戻る

ホセチル試験法


1. 分析対象化合物
ホセチル、亜リン酸

2. 装置
アルカリ熱イオン化検出器,炎光光度型検出器(リン用干渉フィルター,波長526nm)又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ,ガスクロマトグラフ・質量分析計及びメチル化装置を用いる。
メチル化装置の概略は,次の図による。
A:エーテル管
B:ジアゾメタン発生管
C:反応管
図

3. 試薬、試液
次に示すもの以外は, 総則の3に示すものを用いる。
強酸性陽イオン交換樹脂 カラムクロマトグラフィー用に製造した強酸性陽イオン交換樹脂(粒径75〜150μm)をその樹脂の5倍の体積の1mol/l水酸化ナトリウム溶液を用いて2回洗い,次いで水を用いてpHが中性になるまで洗う。さらに,その樹脂の5倍の体積の3mol/l塩酸を用いて2回洗い,次いで水を用いてpHが中性になるまで洗つたものを水に懸濁して冷暗所に保管する。
ジアゾメタンエーテル溶液 メチル化装置のエーテル管にエーテル5mlを入れる。メチル化装置のジアゾメタン発生管にジエチレングリコールモノエチルエーテル4ml及び10mol/l水酸化カリウム溶液2mlを入れる。メチル化装置の反応管にエーテル50mlを入れる。メチル化装置のジアゾメタン発生管にN−メチル−N−ニトロソ−p−トルエンスルホンアミド2gをエーテル5mlに溶かしたものを加えた後,窒素を5分間緩やかに通じて反応させ,反応管の溶液を採る。用時調製する。
透析膜チューブ 内径27mm,壁の厚さ20.3μmの透析用セルロースチューブを25cmの長さに切断して水洗した後,一端を閉じ,冷暗所に保管する。

4. 標準品
ホセチル 本品はホセチル97%以上を含む。
分解点 本品の分解点は200°である。
亜リン酸 本品は亜リン酸97%以上を含む。
融点 本品の融点は73°である。

5. 試験溶液の調製
a 抽出法
果実及び野菜の場合は,検体約1kgを精密に量り,必要に応じ適量の水を量つて加え,細切均一化した後,検体10.0gに相当する量を量り採る。
種実類の場合は,粉砕した後,その10.0gを量り採る。
ホップの場合は,細切均一化した後,検体5.00gを量り採る。
これを透析膜チューブに入れ,0.1mol/lシュウ酸溶液20mlを加え,開口部を閉じる。この透析膜チューブをあらかじめ水200mlを入れた250mlのねじ口びんに入れ,振とう機を用いて軽く振り混ぜながら24時間放置する。透析膜チューブを除いた後,そのねじ口びん中の溶液100mlをすり合わせ減圧濃縮器中に移し,50°以下で約5mlに濃縮する。
b 精製法
内径15mm,長さ300mmのクロマトグラフ管に,強酸性陽イオン交換樹脂(粒径75〜150μm)2mlを水に懸濁したものを入れ,カラムの上端に少量の水が残る程度まで水を流出させる。このカラムにa 抽出法で得られた溶液を注入し,流出液を20mlのメスフラスコに採る。次いで水を注入し,流出液を上記のメスフラスコに合わせ,20mlとする。
c メチル化
b 精製法で得られた溶液1mlを100mlのナス型フラスコに移し,イソプロピルアルコール5mlを加える。次いでジアゾメタンエーテル溶液をジアジメタンの黄色が残るまで加え,密栓し,15分間放置した後,40°以下で約5mlに濃縮する。これにイソプロピルアルコールを加え,正確に10mlとして,これを試験溶液とする。

6. 操作法
a 定性試験
次の操作条件で試験を行う。試験結果は標準品それぞれの0.05mol/lシュウ酸溶液について,5.試験溶液の調製のc メチル化と同様に操作して得られたものと一致しなければならない。
操作条件
カラム 内径0.53mm,長さ30mのケイ酸ガラス製の細管に,ガスクロマトグラフィー用50%シアノプロピル―メチルシリコンを0.5μmの厚さでコーティングしたもの。
カラム温度 75°で7分間保持し,その後毎分15°で昇温し,200°に到達後4分間保持する。
試験溶液注入口温度 230°
注入方式 スプリットレス
検出器 230°で操作する。
ガス流量 キャリヤーガスとしてヘリウムを用いる。亜リン酸エチルメチルが約5分で流出する流速に調整する。空気及び水素の流量を至適条件に調整する。
b 定量試験
a 定性試験と同様の操作条件で得られた試験結果に基づき,ホセチル及び亜リン酸のそれぞれについてピーク高法又はピーク面積法により定量を行い,ホセチル及び亜リン酸の含量を求め,次式により,亜リン酸を含むホセチルの含量を求める。
ホセチル(亜リン酸を含む。)の含量(ppm)=A+B×1.44
A:ホセチルの含量(ppm)
B:亜リン酸の含量(ppm)
c 確認試験
a 定性試験と同様の操作条件でガスクロマトグラフィー・質量分析を行う。試験結果は標準品について,5.試験溶液の調製のc メチル化と同様に操作して得られたものと一致しなければならない。また,必要に応じ,ピーク高法又はピーク面積法により定量を行う。

7. 定量限界
0.5 mg/kg

8. 留意事項
 ホセチルは、ホセチル及びその代謝物である亜リン酸のそれぞれについて定量を行い、亜リン酸についてはその含量に係数を乗じてホセチルの含量に換算し、これらの和を分析値とすること。

9. 参考文献
なし

10. 類型
A


トップへ
戻る