07/01/22 食品に関するリスクコミュニケーション〜食品添加物及び輸入食品の安全確 保について〜 議事録 食品に関するリスクコミュニケーション 〜食品添加物及び輸入食品の安全確保について〜 日  時 平成19年1月22日(月) 13:00〜16:30   場  所 神戸市教育会館 大ホール  ○司会(吉田厚生労働省食品安全部企画情報課長補佐)  本日は皆様ご多忙の中、ご 参加いただきましてまことにありがとうございます。  ただいまから、食品に関するリスクコミュニケーションを開催したいと思います。私 は本日司会を務めさせていただきます厚生労働省食品安全部企画情報課と基準審査課で 課長補佐をしています吉田佳督と申します。よろしくお願いいたします。  さて、本日の食品に関するリスクコミュニケーションにつきまして、まず、その説明 ですとか、あるいはパネルディスカッション、意見交換を通じて、食品添加物や輸入食 品の安全確保についての理解を深めていただき、関係者間の認識を共有化することを目 的として開催するものであります。  それでは、まず配布資料の確認をさせていただきます。最初に議事次第でございます。  それから、資料1といたしまして食の安全と食品添加物。  それから、資料2といたしまして食品添加物の安全性確保。  資料3といたしまして平成19年度輸入食品監視指導計画(案)。  資料4といたしまして輸入食品の安全確保について。  資料5といたしまして米国産牛肉への対応状況について。  それから、参考資料といたしまして米国における対日輸出認定施設の現地査察結果。  それから、国産牛のBSE対策(と畜場)。  それから、食品の安全確保に関する取り組み。  それからパンフレットといたしまして、食品安全エクスプレス。  そして、宮崎県における高病原性鳥インフルエンザの発生について。  それから、アンケートでございます。  そして、さらに食品バランスガイドというカードも同封させてもらっております。不 足の資料がございますでしょうか。挙手をいただきましたら、担当の者がお伺いします。 また、途中でお気づきになられた場合にありましては、スタッフに声をかけていただき たいと思います。  次に、アンケートでございますけれども、これは今後のために意見交換をよりよいも のにするために皆様のご意見を伺うものであります。ぜひともご協力のほどお願いいた します。アンケートはご記入いただきまして、この意見交換会の終了時に出口付近でお 受けする予定としております。ご協力のほどお願いいたします。  続きまして、本日の議事進行に関して簡単に紹介させていただきます。  最初に、テーマに関する説明といたしまして食品添加物に関する説明を実践女子大学 の生活科学部の西島教授。それから、国立医薬品食品研究所の棚元食品添加物部長から いただきます。その後、5分程度の休憩をとることといたします。  そして、平成19年度輸入食品監視指導計画(案)につきまして、厚生労働省食品安 全部輸入食品安全対策室の田中専門官から、また米国産牛肉への対応状況につきまして 厚生労働省食品安全部監視安全課の蟹江専門官から説明をいたします。  最後に、宮崎県で発生しました鳥インフルエンザにつきまして、農林水産省から説明 があります。  テーマについての説明の終了は午後2時50分を予定しております。そしてこれらの 説明の終了後に10分間の休憩をとりたいと考えております。そして、3時からパネル ディスカッション、意見交換を行い、午後4時30分の終了を予定しております。意見 交換会の円滑な進行のために皆様のご協力をよろしくお願いいたします。  それでは、食品添加物に関する説明につきまして、食の安全と食品添加物のテーマで、 実践女子大学の生活科学部の西島教授、よろしくお願いします。 ○西島実践女子大学教授  実践女子大学の西島です。私は若干自己紹介させていただ きますと、東京都の衛生研究所に30数年勤めておりました。東京都というのは非常に 嫌われものでして、要するに国に対抗するというのか、国に負けるなという意識が非常 に強くてですね。私が入りましたところは研究所の職員が150名ぐらいだったんです が、私が出る、もう30数年たっているんですが、380ぐらい正規職員がいるという 非常に食の安全性について力を注いでいるところの真っただ中におりました。私は科学 部門におりまして、ずっとやってたんですが、きょうはその中の食品添加物についてち ょっとお話をさせていただきたいと思います。  食品添加物についても非常にいっぱいの違反を出しまして、業界の方から歩いてると 石をぶつけたくなるようなそういうような生活をしておったんですが、私自身現在食品 添加物については好きでも嫌いでも全くない。ただ現在、学生にもいろんなところでお 話しさせていただくにも科学的で本当のところをお話しするというそういうようなスタ ンスをとっております。  じゃ、スライドをお願いいたします。この図は皆さんごらんになった方多いと思うん ですが、食品安全委員会が平成15年に食の安全性について、どのように不安を感じて いますかというアンケートの結果です。このアンケートといっても、東京都とか神奈川 県とかいろんなところで自治体でアンケート調査をして、昭和の時代からそういうアン ケート調査あったんですが、非常にこのアンケート調査もですね、かなりどこまで信用 していいかわからないんですね。ここもそうなんですが、たしか、モニターか何か食品 に関心のある人をやっております。東京都も神奈川もそういうような講演にいらっしゃ った方にアンケート調査したりですね。ですから、あそこの新神戸か何かの駅でおりる 人に全部アンケートをすると、またちょっと違った傾向が出るのかなというような気が するんですが、いろんなアンケート調査を見ますと非常におもしろいことがありまして、 一つは昭和の代から農薬と添加物というのは、非常にこういう心配だとか不安だとかと いうので高いところ、結果が出ております。  あと、遺伝子組みかえであるとか、異物とかそれはその時代時代によって物すごく大 きくなったり、すっとこう少なくなったりという傾向があるんですが、どういうわけか 農薬も食品添加物も何となく気持ちが悪いというそういうことを思っていらっしゃる方 がどうも多いように感じます。  でも、これは何でだろうというと、昭和30年代にいろんな、いわゆる当時、食品公 害という言葉がありまして、水銀とかカドミウムとかいろんな事故がありました。砒素 もそうですね。そういうところで被害に遭った方が現在も今も治らない。今も苦しんで いるというような実態も、非常に本能的にそういうことを植えつけられてしまっている 部分があるのかもしれないですが、安全性をこれでもかというように証明をしても、な おかつ、不安を抱く人が多いというのは、やはり売名行為に近い本を出したり、講演を したり、そういうのがいつの時代にもあるんです。私はそういう人たちを見ると血圧が 上がるんですね。なぜそうかというと、彼らは言いたいことを言っておいて、と考える とか、と思うとか、科学的根拠がなしにいろんなことを言ったり、書いたりします。私 どもはそれに対して本当にそうかということを議会から求められますんで、何人かの職 員を使って3カ月とか半年ぐらいかかって、物すごいデータで、そんなことないよとい う証明を本当に何回かやりました。その結果が出るころには、そう言ってる人が全然忘 れてるのか、違うことを言ってるという、そういう人を本当に名前聞くだけで血圧が上 がるという悪い癖を持っております。  次のスライドお願いします。これはちょっと変わったところのなんですが、農林漁業 金融公庫、ここのアンケート調査、平成12年ですが、やはりこれでも食品添加物とか 農薬とかって多いという、各そのアンケートよって随分違うんですが、やはり添加物と 農薬については何となく気持ち悪いとそういうようなものを持っている人が多いという ことを示していると思います。でも、そういう人たちに聞きますとやっぱり何となく終 わってしまうんですね。決定的になんでということは聞きたいんですが伝わってきたこ とがありません。  次のスライドお願いします。これは食品の安全性を実際脅かしているのはどんなもの があるだろうかということで、ちょっと私どもがやったのを簡単に抜き書きしたんです が、このフェンフルラミンというのは国民生活センターの方から、なんかやせるハーブ ティーというのを飲んで、やせてきたんで心配だと言って国民生活センターから話があ りまして、お手伝いしたやつだったんです。この白い結晶がちょうどティーパックみた いなのがありまして、ここを開けると白い結晶がありまして、それをちょっと構造解析 が得意なのを呼んで、「ちょっと調べてよ」と言いましたら、1週間ぐらいで結果を持っ てきました。それがフェンフルラミンということなんですね。何だそれはと言ったら、 当然彼らは聞かれると思って調べてあったんですが、ヨーロッパの方では医者がその痩 せ薬として使ってるやつなんだということで、驚いてそれを厚生省にもお伝えしました し、東京都も即動いて、これは駆逐できたと思ってたんです。それから何年かして、そ れにニトロ基をつけたN−ニトロソフェンフルラミンこれが危害が出て、その時は残念 だったですね。もう少し継続して注意すればよかったと自己反省したんですが、これは 危害が出ております。  この便秘にいいハーブティーというのも国民生活センターから相談受けたんですが、 便秘の人が薬局に行ってハーブティーで便秘を治したということで行ったんです。とこ ろが、便秘がどんどんよくなったんで心配だって、さっきの人もそうです。やせたいと 言ってやせると心配なるし、便秘治したいと言って便秘が解消すると心配になるという、 どういう心理かわからないんですが、実際そういうことで相談を受けました。箱を見ま すとハーブティー、やはりそれも紅茶のティーバックみたいな形だったんですが、そこ には大きくセンナは入ってませんと書いてあるんですね。こう見ると、私、余り詳しく ないんですが、どうもセンナっぽいなと言って生薬の研究室のを呼んで鑑定してよと言 ったら二、三日して「先生これ8割方センナです。」そういうようなまがい物もある。こ ういうのもちょっとおかしいですね。  元気になる飲料。これなんかいうのは中国に行って日本の中小企業の社長が中国何千 年か、「きっといい薬か、食べ物があるだろう」と言って探し回ったそうです。そうしま したら、「ぐちゃぐちゃ言わないで飲んでみろ」と言ったら元気になったんですね。その 社長販売契約をして、日本に来て、それを売ってたら、東京に品川ってあるんですが、 そこの管内の人が本当に元気になったけど大丈夫かと言って持ってきたんですね。それ を調べましたら、その飲料の中にバイアグラが入ってたんです。中国何千年バイアグラ を使ってたとは考えられない。こういうようなまがい物というのもまだある。  この血がさらさらって、さらさらの血がよさそうな気がするんですが、イチョウの葉 っぱで血圧に効くようですね。ヨーロッパでは使ってるようですが、日本の業者がまね してやったらば、おかしくなったと言って持ってきた。これもヨーロッパで使っている のは何でだろう。大丈夫で日本のはなぜだめだろう。調べたところ、イチョウの葉っぱ にギンコール酸というも、ともとそういう毒性物質が入っているんですね。ヨーロッパ はそれを入ってこないような抽出法、あるいは抜くような操作をして、やはり使ってい たということで、これなんかもちょっと怖いなと思うんですが。  最後のクロレラはクロレラが悪いんじゃないんですね。南の国でさんさんと太陽を浴 びてという、いかにも健康そうなパンフレットあります。とてもすばらしいパンフレッ トが多いんですが、そのいけないのは南に国でさんさんと太陽を浴びてというやつなん ですね。本来はクロレラなんか短期培養で安全なのがどんどんできるんですが、恐らく フィリピンかどっかの池とか沼で、いろんなごみとか飛び込んでくるところでとったと いうことだったのかなと思うんですが、時々、細菌検査やると非常に高いのがあるんで す。それで下痢をする場合があるんですね。そのときに、大体の方は販売した人に「あ んたのこれ飲んだら悪くなったよ」と言ってるようですが、そこがいけないんです。そ の人が「じゃ、すぐやめて医者に行ってください」と言えばそれでいいんですが、「いや、 それ毒素が出ているところだから、飲み続けろ」ということで、それでぐちゃぐちゃに なって問題になるというのが多いようです。こういうのは探せばきりないんですが、こ ういうような実際安全を脅かしているものもあります。  次、お願いします。それで、これなんかいうのは食の不安を増長させているもの、こ れ協和香料といういい会社がありましたね。そこが香料の中にアセトアルデヒドといっ て、ヨーロッパではみんな欧米では使われているのが、日本で許可されていない。その 許可されているのを使ったということですが、それで全面回収とかといって、あんない い会社がなくなっちゃったのは残念なんですが、これも毒性が出るわけないですね。香 料なんていうのは、ほんの少しで、それもいっぱいの成分がまじってるんで、それが許 可されないからといって、でも済みません。きょうは厚生省の方がいるんで、それはい けないです。そういうことをしてはいけないですと言わなきゃいけないんですが、毒性 とやっぱり安全性と安心感というのは、また、ちょっと別のところがあるんですけどね。 あと、同じです。TBHQなんかそうですよ。肉まん、ダスキンなんかで問題になって いるわけですが、こんなのはヨーロッパでも許可している結構いい酸化防止剤なんです ね。それが許可されてないということで今も問題になっている。やっぱり、今の現時点 で問題になっているお菓子屋さんもあるように、やはり消費者は安全というよりも安心 感。いわゆる、コンプライアンスというんでしょうかね。法令を逸脱すると非常に消費 者の目が厳しい。それは当然だし当たり前のことだと思ってます。  ですので、やはり企業、それは生産者も企業も加工業も流通も販売も全部そうですが、 やはり食品衛生法というものをやはり絶対逸脱しないように、それを逸脱すると、やは り消費者の信頼を損なうというそこにあると思います。本当にそれは原点だと思ってお ります。  次、お願いします。これは肉は腐ってもおいしそうに見えるのはという。東京に府中 というところがありまして、そこで普通の家庭の奥さんがハンバーグをつくって食べた ら体中がかゆくなったという事件があったんです。府中保健所というのは能力いいなと 思うんですが、これニコチン酸じゃないかということで持ってきたんですね。やったら、 そのひき肉の中にニコチン酸が結構入ってたということで、原因はそのニコチン酸なん ですが、そのニコチン酸とかニコチン酸アミドはビタミンですね。それでまちのドリン クなんか買うと結構入ってるんですが、ビタミンといえども、過剰に使うとやっぱり被 害がある。それはご存じの方多いと思うんですが、ニコチン酸を入れますと、ひき肉が いつまでたってもひきたてのように見えるというようなそういうような効果があります。  それから、野菜を元気にするのはというのは、野菜に1%ぐらいの燐酸の溶液をつく っときまして、モヤシのだらしないモヤシを入れてしばらくすると「気をつけ」します。 普通の小さな何でもいいです。野菜も燐酸の溶液の中に入れときますと、だらしないの が「気をつけ」します。これは非常に困りました。なぜかというと食品を検査するとき には通常サンプリング、資料をつくるときには全体を均一にしてから一部をとって検査 するんですが、この燐酸というのは植物の中にいっぱい入ってます。ちょっとでも傷が ついたら、そこから染み出して試験がぐじゃぐじゃになるということで、この試験ほど 情けないのはなかったですね。蒸留水を置いて、そこに野菜を傷つけないように、そう っとご機嫌を伺いながら、中に入れて、浸してちょっと様子を見ながら、ご機嫌とりな がら、ゆすったりして、その溶液を燐酸を調べます。そうすると使ってるのは完璧にわ かるんですが、中にはいっぱい比べ物になんないほど、いっぱい燐酸が入ってますんで、 この上も下もすぐに厚生省の方にも連絡したところ、これは直接毒性がどうこうという ことよりも、消費者の目をごまかす行為だからということで、即これも禁止になりまし たね。  あと、COまぐろ、これは国立医薬品食品性研究所で試験法なんかいうのを検討をし たやつなんですが、やはり、これも毒性とはまた別のものですが消費者の目をごまかす ということで禁止になりました。  この安物のワインをというのは、ご記憶の方いらっしゃると思うんですが、これもや はり本当に毒性というよりも、何ですかね、本当にジエチレングリコールをハーフボト ルに1CCぐらい入れると、あの高級ワインのあれですね。貴腐ワイン、貴族の貴に腐 ったというのを書くんですが、それと非常に似た味になる。おいしいんです。私、酒飲 めないんで、すぐ私なんかごまかせるんですが、ヨーロッパではジエチレングリコール 入りのがフランスとかドイツのワイン祭りで金賞、銀賞いっぱいとってるんです。です から、本当においしくするやつなんだなと思うんですが、これも脱税か何かでヨーロッ パで見つかって、それが引き金になって大騒ぎになったやつですね。  次、お願いします。これは皆さんなんでしょう。即答していただきたい。ギ酸、シュ ウ酸、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、メルカプタン、ハルマンここら辺がオナ ラの成分でしょ。メルカプタン、ハルマン、ノルハルマンというのは発がん物質ですね。 この鉛、クロム。こういうようなものを200種類以上入ってて、皆さん結構お飲みに なっている方いらっしゃる。これは清酒の微量分析になると、こういうことになるんで すね。でも、実際的には水とエタノールが圧倒的に多くて、こういうのは超微量成分で あるんですが、「こういうのをお酒の中に入っている危ないですよ」と言ったら結構そう いうことばかり本を書くと売れるんかなと思ってるんですが、こういうのが実態だと思 うんです。どんな食品を調べても、超微量ですが、ダイオキシンが微量混入してたり、 魚なんかにも入ってますよね。肉なんかも入ってます。こういうような話ですので、や はり安全性というのは、その物の毒だけでなくして、やっぱり日常食べる量そこを勘案 しないと、本当に食べる物がなくなってきます。ですからそういうバランス感覚という のは今求められてるんじゃないでしょうか。  次、お願いいたします。これも同じようなことですので、何と私はきょうは2時間以 上のスライドをつくってきてしまいまして、25分ですから、あと5分はありますが、 結論はなかなかいかないと思いますが、本当に調べますと、完全な食品をいうのは知り ません。そういうのがあったらぜひ会いたいと思っているんですが、今まで見たことあ りません。  突き詰めてきますと、先ほどの清酒の例にあるように、全く無毒の物が入ってない食 品なんかありません。やはりバランス感覚が必要だなと思います。  それと、あと最後に、ADIが書いてあるんですが、これは本当に私の知っている毒 性学の先生が、あの先生が言うんなら安心していいというようなすばらしい先生が厚生 省とか食品安全委員会の委員として集まって、いろんなデータから精査してますので、 これは本当に科学的な根拠のある数字と思っております。  次、お願いします。これはいろんなものを調べてきますと、揮発性成分だけで、こん なにも見つかってるよというコーヒなんか見てください。950種類以上の揮発成分が あるわけですから、食品なんてのはいろんなその化学構造式でかけるものの塊だという ことをちょっとこれでお示ししたかったんです。  次、お願いいたします。これは、これ1枚だけで20分は十分あるんですが、これを 考えてみてください。全部食品添加物が重要な役目をしてます。食品添加物がなかった らこういう食品は存在しない。存在しても物すごく汚いか、あるいは物すごく値段の高 いものになってしまうと思います。やはり、いいところと悪いところとバランスにかけ て健康を損なったら元も子もないですが、やはり、そこのバランス感覚が必要だなとい うことを感じております。  次、お願いいたします。現在、東京都の衛生研究所とか、その町営衛生研究所の結果 を見るとですね、こういうものは非常に違反として比較的多いと思います。全体を調べ て違反は物すごく少ないんですが、その少ない中のを調べるとこういうのなんです。こ れを一口で言うと全部外国で許可してて、日本で許可してないものなんですね。それと 保存料の安息香酸なんかいうのは違反が結構あるんですが、これ世界の国々で食文化が 違います。我々が食べてないようなものまで普通に食べてる国もあります。そういうの から入ってくると、同じ安息香酸でも許可してない食品から出てきたりします。そうい うのがありますんで、こういうものの違反がとても多いというのは各国の食文化が影響 しているんじゃないかと考えております。  次、お願いします。これは何を言いたかったかというと、昔はよかったという人のた めにこれだけでも20分以上は説明したいんですが、要するに一口で言うと大正時代に お生まれになった方、現在生きている方は私は死なないんじゃないかと思うんですね。 なぜかというと当時は意外と化学物質いっぱい輸入されて使われてました。保存料なん かα-ナフトールなんて発がん性があって、怖くて研究室、大学の研究室なんか持ってな いようなものまで使ってましてね。そういうのを生き抜いてきた大正時代の方というの は、これからも死なないんじゃないかと思っております。そんな状況です。  次、お願いいたします。これは過去に食品添加物で起こった事故というのは、一生懸 命探してもこれだけです。一番下のは先ほどのやつですね。これも何が悪いというより も大過剰に何でも食べることによって、ちょっと障害が起きたということです。  次、お願いします。これは厚生労働省がやっております食品添加物の一日摂取量なん ですが、問題なのは対ADI比、先ほど申し上げました一日どのぐらい食べていいかと いうものの比率なんですが、私、20数年間、厚生労働省の調査に参加させていただい ているんですが、やっぱりこれが実感です。本当、対ADI比が低いということです。  次、お願いします。これも同じですね。そういうことで100%以上超えてる硝酸に ついては野菜の中にはたっぷり入っておりますんで、添加物からくる許容率というのは 1%ないんじゃないかと考えております。  次、お願いします。これも、あと30秒ありますので、検査する方は何とか違反を出 したいという検査する人の異常心理がありましてね。何でもいいから違反を出さないと 自分たちの存在価値がなくなるような錯覚になるんですが、本当マシュマロの白の中に、 ほんの少し青が入ってたり、レモンというこの大きな瓶の中に、通常の試験法だと出な いんで、全部使って検査をして出ると違反だって。そういうぐらい物すごく低濃度で違 反を出したりするんですが、やはり、今、物すごい分析器が発達しておりますんで、超 低濃度も検査することができます。ですが考えてみますと、アフラトキシンB1といっ て、物すごく発がん性が強くて世界じゅうで気をつけてるカビ毒があります。アフラト キシンB1。それよりも食品添加物が低い感度でやって出た出ないなんか言って、そう いうのが新聞に出ちゃったりする、そういうのが実態ですので、非常に今は安全性を最 重点に置いて異常と言われるぐらいまで低い感度で出た出ないを言っております。  次、お願いいたします。これは、これだけで30分は使えるんですが、これは中学か 高校、小学校か何かの副読本らしいんですね。皆さんこれを最後のを見て、中をよく見 てください。笑えるやつですが、これを実際副読本といえ、こういうので教育されちゃ たまったものじゃないということで、本当にこれを見ると時間つぶしになりますので、 お暇な方はこれを見て楽しんでいただければと思います。  じゃ済みません。30秒ほど超過しましたんで、この辺で終わりにさせていただきま す。 (拍手) ○司会  西島先生ありがとうございました。続きまして、国立医薬品食品衛生研究所 の棚元食品添加物部長から食品添加物の安全性確保について説明します。棚元部長よろ しくお願いいたします。 ○棚元国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部長  ただいまご紹介にあずかりました 国立薬品食品衛生研究所の棚元でございます。  前の西島先生が多彩なご経験をもとに、食品の安全に対するバランス感覚という観点 から非常におもしろいお話をいただきました。私の方は食品添加物が非常に悪者扱いさ れている傾向があるようですが、その安全性ということはどういった形で科学的に保障 されているのか、そういったところを本日はご説明させていただきたいと思います。  最初のスライドお願いします。最初にアンケートの結果を示します。これも、やはり 食品安全委員会平成17年度に行ったアンケートですが、食品添加物に対する不安理由、 どうして食品添加物は不安なんですかというところのアンケート結果ですが、見てまい りますと、非常に大きな部分として規格、基準、表示の規制が不十分といった問題が出 てきます。それから、科学的な根拠に対する疑問があります。また事業者等の問題もあ りますが、今問題になっているところですけども、さらに食の安全性に関する情報がな いといったところが大きな理由で、この結果から判断しますと、化学的な安全性はどう やって保たれているのかというところが、いま一つ理解されていないということが見え てくるわけであります。  次、お願いします。これもちょっと古い統計なんですが、ただ意識としては現在も生 きているものではないかということでお示しいたします。これは消費者の目というもの と、科学者の目の対比を示したもので、非常におもしろい結果が出ています。一般の主 婦の方は、がんの原因として食品添加物が断トツという意識を持っていらっしゃるんで すね。一方下の赤に書いていますところは、がんの疫学者、すなわち科学者、科学の目 で見たところというふうに考えていただければよいと思うんですが、食品添加物が発が んの原因物質であるというふうに考える方はほとんどいません。逆に一般の消費者の方 は普通の食べ物というのは発がんの可能性はないというふうに考えているわけですね。 ところが疫学者で言いますと、こ普通の食べ物は逆に発がんの可能性が高いと考えてい ます。食品添加物に関してこういった対比がなされている。その他もブルーと赤の対比 を見ていただければ、いかに主婦の方、一般消費者の方と研究者の方たちの考え方が違 うかというところが非常に如実に見えてくるというわけであります。  次、お願いします。そこで、食品添加物の安全性ということでお話しするわけですが、 まず最初に食品添加物というものを大きく2つに分けて示してあります。一つは化学的 に合成された添加物、もう一つは天然由来の添加物いうふうに大きく2つに分けられま す。最も合成添加物といいましても純粋に合成された物はそれほど多いわけではありま せん。完全に化学的に合成された物だけはなくて、この中には天然由来の物と同じ物を 科学的に合成したものや、あるいは天然由来のものを化学的に修飾したようなものすべ てを含んでいます。合成添加物といいますのは別の言葉で指定添加物という表現が使わ れます。これは、このあと指定添加物でご説明いたしますが、現在364品目ございま して、化学的、生物学的に安全性が確認された上で国が使ってもいいというふうに許可 したものということになります。説明が逆になりましたが、食品添加物というのは国が 使ってもいいとした以外のものは、もちろん使えないというのは皆さんご存じだと思い ます。  それから、この合成添加物に対比いたしまして天然添加物というものがあるわけです が、別名既存添加物と言われるもので、現在450品目あるんですが、これは平成7年 にそれまでの食経験、すなわち、それまでずっと摂取していたものということで、指定 制度というものの例外として、安全性確認とか品質規格の設定がないまま国が使っても いいと認めたものであります。このように大きく分けまして、添加物には指定添加物、 既存添加物があります。それ以外に天然香料、一般飲食物添加物というものもございま すが、この2つにつきまして説明を省略いたしたいと思います。  次、お願いいたします。基本的に食品添加物というのは日本では指定制度に基づいて 行われているわけですが、この指定制度といいますのはどういう制度かということがあ りますけども、まずこの添加物を使いたいという方が、国に対して申請を出すというこ とです。まず、厚労省に対して申請があるわけですね。この申請の際に大量の資料が必 要となってきます。この資料につきましては後ほど説明いたしますが、いろんな安全性 を確認するための資料がまず要求されます。現在の制度は食品安全委員会という組織が できておりますので、厚労省に来ましたこの安全性に関する申請の資料というものが、 まず食品安全委員会におきましてリスク評価というものを受けます。食品安全委員会で はこのリスク評価に基づきまして、先ほど西島先生のお話にもちょっと出てまいりまし たADIというもの、これは人間が一日どれだけまで食べても大丈夫か、一生食べ続け ても大丈夫という一日の量をADIというわけですが、このADIというものを算出い たします。食品安全委員会でのそのような安全性評価を受けて厚労省ではさらに、有効 性でありますとか、あるいは規格、あとで規格ということも説明いたしますが、を設定、 確認した上で、この添加物は使ってもよいと認めることになります。これが食品添加物 の指定制度といわれるものです。  次、お願いします。先ほど指定に際しまして、いろんな書類が必要になるということ を申し上げましたが、ここに簡単に、その申請の際に出すべき資料というものをまとめ てあります。まず一つは化学的性状がどういったものであるか、すなわち物理、化学的 な性質について非常に詳細なデータが必要になってきます。一定の品質の物を常に供給 できるようにその化学的性質をここで定義づけることになります。  それから、食品添加物ですから、当然有効性、すなわち何らかの効力を持っていない といけないわけですね。その有効性に関する資料というものも当然必要になってきます。  それから、動物を使った安全性に関する膨大な資料が必要になってきます。  さらに、使用基準といいまして、これはどういった使い方をできるかということを示 した資料が必要になってきます。  次お願いいたします。これまでの話を流れとしてまとめますと、これはすなわち食品 添加物の安全性の評価というのは、どういうふうに行われているかということにつなが っていくわけですが、まず規格の設定が行われます。これにより化学的性質がどういう ものであるかということを示す必要があります。この化学的な性格に基づきまして動物 実験を行いまして、毒性試験をやるわけです。毒性試験の結果からADIというものが 設定されます。一日に食べていい量というのがここで決まるわけですね。このADIが 決まりましたら、このADIをもとに、ADIを超えない範囲で使用する基準というも のを設定することになります。こういった流れの結果として食品添加物個々の安全性が 確保されるとこういうことになっているわけです。  スライド変わってしまいましたが、ここでそれぞれの項目につきまして、言葉の意味 を少しご説明いたしますと、まず、こ規格というのは何かということですが、規格を決 めることの意味というのは、常に安定した製品を確保する必要があるのでその化学的性 質を一定にしておかないといけないということです。したがって、物質の特質あるいは 本質に関するもの、さらに純度とか成分とか、とにかく最低限守るべきものの項目を示 してあるわけです。純度のほかに、その製造の過程でいろんな危ないものが入ってくる 可能性があります。例えば砒素であるとか、重金属であるとか。そういったものも幾ら 以下でないといけないという上限値をこの中に設定することになるわけです。当然です が、この設定された規格に合わない添加物はこれを使用したり販売することはできない ということ法律的に決まってるわけです。  次、お願いいたします。では、なぜこういった規格が必要であるかということですが、 この規格設定ということが重視されるようになった歴史的な事件といいますのが、先ほ ど西島先生ちらっとおっしゃいました1955年ヒ素ミルク事件でした。これはご存じ の方もあるかと思いますが、森永乳業の粉ミルクの中に不純物として、砒素が混入して いたということで、死者138名、被害者が1万人を超える食品衛生史上に残る大事件 が起こったということです。そのときの原因というのはpH安定剤として使った第2燐 酸ソーダの中に、砒素が大量に混入していたことです。安全性の確認なしにこういった ものを使ったことが原因であったわけです。これが契機になりまして、こういった不純 物のない一定の品質のきれいなものつくらないといけないという発想から、1957年 食品衛生法の改正が行われまして、1960年に食品添加物の公定書というものが刊行 されたわけです。この公定書といいますのは、その中に現在指定を受けた食品添加物の 化学的な規格基準というものがすべて収載されている書物です。  次、お願いいたします。食品添加物公定書について若干ご説明いたしますが、もう近 い将来第8版というものが刊行されることになりますが、新しく追加された食品添加物 でありますとか、新しい試験法を改正されたものとかあるいは国際制度等いろんなこと を勘案いたしまして、大体5年をめどとして改正が行われ、新しい版が発行されること になっています。その中には先ほど言いましたいろんな成分規格というものが各食品添 加物について記載されます。公定書には指定添加物のほとんどが収載されますし、既存 添加物は一部でありますが、収載されています。こういった成分規格のほかに、製造基 準でありますとか保存基準あるいは使用基準といったいろんな基準も入ってきます。そ のような形で規格基準書のまとまったものが食品添加物の公定書であります。  次、お願いします。少し細かい話になってしまいますが、規格としてどういった物理 的、化学的性状を規定する必要があるかということをずらっと並べたものですが、新し い添加物を申請する際に、これらすべてを記載しないといけないということになってま す。この中には含量、要するに添加物の含量がどのくらいないといけないか、あるいは 製造方法がどうであるかとか、あるいは性状がどうであって、それから純度試験、純度 試験といいますのは、先ほど言いました砒素であるとか、重金属であるとか、そういっ たものをどれだけ以下でないといけないといった規定ですが、このようなものがすべて 入っているわけです。これが成分規格というものです。  次、お願いします。このように化学的な性状が規定された上で毒性試験というものが 行われるわけです。時間の関係ですべては説明できませんが、まず反復投与毒性試験と いいまして、28日から1年間にわたって動物にえさを与え続けて、その毒性を変化を 見ます。それ以外にここに書いてありますように、いろんな試験が実施されますが、そ の中には発がん性、催奇形性、繁殖試験、さらに変異原性、抗原性アレルギーといった 幅広い非常に膨大な安全性の資料というものが必要になってきます。  次、お願いいたします。この毒性試験の結果がどう生かされてくるかということであ りますが、これは先ほどから何度も出ておりますADIという、いわゆる一日摂取許容 量ということに結びつくわけです。このADIの設定というのはどうするかということ ですが、まず毒性試験の結果から実験動物に有害な作用を示さない量というものを出す わけです。これはこの図を見ていただければわかると思うんですが、投与試験物質をど んどん与えていきますね、ある時点から毒性が出てきてこういう形に出てくるんですが、 この毒性を示さない量、これを無毒性量とするわけです。この無毒性量に対して、その 100分の1がADIというものになります。安全係数を掛けるんです。図のここでは なくて、そのさらに100分の1の量をADIとするわけですね。科学的にその100 という数字は一体何なのかということですが、これは一つは動物と人との種の違い、動 物では安全だけど、人ではどうなのかということに対する安全係数として10というの があります。さらに、人の個人差というものがありますので、その安全係数としてさら に10、掛けて100。100分の1ということで、すなわち無毒性量がこれだけとし ますと、ADIというのは赤で示したこの部分です。これがADIと呼ばれるものです。 このADI決まりますと、次に使用基準、どれだけのものを使っているかということを 行政的に決めるわけですが、このADIよりも当然少ない量ということで決められてい るわけです。  次、お願いします。使用基準は今、言いましたように、(ちょっと時間がなくなってき ましたね。)これは各食品添加物を、食品にどれくらい加えてよいかということを示した ものでありますし、これは品目ごと、あるいは対象となる食品ごとに、決められている ものです。使用基準の上限量を添加してもADIを十分下回る量しか摂取しないように ということで使用基準が決められるということになります。  次、お願いします。これはちょっと省略いたしますが、このようにして安全性という のを確認、確保されているわけですが、実際こういった形でADIを求め、使用基準を 決め、その結果、本当に消費者の皆さんがこの使用基準、あるいはADI下回る量しか 食べてないかどうかとそういうことを確認するためにやるのが摂取量調査です。西島先 生も先ほどおっしゃいました。摂取量調査というものは、実はこの方式はいろいろある んですが、一つはマーケットバスケット方式といいまして、実際に食物を集めてきて、 これを分析します。分析して実際に添加物がどれだけ入っているかをすべて調べる。こ れは科学的に計測する方法です。  それから、もう一つ生産流通使用料調査方式というのがあって、これはつくられてい る添加物の食品に使われている年間の量を、日数とさらに人口で割って一人頭幾ら摂取 しているかという統計を、アンケート調査の結果求めるものです。この2つの方式が現 在日本でよく使われている方式です。  次、お願いします。細かい表ですが、これは平成14年から16年、国が行ったマー ケットバスケット方式。すなわち実測によって摂取量を測定したもののの一部なんです が、見ていただきますとわかりますように摂取量は、すべてADIよりも下であり、か つほとんどのものがADIよりもはるかに低い値であるということがこれによって証明 されています。すなわち、この安全性評価にのっとって使われた食品添加物は、実際に も非常に少量しか使われていないということがこれでわかるということになります。  次、お願いいたします。時間がまいりましたので、既存添加物のことは簡単にお話し いたします。既存添加物といいますのは、先ほど言いましたように平成7年に食経験と いうことをもとにして、この時点では安全性の評価というものをなしに認められたもの です。実は国は使用を認めたあとで、安全性評価というものを後追いでやってるわけで すが、一つはにはそれらの規格をつくらなければなりません。ところが、これは天然由 来のものですので、非常に規格をつくるのが大変です。従って現在規格ができているも のは、第7版公定書に収載されたものが71品目、もうすぐ8版が出ますが、それには 60数品目、合計130品目ぐらいの規格しか出来ていません。全部で450品目あり ますので、まだその一部ということになります。  次、お願いいたします。安全性評価の方が実は先行しておりまして、既存添加物48 9品目につきまして、評価が行われ、現在のところある程度のめどは立っており、大体 のものにほとんど問題はないという確認は行われている状況です。  次、お願いいたします。最後ですが、既存添加物の消除というのでありまして、こう いった安全性の評価を後からやっているわけですが、そこで安全性の問題が出た品目に ついては、これを消除するということが食品衛生法の平成15年改正によって決められ ています。すなわち、健康上被害をもたらすと思われるものについては消除するという ことで、その例がアカネ色素で1件ありました。  それから、流通されていないものについてはこれも消除しますということで、つい最 近38品目が消除されました。このように既存添加物につきましても、現在、国が主体 的に安全性というものを評価しているというのが実態です。  ちょっと時間がなくて急いでしまいましたが、以上、食品添加物の安全性が化学的に どうやって行われているかということをご説明申し上げました。どうもありがとうござ いました。 (拍手) ○司会  棚元先生どうもありがとうございました。それではここで5分間の休憩とい たします。開始は1時52分といたしますので、それまでにお席の方にお戻り下さい。 (休憩13:48) (再開13:52) ○司会  それでは再開いたします。引き続き輸入食品の安全確保についてということ で厚生労働省食品安全部監視安全課輸入食品安全対策室の田中専門官から説明いたしま す。 ○田中厚生労働省食品安全部監視安全課輸入食品安全対策室衛生専門官  厚生労働省 の田中でございます。よろしくお願いいたします。  本日はまず、テーマであります輸入食品の現状ということについて、お話をさせてい ただくのとあわせまして、その安全性確保になっている国の機関であります検疫所の現 状がどうであるかということと、本日のテーマの一つであります輸入食品安全性、輸入 食品の安全性を確保するための計画、輸入食品監視指導計画というこの3点についてご 説明させていただきたいと思います。  次、お願いします。まず、これは各国の食料自給率をあらわしたやつになります。緑 色で示されているグラフが昭和45年で、オレンジ色の方がその30年後、昭和14年 のグラフになっております。カロリーベースというふうに書いてありますが、日本にお ります牛であるとか、豚であるとかそういったものも海外のえさに依存をしているとい うことも含めて、どの程度日本は食糧自給という点で海外に依存をしているかというこ とをあらわした図になります。昭和45年では約6割、60%近くあった自給率が昭和 14年、30年後では大体40%というふうになっております。これは近年変わってお りませんけれども、こういった表から見ますと日本はおよそ約6割を海外の輸入に依存 しているということが言えると思います。  次、お願いします。この食品なんですが、輸入をする際には必ず検疫所というところ に届け出をしなくてなりません。その統計をあらわした図になります。これが一部輸入 品がふえているということをあらわしている図になるんですが、この急激に伸びている 部分、これは届け出の件数をあらわします。そして、ゆるいカーブの方が重量ベースの 表になります。この重量といいますのは日本の人口そんなに急激にふえているわけでは ありませんから、ゆるいカーブで上がっているんですけども、こちら急激に伸びている と、これは大体ここ10数年で2倍ほどにふえているんですが、これはどういったこと かといいますと、いわゆる航空貨物での少量高付加価値の食品の輸入がふえたとか、冷 凍輸送の技術発展によって余り国内に在庫を置かずに反復的に輸入をすると、輸入の回 数がふえる、もしくは少量多品種でいろいろな食品が輸入されてくるようになったと、 あとは従前は原料を輸入して国内で加工していたものが、それを海外で加工して持って くるというような、いろいろな要因から多様な食品が輸入されることになったというこ とをあらわす図であります。 それと、もう1点。いわゆる日本が輸入に対してこういった光景がいろいろ状況があら われてくるというような、ここ少しぽこっと上がっているところがあると思うんですが、 これ実は緊急輸入米があったときに、米というのは非常に自給率高いんですが、実際に はそのときに足りなくなって海外から輸入をしたというところで、重量が少し上がって いるというようなものがここに反映されていると。  次、お願いします。これはどういった食品が輸入されているかという構成の図になり ますけれども、およそ全体の7割が農産食品、もしくは農産加工食品。内容でいえば小 麦、大豆、トウモロコシとそういった穀類、豆類関係の輸入が重量ベースでは多くを占 めております。当然、あと野菜、果実そういった農産品が全体を占めていると。どうい ったものが実際どんな国から来ているかということは厚生労働省のホームページにも載 っておりますので、ぜひご参照いただければと思います。  次、お願いします。これら多く輸入されている食品に対して国の機関どのような体制 で臨んでいるかということで、全国の検疫所の配置図になります。今、全国で31カ所 の港と空港にそれぞれ検疫所という施設を設けて、検査と届け出の審査を行っています。 その中で横浜と神戸で、それぞれ大きな検査センター、高度な分析を行うための検査セ ンターを設けてあります。そこで実際に残留農薬であるとか遺伝子組み換えとか高度な 分析を行っております。そういったこの全体の中で国の食品衛生監視員という者たちが 資格を持って分析を行ったり審査を行ったりしています。  次のスライドお願いします。これは食品衛生監視員がどのようなペースで、先ほど輸 入届け出件数も急激に伸びているというお話をしましたけれども、そういったことに対 して、当然それを監視する監視員という人数もふえています。平成元年では100人い なかったんですけども、ここ昨今、国家公務員が削減をされていくという中で、監視員 は一応増員が認められていると、国の中でもそういった食品安全分野に対しては、やは りある程度重要性を認めていただいてるというところだと思いますけど、現在では31 4名が先ほどの31カ所、検査部門も含めてですけれども、監視員が配置されていて、 これは19年度、まだ案の段階ですが、一応また20名の増員が見込まれております。  次のスライドお願いします。これは監視員たちが実際に現場に出向いてサンプリング をしているそういった風景を撮った写真でご紹介いたします。先ほど言いました300 名の監視員ですけれども、実際にそういう書類の審査も行いますし、そういった審査を 行う者はみずから現場に出向いて、こういったサンプリングをすると。この届け出とい いますのは当然10カートン程度の物もあれば、数千カートンの物もあります。そうい ったものを均一に反映するために、しっかりとしたとり方が決められています。そうい った決められたとり方をして、その貨物の全体を評価できるようなサンプリングを行う ことによって、正しい検査結果が得られるというような体制になっています。  次のスライドお願いします。これは実際にここにいろいろな検体があるんですが、実 際にはこういった一つ一つの検体が検査センターに年間8万個ぐらい送られてきている ような状況です。当然、取り違えがあっては大変なので、最近ですとバーコードによる 管理ですとかいうのも行われておりますし、微生物の検査も行いますので、宅配で輸送 している最中に、温度の不適切な管理があっては大変なので、全部こういった温度計を 取りつけて実際に検査するところに持ち込まれるまで、ちゃんと管理されていたかどう かということも記録をしています。  次のスライドお願いいたします。これは理化学検査ですので残留農薬とか、そういっ た分析を行うざっとした流れになりますけれども、先ほどとってきた検体をミキサーで 均一にして、しっかりとした平均値が出せるように、きれいに均一化します。それをい わゆる有機溶媒等で抽出、そして機械にかけられるように精製をして、最後クロマトグ ラフという専門の機械になりますけれども、こういったもので分析・解析を行うと。こ ういった検査成績に関しましては、すべて記録をとって保存をしてあります。といいま すのはいわゆる海外の食品に対して、いわゆる違反、だめ出しをするわけですので、当 然、海外から正しい結果で行われたものかというような成績を求められます。ですので、 そういった諸外国から記録を求められた場合でも、国際的に認められるような制度をも ってやっておりますいうことの記録を出せるような体制をとっています。実際に違反を 出す場合には厳しいチェックをしてやるんですが、この人はちゃんと検査されているか どうかをチェックする人です。  次のスライドお願いします。こういった食品の安全性確保の基本的な考え方というの が食品安全基本法という中に第4条というところですが、記載されております。食品の 安全性確保というのは、いわゆる国の内外における、これはいわゆる農畜水産物の生産 から、いわゆる販売に至る各段階において必要な措置を講ずるトータルでやっていくこ とが必要なんだということが安全基本法に明記されています。国の内外ということです から、いわゆる国内対策だけではなくて、輸出国の対策もとれということがこの法律の 中で明記されているんですが、では輸入食品の場合はどうするかと、当然この3段階で の対応を行っていくと、輸出国における対策を考えていく、それと水際、これは輸入時 のことですけれども、いわゆる検疫所での対策。そして、これは主に都道府県の方々に やっていただいておりますが、国内流通時での対策。これを3つの柱に輸入食品の安全 性の確保を図っていこうというふうに考えております。  次、お願いします。この輸入食品、いわゆる監視を行う上で国が実際にどういった対 応をしているか、どういった対応をすべきかということの基本的な計画を記載してある のが輸入食品監視指導計画になります。  次のスライドお願いします。先ほどの輸入の3段階での安全性確保というのを流れ図 にしてみました。輸出国の対策、輸入時の対策、国内での対策。それぞれいろいろなふ るいにかかって最終的に消費者の方々の手にわたるというような流れになってますが、 実際にここで重要なのは、違反が、問題のある食品が見つかったときに、それぞれそう いった情報を各段階の対策でどのようにフィードバックしていくかいうことが重要にな ってきます。当然、輸入時の検査で問題が見つかればここで輸入時の検査を強化してい く。あわせて輸出国に対策を求めていく。これは主に厚生労働省が中心になって協議を してますけども、当然都道府県で違反が見つかれば、それを輸入時に監査体制にもフィ ードバックしますし、輸出国にも要請をすると。それともう一つ、最近、力を入れてお りますのはそういった日本だけではなくて、諸外国がいろいろな食品の安全性確保にな るので、当然検査もやってますし、モニタリング検査もやっています。そういう海外の 情報があれば、それも積極的にそれぞれの輸入時の対策、もしくは輸出国政府に対して の対策を求めていくような流れになっています。  次のスライドお願いします。先ほど言いましたとおり、食品を輸入する場合には必ず 検疫所というところに届け出をしなくてはならないことになっているんですが、その届 け出の際には監視員が実際に食品衛生法に適合しているか、もしくは検査が必要かどう かといういったことを判断するための情報というのが入っていて、実際には全体の9割 近くがコンピューターで届け出がなされてきました。そういったコンピューターですべ てデータベース化されていますので、過去の状況であるとか、どういった点に注意した らいいかというのもデータベースで検索できるようになっているんですが、そういった システムを使いながら、それぞれ検査の必要なもの、そうでないものというのを振り分 けています。  次のスライドお願いします。検疫所における検査体制ということなんですけども、先 ほどの図にもちょっと書いてありましたが、検疫所が行っている検査。大きく分けてこ の3つあるんですけれども、まずはモニタリング検査。これは年間計画に基づいて平成 18年度ですと7万8,000検体ほど検査するというような計画を立てて、いわゆる ランダムに抜き取り検査というものをやっています。当然、ここで違反が見つかってく れば、このモニタリングの検査率はアップして、さらに違反が見つかれば検査命令とい う措置に移行します。これは後ほどまたご説明します。それとあわせて、当然、検疫所 から事業者に対して定期的な自主検査というものも求めて、主にこの3つの検査体制で 輸入時の検査を行っております。  次のスライドお願いします。この図というのは、その違反の蓋然性に応じてどんどん 体制が厳しくなっていくというのをあらわしてます。通常このモニタリング検査という のをやっていて強化され、検査命令に移行します。この検査命令に移行してから、さら に違反が頻発して非常に高い違反率で発見さるというようなことになれば、いわゆる検 査によらずとも輸入をとめる仕組みが必要だろうということで、中国産冷凍ホウレンソ ウの問題をきっかけに、包括的輸入禁止規定という法律ができています。こういった3 つの検査の中で輸入食品全体大体187万件の届け出が年間17年度ですけれどもあっ たんですが、19万件ほどの検査を実施しました。全体でいうと大体10%ちょっと超 えるぐらいの形で輸入時は必要な検査が何かしら行われているというような状況にあり ます。幸いまだ包括禁止に至った食品というのはありません。  次のスライドお願いします。こういった取り組みなんですが、当然結果についても公 表するというようなことになっております。ただ1年過ぎた後だけではなくて、年度途 中でも取りまとめて状況をお知らせしようということで、約半年を区切りにして、状況 をまとめてプレスリリースとあとホームページの公表を行っておりますが、これは平成 18年度中間報告の状況になります。これは既にホームページの方で公表しております のでご参照ください。  次のスライドお願いします。この平成18年度の中間報告で違反の状況ということな んですけれども、それぞれ違反の条文というのが記載されています。ここがパーセンテ ージになるんですが、半年間で大体650件ほどですかね。違反があったんですが、そ の内の66%がこの食品衛生法の第11条という違反になっています。この第11条と いうのは日本が基準や規格を定めているものに合わなかった食品が違反ということです。 例えば農薬の残留基準に合っていなかった、微生物の規格に合っていなかった。先ほど ちょっとご説明がありましたが日本で認められていない添加物が使われているというの がこっちなんですけれども、日本で認められている添加物の使用する量に合わなかった とかですね。いわゆる日本の基準と海外の基準というのは必ずしも一致しておりません ので、そういった意味では、こういった違反が中心になってくるというような状況をあ らわしています。  次のスライドをお願いします。これはこういった半年間の取り組みの中で、ここ最近 違反が幾つか見られたことから輸出国に対して衛生対策を求めている主な事例になりま す。当然対策が進んでいるものもあれば、まだ協議中というものもあります。  いずれにしても、こういった問題が起きれば厚生労働省中心で政府間同士でも協議、 必要があれば現地にも出向いて行って調査を行うというような流れになっております。 これはいずれも昨今でいきますとポジティブリスト。新しく基準ができたことによって 違反になった主な食品ということになっております。  次のスライドお願いします。今、ポジティブリストというお話をさせていただきまし たが、昨年の5月29日に残留農薬動物用医薬品、そして飼料添加物この3つに関して 規制を強化する新しく基準を設けるポジティブリスト制度というのが施行されました。 当然、従前あった200数十種類の規格基準、残留基準というのがあったんですが、そ れが799の物質について基準が設けられたのとあわせてすべてを対象にする一律基準 というのも設けられたと。当然、輸入時においても諸外国では多くのそういった無毒留 農薬であるとか、動物用医薬品、どのような実態なのかということもあわせて基準がで きる以上は調べなくてはいけませんから、検疫所の体制というのも強化をしていたとい うことです。  当然、まずその一つとしては監視員の増員と。当然新しく分析しなければいけない物 質も多くできて、試験法もできましたから、検査機器をいうのも大幅に増加しました。 それと、従前調べていた当然検査項目も拡大をしていかなければいけないと。残留農薬 であれば、今までは約200種類の農薬をいろんな作物や野菜とか果実について調べて いたんですが、今度は倍以上の大体450種類ぐらいを調べる計画で今やっています。 動物用医薬品についても60から110項目にふやしています。当然こういう調べる物 質まだすべてというわけにはいきませんけれども、当然徐々に調べを拡大をしていく予 定にしています。  次のスライドお願いします。じゃあこういった検査項目全部やらないのであれば、当 然、国の検査能力にも限界がありますから、どういった優先順位で物質を決めて、どう やって効率的に効果的に検査を行っていこうかということで、実際には海外での使用実 態というのを調査するというのはなかなか難しいということがわかりましたので、実際 には各国にいろいろな調査を依頼してみたんですが、当然使われる種類というのも、な かなか特定がしがたいということもあって、こちらの方でまず考えたのが、ある程度汎 用性の高い項目というのを選びたいと、まず日本がポジティブリスト制度を導入すると きに世界各国の基準を参考にしたということもありますので、いろいろな作物に基準が 設定されている物質というのは、ある程度汎用性が高いんだろうというふうに考えまし た。それで設定されている品目数の多いものにまず優先順位をつけて、次に、先ほどご 説明ありましたADIというのがありましたが、当然ADIが低いもの毒性が高いもの をまず優先的にやるべきだと、この2つに順位づけをしてそれぞれ物質を選んでいます。  それと当然過去において検出されている状況、検査率というのも今までも何百項目と いうとして検査してきてますから、状況がわかりますので、そういったものは引き続き やると。あわせて諸外国、海外においてモリタニング地調査というのは広く行われてま すので、そういったものでよく検出するものというのも当然外さずにやっていくと。  それと、やはり大体2万検体を超える農作物に対して国は検査してますので、当然同 時に何百項目も検査をするというのは非常に負担がかかりますので、一斉分析というの を活用して実施をしていくという体制を整えております。  次のスライドお願いします。実際にこの私たちがモニタリングの検査体制を拡充して この半年間、いわゆる5月29日に施行されましたから、6月1日から11月30日ま でどんな状況かということをちょっとまとめてみました。この新基準というのは新たに ポジティブリストで基準が設定されたもの。一律基準というのは先ほど言ったとおり基 準値がないけれど、0.01PPMで管理されているものの違反ということになってお ります。残留農薬ですと、この半年間で264件の違反が見つかりました。動物用医薬 品で119件の違反が見つかっています。これは多いのか少ないのかということですけ れども、17年度の1カ月の違反平均、大体農薬ですと5件ぐらいあったんですけれど も、今のところ1カ月平均大体45件ぐらい違反が見つかっていますから、農薬でいえ ば約9倍ぐらい、動物用医薬品でいけば4倍ぐらいの違反が見つかってます。全体でい えば大体7倍ぐらいの違反が見つかっているのかなというふうな状況にあります。  次のスライドお願いします。この状況を、これは国別にまとめたものですけれども、 ガーナとか中国とかこういったものは違反が多いというふうに見られますが、実際には、 例えば中国なんかですと、当然輸入してくる量というのが他の国と比較して非常に多い です。この図でいえば違反件数しか載っておりませんけれども、実際にはこれ中国に対 しては1万3,000検体ぐらい検査をした結果がこの42件の違反と、こっちにもあ りますけどね。  こういったことを見ますと、全体の違反率というのは0.3%ぐらいしかなくて、決 してこうやって見ると中国、物すごい違反が多いじゃないかというのはこの数字だけで は言えないんですけれども、実際にこういったデータになってます。  次のスライドお願いします。これはそういった農薬別に見ていくというものです。こ ういった情報も今後ホームページ等で情報提供していきたいと思ってます。  次のスライドお願いします。次に輸入食品監視指導計画ということで、皆様のお手元 にも資料があると思いますが、今、平成19年度の輸入食品監視指導計画の(案)とい うものを、皆様からの意見、パブリックコメントとして募集をしている最中です。そう いった皆様の意見も踏まえながら、今後、計画を確定して、3月の中旬ぐらいに官報に 掲載することを予定しております。  次のスライドお願いします。輸入食品の中で当然重点的に監視すべき事項というのは、 この計画の中でうたっておりますけれども、輸入時のそういった届け出のチェックとい うのが一次的にあって、そういったモニタリングの検査をどう行ったということも中心 に書いてあります。平成19年度は前年に比べますと、やっぱり1,000件増の7万 9,000検体を検査すること。先ほどグラフでもお示ししましたが、輸入の届け出件 数が少し伸びてますので、そういった関係でも検査件数も少し伸びていると、当然、モ ニタリングで違反が発見されれば、検査を強化していくというのがいわゆる重点的に行 われる事項として記載をしてあります。  次のスライドお願いします。モニタリング検査の考え方、いわゆる先ほどいった7万 9,000件という数字自体をどのように算出してるんですかというようなご質問を受 けます。実際にどのように決めているかというと、まず統計学的な考え方として、ちょ っと難しい話になってあれなんですけれども、一応信頼度が95%で、ある食品のグル ープで違反率が1%だとして、それを絶対に見つけたいと思った場合に300件検査を すれば、その違反が見つけられるでしょうというような統計学的な考え方があります。 これは当然一般的統計学的数字でもあるんですけれども、諸外国においても、この30 0件という数字は、例えば、アメリカなんかも使ってますし、日本もこういった数字を 中心においています。当然、単純に300件というだけでは、その食品群ごとに法律的 な検査ができないので、まず輸入食品をその種類ごとに約124種類ぐらいに分けて、 それぞれその種類ごとに輸入の件数であるとか、重量、それからどのような違反があっ たかと、その違反の内容の重要度がどうかということをそれぞれ件数化していって、や はり輸入が多くて、量も多くてある程度違反があるようなものは300件といわず、違 反も0.1%ぐらいまで見つけたいというふうに思えば、大体3,000件ぐらい検査 しなきゃいけないんですけれども、そのグループで3,000件検査しようというふう に積み上げていきます。その積み上げていった数字が結果的に7万9,000件ぐらい になってくるということです。  次のスライドお願いします。そういったモニタリング検査で当然違反があれば強化を していきますよという話をしたんですが、違反の蓋然性の高いものに関しては、国がモ ニタリングいわゆる抜きとりをするということではなくて、事業者の方に当然、安全性 を確保するという面で費用を負担してもらって、ちゃんと検査に合格しなければ輸入を 認めない。いわゆる流通させないというのが検査命令という措置になってます。当然、 違反の蓋然性が高いという判断をする中で、例えばアフラトキシンというのはカビ毒な んですけども、発がん性のある物質です。こういったいわゆる件数が安全域が域値が設 けられないようなものが違反として出てくれば、それは直ちに検査命令しましょうと。 当然もしくは病原微生物が見つかったようなものについても、すぐに検査命令に移行し ています。それとあわせてなんですけども、残留農薬とか動物用医薬品のようにある程 度安全域が設定できるようなものというのは当然状況を見ていかなければいけませんし、 その年の状況というところを見ていかなければいけませんということもあって、違反が 1件見つかれば、まずモニタリングのその抽出率の検査率アップします。さらにアップ した中で違反がさらに見つかってくれば、これはある程度違反蓋然性が高いと判断して、 検査命令に移行していると。それについては輸出国側で対策がとれるまでは、この検査 命令を引き続き行うというふうな体制で臨んでいます。  次のスライドお願いします。先ほど言いましたとおり、当然私たちが輸入時に行って いる検査の体制にプラスして、昨今インターネットでもいろいろ情報が出ています。諸 外国からも情報が来ます。そういうのをあわせて海外の安全情報というのを輸入時の検 査体制にも反映していくということにも力を入れております。医薬品食品衛生研究所に も安全情報部といって、そういった情報を専門に扱ってくれる部署があります。こうい ったところから定期的に情報も来ますし、安全委員会からもそういった安全情報が流れ てきます。当然、必要があれば輸入時の検査も強化しておりますし、例えば、海外での そういう安全情報、ここにイタリア産ナチュラルチーズのリステリア菌という病原微生 物が出たという事例を一つ載せてますが、これはEUの方から、いわゆるEUの国の中 でそういうあるイタリアのチーズからリステリア菌が見つかったと、よくよく調べてい くとそれは日本にも輸出されていたという情報があったので、すぐに都道府県に連絡を して在庫の調査をして、回収を行ったと。当然、そういった輸入時の体制のみならずこ ういったことも活用しているということです。  次のスライドお願いします。当然今後、先ほど3段階でのということで輸出国に対し ての対策も当然推進していかなければならないと。  まず1点は、先ほど日本の基準との違いにより違反が多いということを言いましたが、 まず日本の基準を理解してもらわなくてはいけないということがありますので、英語情 報中心に情報提供するのと、大使館とか輸入者を通じて、相手国に対しての情報提供も 行うと、それとあわせて問題があったものに対しては、政府間同士の協議を進めて、米 国産BSEもそうですけれども、必要があれば輸出国現地にまで行って調査を進めると いうような体制もとってます。  あと、昨今ありますのは非常に日本は高度な分析を行うようになりましたので、日本 では検出できるけれども海外でなかなか検出できないというような話もありますので、 日本から技術者も送りますし、相手の国からも技術者を受け入れてそういう研修という のも行っております。  次のスライドをお願いします。もう1点これが非常に重要なんですが、やはり行政の 対策、取り組み検査のみをもって、やはり安全性をすべて確保しようというのはどうし ても限界があります。食品安全基本法の中にも、まず食品の安全性確保の一理的な責任 を許しているのは食品の事業者であるというふうにうたわれてますので、実際に、輸入 者に対して食品のリスク危害要因ごとに、どういったことを気をつけてほしいかという ことを計画の中に表でまとめてあります。それは皆様のお手元にあるのでご参照いただ ければと思います。  次のスライドお願いします。これは、その事業者に対する自主的な衛生管理こういっ たことに今力を入れております。検疫所にも全国12カ所に無料でいわゆる輸入の相談 を受け付ける専任の官を置いて対応しています。そういったところでいろいろ相談を受 けながら、事業者の方に自主管理を推進していただくというような体制で臨んでいます。  次のスライドお願いします。もう1点やはり違反が発見されたというような場合とい うのが非常に重要になってきますが、当然輸入時の検査において違反見つかれば積み戻 し、もしくは廃棄の措置がとられています。当然、都道府県の方々の輸入食品というの が非常に多く検査をしていただいています。まあそういった国ですべてを検査している わけではないですから、当然、国内で違反が見つかるという例も数例あります。そうい ったものがあれば当然輸入時の検査というものにフィードバックして対応をしています。 あと、違反を起こした輸入者に対してですが、当然原因究明と改善対策を求めておりま すし、例えば不正行為を行うとか、違反が繰り返し行われているというような事業者に 対しては営業の禁止もしくは停止を行えるような規定も設けて対応しています。  それともう1点、輸入食品の違反情報というのもホームページに公表をしております。 これは以前は2週間おきぐらいに更新していたんですが、やはりこの情報非常に重要だ ということの要望が多くて、今、3日置きぐらいに最新情報を事業者の名前と、あと製 造メーカーとかそういったことも含めてホームページに公表しております。  次のスライドお願いします。平成19年度の主な計画案ということで、平成19年度 の計画案の主な改正案ということですが、柱としては大きく3つありまして、当然モニ タリングの計画数の拡充を行っていくという200点件ほどふやしましたということと、 BSE対策も当然また行っていきます。先ほど言いましたようにポジティブリスト制度 を着実に実行していくためには、さらにモニタリング検査項目の拡充も行っていかなく てはならないと、こういった3点を計画の中心に押しております。  次のスライドお願いします。今、お話ししたような厚生労働省の取り組みというのは、 すべてホームページの方に公表しておりますし、これが私たちの食品安全情報というホ ームページになりますが、ここから例えば、輸入食品でありますとか健康食品、いろん なところにリンクが貼られております。私たちの計画の輸入食品というところを見てい ただければ、すべて過去の情報も公表していますので、ぜひごらんいただければと思い ます。  私の方からは以上でご説明を終わらせていただきます。 (拍手) ○司会  ご清聴どうもありがとうございました。  続きまして米国産牛肉への対応状況につきまして、厚生労働省食品安全部監視安全課 の蟹江専門官から説明をいたします。 ○蟹江厚生労働省食品安全部監視安全課BSE対策専門官  ただいま、ご紹介いただ きました監視安全課の蟹江でございます。  私の方からは米国産牛肉の対応状況につきましてご説明をさせていただきます。資料 の5になります。スライドの方で文字が小さい場合もございますので、見にくい場合に は資料の方をごらんになっていただければと思います。  それから参考資料です。もし時間がありましたら国内のと畜場におきますBSE対策 の最近の状況ですね。こちらも加えてご説明をさせていただきたいと思います。  スライドお願いします。まず、米国産牛肉の対応状況でございますが、本日は大きく 2つに分けまして、輸入時の検査の状況、それから米国におけます対日輸出施設の現地 査察の結果につきまして、大きく2つに分けまして、ご説明をさせていただきます。輸 入時の検査につきましては手続、それから検査の状況、輸入実績、検査結果、それから 現地査察につきましては調査の方法ですとか、結果の概要を非常に細かい部分もござい ますけれども、スライドに基づいてご説明させていただきます。  次、お願いします。こちらが米国産牛肉の輸入時の検査の体制といいますか、手続を 示したものでございます。まず輸入者の方が貨物が到着しますと、厚生労働省の検疫所 と農林水産省の動物検疫所、肉の場合ですと2つの機関の手続が必要となってきます。 厚生労働省の方は食品衛生法に基づく手続、農林水産省の方は家畜伝染病予防法に基づ きます手続がございます。両方に輸入者の方が申請あるいは届け出をし、書類審査をし た後、現在輸入者による全箱確認ですね。例えば1,000箱届けば1,000箱すべ て開けて、中身を確認をすると。それとは別にそれぞれの検疫所による検査を輸入時に しまして、問題ないものが輸入されるという手続になっております。  次、お願いします。これは検査の内容でございますが、まず輸入者による全箱確認に つきましては、その箱に書いてあります表示ですね。それから、特定危険部位が含まれ ていないかどうかこういったことを確認する。  それから、検疫所におきましてもすべての箱を開けるわけではございませんが、無作 為に抽出して、こういった内容を再度確認する体制を整えています。例えば、そのロッ トが152箱から280箱の間に入っている場合には32箱開け、280箱から500 箱のときは50箱開けて、検疫所で確認をしております。  それから、厚生労働省の方の検疫所では、先ほど田中専門官の方からもお話をさせて いただいたと思いますが、残留物質のモニタリング検査も実施をしておりまして、特に 食肉の場合ですので、動物用医薬品、抗生物質とか合成抗菌剤ですとか、あるいはホル モン剤、残留農薬ですね、こういったもの。それから、韓国の方で米国産牛肉について ダイオキシンの検査をしたところ一定量検出されたというそういう報道もございまして、 情報収集をしながら日本の輸入牛肉にもこういった調査をしていこうということで体制 をとっております。  次、お願いします。輸入実績でございますが、少し前の実績ですけども、平成18年 7月27日から1月の8日まででございますが、26施設、現在日本への輸出が認めら れている施設が35施設ございますが、そのうち26施設から約7,400トンの輸入 がございます。  次、お願いします。これまでの検査結果でございます。報道でもご存じだと思います が、特定危険部位ではございませんでしたけれども、米国農務省が発行する衛生証明書 に記載されていない胸腺ですね、胸腺1箱が含まれていたという事例がございました。 これは11月8日に公表しておりまして、詳細につきましては、後ほど、ご説明をさせ ていただきます。検疫所の理化学検査、動物用医薬品等の残留の検査につきましては、 今のところ食品衛生法違反とされたものはございません。  次、お願いします。こちらは少し観点が違いまして、ちょうど1年前、昨年の1月2 0日にせき柱のついた子牛の肉が成田空港に到着したということもございまして、輸入 手続を停止をいたしました。実際に平成17年の12月に米国産牛肉の輸入の解禁をし ましたけれども、昨年の1月20日にそのせき柱つきの子牛の肉の発見がございまして、 輸入手続を停止したものでございます。輸入解禁後、一定時期に対日輸出されたものが ございまして、1月20日から輸入手続をストップしたものですから、その間、輸入手 続が済んでいない物、あるいは輸送途上だったもの等ございます。それが約700トン ございましたけれども、実際に輸入者の方々による全箱確認を終了をして、問題のない ものについて輸入を認めることと、これは何回かその考え方をいろんな場面で公表しな がら対応してきたものでございます。  次、お願いします。その約700トンでございますけれども、その中で月齢要件20 カ月齢以下という要件でございますが、月齢要件ですとか特定危険部位の除去といった 対日輸出条件は満たされておるということでございましたけれども、施設が認定される 前日に、と畜された牛由来のもの、1箱13キロが確認されまして、それは輸入を認め ないという対応をとっております。その1箱を出荷した工場はほかにも約6トン、合計 6トン輸出して、日本の保税倉庫に保管されておりますけれども、念のために米国農務 省に照会をして問題がないことを確認したあと、輸入を認めるということにしておりま す。  次、お願いします。ここからは日本側で現地査察等を行っておりますので、その内容 についてご説明したいと思います。スライドお願いします。  昨年の11月26日から12月13日まで、合計で8施設に実際に出向いて、査察を 行ってまいりました。そのうち2施設は米国側の抜き打ちの査察に同行をしてございま す。厚生労働省と農林水産省の担当官が実施をしております。確認した内容でございま すが、まず各施設の対日輸出プログラムの内容ですね。これは昨年の1月20日に輸入 手続を停止して、昨年の7月末に再開をしたわけですが、再開をする前に35施設すべ てに出向いて、現地調査を実施しておりまして、その段階ですべての施設のプログラム の確認をしてまいりました。ですから前回調査以降といいますのは、その35施設すべ てに対して行った調査、昨年の6月から7月にかけて行っておりますが、その時点から 変更されているものは、その変更の内容、適切かどうかというのを確認をしてまいりま した。  それから、アメリカの方ではHACCPが義務化されておりますので、そのプランに ついても同様に変更内容を確認し、それから、実際に対日輸出された製品に関します記 録ですね。記録の内容といたしましては生体の受け入れ記録、月齢の確認、それから特 定危険部位の除去、部分肉処理、出荷、こういった生産に関する記録を確認すること。  それから、実際に処理の現場に立ち入りまして、処理工程についても確認をしてまい りました。  次、お願いします。結果の概要でございますが、一部の施設に指摘事項がございまし たけれども、いずれも対日輸出条件に影響するものではございませんでした。指摘事項 がなかった施設は3施設、指摘事項があった施設は5施設でございます。  次、お願いします。指摘事項の内容でございますが、今回の査察につきまして、日本 側の査察とあわせて米国側も同様に査察を行っております。それぞれに指摘事項がござ います。  まず、日本側の指摘事項でございますが、日本側が昨年6月から7月の間に行った現 地調査で、一部の枝肉に仙骨部分にせき髄が少量残存していた施設がございました。こ の施設で実際研修が行われておったようでございますが、その研修記録が適切に保管を されていなったということを指摘をしております。実際に記録は適切に保管されており ませんでしたけれども、追加の研修は実施されていること確認するとともに、現場でせ き髄が適切に除去されていたこともあわせて確認をしてまいりました。  米国側の査察で指摘した事項でございますけれども、月齢確認牛ですね。20カ月齢 以下ということを事前にわかっている牛の受け入れ時にマニュアルに沿って行われるわ けですが、具体的な手順の記載が不十分であったという指摘がございました。実際には 個体の確認は適切に実施されておりまして、適格牛のみが対日輸出プログラムの対象と なっていたということを確認しております。  次、お願いします。こちらもマニュアルの具体的な手順が不十分だった事例でござい ますが、日本向けのJスタンプを押すことになっている施設で、その確認などのモニタ リングを実施する手順が具体的ではなかったというような内容でございます。こちらも 実際には日本向けのものが冷蔵庫内で専用のレールに保管されておりまして、管理は適 切にされておったということを確認をしております。  それから、従業員の訓練記録ですね。訓練記録に対象国名が記入されていなかった。 これは施設によっては、日本向けだけではなくて、ほかの国にも輸出している施設がご ざいますので、そういったところは相手国によって基準が異なりますので、こういった 国名も記載をする必要があったということでございますが、従業員の方々は対日輸出条 件を含むプログラム上の自己の責任を熟知しており、プログラムを遵守をしていたとい うことを確認をしております。  次、お願いします。それから、モニタリングを担当する従業員の訓練記録がなかった ということでございますが、実際にその従業員の方は自分の責任を熟知しており、業務 は適切に実施されておったと。  それから、日本向けの処理時間中にモニタリングが実施されてない場合があったと、 処理というのは部分肉カットの処理の工程でございますが、実際に確認をしますと、せ き柱は適切に除去されておって、モニタリングも定期的に実施され、出荷時には対日製 品のモニタリングを実施し、適格品の確認を行っておったということを確認しておりま す。  それから、施設が内部監査をすることになっているんですが、内部監査の実施者が自 分の責任範囲を含めて監査をしておったということを確認しております。  次、お願いします。こちらが先ほど胸腺が確認された事例の詳細でございます。昨年 の10月30日に輸入業者の方が動物検疫所に対して、760箱到着したんですが、そ のうち1箱が米国の農務省の衛生証明書に記載されてない胸腺であったとの報告があっ たということでございます。実際に今、全箱確認等を行っておりますけれども、それを 行う前に、発見されたものでございまして、通常貨物が日本に到着しますと、保税倉庫 に搬入をいたします。その段階で倉庫の方々どういうものがどれぐらい実際に搬入され るかということをチェックしながら搬入しているわけでございますが、その中で発見さ れたものでございます。そのほか759箱は、動物検疫所の方で全箱開梱をして確認を 行ったところ759箱については問題はなかったということを公表しております。  それから今回の事例について米国農務省から調査報告書の提出がございました。  次、お願いします。この米国農務省の報告書の概要につきましては、既に詳細版につ いても公表いたしまして、厚生労働省、あるいは農林水産省のホームページにも掲載を しております。実際に原因については胸腺でございますので、内臓の製品の部門で管理 をしておったわけでございますが、内臓製品を仕分けしている内蔵部門におきましてス キャナーで実際に管理をしておったわけでございますが、スキャナーが正常に作動しな かったということで間違って胸腺1箱が日本向けの舌のパレット上に混載されたという 可能性が示されております。改善の内容として、そのスキャニングの手順を修正し、包 装ラインには日本向けの製品のみを流し、それから最終的には手作業で点検、ラベルを 実際見て確認をするという改善措置がとられています。  次、お願いします。この報告書を受けまして、日本側でも当該施設に行って、現地調 査を実施しております。実際にその施設に立ち入りを行うとともに関係者からインタビ ューをして、実際に改善措置がしっかりされているかどうかそういった体制が整備され ていることを確認し、それから輸入手続を保留をしておりましたので、保留をしている 製品に関する過去の記録ですね。そういったものも確認をしましたけれども、特に指摘 事項はなかったということで昨年末にこの施設からの輸入手続の保留措置を解除してお ります。  次、お願いします。それから、米国農務省が同時に査察を行っております。どういっ た形で米国側が査察を行っていたかということをあわせて確認をしております。実際に プログラムそのもののチェック、関係記録を確認して、施設にも立ち入って、施設側の 関係者ヘのインタビューですね。そういったことを通じて査察が行われております。特 にそういった方法について、特段の指摘は確認されていなかったという結果でございま す。  次、お願いします。これは全体の総括でございますけれども、これまで輸入時の検査 あるいは現地査察の結果から米国側の構造的、あるいはシステム上の問題は発見さてい ないということでございます。それで今後でございますけれども、引き続きまして対日 実績ある施設に査察を行う。それから輸入時の検査を通じて対日輸出プログラムの遵守 体制の検証を行うということを引き続き行っていきたいと思っております。  それから輸入者における全箱確認を含みます検疫所における輸入時の検査の対応につ いては、こういった結果を踏まえて、今後検討をしていかなければならないというふう に考えております。  次、お願いします。それで少し時間をいただいて、国内の方のと畜場におけます状況 を簡単にご説明したいと思います。資料の方も封筒に入ってると思いますが、実際に日 本国内でBSEが確認されたのが平成13年でございますが、確認がされて、と畜場段 階では特定部位の除去、それから当時スタートしたのがいわゆる全頭検査をスタートし ました。その後、食品安全委員会の評価を受けて、検査対象月齢、と畜場におけますB SEの検査対象月齢を21カ月齢以上に変更をしております。これは平成17年8月1 日から変更したわけでございますけれども、その際に各方面からいろんなご意見がござ いまして、混乱を回避する観点から、20カ月齢以下の検査を関係自治体が行う場合に は、その検査キットの購入経費について国庫補助を行うと、その経過措置として国庫補 助を行うと、その際には、最長3年ということで平成20年7月までとこういった経過 措置を設けて対応しております。現在も毎週週報という形で検査結果を公表しておりま す。  また、平成19年度の予算にも、この経過措置についての必要な予算を計上している ところでございます。  次、お願いします。こちらがこれまでの検査実績でございます。年間で約125万頭 検査が実施されております。これまで平成13年から昨年の末まで合計してみますと、 約650万頭の検査が実施されております。と畜場でBSEは19頭これまで確認をさ れておりまして、最初の1頭と農林水産省の方で行っております死亡牛の検査をあわせ ますと、国内では現在31頭のBSEが確認されていますということです。  次、お願いします。それから我々の方で実際と畜場でBSE対策が行われておるわけ ですが、実態を調査をしながら、フォローアップをしておるという中でいろんな調査項 目がございますけれども、背割りによるせき髄片の飛散防止について、どういう状況に なっているかというのを確認した結果、牛を処理していると畜場159施設のうち、6 施設は背割りを行っていないということでございますが、そのほかの施設はこういった 管理がされておると。  それから、背割り前のせき髄除去について見てみますと、132施設、約86%の施 設がこれを導入して、せき髄除去を実施しておって、大手のところでは、ほとんど導入 されておりますので、と畜頭数ベース直しますと96%の牛が背割り前にせき髄が除去 されておるという状況でございます。  次、お願いします。それから、特定部位の除去について施設側で手順書を作成をする ことになっております。手順書自体はすべての施設で作成されておったわけでございま すけども、施設側によります点検とか、あるいは記録を保存するということを確認した ところ、一部の施設でそれがなされていないところもございます。そういったところに は早急に改善をするよう指導しておるということでございます。  それから、ピッシングという不動化に必要な行為でございますが、これは従来から従 事者の方の安全確保と食肉の安全確保と両方を両立する必要があるということで、廃止 に向けて取り組んでおりますけれども、各施設の計画を報告をいただいて17年11月 に、そういった方針を公表しております。  次、お願いします。その実施状況、中止の状況でございますが、当初調査した段階で は28%の施設で中止されておったわけでございますが、関係者の努力によりまして、 昨年の10月末では約6割の施設で中止がなされておると。  次、お願いします。各施設の計画をまとめてみますと、19年度末では97%の施設 で、20年度末ではすべての施設で中止されるという予定になっております。  以上、国内の状況についてもご説明をさせていただきました。  以上でございます。 (拍手) ○司会  ご静聴ありがとうございました。ここで宮崎県で発生しました鳥インフルエ ンザに関して農林水産省より説明がございます。資料は宮崎県における高病原性鳥イン フルエンザの発生についてをごらんください。ご説明は農林水産省消費・安全局動物衛 生課の沖田課長補佐からです。 ○沖田農林水産省消費・安全局動物衛生課課長補佐  皆さん、こんにちは。農林水産 省の消費・安全局動物衛生課の沖田と申します。よろしくお願いします。  時間も余りありませんので、この宮崎でのインフルエンザの件に関しましては1点ご 報告と1点のお願いの2点について、ちょっとお話しさせていただきます。  まず、宮崎県での高病原性鳥インフルエンザの経緯でございます。1ページ目の資料 1というのをごらんいただきますと、発生したのが、これは1月の11日になりますけ ども、11日に農林水産省の方に県から報告がありました。その時点では、まだ疑いと いう事例でしたけれども、そこですぐに移動の自粛を要請したり、その時点である程度 の防疫措置をとりました。その後12日にウイルスが分離されまして、13日に高病原 性であることが確定いたしまして、法律に基づく移動制限、卵や鶏を出荷しないように しました。それから、10キロの範囲内では車両の消毒といった措置をとりました。こ の対応によりまして非常に早い段階でうまく囲い込みができたというふうに思っており ます。現時点では発生した農場は14日にすべての鶏、1万2,000羽の鶏のと殺処 分を終えて、16日までに消毒などの防疫措置を行っています。その後、10キロ範囲 内にある鶏の農場、約19万4,000羽、16戸あるわけですが、ここにおいて清浄 性の検査をしています。これはウイルスを分離したり、鳥の臨床症状を見たりという検 査ですが、そういったことを行っておりまして、今のところ続発というか、ウイルスが 見つかった、あるいは鳥の臨床症状に異常があったという報告はございません。何もな ければ、この開始した日から21日たったところで、これはウイルスの潜伏期間を考慮 しているのですが、それで21日たったところで大丈夫だったら、移動制限は解除とい うことになります。  同じく、宮崎県だけではなくて、各都道府県、兵庫県の方にも、もちろんですけれど も、お願いをして、鶏の農場への緊急の調査、鶏に異常がないかとかそういった調査を 行っております。現時点で異常があったという報告は来ておりません。  今、こういった状況にあります。今後、このウイルスがどこから進入したのかとか、 そういったことを検討する原因究明チームも既に立ち上がっておりますが、ここで調べ ていきたいというふうに思っておりますが、皆様にお願いが一つございます。次の2ペ ージと3ページを見ていただくと、食品安全委員会の委員長から談話が出ております。 この鳥インフルエンザが残念ながら日本でも発生しましたけども、鳥インフルエンザが 発生したとしても、鶏肉、鶏卵は食品としては安全ですという考えが示されています。 その根拠といたしまして3ページ目に書いてありますけども、3点ほどあります。酸に 弱く、胃酸で不活化されるとか、人の細胞に入り込むには、人の細胞とは鳥と人の間に 遺伝子の違いがあるとか、そういったこともありまして、この鶏肉、鶏卵は安全という ふうに考えられますので皆様の冷静な対応というのをお願いしたいというふうに思いま す。  5ページ目からは参考資料というふうになっていますので、時間があるときにごらん ください。よろしくお願いいたします。  (拍手) ○司会  どうもありがとうございました。それではここで10分程度の休憩を設けさ せていただきたいと思います。パネルディスカッション及び意見交換は3時5分から開 催させていただきたいと思いますので、それまでにお席の方へお戻りいただきたくお願 いいたします。ご協力をお願いします。 (休憩14:55) (再開15:06) ○司会  それでは時間となりましたのでこれからパネルディスカッション及び意見交 換を行います。  本日は食品添加物と輸入食品のテーマで、テーマごとにパネリストがかわります。そ のため、まず食品のディスカッションを行う食品添加物のパネリストの紹介をさせてい ただきます。なお輸入食品の関係で新たに加わられるパネリストにつきましては、その 際にご紹介いたします。  それでは壇上皆様から向かって左から2番目の方から順に右に向かってご紹介させて いただきます。  まず、日本食品添加物協会専務理事の高野靖様です。  続きまして、消費生活専門相談員で神戸市消費者協会にご所属の井波禮子様です。  実践女子大学生活科学部の教授西島基弘様です。  それから、国立医薬品食品研究所食品添加物部長の棚元憲一様です。  厚生労働省食品安全部基準審査課の加藤課長補佐です。  それから、最後に本日のコーディネーターとしての皆様から向かって一番左側厚生労 働省大臣官房中林参事官です。  それでは意見交換の議事進行につきましては中林参事官にお願いいたします。 ○コーディネーター(中林厚生労働省大臣官房参事官)  それでは、私の方が議事進 行をさせていただきます。  今日は、テーマが幾つかありまして、一遍にやっても混乱いたしますので、まず最初 は食品添加物の関係についての議論を進めて行きたいということを考えております。  第1部でテーマについて説明の中で既に西島先生、それから棚元先生にはお話しいた だきましたので、そのほかのパネラーの方から若干時間をとっていただきまして、適宜 ご発言いただきたいと思っております。  まず、高野さんからでございましょうか。 ○高野氏  はい。高野でございます。ちょっと自己紹介をさせていただきます。私ど も日本食品添加物協会というのは、食品添加物をつくったり、輸入したり、あるいは流 通したり、それから使用している各食品メーカーさんを含めまして1,000社ほどの 会でございます。業界団体といいますと、すぐに談合して、価格維持に走ったり、生産 量確保に走ったりなんてことではございませんで、安全性を中心とする技術的な情報、 あるいは行政法的な仕組みに関する情報これを共有化するための組織でございます。  食品添加物といいますと、先ほど棚元先生、西島先生おっしゃったことと重なるので すが、一生食べ続けても大丈夫なんだというもの以外は添加物にならないんだという単 純なことがご理解いただけないのが非常に辛いところでございます。一品目ごとに厳し い健康影響評価がなされて、異議のあるものについては適宜消除等の手段がとられてお ります。これまた棚元先生詳しくご説明になったことでありますが、規格、基準がきち っと決まっていることでございます。  それから、私ども食品の事業者が、その決まりを守ろうという努力を続けているわけ でございまして、そのおかげで、この10年、20年食品添加物が原因になって健康影 響、健康被害が起きたことは報告されてないのでございます。  すなわち、今の法律の仕組みを我々がきちんと守ることによって、国民の安全が守ら れているんだということをご理解いただきたいのであります。私ども食品添加物協会は 事業計画というのを毎年決めておりますけれども、その第一はコンプライアンスであり ます。せっかく公立が私ども国民の健康を守ってくれているのに、私ども自身が法律を 犯すようなことがあったら何もならないことでありますので、1,000社の会員企業 全部で、法律を守るんだと、法律を決して犯さないんだということを確認し合っていま す。これが消費者の皆様方の食品添加物に対する信頼を向上する第一歩じゃないかと思 ってこれをやってるわけでございます。 ○コーディネーター  はい、どうもありがとうございました。  それでは引き続きまして、井波さんの方から願いいたします。 ○井波氏  井波です。よろしくお願いいたします。私はご紹介にありますように暮ら しのいきいきトークというので消費生活課に申し込みをいただいたところ、学校でした ら小学校から大学、それから地域の婦人会、消費者学級、それから自治会、それからP TAの方、それからお年寄りの給食会なんかに、もう一つ神戸市生活情報センターとい うところで苦情を受けてます、その苦情を生かすために、未然防止という意味で私たち が啓発の活動でいきいきトークというのを行っています。そこできょう、そこに出向き ましたときに皆さんから出されました希望とか不安とか要望というものをお伝えできた らなと思っています。  一つだけいいですか。添加物ですから私たちが表示でしか知ることができないんです よね。その表示というのが中身を知る唯一の手がかりで、表示どおりになっているか、 正しく表示がされているということが、まず私たちの大前提ですよね。それを見て私た ちは買うとか買わないとかいう判断をしますので、理解したいわかりたいという思いで 表示を見ております。そう思ってて正しい表示がされているとしても、きょうのテーマ であります添加物ですと、それがどういうものかわからないというのが正直なところな んですね。その働きと名前ときちっとわからない。感心を持つ人はそこから自分で勉強 していくと思うんですけれども、私たちが接します普通の方というのは添加物について の知識は持っていらっしゃらないんです。ほとんど。そして添加物についての情報とい うかをいただく機会というのもほとんどないというのが現状だと思うんですね。  きょう、ずっと前半のスライドを見せていただいても、こんなにいろいろ細かいこと があるのに、どうしてこれが私たちに伝わって、本当に身に伝わってこないんだろうと いうのが、すごくずっとそれを思いながら聞いてたんですけれども、やっぱりそれがき っちり私たちに伝わってほしいということ。  それから、もう一つは表示も漠然とした不安で見ている。それは今回みたいに、いろ んな事故じゃなくて事件だと思うんですけれども、そういうものが起きたときに、私た ちが表示を見ているというのは何なんだろうという基本的なところからひっくり返って きたというようなことで、そういう申しわけないんですけれども、不安・不信というか、 それがどうしても打ち消せないというのが率直な気持ちです。 ○コーディネーター  はい、どうもありがとうございました。後ほどまた、ご議論い ただくとして、次は加藤さんいかがですか。実は事前に幾つか疑問点、ご質問等もいた だいてございますので、それも含めて簡単にお話しいただければと思います。よろしく お願いいたします。 ○加藤厚生労働省食品安全部基準審査課長補佐  厚生労働省の基準審査課医薬食品安 全部の基準審査課の加藤と申します。食品安全部は食品衛生法に基づきまして、食品の 安全性の確保を負っているわけでございますけれども、特に食品添加物という視点でど ういうことをやるべきかというのを少し説明させていただきたいと思います。  先ほどこの講演の中にありました、添加物は安全であるのかどうかの毒性評価は、食 品安全委員会において評価されております。厚生労働省の方は何をするところかと申し ますと、そのデータ、評価をしていただくのに必要な資料を整えるということが大事で ございます。これが第1点目でございます。このデータは、関係する研究機関、都道府 県あるいは大学の関係局から協力をいただいて、データを集める。このようなことを私 どもはお願いしております。  安全委員会で添加物の安全性を評価していただいた後、厚生労働省ではどのような食 品に添加物を使っていいか、あるいは量を制限する必要があるかというような、いわゆ る管理措置、使用基準ともいっておりますが、そのような基準を作成しております。こ れらの基準を作成プロセスは、実際に使う前にやるということを原則としております。 安全性の評価がなされていない添加物とか、あるいは組みかえの食品であるとか、農薬 も基本的に同じ制度のもとに規制されておりますけど、そういうような安全性の評価が 出されてないものは国内では使えない、消費者の口にいかないようにというようなこと をする役割を行政側としては持っております。ここらをまず、ご理解いただきたいのと、 あと、もう1点、きょうのタイトルのリスクコミュニケーションというのが、国が行う ことになっておりまして、安全性の評価、リスク評価、また、基準をつくる、あるいは 検査をするというこのリスク管理と同時に、国民の皆さんにお互いに理解し合えるよう にするという形でリスクコミュニケーションをやっております。リスクコミュニケーシ ョンの一環として、いろんな事業者さん、あるいは国民の皆さんから添加物についてい ろいろ質問が来ております。それに対して回答を用意したり、今日のようなリスコミの 場を設けて、広く伝わるように努力するという役割を持っております。  以上が簡単ではございますが、行政側の役割でございます。 ○コーディネーター  どうもありがとうございました。先ほど消費者の立場で井波さ んの方から、いろいろ情報があるんだけれども、表示されていてもよくわからないとか、 あるいは表示への不信があるとか、そういうご発言がございましたけれども、そのあた りについてパネラーの方で例えば自分たちはこういう立場でこういうことをやってます とか、何かそういう実践しておられること、あるいは今後こうしたことをやりたいとい うようなことがございましたら、ご発言いただきたいと思いますけれども、高野さん、 いかがですか。 ○高野氏  井波さんから、やっぱりわからないと言われて、困ったなというのが実際 ですね。第一に食品事業者は食品安全確保の第一次的な責任があるというお話がありま したのにもかかわらず、ことしになりましてからも、大きく食品事業者が皆さんの信頼 を、私の信頼もですが、奪ってしまうような事件が起きて、これはどうにもならないこ とだなと腹立たしく思っております。  ただ、ここのところ商品にしても、それから報道、記事だとか番組にしてもですね、 売れればいいという感覚で売れることこそから、金になることこそが一番だという感じ で、いろんな動きがあって、例えば、加工食品メーカー私どもの仲間でありますけども、 加工食品メーカーが無添加ってなことを標榜して、そのことをやることによって売れる と思ってる。そういうのがこのコミュニケーションを阻害してるという気がしてしょう がないのであります。私どもでは、そういった泣き言言っててもしょうがありませんの で、まずやっぱりここのところ、ある出版だとか報道が皆さんの不信感をあおり立て、 不安感をあおり立ててるということがあると思いますので、マスメディアの方々とのコ ミュニケーションというのを意識してやろうと、我々メディアフォーラムという名前を つけて割りに大きな新聞社やテレビ局の編集委員の方々、そういった方々にお声をおか けして、添加物ってこういうものなんですということを論議しようというこういう場を 設けようとしております。一歩一歩これはやっていくしかないのかな思っておりまして、 正解もないし、ゴールも見えないんですけれども、それを一生懸命やっていくのが私の 仕事かなというふうに思ってやっております。 ○コーディネーター  どうもありがとうございます。ご自由にご発言いただければと 思いますが。 ○井波氏  いいですか。先ほど申しましたように情報センターの方にお問い合わせと いうか、無添加とか保存料は入れてないとか、本来必要のないものにも入れてないとわ ざわざ表示して、それでそれがほかの物との差別化、ほかの物は今おっしゃったんです けれども、ほかの物が悪いというのを私たちに誤解をしやすいような表現をしていると いうのが結構寄せられているんでそんなことあります。 ○コーディネーター  西島先生何かございましたら。 ○西島教授  私はもと官庁役人だったんですが、今、自由の立場で方々に言いたいこ とを言ってるんですが、今、食品添加物がこんなに誤解招いたというのは、本当それぞ れ私どもも含めて、いろんなところに責任があると思うんですね。  まず、事業者は今おっしゃったように、その魔女狩り的に何にもないものをあいつ悪 いんだよといって家に入れてない。最近こちらの方にもあるかもわかりませんが、何と かイレブンとかいう大手の外食ってのかありますね。コンビニみたいなのが。燐酸を入 れない。燐酸を入れると切れるから、うちは入れないんだと、そんなのどこに一体科学 的データがあるのか。そういうのが以外と多いんです。  無添加も私、埼玉県にいるんですが、無添加ずしってうまくなさそうなおすし屋ある んですね。そういうように、私、東京都にいましたとき、我々はこんなに安全性につい て夜中まで毎日頑張ってるのに、何で消費者がと思ってたんですが、業界がかわいそう だと思ってたんですね。ところが大学に行ってみますと、やはりこれ先ほどありました けど、業界はとっても悪いところが多いんです。かなり大きなところでも無添加、消費 者が添加、じゃあ食品添加物は悪いのかというそういう誤解を与えるのはとっても多い のが非常に気になりますね。業界全体でこれは考えていただかないと、返ってせつな的 に自分の商品を売りたいと思っても、結局は自分の首を絞めてるような非常にそういう 不快感を持っております。  それから、教育も悪いです。要するに、中学とか小学校、あるいは高校も一部そうな んですが、先生たちが自分に勝手に添加物は悪いという前提で、子供に平気で話す。実 例なんですが、例えば色素の使ってるのと使ってないのを持ってきて、先生が毛糸で染 めてみて、使ってる方を酸性とある色素を使ってるのを毛糸染まったのを見て、「ねえこ んなに色染まるのよ。だからこんな食べるとみんなのおなかこんななっちゃうのよ。す ごい毒でしょ。」という実際笑いごとでない教育が行われているところがあるんです。で すから、学校の先生たちも意外とそういう化学的根拠がなしに、自分が嫌だと思うと勝 手にそういうことを生徒に教えるという、非常に教育現場もそういう点では荒れてるん じゃないかと。添加物協会にも八つ当たりしてるんですが、ちゃんとそういうところに 情報を提供してよと。学校の先生というのは教えられるということをすごく嫌うんです ね。おれが一番だとみんな思ってますんで、だから教えなくてもいいから情報を提供し てくださいよ。それも小難しいことではなくして、小学生、中学生に教えるような優し いのを何とか普及してくださいって添加物協会の方にも昔から八つ当たりしているとこ ろなんです。  それから、毒性学者にも一言申し上げたいんですね。非常に私の知っている毒性学者 というのは、みんなすばらしい方なんですが、ただただ一つ落とし穴がある。何か物質 挙げると際限なくその毒性について、怖いこういうことがあるとかって自分の知ってい る知識をさらけ出しますと怖いんです。ところが、食品の中には先ほどちょっと私申し 上げたんですが、いろんな物質が入ってますんで、その中の一つのことを一つ一つ言っ てたら、とっても食べるものなんか絶対なくなるんですね。添加物で私どもはこれだけ の確認限度をやっているから大丈夫ですと消費者に言ったってだめなんです。例えば、 実際最近あるようなちょっとこれ情報が不確かですが、臭素酸っていうパンをおいしく するものがあるんですが、ある大手の会社が、私どもは0.1ppbですね、あるいは 0.01、ちょっと、そこどっちか忘れましたが。これまでやって出ないんですよとい うその納得のさせ方をする。確かに、それは科学者にはいいんですが、でもそれちょっ とおかしいんじゃないのかと思ってるんです。なぜかというと私が知ってる中でダイオ キシンとかアフラトキシンのB1というのは非常に怖い物質だと思っておりますが、輸 入食品なんかでアフラトキシンが今非常に問題になっております。一生懸命検疫所やっ てるはずです。それの確認限度が10ppbですよね。そんな怖いものは10ppbで 規制値をしてるのに、何で0.1まで大丈夫ですよと説得する必要があるのか。非常に そういうように何か全体のバランスを失った議論がまかり通ってるような気がしてるん です。ですから毒性学の関係の先生方やっぱりそういう摂取量とのバランスをよく考え た上で発言をしていただきたいなと、私の八つ当たりを言い出すと1時間では終わりま せんのでこのぐらいにしておきます。 ○コーディネーター  どうもありがとうございました。今は民間という気楽な立場で おっしゃったということでございますけど。パネルの方ばかりでやっててもなんですか ら、このあたりでフロアの方からもご意見ちょうだいしたいと思います。  まず、今食品添加物の話を議論してございますが、一つルールをつくりたいと思いま す。それでまず発言を希望される方はぜひ挙手をお願いしたいということ、それから、 もし、挙手が上がりましたら、私の方で指でささせていただきますので、まあ、それを 受けて発言いただきたいと思います。たくさんいらっしゃってますので、できるだけ簡 潔に具体的に申しますと1回の発言を2分以内にお願いしたいというふうに考えてござ います。1分半、1分30秒経過いたしますとベルを1度鳴らします。2分経過で2度 ということでございますので、その時点で次の方にお譲りいただきたいというふうに思 います。  それでは、これからパネルの方を終わりまして、フロアからの発言いただきたいと思 います。どなたかいかがでございましょうか。どうぞ。差し支えなければお名前あるい はご所属についておっしゃっていただければと思います。 ○参加者1  安全食品連絡会の山中と申します。今、添加物協会の方がすべての添加 物は全部安全性を確認されてると言われましたけど、アスパルテームについて私たちが 勉強しましたら、アメリカの3社がメーカーが依頼した研究者の実験は安全で、それ以 外のところは危険だと言ってるので、安全だと言ってる方だけを認めて、安全というこ とにしてることに非常に疑問を持っています。それから添加物はやっぱり一日にアベさん という元添加物の会社におられた方のお話だと、もう一括表示がありますので、サンド イッチでも20種類くらい入ってるとかなんとか、それ以外の相乗毒性について、どう なるかということ。  それから、アスパルテームに戻りますけれど、アスパルテームにはアミノ酸のフェニ ルアラニン、アスパラギン酸が含まれてて、元東京都消費者センターにおられた増尾清 さんの本によりますと、アスパルテームは血中フェニルアラニンの分解性が悪く、特に 胎児の血中では高濃度になる不安があるので、妊婦は避けた方がよいと書いておられま す。EU議会の方も妊婦と乳幼児は避けた方がよいと言ってます。そういう妊娠中にと ると生まれてくる子供の知能指数が10.5ポイント下がるということを言ってますの で、その辺のことはやっぱりもうちょっと動物実験では難しいと思うのでそういうふう なことを教えてください。 ○コーディネーター  はい、ありがとうございました。大きく分けてアスパルテーム についての評価、特にフェニルアラニンに関して1点、もう1点は相乗毒性、このあた りについては棚元先生それとも加藤さんあるいは西島先生どなたか、では、まず加藤さ んの方から。 ○加藤課長補佐  まず、アスパルテームの最初にご質問のあった安全性の評価につい てということで、まずアメリカもEUも日本も同じなんですけれども、安全かどうかと いう評価をするには、まず人では実験できませんので動物での試験をやる。その場合、 動物で試験をやるのは、開発した企業がやる場合と、公的機関、大学とか国がやる場合 とかいろいろあります。その結果を最終的に評価する際にはアメリカもEU、日本も試 験をやった人だけではなくて、例えば、日本であれば食品安全委員会のような、いわゆ る専門の方が評価するという形で、そのデータを評価するという手順をとっております。 昨年ですけれどもアスパルテームについて、イタリアで発がん性試験が実施され、その 結果をアメリカ、日本でも評価されておりますけども、一応、発がん性は問題はないと いうふうな評価が出ております。  あと、相乗毒性につきましては、よく消費者の方から厚生労働省の方にも質問がよく 来ます。私ども答えさせていただいておりますのは、まず、個々の添加物について安全 性を確認させていただいております。安全性に問題ないものを使用していいよという形 にしております。個々の添加物はどれくらい摂取しているかということは先ほど西島先 生、棚元先生の話ありましたように、ADIよりもはるかに少ない量でございますので、 基本的にはお互いが悪さをして、責任が強まるというような可能性は非常に少ないとい うお答えをさせていただいております。相乗毒性を示すようなデータも今のところ私ど もとしては把握してないというふうに答えております。 ○コーディネーター  補足して、どうぞ。 ○西島教授  今、お答えになかった一括表示の件なんですが、アベ何とかさんという人 ですね。たまたま私が食品衛生学会それから食品化学学会の両方の会長をしておるんで すが、そういう学問の場では全然だれも知らない人なんですね。どっかのおじさんが結 構好き勝手なこと書いてるなって私は思ってるぐらいで、これも民間になったから言え ることなんですが、非常に不快感を持っております。要するに化学的なデータがなく、 何でも書くということ。話が違いますが、ごめんなさい。一括表示なんですが、これは ご存じのように一括表示になっているのは、いろんなものをまぜて使うのが一括表示で すので、あれを箱に書くとしたら、かなり大きな箱に入れないと書ききれないですね。  もう一つ、私は表示というものをとても大事、消費者がそこしか頼るところがないと いうのは百も承知なんですが、例えばソルビン酸保存料と書いてあると、選別の仕方と して消費者は使ってるからやめようという選別する人もいると思うんですね。でも、そ うでなくても、あれが使ってることもわかっても、だから何だろうと言われるとわから ないって毒性学者が言っているんです。すごい有名な毒性学者に先生表示見ますかって 言ったら、今みたいなこと言うんですね。使っているのはわかってるんだけど、何だろ うね。という会話をしている。確かに表示というのはそういう一面がありますね。でも、 どういうのを使ってるというのは正確にあらわさなきゃいけないんですが、一括表示と いうのはそういうことなので、恐らく個々に書けと言ったら絶対書ききれないと思うん ですね。ですから、こんな小さな飴でも一々こんなパンフレットをつけて売るというこ とは現実的ではないので、それに一括表示の中身を見ても私はあれはあれでいいんじゃ ないかなというように感じてますね。ちょっと無理だし、余り意味がないのかという気 がしております。 ○コーディネーター  はい。そのほか補足がございましたら。 ○参加者1  妊婦と乳幼児の。 ○コーディネーター  そうですね。1つお答えがなかった話なんですけれども、フェ ニルアラニンの話が出てましたけど、もし情報お持ちでしたら。 ○加藤課長補佐  アスパルテームは、フェニルアラニンがアミノ酸からできておりま す。  それで、今、ご質問については、フェニルケトン尿症の方がアスパルテームをとるこ とは当然科学的にはいいことではないということがわかっておりますので、表示上アス パルテームを使った食品の場合には、フェニルアラニンという物質が入っているという ことを表示するという形で情報を提供するという形にしております。ご指摘の毒性の詳 細については、確認をしないとのデータの細かい発言について少し、きょう、今この場 ではちょっと正確な回答ができないのでご容赦願いたいと思っております。 ○西島教授  よろしいですか。フェニルアラニンが悪いというのは今あったフェニル ケトン尿症のことなんでしょうか。 ○参加者1  ケトン尿症の方と、それからその片方の因子を持っている保因者。保因 者が100人から150人ぐらいいるというデータ。フェニルケトン尿症は7万から8 万とか厚生省の資料とインターネットに載ってるんです。だから、大阪の小児保健セン ターの方では保因者同士の結婚も避けた方がいいというふうなことを本に書いてらっし ゃるのを読んでるんですけど。それと先ほどおっしゃった天然のアミノ酸と合成のアミ ノ酸は違って、合成の場合は、天然の場合はフェニルアラニンが入るのをほかのアミノ 酸が妨害するけれど、フェニルアラニンのは単体の場合はすぐに脳へ入ってしまうとい うふうなことを書いてあるアメリカの報告書があるんです。 ○西島教授  フェニルケトン尿症というのは確かにその人たちがこれを飲むとかなり 衝撃的な症状が出ると思いますね。ですが、赤ちゃんが生まれて退院するときに全部全 員がそれ調べてるので… ○参加者1  全員ではないですね。 ○西島教授  そうですか。ほとんど医者がフェニルケトン尿症だから、気をつけてく ださいという、ですから表示があるわけですね。もしそういう人が何千人かいるから食 べちゃいけないよという、そういう理論に立つと、ご存じのようにアレルギーの問題に なるとですね、卵を禁止しろ、牛乳を禁止しろというのと同じような発想になってしま うし、ですから表示が非常に大事だと思うんですね。ですから、そういう疑いのある人 は表示を見て避けるということにしないと、ある一部の人がそういう症状が出るから禁 止すると言ったら本当に食べるものがなくなるんじゃないかな。で、私は自己弁護する んですが、何でも怖い危ないという話をすると、正義科学者と見られるんですね。私み たいに大丈夫だよと言うといいかげんな学者だと見られるの百も承知でちょっとお答え しております。以上です。 ○コーディネーター  ほかの方もいらっしゃいますので、この話はここまでにしたい と思います。ほかにもご質問の手が挙がっていますので、ちょっとストップしてくださ い。 ○参加者2  先ほど相乗毒素の話があったんで、一つコメントさせていただきたいん ですけども、科学者の中村幹雄といいます。元添加物関係の仕事をしていました。化学 物質につきましては相乗毒素があるという話がよく出るので、これは名古屋市立大学元 学長の伊東信行先生、がん学会の会頭をなさった方ですけれども、農薬を使った相乗毒 性の研究をされてまして、相乗毒性はないという結論に達せられております。ご参考に していただきましたら幸いです。 ○コーディネーター  それでは、ほかの方まだ手が上がってございましたけど、はい。 どうぞ。そちらの方。 ○参加者3  安全食品連絡会の嶋村と申します。先ほどの質問にちょっと続いてなん ですけど、アスパルテームに関することなんですけど、パルスイート、商品名なんです けど、この中にはエリスリトールが98.98%、アスパルテームが0.58%、アセ スルファームが0.25%というふうな原材料名になっておりますけど、0.58%ア スパルテームを入れることによって、どういうふうな役割ということになるんでしょう か。アスパルテームについていろいろ勉強しておりまして、不安も持っておりますので、 これぐらいだったら入れなくてもいいんじゃないかというふうに思います。  それと、一日摂取許容量の話をしていただきました。この決定する説明もしていただ きました。これはこの中で使用基準のないもの。例えば、pH調整剤のようなものなん かはどういうふうに、使用基準のないものは許容量の決定する場合はどのようにされる のでしょうか。あわせてお聞きします。 ○コーディネーター  まずアスパルテームの関係ですから、そうですね、高野さんの 方から。 ○高野氏  業界にいる人間としてお答えということで、必ずしもこのパルスイートで すか。これのフォーミュレーションきちんと知ってるわけではございません。ただ、そ れを前提にお聞きいただきたいのでありますが、フェニルアラニンとアスパラギン酸の ジペプチドをこれが普通の状態で200倍、砂糖1グラムと比べますと、200倍の甘 さの、したがった0.05グラムで1グラムの砂糖と同じ強さの甘さを持っております。 パルスイートというのは、だからちょっと使う食品によって多分違うと思うんですが、 大体目安としてはそんなもんだと思います。  したがって、甘味料ですから甘味料としてお使いいただくためにはアスパルテーム原 末でやりますと、耳かきよりもっと小さいものでやってもかなり甘くなってしまうわけ でございます。したがって、消費者の皆さんがお使いになりやすいように、ただ小さじ 1杯の砂糖と同じようにするよりは、もうちょっと少なくなるという意味で0.85グ ラムですか、%ですか、なってるんじゃないかと思います、私は。だから砂糖1グラム の甘さが0.05グラムなんです。だから砂糖3グラム使う人であれば、0.15グラ ムのアスパルテーム原末になるんですね。0.15グラムなんてはかれませんよね、自 分の目では。したがってふやしてあるんだろうと思います。したがって0.85グラム のアスパルテームが入ってないと、パルスイートの商品としては成り立たないわけです。 甘さを維持するためにあるわけで、甘さの本体がアスパルテームです。何かご質問あり ましょうか。 ○コーディネーター  もう一つご質問ございましたので、使用基準のないもの、許容 量ということでございましたけども。加藤さんか棚元先生か。 ○加藤課長補佐  まず使用基準につきまして、添加物の場合使用基準を決める際のポ イントとして、ある添加物がいろんな食品に使われまして、結局最終的に食品の中に、 口の中に入りますので、それがADIを超えないことを目標にしております。 例えばpH調整剤とかそういうものを使えば、味が変わるとかいろんな食品の方にもそ れなりの影響がありますので、目的とする効果には多量に使わなくても十分、発揮でき るというような形があります。そういうような場合つまりADIに対して実際に使われ る量が十分小さいというふうに判断される場合は使用基準というものを明確に上限を決 めたりはしておりません。 ○棚元部長  追加でちょっと補足させていただきます。一つは今おっしゃったように、 先ほど私も説明しましたが、使用基準のもとになるADIというのがありますね。一日 これだけ以上とってはいけないという数量があるわけですね。このADI自体が設定さ れない場合もあるんです。それは毒性が非常に弱い場合で、添加物というのは少量しか とりませんから、ADIを決める必要がないというものもありまして、JECFAとい うのをご存じかしれませんがWHO、FAOの合同の添加物の専門委員会、国際的な機 関です。ここでもADIというものは設定しなくてもいいというものもいっぱいあるわ けです。ですからそういう場合には当然使用基準ということも考える必要がありません。  それからもう一つ補足としてはpH調整剤みたいなものがありますね。こういったも のは特に製造の過程で使われることが多いのですが、それらは食品になるときには最終 的に残ってこないということになるわけです。そのようなものにあえて使用基準をつく る必要がないという考え方も出てくると思います。そういう意味で使用基準のないもの というのはごらんになっていただければわかりますようにたくさんあります。 ○参加者3  すいません、先ほどアスパルテームのちょっと続き、飛ばして質問を… ○コーディネーター  もし、ほかにご質問がなければアスパルテームの話にもう一度 戻しましょうか。 ○参加者3  お答えをいただいて、完全にいただいてなかったので。 ○コーディネーター  それでは、もう一度具体的に答えをいただいてないとおっしゃ る部分について簡潔におっしゃってください。 ○参加者3  今、アスパルテームの0.58%こんなに少なくてもという役割は説明 していただきましたけど、これだけ少ない量でもアスパルテームを全体、今はアスパル テームをつくったものでも、お料理に加熱しても大丈夫というふうに言われております けど、このアスパルテーム自体はこれは熱に弱く、やはりこれを熱を加えると甘みもな くなりジケトピペラジンですか。それが発生するというふうに、有害物質と聞いており ます。そのようなものだと思っておりますので、そういったものをあえて0.58%で も入れるということはエリスリトール、アセスルファームこれらの相乗効果何かがある んでしょうか。 ○コーディネーター  どなたかお答えいただけますか。 ○高野氏  先ほどの私が申し上げたので1つ間違いがありました。200倍ですね。 1グラムの200分の1は0.005でしたね。でした、それは間違いであります。  それから、今の加熱によって味が変わるというよりは多分非常に生体成分に近いアミ ノ酸が2つくっついたペプタイドなんですね。これは体の中でもお料理中でも熱がかか ったり、水の存在の中で熱が加わったりしたら、ぺプタイド切れるとかですね。そうい うことは幾らでもありますので、それで味が変わるというのは残念ながらありますね。 これは調味料としては、甘味料としては欠点だとは思いますが、そういうもので、ただ 安全性に関してはあらゆる調理だとか、あらゆる食品中での保存も含めて、安全性の評 価というのをかなり長いことかけて、データとして揃えて、それをアメリカのFDAで すとか、日本の厚生労働省が認めて添加物として認可しているわけであります。おっし ゃるような調理中に分解したものが毒素を発生するとか、それは単純なデマだというふ うに思ってよろしいと思います。 ○コーディネーター  補足ありますか。 ○加藤課長補佐  ありません。 ○コーディネーター  まだまだご意見がありそうですけど、それではもう一方だけお 願いしましょうか。そちらの女性の方にお願いします。 ○参加者4  大阪府の食品安全推進課の服部と申します。私は事務職でたまたま、そ ういう分野に半年ほど前に来たものですから、いわゆる食品衛生監視員というような意 味での専門家ではないので、質問の趣旨はどちらかといえば消費者サイドの立場からの 質問になるかと思います。添加物につきましては食感をよくするとか、色をきれいにす るとか、あるいは保存性をよくするとかそれぞれ目的に応じて使われているかと思うん ですね。それでその目的はやっぱり同じ値段で同じものを買うときに、見たらばきれい であったり、食感がいい方が食欲が進むという部分もあるし、また保存料なんかでいう と、保存料は入っていて公衆衛生上危険が少ないという方がいいという考え方も成り立 つと思うんですけれども、片一方で見た目がいいというのはひょっとしたらだまされて いるんではないかという感じも持たないわけではないし、また、一方で特に最近は保存 技術とか非常によくなってきてますから、同じパッケージをしてあるソーセージである とか、ハムとかですね。片一方は保存料が入っていて、片一方が入ってなくて、消費期 限が余り変わらないというようなものを見ると、やはり使用目的と使用程度というのが 適切なのかどうなのかということについては、非常に疑問を感じるんですけれども、大 ざっぱな質問ですけれども、いかがなものでしょうか。 ○コーディネーター  どうもありがとうございます。今のご質問については高野さん が一番よろしいかと思いますが。 ○高野氏  必要のないものはお使いいただかなくてよろしいと僕は思います。例えば、 私、横浜に住んでおりまして、近くに大きなスーパーがありまして、そこには対面で漬 物を売るおじさんがいるんですね。そのおじさんは大きな声でこれは化学調味料を使っ てないからおいしいよと、この漬物はおいしいよと大きな声で言うんですね。僕は私の 仕事柄これは許せませんので、いや、調味料というのはおいしくするためにあるんです と、おいしくするため使っていただきたいんです。おいしくならないと思ったら使わな いでいただきたい。それでいいんじゃないでしょうか、とこう言ってます。  それから保存料なんかについても、新しい殺菌法、例えば放射性殺菌というのは日本 で認められれば、かなりの部分いらなくなるんじゃないかと私思っております。だから 包装技術ですとか、殺菌技術とか新しい技術の発展に伴って、いらなくなる保存料って あり得ると思っています。  そういうことなんじゃないでしょうか。例えば飾りかまぼこの色つけが、やっぱり天 然色素にしたらうまくいかないよというのがあっても、それはよろしいんじゃないでし ょうかと私思ってます。ただ先ほど例に挙げられました同じ包装のソーセージで片方は 保存料使ってあって、片方が使ってない。で賞味期限一緒だと、これどういうことなん だということに関してはおっしゃるように、ハットリさんのおっしゃるように製品の製造技 術といいましょうか、衛生管理技術といいましょうか、大変よくなっておりますから、 保存料を使わないでも、ある一定の賞味期限をキープすることできてる、そういう技術 があることは確かだと思っております。  ただ、そこで起きてくる食中毒の危険に比べて、食品添加物の危険というのは非常に 微々たるものだということもご理解いただきたい、こう思うのであります。  先生方ちょっと。 ○西島教授  その点でちょっと確かにつかなくていいものはいいんですが、ただ、そ こで起こってくるのは消費者の自己責任なんですね。幾らパッケージが進んでも流通技 術が進んでも消費者の手に持つまでのパッケージ開けるまでの期間ですね。ですので、 開けた後ですね、消費者が全部それを消費するとか、冷蔵庫に必ず入れるとか、みんな が自己責任を持ってやるということがやはり必要になってくると思います。本当に包装 技術も進みましたので開けるまではその責任ということで理解しているんですが、いか がでしょうか。 ○高野氏  おっしゃるとおりです。 ○コーディネーター  どうぞ。 ○井波氏  済みません。いいですか。私たちも消費者の方といろんなお話をするとき に消費期限、賞味期限というのは本当に基本的なものなので、それは保存方法とセット になって、それが守られているんであって、その開封後また違うというのはそこのあた りはよく勉強しているつもりです。 ○コーディネーター  どうもありがとうございました。  まだ次の大事なテーマがありますので、一応食品添加物についてはここまでにしたい と思います。消費者の方々皆さん本当に一生懸命勉強をしてらっしゃいますので、私ど ももやはりきちんとした情報提供をする重要性が確認できたんではないかというふうに 思っております。  それでは次の輸入食品関係のテーマについてお願いします。 (拍手) ○コーディネーター  テーマが変わりましたので、若干パネリストに変化がございま す。高野先生それから西島先生、棚元先生については一応食品添加物が終わったという ことで退場いただいたわけでございますけど、新たに味の素の品質保証部の部長さんの 方から天明さん。 ○天明氏  天明でございます。どうぞよろしくお願いします。 ○コーディネーター  それから厚生労働省関係は今度は蟹江さん。 ○蟹江専門官  蟹江でございます。 ○コーディネーター  それから農林水産省の食品安全局の動物衛生課から沖田課長さ ん。 ○沖田課長補佐  沖田です。よろしくお願いします。 ○コーディネーター  それでは続き議事を進めてまいります。  輸入食品と、それから最初に説明があったもので米国産牛肉への対応状況、この2つ のテーマがあるわけでございますけども、分けてやると時間がかかりますので、まとめ て行いたいと思います。  初めに、最初の部分でご説明がなかった方から、若干もしコメント等ございましたら 順次ご発言いただきたいと思いますけれども、まず天明さんの方からいかがでございま しょうか。 ○天明氏  味の素の品質保証部というところにおります天明と申します。  きょうは食品を輸入し加工している食品メーカーの立場でちょっと参加させていただ いております。やはり、特に輸入食品、特に原料とか、製品もありますけれども、原料 の輸入食品を安全に安全性を確保していくということと、やはり国で決められたものを 遵法性を確保していくということが食品メーカーに課せられた大前提ということで、今、 日夜その食品の原料とか、そういうものの安全性、遵法性を確保しながらやっていくと いうことでございます。  一番最近の、やはり一番メーカーとして大事に思っておりますのは、やはり先ほどご 説明がありましたけども、ポジティブリストへの対応ということで去年の5月の29日 施行ということでございましたので、それに向けて、やはりいかに管理された、管理と 許可された、いろんな原料を購入していくかということと、やはり自社で確認のための 分析を自社でやっていくということでの準備ということを、ここ二、三年かけてやって きて順調に今のところ輸入食品の特に原料等を確保できてるということでございます。  以上です。 ○コーディネーター  はい、ありがとうございました。次に井波さん、この関係でご ざいますか。 ○井波氏  また同じようになってしまうかしれないんですけど、やっぱり原産地表示 というのが値段、価格にも反映してきますので、そこは輸入食品であろうと思うものに ついては目がいきます。  それと、ごまかしと言ったら申しわけないんですけど、ごまかしがあるんではないか と。例えば、いつかは貝を輸入してきて、どっかへまいたら、まいたという表現はいけ ないかもしれないんですけど、そこの表示になっているんじゃないかということ。  それから、情報センターに寄せられたのでお店の看板というか、看板には鶏肉何とか って、見たら地鶏のような地方のが書いてあって、売っている商品には韓国産という表 示があったというそういうのは店と中と違うのだろうかというようなことがありました。  それから、きょうスライドでたくさん見せていただいて、その中に情報公開というの がインターネットっていうのは、ホームページというのが多かったんですけれども、や っぱり私もその貝のことが気になってホームページを見ました。そしたらずっと検査の 結果とかもたくさん出てて確かにわかりましたけれども、一般消費者はホームページ見 るという人は、ほとんど、まあこのごろはいらっしゃるかもしれませんけど、少ないと 思うんですね。ですから、やっぱりその情報の出し方というのはホームページに載せた からそれで情報を公開したということにはしないでいただきたいというふうに思ってお ります。 ○コーディネーター  はい、どうもありがとうございました。先ほどちょっと紹介で 失礼いたしました。田中さんもいらっしゃいます。先ほどご発言いただいた田中さんと 蟹江さんはよろしゅうございますね。沖田さん何かありましたら。 ○沖田課長補佐  それでは今の井波さんの方から少し表示の話についてお話ありまし たんで、我々農林水産省ではJAS方法に基づいて、生産地の表示であるとか、そうい ったものに対応しておりますので、私の方からちょっとご説明させていただきます。  原産地の表示、特に、牛肉、アメリカ産牛肉の話も含めまして、生鮮、今まで売って いる牛肉のみならず、加工品にも原産地の表示を義務づけるべきではないか、あるいは もっと進めるべきではないか、こういうご指摘等をいただいております。これにつきま しては、いろんな原料を牛肉だけではなくて、いろんな原料が外国からやってきている 関係で、加工品については、食品群というか、まとめて輸入される原料について、でき るところから対応していこうというので厚生労働省と農林水産省で食品の加工品の原産 地表示に関する食品の表示に関する共同会議というものがあって、その中で原料につい ての原産地、できるものから対応していきましょうとこういうことで議論をして進めて いるところです。なかなか一括全部ですね、一律ですべてを義務づけるというのは、こ れは技術的にも難しいし、もしやったとしても、非常に高コストなものになってしまう というところもあって、できるところから対応していくということで、手始めに加工度 の低いもの。牛肉については例えば、タレをつけた牛肉とか合びき肉ですね。豚と牛肉、 牛肉の方が多い合いびき肉とか、できるところから順次対応していこうということで、 実はそういった一部の加工度の低い加工食品については、昨年の12月から義務化とい うことになっています。  さらに、高度な加工品についても、これはできるだけ原料の原産地を表示していただ きたいということで、メーカーさんとか業者さんにお願いをしたり、あるいはこんなう まい例ありますよという情報提供なんかもしながら取り組んでいるところです。  それについて、実は先ほどちょっとご批判をいただいてしまって、上でこんなこと言 うのはあれなんですが、農林水産省ウェブサイトの上で情報提供していますが、牛肉と 牛肉加工品に関する表示の調査を昨年行いまして、その調査結果公表をしています。そ の中では生鮮食品については、ほぼ100%。これは99.8となってますけども、ほ ぼ100%原産地が正しく表示されて、加工品、一部義務化された加工品につきまして も、11月の調査で97.3%について、これ抽出して全部を悉皆で調べたわけではな いですが、抽出して調べたところでは97.3%。さらに義務のないものなんですけど も、それにつきましても約2割、19.7%は皆さんの業者さんの皆さんのご協力をい ただいて、表示を何らかの形できちっと表示をしているというような状況になっており ます。こういったことで、我々としても引き続きこういう調査をやって、今こういう状 況にありますというのはできるだけ情報提供を努めていきます。  それから、これは農林水産省としてリダツ法を所管している役所の立場から、もし万一 違反等あった場合には、それには厳正に対処していくというふうに取り組んでいきたい というふうに思っております。 ○コーディネーター  はい、どうもありがとうございました。  パネラーの方で、さらに補足発言がもしなければ、マイクをフロアの方に渡したいと 思うんですけど、よろしいでしょうか。  それではフロアから先ほどと同じルールで発言を求めたい思います。  どうぞ、挙手をお願いいたします。どうぞ。 ○参加者3  先ほども発言させていただきました安全食品連絡会の嶋村と申します。 先ほど沖田様がおっしゃっておりました表示についてですけど、私たちはこの国内で製 造されております牛肉加工品ですね。これが50%以下の原材料については表示が今不 要になってますね。それが例えば合びきミンチなんか牛肉が49%の場合これは表示し なくていいということですから、これはぜひ表示する方向にもっていっていただきたい と思います。  それから加熱調理した場合、した食品や冷凍食品、これも今のとこ表示不要ですね。 ハンバーグやコロッケ、それから肉団子など、どんどんと使用頻度がふえておりますの で、これからぜひそういったものの表示義務づけを早急にお願いしたと思います。  それから、今、31頭のBSEの家畜牛が出ておるとお聞きしました。それについて ですけど、平成15年2月に神奈川県でスクリーニング検査ですね。これで陽性になり ました牛1頭、これはBSE確認検査の結果、陰性と判断するには至らなかったという ままの資料をいただいたそのままなんですけど、これはどういう結果になったんでしょ うか。何か歯切れの悪い状態のままで、これが31頭の中には入ってませんよね。ちょ っとここのところを教えていただきたいと思います。  以上です。 ○コーディネーター  はい。まず、それでは表示の関係で沖田さんお願いいたします。 ○沖田課長補佐  加工品についての義務づけの話ですが、確かにいろいろお話をいた だいているところです。一応、事情としてやっぱりわかっておいていただきたいのは、 こういう加工品については、原料が本当に自分のところですべてを管理して、つくって いる場合には、何とかそういうことも可能なんですけども、例えば中間に入っている方 がいらっしゃるとかですね。そういったことになってきたときに、なかなか技術的に難 しい部分もあるということは、ぜひご理解いただきたいと思います。その上で先ほど申 しました食品の表示に関する共同会議、ここの中で、その消費者に皆さんからのご要望、 それから、今の例えば技術が発達するとか、そういったいろんな状況を踏まえた上で、 どの加工品について原料を、原料の原産地を義務づけていくかということを専門家の皆 さん、消費者の方も当然入っている会議の中で議論をしていきたいというふうに思いま す。 ○コーディネーター  はい。それから平成15年の神奈川の牛の関係。もしわかりま したら。 ○蟹江専門官  まず、現在、日本で31頭のBSE感染牛確認されておりますが、こ の中にはお話のとおり入っておりません。  まず、一次検査ですね。スクリーニング検査で陽性のものにつきましては確認検査と いたしましてウエスタンブロット法、それから免疫組織化学検査の2つの方法を使って、 いずれかが陽性の場合にはBSE感染牛という形で厚生労働省の専門家会議を設けてお りますので、そこで先生方に確定診断をしていただいてます。  今、ご指摘のございました牛につきましてはたしか、今データを持ってませんのでは っきりしたことは言えないものもございますけども、スクリーニング検査で陽性、たし か陽性でもかなりぎりぎりの値で陽性だったと思います。その後、確認検査ウエスタン ブロット法と免疫組織化学検査を実施をしたところ、たしか免疫組織化学検査は陰性で、 ウエスタンブロット法で少し完全な陰性ではなくて、これは黒いバンドが多分画像を見 たことがある方はわかると思いますが、黒いバンドの薄い影が出ておって、これはすべ て公開をしておりますので、厚生労働省のホームページでも写っておりますが、非常に 薄い陰みたいなのが見えてると、通常はそれが真っ黒で出てきて陽性というのが判定で きるので、非常に微妙だったものですから、陽性、陰性ということで判定ができなかっ た事例でございます。その実際に、この牛ぐらいの肉等はすべて陽性と判定とされた場 合と同じように焼却処分当時されておりまして、全く問題は、食肉等で流通を全くして おりませんで、全く処理については問題ないんですが、その材料を用いてマウスを使っ た伝達試験等を動物衛生研究所で行っております。その結果その詳細なデータはまだ報 告はされておりませんけども、今のところその牛を使った伝達試験ですね、伝達がされ たというような報告は先生方からもいただいてないという状況でございます。 ○コーディネーター  はい、どうもありがとうございました。  そのほかの方、挙手をしていただければと思うますが、いかがでございましょうか。 はい、どうぞ。 ○参加者1  安全食品連絡会の山中と申します。ここの資料の5の9ページでご説明 いただきましたら、スイフト社グリーリー工場の調査結果というものが出ていますけれ ど、昨年の11月9日に大阪の消費者団体連絡協議会主催でアメリカでそういう肉を解 体しているところの監視業務をしている人が来られて、大阪でお話しされて、その日、 同じ日に私は神戸では放射線をあてる香辛料に放射線をあてるところの問題点の集会と 重なったんで報告書を読んだんですが、一応米国農務省報告書の概要で原因を書いて、 その後改善措置の内容というのがちゃんと見きわめるんじゃなくて、ただこう改善しま すということだけが書いてあるとかいうふうなことなんで、やっぱりその辺はずっと監 視を続けていただきたいと思うんです。  それとアメリカのそこの肉解体のところでは内部告発をすると殺されるかもわからな いとかね。なんか不穏な状況があるみたいで、やっぱりアメリカ産の牛肉ってそんなに 信用できないんじゃないかなというように思います。  それと、やっぱし輸入段階で放射線が当たったサケ、お魚のサケなんかが違法で見つ かったとかそんな報告がありますけど、その辺のことまた教えてください。 ○コーディネーター 2つあったと思うんですけど、まず米国産のフォローといいます か、監視の話ですね。それについて蟹江さんお願いします。 ○蟹江専門官  冒頭説明もさせていただきましたけども、対日輸出プログラムの遵守 につきましては、まず一つが、日本側がアメリカに行って、現地査察を実施するという ことですね。それと輸入時の検査、これは農林水産省の方の動物検疫所と厚生労働省の 方の検疫所両方が実施するわけですが、こういったことで遵守状況の検証を引き続き行 っていきたいと思っております。  それで、その内部告発等ができないんではないかと、いろいろ信用できないというよ うなお話もございましたけれども、これは通常の食品工場ですね。これは米国でも日本 でもそうですけども、そのと畜場というのは日本ですと都道府県のと畜検査員、これは 獣医師でございますが、と畜検査員が実際にその現場に常駐をして検査を実施する。こ れは国際的にそういう肉の検査というのはそういう体制になっておりまして、それは検 査だけではなくて、その施設内の衛生管理の監督もあわせて行っており、これは日本で もアメリカでも同じ体制をとっておりますので、それプラス定期的な全体の、アメリカ で言えば我々の方も定期的な現地査察を実施していこうということで引き続き取り組ん でまいりたいと思っておりますし、その情報につきましては今回のように整理をして公 開をしていきたいというふうに思っております。 ○コーディネーター  田中さんの方から、サケの話ですか。 ○田中専門官  輸入食品に関していわゆる放射線照射の問題等お話をいただいたと思 いますが、ちょっとサケに関しては具体的な内容を把握しておりませんが、そもそも輸 入食品に関してはそういう放射線照射の問題というのは従前からご質問いただいている ところでございます。日本では当然ジャガイモの芽どめ以外に放射線照射認められてお りませんし、輸入食品でも当然放射線照射による殺菌が行われたものというものは輸入 が認められないというふうになっております。  では、具体的にどう確認するかということなんですが、実際にその放射線照射して、 それが食品に残るかというとこれ残らないんです。ですので、放射線というのは測れな いので実際にやったかどうかというのは測定するための試験法というのが現在まだ研究 段階です、日本においては。ただ諸外国においてはその放射線をおいて殺菌すること自 体が認められているので、実際の海外の食品で照射されているものはあります。  ただ、それと同時に日本では放射線を使えないと、だめだということ自体は日本の輸 入業者の方もよく知っておりますし、海外の日本向けに輸出している海外の諸外国も理 解をしています。ですので、基本的には日本に出す食品が、あえて違う工程を踏んでい るというものが多くあります。ただ中にはやはり理解不足で、過去にそういった放射線 照射をしてましたと言って輸入時に発見されたというものも当然あります。実際には先 ほどちょっとご説明させていただいたんですが、食品を輸入する際には必ずどういう製 造工程でつくられたかと、どういう添加物が使われているか、こういったものはすべて 届け出をしなくてはならないことになってますので、当然、過去に同じような食品で照 射されていた事例があったものとか、もしくは製造工程の中で殺菌工程がありますと、 具体的な内容が殺菌工程の中でなければ、方法を確認して、大体メーカーサイドが書類 を出してきますので、そういった際に放射線であれば、当然管理してますし、別の常熱 殺菌とかされていればそれで問題なく通っていると。ですので、実際には分析ができな いので書類審査中心になってますが、今現段階でその照射されたものが多く入ってきて るかというと、当然業者さんも理解をしているので、各検疫所もかなり指導をしてます し、実際に輸入する前、初めて輸入する食品というのは必ず検疫所の方に相談をしてく ださいと言って、大体トライアルの初回貨物というのは、みんな検疫所に相談に行きま すので、そういった際に細かいことを確認して、実際に結果を見ていただくとわかるん ですけど、輸入の相談の段階で実は日本の基準に合わないといってはじかれている数も 公表しているんですが、違反時に見つけるのと同じぐらいの数見つかってますので、そ ういう意味では今、そういう事前の相談業務というのを無料でやっていること自体が結 構うまく機能しているかなと思いますし、検査で見つけられない以上はそうやって事業 者の方に対してメーカーサイドによく確認をしてくださいというような対応をとってい るのが現状というところになります。 ○コーディネーター  天明さん何か補足がありましたら。事業者の立場で。 ○天明氏  特に事業者ということでは遵法性ということが第一で、やはりそれを確保 するためには食品メーカー自分で輸入するということがある場合は自分で確保していき ますけども、多くは、原材料を輸入するメーカーというのがございますので、そこの輸 入者、輸入するメーカーに対して、やはり安全性とか遵法性を確保していくということ を、やはりそれを求めていくということで安全性の確保及び、やはり原料として使う重 要なものについてはやはり原料メーカーに頼るということだけではなくて、やはり自分 たちの目で特に農薬の使用ですとか、ああいうものについては実際に圃場に行って、実 際の圃場での管理状況を確認して、安全性を確保をちゃんと確認した中で契約をして、 原料メーカーから物を購入するとか、そういう形をとりながら、安全性を確保していっ ているというのが現状でございます。 ○コーディネーター  はい、どうもありがとうございました。今日いろいろな立場の 方がいらっしゃってますけれども、なるだけ多くの方々からご意見ちょうだいしたいと 思います。ご発言ないでしょうか。はい。どうぞ。 ○参加者5 きょうは消費者という立場で参加させていただいて、匿名にさせていただ きたいんですけど、ふだんお酒をつくっている会社にいるんですけれども、まあ、お酒 といってもいろいろ種類あるんですけども、海外に輸出することもありまして、かなり 各国レギュレーションが違いまして、レギュレーション、規定が違いまして、一個一個 原料屋さんとかに調べていただいてるんですけども、非常に困るんですよね。どの国に 輸出したらこの添加物がいけないとか、そういうので、逆に、協和香料加工さんみたい に輸入して売ってしまったものが微量のものが入っていて会社つぶれてしまったとかあ るんですけど、こういうものの国際協調性というんですかね。余計なことをしなくてい いと思うんで、だめなのはだめ、いいものはいいというふうな国際的な協調性というの はどうなのかというのを教えていただきたいなと思います。 ○コーディネーター  はい、わかりました。これはまず田中さんに。 ○田中専門官  そうですね。おっしゃるとおり各国で、まず、添加物の規制、当然基 準値が違うというようなお話。当然その基準を設定する際には、日本人が摂取してる食 品の摂取量というのも考慮しなければならないというところがあります。農薬について もそうですけれども、諸外国と私たちとでは当然食生活が違いますので、各そういった 食品にどういった物質がどれだけ残留しているかと、私たちが年間通じてどれぐらいの 量を摂取しているかというのはマーケティング調査をしています。それも踏まえた上で 基準値というのが設定されますから、必ずしも海外とは一致しないというところがまず 現状ですが、先ほどちょっとご紹介あったようにコーデックスという、JECFAと言 っておりましたけれども、そういった国際的な機関で評価がなされて、基準値がおかれ ている物質というのも結構多いんですね。そういったものは当然積極的に国際的な整合 性を図る上で各国が優先すべき意向だとは思われます。ですので、基準値を置く際にそ ういったものが参考にされているのも事実ですので、全く一致とはいきませんけども、 それが以前にも増して優先されるというのは確かですし、先ほどポジティブリスト制度 のお話が出ましたが。ポジティブリスト制度で、まず、基準を安全性評価を行うには何 十年とかかってしまうんで、まずは基準値を置こうとしたときに、当然採用したのが、 その諸外国での基準値であるとか、コーデックスで決められている基準値を参考にして、 今の農薬とか動物用医薬品の基準もつくられていますから、当然まず国際的整合性を図 れる部分というのは国も積極的に基準をつくっています。ただ基本的には安全性評価と 日本人の摂取量を考えて、そういう基準が設定されますから、完全に一緒になることは ありませんし、また各国も同じです。やはり国際貿易においては少なくとも自国の基準 に合わないのは輸入しないというのは、これは国際ルールとして認められてますので、 ただそれに科学的妥当性がないと、これは日本もWTOに加盟してますので、そういう 国際貿易上の協約で、いわゆる科学的根拠に欠けるとなれば国際的法律で負けて、日本 も基準を変えざるを得ないというような事態もあるとは思います。そういったことは取 り組みの中でなされているというご理解をいただければと思います。 ○コーディネーター  沖田さん、補足がございましたら。 ○沖田課長補佐  特にないです。 ○コーディネーター  よろしいですか。何かございますか。 ○加藤課長補佐  添加物について言いますと、今のお話ですと、輸入される場合と輸 出される場合で違うとは思いますが、まず外国から国内に輸入するときの場合について どういう取り組みをしているかと申し上げますと、アメリカとかEUで実際添加物とし て使われており、また国際的に安全性が評価されているものについては添加物の指定、 いわゆる国内でも認めるとしている手続を進めております。食品を輸出する場合には輸 出する相手側が日本の規制をどう評価をすることですので、これについては外国の方と 話し合いということになるんじゃないかと思います。 ○コーディネーター  そのほか、どうぞ、どうぞ。どんどんご質問あるいはご意見等 ありましたら、この場でおっしゃっていただいたら結構かと思いますけれども。いかが でございましょうか。  それでは、ちょっともう一度パネルの方に移したいと思いますけれども、そうですね、 井波さん何か今まで議論とか聞いていて、私はこう考えますとか何かご意見ございまし たら、何でも結構でございます。 ○井波氏  一つ一つについてはいろいろあると思うんですけれども、要は、私たちは 今は表示というもの、与えられた情報というふうになってますよね。昔、前でしたら製 造年月日とかいうので、私たちのいろんなことも生かして判断するというのが基本でし たけれども、今はほとんどが与えられた情報で、それをどう判断に使っていくかという ことになっていると思うんですけれども、基本は先ほど申しましたけれども、消費者、 私もいろんなことについて勉強します。もちろん中に入っている物質についてもそうで すし、こういうふうにいろんな表示が多くなったということは、自給率が下がって私た ちの生活環境が変わって私たちも変わってきたということで、いや応なしに表示されて いるものを選ばなくてはならなくなってきたわけですよね。遠く回れば。だからそうい う生活を1回私は見直してみようと思ってますし、そういうものについて勉強すること っていうことを消費者としてやりたいと思いますけれども、決められたことを守ってい ただきたいとそれだけです。 ○コーディネーター  どうもありがとうございます。天明さん何かご発言あるかと思 いますけれども。 ○天明氏  決められたことを守るということはですね。食品メーカーとしてやはり本 当に重要なことだと思ってまして、それをやっぱり社員全員に徹底をさせていくという ことをトップから、みずからやっていくということを心がけてイイクカレと思っております。 ○コーディネーター  はい。どうもありがとうございます。  きょうの話をいろいろ私も拝聴させていただいたわけなんですけど、基本的にいかに 情報を正確にわかりやすく伝えるか、おそらくそれに尽きるのかなというふうな気がし たわけでございます。特に私もそうですけれども、すぐインターネットで確かにおっし ゃったように、ホームページで公開してますという話ばかりで、それでそんなのは困り ますというようなご発言があったと思いますけれども、考えてみますと、私は国の立場 なんですけども、実はこうした食品の安全というのはいろんなところで行政機関だけと りましても、いろんなところが関与してます。当然ながら省で言えば厚労省もあります し、農水省もありますし、あるいはそうですね景表法の関係なんかもありますし、それ から、また実際どういう立場で法施行するあるいは行政を行うということで考えますと、 国の立場もありますし、国の一つのブランチである地方の機関もある。それにやはり皆 さん一番身近の地方自治体というものがございます。そうしたところで、さまざま形で 情報というのは提供しなければならないし、それも一方的ではなくて、双方向な形で情 報交換できるということがこれからますます大切になってきます。  さらに言えば、今、私は行政の中の話をしましたけれども、実は食品を製造している 方々もいらっしゃいますし、それを販売している方々もいらっしゃる。もちろん消費者 自身の団体というのもあります。さまざまな形でいろんなところが総合的に連携しなが ら、いかにわかりやすく正確に情報を伝えていくということについて、これから真剣に 議論をしていくということがますます必要になってきたというふうに私は感じたわけで ございます。  まだまだ十分言い足りない、あるいはこうしたことについてもう少し詳しい、議論を したかったというそういうお考えをお持ちの方がたくさんいらっしゃるとは思いますけ ど、一応きょうの予定が4時半まででございますので、ここでリスクコミュニケーショ ンについては閉めたいと思います。  ご協力本当にありがとうございました。 (拍手) ○司会  以上をもちまして、食品に関するリスクコミュニケーションを終了させてい ただきたいと思います。  本日は長時間にわたり、また、貴重なご意見をいただきましてまことにありがとうご ざいました。出口におきましてアンケートの回収を行っておりますのでご協力のほどお 願いいたします。  本日はどうもありがとうございました。 ―了―