09/08/29 平成21年8月29日食品に関するリスクコミュニケーション−輸入食品の安全性確保に関する意見交換会(施設見学含む)−開催結果 食品に関するリスクコミュニケーション −輸入食品の安全性確保に関する意見交換会(施設見学を含む)−     日時:平成21年8月29日(土)13:30〜17:00 場所:能見台地区センター多目的室A、B (神奈川県横浜市金沢区能見台東2−1) ○北村専門官(司会) それでは、時間となりましたので、これから後半の意見交換を 始めたいと思います。  皆さん暑い中、大変お疲れ様でした。  まず最初に、出席者を御紹介いたします。左から3番目が、先ほど説明をいたしまし た厚生労働省食品安全部輸入食品安全対策室吹譯主査でございます。  その隣が、横浜検疫所食品監視課の小野澤指導係長です。  御担当のお仕事について一言お願いしていいですか。 ○小野澤係長 本日はお暑い中御苦労様でございます。  私は、横浜検疫所食品監視課指導係長の小野澤と申します。  きょう見ていただいたセンターとは別に、私の業務を行っているところでは、輸入者 から書類をお預かりして、実際に貨物の現物の検査をしたり、輸入者の行政指導を行っ ている部署で業務を行っております。きょうはよろしくお願いいたします。 ○北村専門官 ありがとうございます。  そのお隣が横浜検疫所輸入食品・検疫検査センターの大神田統括検査官でございます。 ○大神田統括検査官 横浜検査センターで統括検査官をしております大神田でございま す。  私の主な担当は、私どもの検査センターでは、農薬の検査とか、それから、動物用医 薬品の検査とか、それから、かび毒とか、重金属とか、そういった検査を行っておりま す。私の主な業務は、その検査区分間における総合調整ということで、平たく言います と、司令塔みたいなところをやっております。本日は、よろしくどうぞお願いいたしま す。 ○北村専門官 ありがとうございます。  続きまして、そのお隣が横浜検疫所輸入食品・検疫検査センターの平原統括検査官で ございます。 ○平原統括検査官 平原と申します。今日は、どうもお疲れ様でした。  私は、実際に今日見ていただいた検査室の中の残留農薬、他の動物用医薬品の分析を 担当しておりまして、GLP上、区分責任者というものになっておりまして、出てきた 最終的な結果を主に確認するということを行っております。今日はどうぞよろしくお願 いいたします。 ○北村専門官 ありがとうございます。  最後に、私のお隣が、厚生労働省食品安全部検疫所業務管理室の梅田補佐でございま す。よろしくお願いします。  それでは、座って進めさせていただきます。  まず、本日の意見交換会の目的でございますけれども、先ほど、実際の検査センター の検査室を御見学いただきました。それに基づきまして、輸入食品の安全性の確保の取 り組みにつきまして理解を深めていただこうという目的で開催いたしております。  最初に吹譯から、輸入食品の安全性確保に関する説明をいたしましたけれども、その 中でわからなかったことについて御質問やまた、検査センターの検査官の方々にも御出 席いただいておりますので、施設見学ではちょっと時間がなくて質問ができなかったこ と、また、疑問に思ったことなどを御質問いただければと思っております。  進め方でございますけれども、少し内容を区切りたいと思います。最初に、輸入食品 の安全確保のための取り組み、制度的なものについて御質問をお受けしまして、その次 に、横浜センターの施設見学を通じての質問をお受けしたいと思います。最後に、その 他ということでお願いをいたしたいと思います。  御発言される際のお願いなんですけれども、まず、御発言される方は手を挙げてくだ さい。係の者がマイクをお持ちしますので、御発言に先立ちまして、差し支えなければ、 お名前と御所属をおっしゃってください。なるべく多くの方に御発言いただければと思 っておりますので、御発言はなるべく簡潔にまとめていただけると大変助かりますので、 御協力をお願いいたします。  始める前に少し聞きたいなと思っていることがあります。今回、ここの能見台の地区 センターをお借りして、開催のチラシを置かせていただきました。この御近所にお住ま いで、そのチラシを見て参加されたという方はいらっしゃいますか。  はい、ありがとうございます。ちょっと残念です。  次に、国でこういうリスクコミュニケーションといいまして、意見交換会等を開催し ているのですけれども、これまでに意見交換会に参加をしたことがあるという方、挙手 願いますか。3分の1ぐらいですね。ありがとうございました。その他の方は初めてと いうことですね。ありがとうございました。  それでは、質問をお受けいたしたいと思います。  最初に、御説明をしました輸入食品の安全確保のための取り組み、これについて、本 当に簡単な基本的なことでも結構ですので、わからなかったこととか、もうちょっと説 明をしてほしいなといったことがありましたら、手を挙げていただけますか。  どうぞ、お願いします。 ○会場参加者A Aと言います。群馬から来たんですけど、きょうは大変ありがとうご ざいました。参考になりました。  ちょっと質問したいのは、9ページにある「21年度 輸入食品監視指導計画」の中 に、その下にある、監視指導を実施すべき項目の中にモニタリング検査の実施というと ころで、「統計学的考え方に基づき、食品群ごとに違反率、輸入件数等を考慮して検査 件数及び検査項目を設定」がありますけれども、もうちょっと具体的に教えていただけ ればなと思うんですけれども。 ○北村専門官 御質問をありがとうございます。  資料の9ページの2つ目の「輸入時のモニタリング検査の実施」で、モニタリング検 査の実施項目や件数を決める際に、統計学的考え方に基づいて決めるということが書い てあるんですけれども、これはどういう意味ですかという御質問でしたので、吹譯さん からお願いできますか。 ○吹譯主査 はい、お答えいたします。  この「統計学的な考え方に基づき」というのは、コーデックスという国際基準があり まして、連続する299件を検査して、1%の違反を見つけることができるという統計学 的なものがあるんですね。それを準用して、さらに、その299に食品の輸入届出数量と か、届出重量、あと、過去の違反の状況等を勘案して計算式をつくって、危害度分析と いうものを行って、それで、件数を決めております。だから、すべてのモニタリング検 査で、作物群157群あるんですが、それぞれについて299件やるわけではなくて、その 数値に基づいて違反が少ないものは299件より少ない119件なり、そういった件数を弾 き出したり、もしくは違反が出るようなものであれば、299×2倍、もしくは3倍、4 倍というようなことを計算式を用いて計算して、そういった検査件数を出しております。 検査項目の設定なんですが、残留農薬等で海外の情報等を仕入れて、海外で検出してい るようなものがあった場合は、それについて追加、次年度について検査項目を追加、そ ういったような指標も、そういった海外の情報とかですね。あと、例えば国内で見つか ったような、国内品で検査したら見つかったような農薬とか、動物用医薬品があった場 合は、そういったものも検査項目に加えていくというようなことでモニタリング計画を 立てております。 ○会場参加者A 1%というのは、受け入れるときに、1%までの欠点というか、不良 率は受け入れちゃいましょうと、こういう意味ですか。 ○吹譯主査 1%入っていても、見つけることができるというものです。 ○会場参加者A 1%入っていても、見つけることができる。 ○梅田室長補佐 ちょっと補足させてもらいます。オブザーバーですが、検疫所業務管 理室で補佐をしております。  検疫所業務管理室では、輸入食品の検査、それから、新型インフルエンザを含めた感 染症対策等の、検疫所の調整等を行っておりますけれども、実際に、モニタリング検査 についても、検疫所ごとに割り振りを行っています。その考え方で、1%と、先ほどお っしゃったように、統計学的に95%の信頼度で、1%のもし違反があるとすれば、そ の299件を採ってみて調べれば、その中に、例えば結果が0件の違反であったとすると、 少なくとも95%の信頼度で、対象食品の食品群の中に違反率は1%以下であるという ことが言えるという、そういう評価なんですね。だから、299件調べて、その中で1件 でも違反があれば、先ほど説明があったように、モニタリングの中で強化をするとかと いう、そういう措置をとるわけですけれども、基本は、ベースになるすべからく食品が 輸入されてくるものを、どういうふうに限られた人間、機器の中で検査をしていくかと いう一つのベースになる情報を集めるというのが大きな目的ですから、そういう基本的 な考え方に基づいてやっているわけですから、当然、先ほど説明があったように、気を つけなければいけないものは、より細分化して、細分化というのは、品目を細かく見て いって、その細かい品目の中で、さらに信頼度を高めるための、99%の信頼度で検査を するとか、検体数を多く採るとか、そういう加減は当然行われているわけです。基本は、 今申し上げたように、1%の違反率を見つけることができるだけの検体数を採るという のが基本になっています。 ○会場参加者A 私たち消費者から見たら、何ぼ保証したものが入ってくるのかいなと、 こういう見方なんですよ。ということは、1%の信頼のある、いわばちょっと危ないな というのは1%まではあるけれども、99%はオーケーだよと、こういう意味でいいんで しょう。違うんですかね。 ○梅田室長補佐 基本的に、その考え方としては、ベースになるのがそういう採り方で あって、それでもし違反が見つかれば強化をするということですから、実際の違反を見 つける確度といいますか、的中率といえば、もっと高まってくるわけですけれども、あ くまでも統計学的にモニタリングのベースになる考え方が、今申し上げた1%を基準に しているということです。 ○会場参加者A 大体わかったような。1%は今初めて聞きましてね。そういう数字が あるんだなというふうに理解はできました。  よく「水際作戦」というような言葉で新聞等に出たり、いろいろなアナウンスが出て きますよね。あれだけだと、意味が全くわからなかったんですけど、きょう1%という お話があったので、水際作戦の意味はある程度理解できたんですけれども、こういう説 明のときに、そういをことを少しアナウンスしたらどうですかね。そうでないと、消費 者側から見たら、実際、ものを消費する立場から見ると、ちょっとわかりにくいですね。 統計学的に非常に優れた方法でやっていますというのは、どういう意味かなというのが ちょっとわからなくて質問しました。ありがとうございました。 ○吹譯主査 ちょっと補足させていただきます。実際1%と言っているんですが、ここ 数年で、届出に対して、違反率は大体0.1%となっておりますので、先ほどの話とは別 なんですが、ここ数年、違反率は0.1%ぐらいで推移していますということを一言補足 させていただきます。 ○会場参加者A その数字を出して、1と0.1を出すと、なるほど一生懸命やっている なというのが伝わってくると思います。すみません、余分なことを言いまして。 ○吹譯主査 貴重な御意見ありがとうございます。 ○北村専門官 どうもありがとうございます。  ほかに御質問のある方。 ○会場参加者B きょうは大変ありがとうございました。大変勉強になりました。食品 会社のコンサルタントをしているBと申します。  先ほどのお話で、11ページの上に「輸入者への自主的な衛生管理の実施に係る指 導」というお話がございまして、大体よくわかったつもりなんですが、一番最後のとこ ろに、「輸入者、通関業者、倉庫業者への食品衛生に関する知識の普及啓発」とござい ます。私ども、いろいろな食品を見ていまして、特に輸入食品で、これは何だろうなと いうときに、何かトラブルというか、わからないときに、最終的に手がかりにするのは、 検疫所を通っている届出控を一緒に持ってきてくださいと言って、それとその現物なり、 あるいはその上の行で「適正表示」がありますけれども、表示等が合っているかとか、 そういうところを見て、合っていればよし、違っていれば指導をするというようなこと をしているのですけれども。この届出控に、通常はないことなんですけれども、たまた まちょっとこれは違うのではないかというときがあると言うと語弊がありますけれども、 あった場合に、いろいろ聞きますと、輸入業者さんよりは実際にやっていらっしゃるの は通関業者、乙仲さんとおっしゃるんですが、そういうところが現実には書いているん ですよというふうな説明がされる場合が、たまにですけど、あるんですね。法律的なこ とはわからないんですけれども、実務的にはそういう部分があるのかなと常日ごろ思う んですが、通関業者というのか、乙仲さんというのか、そういうものは大体そもそも何 社ぐらいあると厚労省なり何なり把握していらっしゃる、素人的にこれが10〜20社の ものなのか、100〜200社もあるのかちょっとわからないので、もしわかれば教えてい ただきたいことが1つと。  それに、この文章に関連して、そういう通関業者への指導というんですか、そういう のは具体的にどういう形でなさっているのか、あるいはその辺は各通関業者に実際には 任せているところが多いのかというようなことを教えていただけるとありがたいんです けれども。 ○北村専門官 御質問ありがとうございます。  食品を輸入するときには、輸入の都度、「食品等輸入届出書」を検疫所に提出して、 審査を受けることになっています。今のお話は、その届出書を書いているのが通関業者 さんであるので、その指導、また、その数はどのくらいありますかという御質問ですね。  そうしましたら、小野澤さんから、横浜の状況で結構ですので、お願いできますか。 ○小野澤係長 横浜検疫所の小野澤と申します。  通関業者の横浜での実数は、残念ながら、数は把握はしていないんですけれども、通 関業者というのは、基本的に、食品衛生法というより、税関で通関するときの他法令の 方の管理に入っておりますので、そういった通関業者さんが国内に食品を輸入する際の 手続の代行として、そういう実態をされているということはあります。感覚という形で お話しするのは余り好ましくないんですが、非常に多くの会社があると思いますので、 もしかしたら税関等のホームページを見ていただくと、数や実態がもう少しつかめるか と思いますが、ちょっと余り詳細ではなくて、大変申しわけありません。  あとは、指摘事項の通関業者への指導は、非常に我々にとっても重要な事項でして。 食品の輸入をする場合の一番の責任者は輸入者なんですけれども、輸入者が自ら東京や 大阪や群馬から手続をすることは実態としては難しいので、代行している通関業者さん がそういった食品衛生法のことをよく把握しているということもあります。ただ、検疫 所の実務をする我々としては、輸入者さん及び通関業者さんに、食品衛生法のオン・タ イムの情報を知っていただきたいということがありますので、窓口での掲示板であると か、横浜検疫所では、年に2〜3回、基本的には業者さんへの講習会や説明会を実施し て、こういう注意事項がありますよというようなお話もしております。また、今は非常 にネットワーク等がありますので、いろいろな取扱いの通知、文書が出てくるのですけ れども、それも基本的に即日中に通関業者さんの方へ書類もお渡しするような努力をし ている次第でございます。 ○会場参加者B 今おっしゃったので、通関業者に渡しているとおっしゃったのは、相 手が何社あるか、どこがあるかわからないから、受け取って、全然聞いてないよと言う 業者もいるかもしれないということですね。 ○小野澤係長 そういうような可能性はあるのですけれども。ただ、通関業者さんも輸 入者さんとの契約の中でこういう業務をやられておりますので、横浜の取り組みとして は、横浜港に届出をされる皆さんは、そういう団体をつくっていただいて、ほとんどの 皆さんがそれに参加していただいているんですけれども、その団体さん宛てに基本的に 書類をお渡しするのと、情報提供には努めている次第でございます。 ○梅田室長補佐 補足ですけれども、通関業者さんは通関士という国家資格を持ってい らっしゃる方が通関業務を行えることになっていまして、通関をするためにはいろいろ な手続が当然あるわけでありまして、他法令という話が出ましたけれども、最終的には 通関を切るのは、関税法に基づいてお金を支払って通関が切れる、つまり輸入になるわ けですけれども、その前に、食品であれば、食品衛生法に基づく手続が必要になって、 それが完了しないと、税関の方で輸入が許可されないということですから、そういった いろいろある手続の1つに食品衛生法の手続があるということで、通関士さんは、食品 衛生法もそうですし、ほかいろいろな家畜の伝染病予防法とか、食防検疫法とか、いろ いろな法律の知識も持った方が、そういう資格を持って通関手続をなさるということに なっています。 ○会場参加者B 私どもの場合、国内ですと、変な話、何か問題があれば、当然所管の 保健所さんに言えば、そこで話ができるんですけれども、輸入品の場合は、我々が頼り にするのはこの食品届出控が保健所代わりみたいな感じになるわけなんで、それがちょ っと揺らぐと非常に不安なわけですよ。コードが入っていますよね。コードで、例えば 冷凍食品の扱いをしているのか、してないのかというようなのが、結局、通関するとき には、先ほどちょっとおっしゃっていましたけれども、表示なしでも通関できるよとい う話なので、その後表示したものを我々は見るわけですけれども、その表示した時点で、 それが適切かどうかというのは、結局、現物を見て、あとは届出控等を見るしかないわ けなんで、届出控でこれは冷凍食品の扱いをしているといえば、そうすると、当然、国 内では成分規格も当然冷凍食品の成分規格でやるんだろうなと。冷凍食品になっていな ければ、そうすると、単なる凍結品の成分規格なのかなとか、いろいろ考えるわけなの で、そのよりどころがしっかりするように御指導をいただけるとありがたいなという感 じで申し上げているんですけれど、別に行政が悪いと言っているわけではないんですけ れども。私どもも逆に、乙仲さんなり何なりに、しっかりしてよと言いたいわけなんで、 そういうときに、「行政から十分指導されているでしょう。だから、しっかりしてよ」 と言っていいのかどうなのか。「指導なんかされてないよ」と言われてしまうと困るな と思って、それで御質問をさしあげているわけなんです。 ○北村専門官 どうもありがとうございます。  先ほどお手を挙げられていた隣の方にお願いします。 ○会場参加者C 川崎のCと申します。  今年は、輸入食品というジャンルには入らないのでしょうけれども、事故米のことが ございましたね。これは米ということで、一元管理で農水省の方の管轄だから、厚生労 働省は知らないよということに最後はなるのかもしれませんけれども、今、この検疫シ ステムはすごくよくできていると思うんですね。ですから、例えば米がこのコミュニケ ーションリスクに入っていれば、当然あんな問題は起こらないんですけれども、ただ、 現実としてああいうことが起こって、農水省の地方のところが悪いということになって しまっているのですけれども。これから、米も一つの輸入食品でございますので、その 辺を厚生労働省としてはどのように考えて農水省を指導されるのか、そういうことにつ いてお伺いしたいんですけれども。 ○吹譯主査 確かに事故米という問題があったと思いますが、一応対外的に説明してい るのは、先ほども言いました厚生労働省に非はないんだということはいろいろな省庁に は言ってはいるんですが、だからといって、何も対策を立てていないというわけではあ りませんでして。米は、農水省が関係するのはミニマム・アクセス米というものなんで すが、そのミニマム・アクセス米に限らず、小麦、大麦が、例えば食品届出書を出して 違反になったような場合は、それ以降は、今、地方農政事務所の方に、その違反連絡書 というものがあるんですが、その写しを送付しなければいけないというシステムをつく ったんですね。  事故米なり、小麦、大麦を食用外に転用する場合には、当然、その輸入者さんに、食 用外の転用計画書を提出させることになります。その転用計画に、例えば今回問題にな ったのは、そんなことは起こらないだろうという認識が甘かった点はあるんですが、転 用計画書に今後は食品の関係業者が入っているような場合は、国だけでなくて地方自治 体さんにも情報提供をして、監視していただけるようお願いをすることになっておりま す。その転用計画書を地方自治体さんに送付します。  また、肥料とか飼料ですね。いわば豚の餌とかにするような場合であっても、今後は 農水省の地方事務所と自治体だけではなくて、独立行政法人の農林水産省消費技術セン ターというところにもその食用外転用計画書の写しを送付することによって、今後はそ のようなことが起こらないように対応するような体制を整えたところです。それが平成 20年12月27日から行っている体制で、現在はそれで動いているところです。 ○会場参加者C ありがとうございました。 ○北村専門官 ありがとうございます。  そうしましたら、次の話題に行きまして、先ほど検査センターの施設見学をしていた だきましたけれども、その中でもう少し聞きたいとか、疑問に思ったことがあればお受 けしたいと思います。  その前に、横浜検疫所の検査センターでは、そこで全国の輸入食品の検査をしている のでしょうか。それとも、横浜で輸入されたものだけでしょうか。どういう関係になっ ているかの御説明を少しいただいてもよろしいですか。 ○平原統括検査官 検査の区分けということですけれども、今日見ていただいた横浜の 検疫所の検査センターと、もう一つ日本には、神戸に横浜とほぼ同じ規模の機械とか人 員のセンターがございまして。そちらの方では、残留農薬とか、動物用医薬品とか、G MO、微生物、おもちゃですね。そういうもので、特に理化学の検査の場合でしたら、 高度分析機器という、一般に言うGC/MSとかLC/MSを使うものの検査を主にや っております。日本では、厚生労働省ではその2つの機関で残留農薬や動物用医薬品、 GMOなどの検査を集中的に行っております。ですから、横浜の港でサンプリングした ものだけを横浜の検疫所でやっているわけではなしに、全国で監視窓口がございますけ れども、そこでサンプリングされたものが宅急便で横浜と神戸に送られてきて、集中的 に検査を行っているということです。  そのほかに、検査課というのがございまして、それは東京と成田空港、名古屋、大阪、 関西空港、福岡とありまして。そこのところでは、残留農薬とか動物用医薬品でなしに、 簡易な検査ということで、例えば着色料とか、食品添加物、今日はちょっとデモで添加 物の滴定で二酸化硫黄等をやっておりましたけれども、ああいう特に高度な分析機器を 使わずにできるような検査とか、あと微生物検査については、その検査課でやっている という仕分けでやっております。 ○北村専門官 どうもありがとうございました。  その辺の区分けについてはよろしいですか。 ○会場参加者D 佐藤食品の会場参加者Dと申します。  ただいまのお話で、厚生労働省関係で輸入品にかかわるいろいろな検査をやっている ということですけれども、農水省の農林水産消費技術センターも、いろいろ例えばサバ でも、ノルウェーから来たサバなのか、日本のサバなのかとか、あと、遺伝子にかかわ る検査をして、国産かそうでないかという検査なんかを随分やっておられますけれども、 そことこの検疫所の関係は、業務的な提携とか、そういうことはないのでしょうか。 ○北村専門官 厚生労働省の方では、輸入食品の届出があったものについて検査をする ということになっておりますので、農林水産省の方の検査センターと特段連携して同じ 検査をするとか、そういったことは今のところはないですね。 ○会場参加者D これは本当に農水省関連だと思いますけれども、その品名をうそをつ いて入れるということがありますね。それについては検疫所は関係ないんですか。 ○北村専門官 法律とか、実は、また縦割りだと怒られるんですがけど、法律が違って おりまして。原産地表示とか、そういった表示については、農林水産省が管轄をしてい るJAS法という法律に基づいていますので、食品衛生法上では、そういったものを判 別して指導をするとか、そういったことは行っておりません。 ○会場参加者D そうすると、うその届出を出したものは、品質的に問題がなければ、 そのまま日本に入ってくるということですか。 ○北村専門官 まずは正しい届出がされている前提のもとになっておりますが、そこの ところを確かめるような検査をしているということは行ってはいない状況です。 ○梅田室長補佐 勿論、今説明したとおり、まず法律に基づいて正しく届出をしていた だくことが基本ですけれども、その届出されたものについて、輸入する場合には必ず届 出をしなければいけませんから、その届出された内容については検疫所の方でチェック を行うことになります。もし、その中で、疑問とか、まだ不明な点等があれば、通関業 者さんを通じて輸入者に確認をして、最終的に判断をするということになります。うっ かりミスとかも含めて言えば、届出が間違っていたというのは当然あるでしょうが、そ れを全くチェックしないということではなくて、書類上のチェックは少なくともやりま す。今、検疫所での検査は、添加物とか、残留農薬とかというのは説明したとおりです けれども、一方、農水省でやっているのは、今おっしゃられたような偽装表示問題で、 その内容成分が果たしてそのとおりかどうかということを見ているということも含めて 向こうはやっているわけですけれども、そういう中で、今たまにそういう偽装表示で摘 発されるという場合があるかと思いますけれども、そういうことは向こうでやられてい て、直接そういった内容まで検疫所でやるかというと、やっていませんけれども、書類 上のチェック等を含めて確認は行うということで、農水省との役割分担はそういう形で 行われているということでございます。 ○北村専門官 ほかに、検査センターをご覧になって疑問に思ったこととか、質問がご ざいましたら、お願いできますか。 ○会場参加者C すごい立派な施設で、設備も整って、非常にいいなと思って見ていた んですけれども。ただ、ちょっと人員が思ったより少ないかなと。あれだけ設備がある のに、それだけの人員で何で動かせるのかと不思議に思った。私、そういう分析のプロ でも何でもございませんから、素人見なあれなんですけれども。それをうまくやってお られるのでしょうけれども、例えばアメリカなんかと比較することはいいことかどうか はわからないですけどね。比較した場合に、輸入量とか、件数なんていうのは、それぞ れ統計が出ているでしょうから、そういうところと比較して、そういう輸入の検査業務 はどのレベルに。日本はすごく上の方のレベルにあるのでしょうか。人員においてとか、 例えばそういうことに関して言えば。 ○北村専門官 現状では、検査センターの人手はどうですか。 ○大神田統括検査官 おっしゃるとおりで、確かに人員は十分ではないので、ある現員 で今は回しているところなんですけれども、実際、検査官が8時、9時というような状 況になります。特に農薬の検査は、私どもの60%以上が大体農薬に絡む検査でござい ましてね。これに関する検査官はやはり不足はしております。勿論、毎年毎年そういう 人員要求をしておるんですが、こういう状況ですから、なかなかつかないというのが現 状でございます。ただ、今ある現員で最大限のことはやっているということでございま す。 ○会場参加者C ですから、例えばこういう新型インフルエンザが出てきますと、そう すると、そういうところに人が取られますよね。同じ検疫ですから、当然同じパイのと ころで、こっちの仕事をすればこっちの仕事はできなくなりますしね。そうすると、食 の安全はなかなか保たれないかと、そういう不安を少し持つ場合が出てくるのではない かと。そういう面もありますので、できるだけそういうことをアピールしていただいて、 ここでもそうなんですけれども、これだけやっているんだけれども、本当はもう少しし たいんだというような話が出てくるのではないかなと思います。頑張ってください。ど うもありがとうございました。 ○梅田室長補佐 その点について私の方から補足をさせていただきますと、なかなか国 家公務員の定数管理について非常に厳しい現状であるという中で、水際対策に必要な人 員の確保をどうしていくかということは、政府としてはかなり重要な問題だという認識 を持っています。4ページなどを見ていただくと、検疫所の食品衛生監視員の推移が出 ていますけれども、公務員の定数で、これは決して自慢でも何でもないのですけれども、 これだけ増えているところは、減ることはあっても、毎年定数削減ということで決めら れた数かなり削減されるわけですけれども、その中でも増やしてきています。しかも、 かなりの数増えてきているということは、そういう認識も政府では今申し上げたとおり 持っていまして、そこは充実していくというつもりで来ているわけであります。  では、それが果たして十分かどうかと言われると、そこはなかなか十分でないと、見 方によってはいろいろとあると思いますけれども、見ていただいたように、かなり高度 な分析機器がかなり数置いてあるということで言えば、ほかに食品を分析するような施 設で、日本では最高レベル、ほかにはないのではないかと思っております。それぐらい 機器も揃えていますし、それから、人員についても、だんだんと検査項目が複雑化する、 高度化するということになれば、それに対応できる人もつくっていかなければいけない ということですから、そういう意味ではかなり専門性の高い方をそこに配置していると いうことが言えます。ですから、そういう意味ではかなり集約化して、効率化を図るこ ともやらなければいけませんし、実際やってきています。それから、機器の性能も上が っています。例えばGC/MSとか、LC/MSとか、高度な分析機器を見ていただき ましたけれども、ああいったものも勤務時間中、先ほど統括は夜遅くまでやっていると 言っていましたけれども、残業は少し常態化して、それもまた問題ではあるのですけれ ども、そういう時間帯で調整をしたサンプルを機械に入れて、夜中ずっと人がいないと きに機械が勝手に回して、朝になって出勤してきたら、そのデータが出ているとか、そ ういうやり方も工夫しながら何とかやっているという状況でございます。先ほどおっし ゃられたように、いただいた御意見は我々にとっても非常にありがたい意見であります ので、そういう意見を踏まえて、今後もその充実には努めていきたいと思っています。 ○北村専門官 そのほかは、何かございますか。 ○会場参加者E 鎌倉に住んでいますEと申します。きょうは、非常に勉強になりまし て、ありがとうございました。  農薬の分析の部分で、ちょっとわからない部分がありまして。ちょっと御質問はした んですけれども、今は農薬はポジティブのリストで決まっているのは、たしか二百七十 何品目あると思うんですが、今回ここでできる分析項目は120〜130ぐらいだというお 話を先ほどお聞きしたんですが、そうなると、残りの部分が漏れる可能性がある。その 漏れる可能性のあるところで問題は起きないのでしょうか。 ○北村専門官 それでは、平原さんからでよろしいですか。 ○平原統括検査官 農薬の項目ということで、百幾つということですけれども、恐らく 横浜と神戸トータルですると400項目以上はやっているというのが現状でして。横浜で は大体220ぐらい、神戸も210を超える数をやっているということで、ポジティブリス ト全体からしても、五百幾つの中でかなりのものはやっていると思います。  先ほど、最初説明がございましたように、どの項目を検査するのかというところで、 まず海外の情報とか国内の情報を考えた上で、統計学的に選ばれたものを検査していま すので、それも、それだけをやるというのでなしに、毎年毎年項目を増やしていってぐ るぐる回しながら、新たにまた項目をやっていくということで、トータル的には全体を 見ていくという流れでやっております。実際検査をやっていって、先ほど違反の率が0. 何%ということですので、今やっている検査全体から見ると、恐らく世界的に見ても、 ポジティブリストを導入されて、日本ほどこれだけたくさんの検体数と項目を毎日やっ ているところはないぐらいやっているというのが現状です。実際、自分で検査をして、 私も消費者の一人でもあり、子どももいますけれども、輸入食品が安全というか、輸入 食品を食べるのは全然大丈夫だなというぐらい、これだけやっていれば大丈夫だなと感 じでおりますので、十分検査はできているのではないかと考えております。 ○北村専門官 ポジティブリスト制度について少し説明をしていただいてもよろしいで すか。 ○平原統括検査官 ポジティブリスト制度と言いますけれども、これに比べてネガティ ブリストというのがございます。ポジティブリストは、ある一定量以上超えてはいけな い量、一律基準という0.01ppmがございますけれども、その基準以上超えるものについ ては流通させないということでございまして。その他に基準があり、例えば暫定基準が ありまして、例えば食品ごとに、どの食品であれば、どの農薬が大丈夫ですよという基 準があるものと、そういう基準がないものについては、一律に0.01ppmを超えるものに ついてはすべて流通させないですよということで、すべてのものに網がかかっていると いうことにしたというのがポジティブリストです。そういうリストで我々の食品は守ら れているということになっております。 ○北村専門官 どうもありがとうございます。  今の御質問についてはよろしいですか。  はい、ありがとうございます。  そのほか、何かございましたらお願いします。 ○会場参加者F Fと申します。  ちょっと管轄が違うかもしれませんけれども、輸入食品の安全に関しては今回わかっ たんですけれども、逆に、国内の食品の安全は、どのようなところが検疫所のような役 割をしてやっているのでしょうか。教えていただけるとありがたいんですが。 ○北村専門官 国内につきましては、各自治体さん、保健所さんがすべて受け持ってお ります。国内流通品については、国のモニタリング検査と同じように、ランダムにサン プリングをして検査をしたり、そういったことも行っています。各自治体さんごとに国 の輸入食品監視指導計画と同じように、検査をどのくらいやるとか監視指導計画を立て て、行っているところです。 ○会場参加者F きょう見せていただいたような設備を保健所さんでちょっと見たこと がないものですから、本当にそれで日本のものは大丈夫なんだろうかと急に心配になっ たものですから。 ○北村専門官 各自治体さんの方でも検査施設を持っておりますので、各自治体さんで も検査施設を持って、検査をしております。 ○梅田室長補佐 補足させていただきますと、自治体でも、食の安全・安心について、 昨今のいろいろな問題を踏まえて、力を入れているところは御承知のとおりだと思いま す。それぞれ地方衛生研究所があって、そこで検査もやられているわけですけれども、 あと、今、県の条例であるとか、ちょうど神奈川県でも、食の安全・安心に関する条例 が制定されて、来年4月から施行されるという動きもありますけれども、そういう取り 組みはかなり行われているということであります。ちなみに、神奈川県の条例で言えば、 輸入食品も含めて、国内へ入りますと、輸入食品・国内生産物変わりなく流通している ものをすべからく監視指導するということですから、特に神奈川県の条例においては、 輸入者さんのまさに通関を切った後、つまり、輸入をされた業者さんには、輸入許可と いう最終的に先ほど言った税関の許可が下りるわけですけれども、その最初の許可が下 りた場合に、その15日以内に届出を知事宛てに出さなければいけないというようなこ とも義務づけられるということで、かなり力を入れているというのはございます。  同じように検査もやられています。例えば、よく目にされるのは、夏場とかに夏季一 斉の取締りであるとか、あるいは年末年始の一斉の取締りなんかで、いわゆる「食品G メン」と言われる保健所の方々がいろいろな施設を回って、食品のチェックをしたり、 指導をするという光景がシーズンになるとローカルのニュースなどでは流れますけれど も、国内でもそのような監視指導を行っているということであります。 ○北村専門官 よろしいですか。  ほかに御質問がございましたら。 ○会場参加者G 大変立派な施設を見せていただきまして、興味深く見ていたのですけ れども、その中でもおもちゃは添加物でしょうか、あるいは塗料でしょうか、というこ とで不適合というので事例が飾ってあったのですけれども、おもちゃは通常輸入する場 合、必ず厚生労働省に届出が要るのでしょうか。もし要るとしたら、これは要る・要ら ないという区分けは多分おありになるのではないかなと思うのですけれども、通常の経 済産業省管轄の商品と、その辺がどういう仕組みになっているかなと思って、お聞きし たいなと思っております。 ○北村専門官 ありがとうございます。では、おもちゃの取扱いを小野澤さんにお願い します。 ○小野澤係長 では、現場の方ではどういうような対応をしているかということなんで すけれども、食品なんですけれども、その食品衛生法の中で我々が対象としているおも ちゃは、基本的に乳幼児が口に接することによって危害を与えるようなものが我々の監 視の対象になっていると。私も小さな子どもがいるんですけれども、小さいお子様が口 に入れることを設計されたおもちゃが、歯がためであるとかありますね。あとは、小さ なお子様は何でも口にするということになりますので、基本的には、6歳以下のお子様 が使うような、今はそういう積み木であるとか、ボールであるとか、あとは、展示して おりましたけれども、歯がためであるとか、あとは、昨年の10月に、アメリカで広く トーマスから鉛が出たということで非常にマスコミでも騒がれましたけれども、それを 受けて、昨年の10月1日以降、非常におもちゃの規制を強化しておりまして。今まで は比較的狭い範囲だったものについても、小さなお子様が口に接するのではないかと言 われるような知育玩具である、そういったものについても検査や食品衛生法の中の対象 としていると。きょうの展示物の中に違反のものをお見せしたんですけれども、あれは 基本的には食品衛生法では認められない着色料が溶出している、そういうことで食品衛 生法の違反というふうにしたものでございます。 ○会場参加者G それは、輸入をしますという届出は、検疫所の方に行くんですか。そ れは経済産業省は全く関係ないというふうに見ていいわけですね。 ○小野澤係長 全く関係ないということではなくて、今言った乳幼児が使うものは、食 品と同じように、我々検疫所の方に届出が出されて、必要に応じて着色料や材質の検査 を指示しているところであります。  あとは、大人の方とか、大きな高校生とかが使うようなおもちゃについては、経済産 業省の方でも。その辺はどうでしょうね。その辺は縦割りと御批判を受けるところでは ありますが、そういった規制もあると思いますが。 ○北村専門官 緑色のパンフレットをお配りしておりまして、14ページに簡単に説明 をしています。おもちゃ、器具・容器包装が何で食品なんだろうとちょっと不思議に思 われる方もたくさんいらっしゃると思うんですけれども、こういった食品に接したり、 子ども、赤ちゃんの口に直接接するものというのも、食品衛生法上の規程がございまし て、輸入食品の場合は届出が必要というような取扱いになっています。 ○会場参加者G 厚生労働大臣が指定している品物があるわけですね。 ○北村専門官 はい、そうです。  ここの○の2つ目の「おもちゃ」で、「乳幼児が接触することにより健康を損なうお それがあるもの」ということで、この3つのように指定をしているところです。  よろしいですか。 ○会場参加者G はい。 ○北村専門官 残り時間も少なくなってしまったので、最後ということでお願いします。 ○会場参加者B 2つ質問をさせていただきたいです。  1つは、輸入した人ないし輸入を目的にしているところ、例えば私がコンサルしたと ころでは、食品を使う企業は、非常に売上高の大きいところは、自分で検査室を持って いまして、相当の検査器具を持っていますし。ないものについては、外部に試験をする という形で対応していたので、その辺のところが、輸入時の瀬戸際だけでやられている のが日本の企業全般なのか、私はそういうような形でしっかり検査室をさらに強化する ようにという指導をしてきまして。相当高額なものも入れて、自分のところで使うもの は、サンプルですけれども、常時検査していくという形で安全性を見ていますし、また、 輸入商社でも、食品に特化しているところによっては、サンプルを自分でできないもの は外部に依頼するという形で非常によくやっているところはあるわけですけれども、一 般的に見て、そういうのは例外なのかどうかということを教え賜りたいと思います。 ○梅田室長補佐 おっしゃったように、検査を自社でやられるという取り組みを行われ ているところは当然あります。食品の安全を確保することについては、自らやらないと いけないということが、いろいろな事例を踏まえて、皆さんもうわかってきているとい うわけですよね。ですから、それが例えば違反をして、国内で回収になるということに なると、経営がもう行き詰まって立ち行かなくなるということも、非常にそのリスクと してとらえて。国もやっているけれども、それだけではなくて、自らもその監視をやら なければいけないということになってきていることはまずあると思います。  では、国がもっとやらなければいけないのかという議論もあるわけですけれども、そ れは水際対策として輸入時に検査をするのは今回見ていただきましたけれども、それだ けではなくて、現地、国内食品と同じように、輸入食品も製造される段階から、そこか らちゃんとつくってもらえさえすれば、何も輸入時にそこまで検査する必要もないわけ ですね。ですから、先ほど来説明があったように、この輸入食品の安全確保は、輸入時 だけでなくて、生産国におけるそういった製造段階から衛生指導をやって、十分管理さ れた状態にしていくことがされていれば、例えば輸入時についてはそういったものは検 査しないでおく、あるいは検査率は少なくて済むとして、その分、もっと力を注ぐべき は、よくわからないものを検査やろうというふうに、そういうめりはりをつけなければ いけないんだと思うんですね。そういうことで我々も現地の情報を含めて、あるいは向 こうへ行って、生産者さんと、輸出国の政府を通じて、その衛生管理の指導等をやって きているわけですけれども、そういったものを組み合わせてやらないといけないという ことだと思います。  そういう意味では企業の取り組みとしても、輸入時に検査するだけではなくて、現地 に生産段階から指導をすると、同じような取り組みは自主的な取り組みとして考えてい けば、当然そうなるんですね。輸入時の検査はやりますと。それはいくらやっても、先 ほど、どれだけやるかという率の話が、統計学的なことを申し上げましたけれども、全 品検査すれば一番確実なわけです。だけど、そうなれば、食べるものがなくなってしま うわけですね。というような、極論を言えば、そういう考えにもなるわけで、検査とい うものは一つ強力な違反を見つけるとか、あるいは輸出国に対してきちんとしたものを つくらせるというための抑止力というものでは大きな効力はあると思いますけれども、 それだけに頼るのではなくて、輸出国側での取り組み、それはひいては輸入者を通じて 生産者に働きかけることを、要すれば、国だけではなくて、輸入者が一義的な責任を持 っている、輸入者さんと一緒にやっていかないといけないということだと思いますし、 輸入者の経営リスクという点でも、それが利益につながる話だというように思っており ますので、そういった取り組みは今後も出てくるでしょうし、我々も輸入者さんに対し て、そういう指導をしていくことも一つの大きな事業だと考えているところです。 ○会場参加者B 私が申し上げたのは、輸入者もありますけれども、使用する人は、私 は機械メーカー出身なんですけど、購入したものは、自分のところで必要な検査を行う と。高度な検査機械をみんな持っているという程度のことは当たり前だったわけです。 輸入者が自分で検査して、商社であれば、それで出すのは当たり前のことであろうと思 っていたら、そうではないような感じがしたものですから、輸入したものは、サンプル をしっかり検査すると。レストランであっても、大きなところは、自分の使うものは、 国内のものであろうと海外のものであろうとしっかり、特に牛肉なんかはしっかり検査 していましたので、そういう方から見ると、厚生労働省に最後のところはお願いするわ けですけれども、自分が自己責任でやるのが、輸入した人ないし輸入商社がやるべき形 ではないかと、それを本当に皆さんやっているのかどうかなというのが心配だったんで す。 ○北村専門官 特に初回輸入のときなどは、輸入者さんに検査をするように、検疫所か ら指導をしています。 ○会場参加者B 私がやっていたころは、常時検査していました。 ○北村専門官 はい。  時間となってしまいましたので、大変申しわけありませんけれども、これで終了とさ せていただきます。  本日は、長時間にわたりまして、また、貴重な御意見を多数いただきまして、ありが とうございました。アンケートの御協力を是非よろしくお願いしたいと思います。出入 口で回収をいたしますので、よろしくお願いいたします。検査センターでもアンケート をお願いしておりまして、現地の方で書いていただいた方は結構ですけれども、もし書 いていただけなかった方については、御記入いただければ大変助かります。  また、皆さんのお近くでこのような意見交換会が開催されることがあれば、また、是 非とも御参加をお願いしたいと思います。では、皆さんお気をつけてお帰りください。 どうもありがとうございました。         照会先                  食品安全部企画情報課 03-5253-1111(内2493,2452)