155℃である。
 リムスルフロン標準品 本品はリムスルフロン99%以上を含み、融点は172〜173℃である。

4.試験溶液の調製
1)抽出
 穀類、豆類及び種実類の場合は試料 10.0gを量り採り、水30 mLを加え、2時間放置する。果実、野菜及びハーブの場合は試料 20.0gを量り採る。
 これにアセトン 100 mLを加え、60分間(果実、野菜及びハーブの場合は 30分間)振とうした後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物に、アセトン50 mLを加え、洗いこみ、上記と同様にろ過する。ろ液を合わせ、40℃以下で約30 mLに濃縮する。
 これに10%塩化ナトリウム溶液100 mL及び1mol/L塩酸10 mLを加え、酢酸エチル50 mLずつで2回振とう抽出する。抽出液を合わせ、-ヘキサン100 mLを加え、2%リン酸水素二カリウム溶液50 mLずつで2回振とう抽出する。この抽出液に塩化ナトリウム10g及び6mol/L塩酸3mLを加え、酢酸エチル50 mLずつで2回振とう抽出する。抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムを加えて脱水し、無水硫酸ナトリウムをろ別した後、ろ液を40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、正確に10 mL(果実、野菜及びハーブの場合は20 mL)とする。

2)精製
(1) 酸性アルミナカラムクロマトグラフィー
 酸性アルミナミニカラム(1,710 mg)にアセトニトリル10 mL及びアセトン10 mLを順次注入し、各流出液は捨てる。このカラムに1)で得られた溶液の2mLを注入した後、流出液は捨てる。さらに、アセトン8mL及びアセトニトリル20 mLを順次注入し、各流出液は捨てる。次いで、アセトニトリル及び水(9:1)混液10 mLを注入する。溶出液を40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物に水10 mLを加えて溶かす。

(2) ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体カラムクロマトグラフィー
 ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(500 mg)にメタノール10 mL及び水10 mLを順次注入し、各流出液は捨てる。このカラムに(1)で得られた溶液を注入した後、流出液は捨てる。さらに、水及びメタノール(4:1)混液10 mLを注入し、流出液は捨てる。次いで、メタノール15 mLを注入し、溶出液を 40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物をアセトニトリル及び水(1:1)混液に溶解し、正確に1mLとしたものを試験溶液とする。

5.検量線の作成
 イオドスルフロンメチル、エタメツルフロンメチル、エトキシスルフロン、シノスルフロン、スルホスルフロン、トリアスルフロン、ニコスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、プリミスルフロンメチル、プロスルフロン及びリムスルフロンの各標準品の0.02〜0.4 mg/Lアセトニトリル及び水(1:1)混液混合溶液を数点調製し、それぞれ4μLをLC/MSに注入し、ピーク高法又はピーク面積法で検量線を作成する。

6. 定量
 試験溶液4μLをLC/MSに注入し、5の検量線でイオドスルフロンメチル、エタメツルフロンメチル、エトキシスルフロン、シノスルフロン、スルホスルフロン、トリアスルフロン、ニコスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、プリミスルフロンメチル、プロスルフロン及びリムスルフロンの含量を求める。
 イオドスルフロンメチルにあっては、係数0.96を乗じてナトリウム塩からイオドスルフロンメチルへの換算を行う。

7.確認試験
 LC/MSにより確認する。

8.測定条件
LC/MS
1)エタメツルフロンメチル、エトキシスルフロン、シノスルフロン、スルホスルフロン、トリアスルフロン、ニコスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、プリミスルフロンメチル及びリムスルフロンの場合
 カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル(粒径5μm) 内径 2〜3mm、長さ150 mm
 カラム温度:40℃
 移動相:1%ギ酸からアセトニトリル及び1%ギ酸(19:1)混液までの濃度勾配を 20分間で行う。
 イオン化モード:ESI(+)
 主なイオン(m/z):エタメツルフロンメチル及びニコスルフロン;411、エトキシスルフロン;399、シノスルフロン;414、スルホスルフロン;471、トリアスルフロン;402、ピラゾスルフロンエチル;415、プリミスルフロンメチル;469、リムスルフロン;432
 保持時間の目安:プリミスルフロンメチル 20分

2) イオドスルフロンメチル及びプロスルフロンの場合
 カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル(粒径5μm) 内径2〜3mm、長さ150 mm
 カラム温度:40℃
 移動相:1%ギ酸からアセトニトリル及び1%ギ酸(19:1)混液までの濃度勾配を 20分間で行う。
 イオン化モード:ESI(−)
 主なイオン(m/z):イオドスルフロンメチル;506、プロスルフロン;418
 保持時間の目安:プロスルフロン 19.5分

9.定量限界
 0.01 mg/kg

10.留意事項
1)試験法の概要
 イオドスルフロンメチル、エタメツルフロンメチル、エトキシスルフロン、シノスルフロン、スルホスルフロン、トリアスルフロン、ニコスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、プリミスルフロンメチル、プロスルフロン及びリムスルフロンを試料からアセトンで抽出し、酸性下で酢酸エチルに転溶し、リン酸水素二カリウム溶液で逆抽出する。これを再び酸性下で酢酸エチルに転溶し、酸性アルミナミニカラム及びジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラムで精製した後、LC/MSで測定し、確認する方法である。

2)注意点
(1)プリミスルフロンメチルについては、リン酸水素二カリウム溶液での逆抽出において、抽出率がやや低いので、注意が必要である。
(2)本測定条件における各農薬の保持時間は16〜21分である。
(3)試料によっては妨害ピークが重なる場合がある。その場合は、長さ250 mmのカラムを使用するとよい。

11.参考文献
1)厚生労働省告示第94号「アジムスルフロン、ハロスルフロンメチル及びフラザスルフロン試験法」 (平成14年3月13日)
2)環境省告示第13号「エトキシスルフロン試験法」(平成10年4月24日)
3)環境省告示第35号「シノスルフロン試験法」(平成2年4月10日)
4)環境省告示第88号「ピラゾスルフロンエチル試験法」(平成元年11月16日)

12.類型
 C

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