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ベンジルペニシリン試験法


1. 分析対象化合物
ベンジルペニシリン

2. 試薬・試液
次に示すもの以外は,総則の3に示すものを用いる。
継代保存用培地 ペプトン,肉エキス,塩化ナトリウム,寒天等の組成からなる培地を用いる。
検査用平板 加温溶解後55゜に保持した試験用培地1,000mlに試験菌液5mlを加えて混和した後,8mlを内径85mmのペトリ皿に分注し,水平に保って凝固させる。
試験菌液 継代保存用培地で継代培養したBacillus stearothermophilus var.calidolactis C―953の菌株を増殖用培地に接種し,55゜で6時間培養したものを試験菌液とする。
試験用培地 牛心臓浸出液,ペプトン,塩化ナトリウム,寒天等の組成からなる培地を用いる。
増殖用培地 酵母エキス,トリプトン,ブドウ糖等の組成からなる培地を用いる。
ディスク 直径10mm,厚さ1.5mmのパルプディスクを用いる。
リン酸緩衝液(pH6.0) リン酸一カリウム7.0gを水500mlに溶解し,リン酸二ナトリウム6.0gを水500mlに溶解したものを加えて混合する。

3. 標準品
ベンジルペニシリンナトリウム 本品はベンジルペニシリン1,650単位/mg以上を含む。
 融点 本品の融点は129〜130°である。

4. 試験溶液の調製
a 抽出法
(1) 筋肉,肝臓及び腎臓の場合
 筋肉の場合は,可能な限り脂肪層を除き,細切均一化した後,その5.00gを量り採る。
 肝臓及び腎臓の場合は,細切均一化した後,その5.00gを量り採る。
 これに水30mlを加え,細砕した後,0.17mol/l硫酸5ml及び5%タングステン酸ナトリウム溶液5mlを加え,振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後,毎分3,500回転で5分間遠心分離を行い,水層を吸引ろ過する。沈澱に水20mlを加え,振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後,上記と同様の条件で遠心分離を行い,水層を吸引ろ過する。ろ液を合わせて,25%塩化ナトリウム溶液8mlを加える。

(2) 乳の場合
 試料25gを量り採り,水25ml及び飽和エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム溶液5mlを加え,振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後,毎分3,500回転で5分間遠心分離を行い,水層を吸引ろ過する。ろ液に25%塩化ナトリウム溶液6mlを加える。

b 精製法
 オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(500mg)に,アセトニトリル10ml,水10ml及び2%塩化ナトリウム溶液5mlを順次注入し,流出液は捨てる。このカラムにa 抽出法で得られた溶液を注入した後,2%塩化ナトリウム溶液10ml及び水10mlを順次注入し,流出液は捨てる。このカラムにアセトニトリル及び水の混液(4:1)5mlを注入し,流出液にアセトニトリル及び水の混液(4:1)を加えて10mlとし,これを試験溶液とする。

5. 操作法
a 定量試験
 試験溶液5mlをすり合わせ減圧濃縮器中に採り,40°以下でアセトニトリル及び水を除去し,この残留物にリン酸緩衝液(pH6.0)1.0mlを加えて溶かす。この溶液をディスクに吸着させ,55°で17時間培養する。阻止円の直径を標準品と比較して定量を行う。
b 確認試験
 薄層板は,ガラス板上に薄層クロマトグラフ用微結晶セルロースを0.1mmの厚さに延ばしたものを使用する。試験溶液5mlをすり合わせ減圧濃縮器中に採り,40°以下でアセトニトリル及び水を除去し,この残留物にアセトン及び水の混液(1:1)1.0mlを加えて溶かす。この溶液4μlを薄層板につけ,アセトン,水及び1−ペンタノールの混液(1:3:4)を展開用溶媒として上昇法により100mm展開した後,風乾する。
 薄層板を薄層が上になるようにして,角型ペトリ皿に入れる。加温溶解した後,55°に保持した試験用培地1,000mlに試験菌液5mlを加えて混和した溶液を,薄層板上に2mmの厚さになるように分注し,水平に保って凝固させる。1時間放置した後,55°で17時間培養し,阻止円のRf値を標準品と比較する。

6. 定量限界
 筋肉、肝臓及び腎臓 0.005mg/kg,乳 0.001mg/kg

7. 留意事項
(1) 標準溶液の調製
 (1)  標準品をリン酸緩衝液(pH6.0)に溶解して標準原液とすること(ベンジルペニシリン1,667,000単位/l,1,000mg/l)。本標準原液は,−20°保存で1年間安定であること。
 (2)  標準原液をリン酸緩衝液(pH6.0)で逓減希釈し,定量試験用標準溶液とすること。
 (3)  標準原液を50%アセトン溶液で逓減希釈し,確認試験(薄層クロマトグラフィー)用標準溶液とすること。

8. 参考文献
なし

9. 類型
A


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