イベルメクチン、エプリノメクチン、ドラメクチン及びモキシデクチン試験法(畜水産物)

1.分析対象化合物

農薬等の成分である物質

分析対象化合物

イベルメクチン

22,23-ジヒドロアベルメクチンB1a

エプリノメクチン

エプリノメクチンB1a

ドラメクチン

ドラメクチン

モキシデクチン

モキシデクチン

2.装置

蛍光検出器付き高速液体クロマトグラフ(HPLC-FL)

3.試薬・試液

次に示すもの以外は、総則の3に示すものを用いる。

イソオクタン 2,2,4-トリメチルペンタン(特級)

水 液体クロマトグラフ用に製造したものを用いる。

メタノール 液体クロマトグラフ用に製造したものを用いる。

メチルイミダゾール 1-メチルイミダゾール(特級)

イベルメクチン標準品 本品は22,23-ジヒドロアベルメクチンB1a 85%以上を含む。

エプリノメクチン標準品 本品はエプリノメクチンB1a 95%以上を含む。
融点 本品の融点は163〜166℃である。

ドラメクチン標準品 本品はドラメクチン90%以上を含む。

モキシデクチン標準品 本品はモキシデクチン98%以上を含む。
融点 本品の融点は136〜138℃である。

4.試験溶液の調製

1)抽出法

(1) 筋肉、脂肪、肝臓及び腎臓の場合

試料5.00gを量り採り、アセトン及び水の混液(1:1)30 mL及び塩化ナトリウム5gを加え、細砕した後、イソオクタン60 mLを加え、振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜる。これを毎分2,500回転で5分間遠心分離を行い、イソオクタン層をすり合わせ減圧濃縮器中に移す。水層及び沈殿にイソオクタン60 mLを加え、振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後、上記と同様の条件で遠心分離を行い、イソオクタン層をそのすり合わせ減圧濃縮器中に合わせ、80℃以下でイソオクタンを除去する。この残留物にn-ヘキサン20 mLを加えて溶かし、100 mLの分液漏斗(I)中に移す。これにn-ヘキサン飽和アセトニトリル20 mLを加え、振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後、静置し、アセトニトリル層を100 mLの分液漏斗(II)中に移す。分液漏斗(I)中にn-ヘキサン飽和アセトニトリル20 mLを加え、上記と同様に操作して、アセトニトリル層を分液漏斗(II)中に合わせる。分液漏斗(II)中にn-ヘキサン10 mLを加え、振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後、静置し、アセトニトリル層をすり合わせ減圧濃縮器中に移し、40℃以下でアセトニトリルを除去する。この残留物にメタノール4.0 mLを加えて溶かし、2.0 mLを採り、40℃以下で窒素を通じて乾固する。

(2) 乳の場合

試料5.00gを量り採り、アセトン及び水の混液(1:1)30 mL、塩化ナトリウム5g及びイソオクタン60 mLを加え、振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜる。これを毎分2,500回転で5分間遠心分離を行い、イソオクタン層をすり合わせ減圧濃縮器中に移す。水層にイソオクタン60 mLを加え、振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後、前記と同様の条件で遠心分離を行い、イソオクタン層をそのすり合わせ減圧濃縮器中に合わせ、80℃以下でイソオクタンを除去する。この残留物にn-ヘキサン20 mLを加えて溶かし、100 mLの分液漏斗(I)中に移す。これにn-ヘキサン飽和アセトニトリル20 mLを加え、振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後、静置し、アセトニトリル層を100 mLの分液漏斗(II)中に移す。分液漏斗(I)中にn-ヘキサン飽和アセトニトリル20 mLを加え、振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後、静置し、アセトニトリル層を100 mLの分液漏斗(II)中に合わせる。分液漏斗(II)中にn-ヘキサン10 mLを加え、振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後、静置し、アセトニトリル層をすり合わせ減圧濃縮器中に移し、40℃以下でアセトニトリルを除去する。この残留物にメタノール4.0 mLを加えて溶かし、その2.0 mLを採り、40℃以下で窒素気流下で乾固する。

2)蛍光化法

1)抽出法で得られたものにジメチルホルムアミド、無水酢酸及びメチルイミダゾールの混液(9:3:2)0.2 mLを加えて密栓し、よく振り混ぜた後、100℃で90分間加熱し、室温になるまで放置する。

3)精製法

シリカゲルミニカラム(690 mg)に、酢酸エチル及びn-ヘキサンの混液(6:4)10 mLを注入し、流出液は捨てる。このカラムに2)蛍光化法で得られた溶液を注入した後、酢酸エチル及びn-ヘキサンの混液(6:4)10 mLを注入し、流出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り、40℃以下で酢酸エチル及びn-ヘキサンを除去する。この残留物にメタノール2.0 mLを加えて溶かし、これを試験溶液とする。

5.検量線の作成

各標準品の10 mg/100 mLメタノール溶液を調製し、さらにメタノールで希釈して0.0125〜0.5 mg/Lの溶液を数点調製する。各溶液1.0 mLを窒素気流化で乾固後、4.試験溶液の調製2)蛍光化法及び3)精製法と同様の操作を行い、それぞれHPLCに注入し、ピーク高法又はピーク面積法で検量線を作成する。

6.定量

試験溶液をHPLCに注入し、5.の検量線で各物質の含量を求める。

7.確認試験

LC/MSにより確認する。

8.測定条件

HPLC

検出器:FL(励起波長360 nm、蛍光波長460 nm)

カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル 内径 2.0〜6.0 mm、長さ 100〜250 mm、粒子径2〜5μm

カラム温度:40℃

移動相:水及びメタノール(1:9)

保持時間の目安:35分(22,23-ジヒドロアベルメクチンB1a)

15分(エプリノメクチンB1a)

30分(ドラメクチン)

25分(モキシデクチン)

9.定量限界

イベルメクチン 0.005 mg/kg

エプリノメクチン 0.005 mg/kg

ドラメクチン 0.005 mg/kg

モキシデクチン 0.005 mg/kg

10.留意事項

1)試験法の概要

イベルメクチン、エプリノメクチン、ドラメクチン及びモキシデクチンを試料からアセトン及び水の混液(1:1)で抽出し、イソオクタンに転溶、アセトニトリル/ヘキサン分配を行う。これを蛍光誘導体化し、シリカゲルミニカラムにより精製後、HPLC-FLで測定し、LC/MSで確認する方法である。

2)注意点

(1) 22,23-ジヒドロアベルメクチンB1a 10.0 mgに相当するイベルメクチン標準品をメタノールに溶解してイベルメクチン標準原液とすること(22,23-ジヒドロアベルメクチンB1a 100 mg/L)。本標準原液は、-20℃保存で1年間安定であること。

(2) エプリノメクチンB1a 10.0 mgに相当する標準品をメタノールに溶解してエプリノメクチン標準原液とすること(エプリノメクチンB1a 100 mg/L)。本標準原液は、0〜4℃保存で6か月間安定であること。

(3) ドラメクチン10.0 mgに相当する標準品をメタノールに溶解してドラメクチン標準原液とすること(ドラメクチン100 mg/L)。本標準原液は、0〜4℃保存で6か月間安定であること。

(4) モキシデクチン10.0 mgに相当する標準品をメタノールに溶解してモキシデクチン標準原液とすること(モキシデクチン100 mg/L)。本標準原液は、0〜4℃保存で6か月間安定であること。

(5) イベルメクチン、エプリノメクチン、ドラメクチン及びモキシデクチン標準原液をメタノールで逓減希釈し、40℃以下で窒素を通じて乾固した後、蛍光化法及び精製法により得られた溶液をイベルメクチン、エプリノメクチン、ドラメクチン及びモキシデクチン検量線作成用標準溶液とすること。

(6) 蛍光化法において用いるジメチルホルムアミド、無水酢酸及びメチルイミダゾールの混液(9:3:2)は、用事調製し、調製後直ちに用いること。

(7) HPLC-FL及びLC/MSにおける標準溶液及び試験溶液の標準的な注入量は、内径3.0 mmのカラムにおいて10μLであるが、カラム及び装置により最適な注入量が異なる場合があるので、必要に応じて最適注入量、移動相条件等を検討すること。

(8) HPLC-FLにおける測定条件は用いる装置により、最適な励起波長、蛍光波長が異なる場合があるので、装置ごとに最適条件を検討すること。

(9) LC/MSにおける測定条件は用いる装置により、最適なイオン化方法、生成するイオンが異なる場合があるので、装置ごとに最適条件を検討すること。

11.参考文献

なし。

12.類型

A


トップへ