戻る

スピラマイシン試験法


1. 分析対象化合物
スピラマイシン,ネオスピラマイシン

2. 装置
紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

3. 試薬・試液
次に示すもの以外は,総則の3に示すものを用いる。
強酸性陽イオン交換体ミニカラム(500mg) 内径8〜9mmのポリエチレン製のカラム管に,プロピルベンゼンスルホン酸シリル化シリカゲル500mgを充てんしたもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる。
継代保存用培地 ペプトン,肉エキス,塩化ナトリウム,寒天等の組成からなる培地を用いる。
検査用平板 加温溶解後55゜に保持した試験用培地800mlに試験菌液200mlを加えて混和した後,8mlを内径85mmのペトリ皿に分注し,水平に保って凝固させる。
試験菌液 継代保存用培地で継代培養したMicrococcus luteus ATCC 9341の菌株を増殖用培地に接種し,35゜で18時間の培養を3代継代し,3代目の培養原液を試験菌液とする。
試験用培地 肉エキス,カザミノ酸,可溶性デンプン,寒天等の組成からなる培地を用いる。
増殖用培地 ペプトン,肉エキス,塩化ナトリウム等の組成からなる培地を用いる。
ディスク 直径10mm,厚さ1.5mmのパルプディスクを用いる。
リン酸緩衝液(pH2.5) リン酸一ナトリウム7.80gを水に溶かして1,000mlとし,リン酸を加えてpH2.5に調整する。
リン酸緩衝液(pH3.0) リン酸一ナトリウム7.80gを水に溶かして1,000mlとし,リン酸を加えてpH3.0に調整する。

4. 標準品
スピラマイシンI 本品はスピラマイシンI 99%以上を含む。
 融点 本品の融点は134〜137゜である。
ネオスピラマイシンI 本品はネオスピラマイシンI 93%以上を含む。
 融点 本品の融点は119〜120゜である。

5. 試験溶液の調製
a 筋肉,肝臓及び腎臓の場合
(1) 抽出法
 筋肉の場合は,可能な限り脂肪層を除き,細切均一化した後,その5.00gを量り採る。
 肝臓及び腎臓の場合は,細切均一化した後,その5.00gを量り採る。
 これにメタノール及び1.2%メタリン酸溶液の混液(1:1)35mlを加え,細砕した後,毎分3,000回転で10分間遠心分離を行い,綿栓ろ過する。

(2) 精製法
イ 牛及び鶏の場合
 強酸性陽イオン交換体ミニカラム(500mg)に,メタノール3ml及び水3mlを順次注入し,流出液は捨てる。このカラムに(1) 抽出法で得られた溶液を注入した後,メタノール及びリン酸緩衝液(pH3.0)の混液(9:1)3ml,水5ml及び0.1mol/lリン酸二カリウム溶液3mlを順次注入し,流出液は捨てる。このカラムにメタノール及び0.1mol/lリン酸二カリウム溶液の混液(9:1)10mlを注入し,流出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り,40゜以下でメタノール及び水を除去する。この残留物にアセトニトリル及び0.05mol/lリン酸二カリウム溶液の混液(3:7)1.0mlを加えて溶かし,これを試験溶液とする。
ロ 豚の場合
 強酸性陽イオン交換体ミニカラム(500mg)に,メタノール3ml及び水3mlを順次注入し,流出液は捨てる。このカラムに(1) 抽出法で得られた溶液を注入した後,メタノール及びリン酸緩衝液(pH3.0)の混液(9:1)3ml,水5ml及び0.1mol/lリン酸二カリウム溶液3mlを順次注入し,流出液は捨てる。このカラムにメタノール及び0.1mol/lリン酸二カリウム溶液の混液(9:1)10mlを注入し,流出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り,40゜以下でメタノール及び水を除去する。この残留物に0.05mol/lリン酸二カリウム溶液1.0mlを加えて溶かし,これを試験溶液とする。

b 脂肪の場合
(1) 抽出法
 脂肪の場合は,可能な限り筋肉層を除き,細切均一化した後,その5.00gを量り採る。
 これにメタノール及び0.4%メタリン酸溶液の混液(1:1)35mlを加え,細砕した後,毎分3,000回転で10分間遠心分離を行い,綿栓ろ過する。
(2) 精製法
 a 筋肉,肝臓及び腎臓の場合の(2) 精製法を準用する。

c 乳の場合
(1) 抽出法
 試料10.0gを量り採り,メタノール及び1.2%メタリン酸溶液の混液(1:1)35mlを加え,,振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後,毎分3,000回転で10分間遠心分離を行い,綿栓ろ過する。
(2) 精製法
 a 筋肉,肝臓及び腎臓の場合の(2) 精製法のイ 牛及び鶏の場合を準用する。

d 魚介類の場合
(1) 抽出法
 殻付きの貝類の場合は,殻を除き,細切均一化した後,その5.00gを量り採る。
 その他の魚介類の場合は,細切均一化した後,その5.00gを量り採る。
 これにメタノール及び1.2%メタリン酸溶液の混液(1:1)35mlを加え,細砕した後,毎分3,000回転で10分間遠心分離を行い,綿栓ろ過する。
(2) 精製法
 a 筋肉,肝臓及び腎臓の場合の(2) 精製法のイ 牛及び鶏の場合を準用する。

6. 操作法
a 牛、鶏、乳及び魚介類の場合
(1) 定性試験
 次の操作条件で試験を行う。試験結果は標準品と一致しなければならない。
操作条件
 カラム充てん剤 オクタデシルシリル化シリカゲルを用いる。
 カラム管 内径4.0〜6.0mm,長さ150mmのステンレス管を用いる。
 カラム温度 40゜
 検出器 吸光波長235nmで操作する。
 移動相 アセトニトリル及びリン酸緩衝液(pH2.5)の混液(1:3)を用いる。スピラマイシンIが約10分で流出する流速に調整する。
(2) 定量試験
 (1) 定性試験と同様の操作条件で得られた試験結果に基づき,ピーク高法又はピーク面積法により定量を行う。
b 豚の場合
(1) 定量試験
 試験溶液をディスクに吸着させ,検査用平板に置き,35゜で18時間培養する。阻止円の直径をスピラマイシンIの標準品と比較して定量を行う。
(2) 確認試験
 a 牛及び鶏の場合の(1) 定性試験と同様の操作条件で試験を行う。試験結果は標準品と一致しなければならない。

7. 定量限界
 牛の筋肉、脂肪、肝臓及び腎臓 0.05 mg/kg(スピラマイシン及びネオスピラマイシンそれぞれについて)
 鶏の筋肉、脂肪、肝臓及び腎臓 0.05 mg/kg(スピラマイシン及びネオスピラマイシンそれぞれについて)
 乳及び魚介類  0.05 mg/kg (スピラマイシン及びネオスピラマイシンそれぞれについて)
 豚の筋肉、脂肪、肝臓及び腎臓 0.1mg/kg(スピラマイシンとして)

8. 留意事項
(1) 標準溶液の調製
 (1)  スピラマイシンI標準品をメタノールに溶解してスピラマイシンI標準原液とすること(スピラマイシンI 1,000mg/l)。本標準原液は、0〜4゜保存で3ヶ月間安定であること。
 (2)  ネオスピラマイシンI標準品をメタノールに溶解して標準原液とすること(ネオスピラマイシンI 1,000mg/l)。本標準原液は、0〜4゜保存で3ヶ月間安定であること。
 (3)  スピラマイシンI及びネオスピラマイシンI標準原液を0.05mol/lリン酸二カリウム溶液で逓減希釈し、検量線作成用標準溶液とすること。

(2) その他
 本試験法によりスピラマイシンが検出された場合には、紫外可視多波長検出器及び質量検出器付き高速液体クロマトグラフを用いて確認することが望ましいこと。

9. 参考文献
なし

10. 類型
A


トップへ
戻る